不動産投資コラム

オーナーチェンジ物件に自分で住むには?メリット・注意点・4つの手順を完全ガイド

オーナーチェンジ物件に自分で住むには?メリット・注意点・4つの手順を完全ガイド

本記事では、オーナーチェンジ物件に自分で住む際のメリット・デメリット、注意点、具体的なステップをやさしく解説します。購入前に知っておけば、将来的にスムーズに住み替えるための判断材料になります。ぜひ最後までご覧ください。

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※以下の情報は2025年11月時点の情報をもとに、宅地建物取引士の河原田琢人が監修しています。

この記事で分かること

  • オーナーチェンジ物件は「所有者が変わっても賃貸契約はそのまま継続」するため、入居者が住んでいる間は自由に入居できない
  • 自分で住みたい場合は、契約満了や正当事由にもとづく解約申し入れが必要で、法的な手続きを踏む必要がある
  • 入居者が住み続けている間は家賃収入を得られるため、将来の住み替えを見据えながら資産を運用できる

オーナーチェンジ物件に自分で住むことは可能?

そもそもオーナーチェンジ物件とは、すでに入居者が住んでいる状態で売買される不動産のことを指します。
オーナーチェンジ物件は「購入したのに自分で住めない」と誤解されがちです。しかし実際には、自分で住むことも可能です。

ただし、入居者との契約が続いている間は、自由に住み替えができるわけではありません。入居者に退去してもらうには、契約期間の満了や「正当事由」に基づく解約申し入れが必要です。
正当事由とは、オーナー自身が住む必要性や建物の老朽化など、合理的な理由がある場合に限られます。「自分で住みたい」という理由だけでは退去を求めるのは難しいのが現実です。

【ポイント】
● オーナーチェンジ物件の所有権が変わっても、賃貸契約は継続する
● 入居者の居住権が優先される
● 正当事由がない限り、退去を求めるのは困難

オーナーチェンジ物件に自分で住むメリット3選

オーナーチェンジ物件は「投資用」というイメージが強いですが、実は自分で住む目的で購入する人も存在します。ここでは、オーナーチェンジ物件に自分で住む際の主なメリットを3つの視点から紹介します。

1. 相場より安く購入できる可能性がある
2. 賃貸中の収益を得ながら入居準備ができる
3. 管理がしやすく、節税や相続にも有利になることがある

メリット1.相場より安く購入できる可能性がある

オーナーチェンジ物件は、入居者が住んでいるという制約があるため、一般的な中古マンションよりも販売価格が低めに設定される傾向があります。

銀行融資の面では、投資用ローンでの借入が必要となり、住宅ローンに比べて審査が厳しく、融資額が減額される場合があります。そのため、オーナーチェンジ物件は購入のハードルが高く、販売価格も抑えられることが多いのです。
さらに、すぐに住めない分、投資家向けとして早期売却を狙うケースも多く、相場より安く購入できることもあります。

つまり、将来的に自分で住む予定がある人にとっては、費用を抑えて希望エリアの物件を手に入れるチャンスともいえるでしょう。

メリット2.賃貸中の収益を得ながら入居準備ができる

購入後すぐに住めなくても、入居者がいる間は家賃収入を得ることができます。この間にリフォーム計画や引っ越し準備を進められるのが大きな利点です。
家賃収入を住宅ローンの返済や諸費用に充てられるケースもあります。結果的に、入居までの期間を「家計に優しい準備期間」として活用できるのです。

メリット3.管理がしやすく、節税や相続にも有利になることがある

オーナーチェンジ物件は、すでに入居者や管理会社がついているため、購入直後から安定した管理体制を維持できます。所有期間中は、管理委託料などを経費として計上できるほか、建物の減価償却によって節税効果も得られる点が魅力です。

また、相続時には賃貸中であることから「相続税評価額」が下がる傾向があり、資産承継の面でも有利に働くことがあります。

保険の面でも、団体信用生命保険に加入できるため、ご自身に万が一のことがあった際に保険としての効果も期待できます。

投資・節税・相続・保険の4つの観点でメリットを持つのが特徴です。

※税金は複雑な問題もありますので、税務署や税理士など専門家にご相談ください。

オーナーチェンジ物件に自分で住むデメリット3選

オーナーチェンジ物件には多くの利点がある一方で、注意しなければならない点もあります。特に「すぐに住めない」「法律上の制約がある」など、購入後にトラブルになりやすい要素があるため、デメリットを理解したうえで判断することが大切です。ここでは、代表的な3つのデメリットを解説します。

1. すぐに住めない・立ち退きが必要な場合がある
2. リフォームや修繕に制約がある
3. 金融機関の融資条件が厳しくなることもある

デメリット1.すぐに住めない・立ち退きが必要な場合がある

最大のデメリットは、購入しても入居者がいる限り、自分で住むことができない点です。
日本の借地借家法では入居者の権利が強く保護されており、オーナーが「自分で住みたい」という理由だけで退去を求めることはできません。
契約満了まで待つか、正当な理由(正当事由)を示したうえで補償金などを提示し、円満に立ち退いてもらう必要があります

傾向として、ファミリー世帯向けの物件は、単身世帯マンションに比べて入居者が複数名で住んでいる可能性が高いです。子どものいる世帯の物件などであれば、学区の兼ね合いでエリアを簡単には変更できないなどの事情や、交渉相手も複数人になるため、入居者との折り合いがつきづらく、退去交渉が難航する傾向にある点にも注意が必要です。

購入前に、賃貸借契約書を確認してどのような属性の入居者がどれくらいの期間住んでいるのか、過去に家賃の値上げ交渉や立ち退き交渉などをしたことがあるのかについても、確認できる範囲で調査する必要があります。

デメリット2.リフォームや修繕に制約がある

入居者がいる間は室内に入ることができず、リフォームや修繕工事を行うことは基本的にできません。また、購入する際も中の設備やダメージ具合を確認できないことが多く、老朽化が進んでいても退去するまでは内装を変えられないため、購入直後に修繕したい人にとっては不便です。
特に長期契約の入居者がいる場合、専有部分のダメージが大きい可能性があることを事前に理解し、リフォームの費用や期間が長引くことがある点にも注意が必要です。

デメリット3.金融機関の融資条件が厳しくなることもある

オーナーチェンジ物件は「投資用」と見なされるため、住宅ローンではなく金利の高い投資用ローンが適用されることがあります。自己居住を目的としていても、実際にいつ住めるかが不確定なため、金融機関は慎重に審査を行います。また、住宅ローンに比べて勤務先などもより厳しく判断される傾向にもあります。

結果として、金利が上がったり、融資額が下がったり、借入期間が短くなってしまうなど住宅ローンでは想定が難しい内容に直面する可能性があるため、購入前に金融機関へ確認しておくことが大切です。

なお、オーナーチェンジ物件の購入に迷っている方には、下記の記事もおすすめです。購入すべきか迷ったときの判断軸も紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。
関連記事:オーナーチェンジ物件が危険と言われる7つの理由。失敗を防ぐ確認ポイントも紹介

【4ステップ】オーナーチェンジ物件に自分で住むための手順

オーナーチェンジ物件に自分で住むことを見据えて購入する場合は、通常の中古物件とは異なる流れになります。特に「契約内容の確認」や「入居者との対応」は慎重に進めるのが望ましいです。
ここでは、購入検討から入居までの一般的な手順をわかりやすく紹介します。

1. 賃貸契約の内容を確認する
2. 購入時に金融機関へ「自己居住予定」を相談する
3. 入居者が退去したら、物件状態を確認する
4. リフォーム・クリーニングを行い入居する

ステップ1.賃貸契約の内容を確認する

最初に行うべきは、現在の入居者との賃貸契約内容を確認することです。契約が「普通借家契約」なのか「定期借家契約」なのかによって、入居できるタイミングが大きく異なります
特に普通借家契約の場合は、契約期間が終了しても入居者の同意なしに退去を求めることは難しいため、契約更新の有無や満了時期を必ず把握しましょう。

また定期借家契約であった場合、期間満了で契約を解約することは可能ですが、「契約満了日の半年前までに書面にて借主に通知する必要がある」などの文章が契約書に記載されている可能性があります。事前に賃貸借契約書を熟読して、いつまでに退去通知書を借主に提出する必要があるのかを把握しておきましょう。

【確認すべきポイント】
● 契約形態(普通借家契約/定期借家契約)
● 契約期間・更新時期
● 管理会社の有無と連絡経路

ステップ2.購入時に金融機関へ「自己居住予定」を相談する

オーナーチェンジ物件は基本的に投資用として扱われますが、将来的に自分で住む予定がある場合は、その旨を金融機関に伝えておくことが重要です。
一部の金融機関では、入居時期の見込みを提示することで、将来的に住宅ローンへ切り替えられるケースもあります。

【ポイント】
● 「将来的に自己居住予定」と伝えておく
● 投資用ローンの金利や条件を確認する
● 住宅ローンへの切り替えが可能か確認する

ステップ3.入居者が退去したら、物件状態を確認する

入居者が退去したら、すぐに室内の状態を確認します。長期入居の場合、設備や内装の劣化が進んでいることもあるため、早めの点検と修繕が必要です
また、リフォームを予定している場合は、費用と期間をあらかじめ見積もり、入居時期を調整しておきましょう。

【チェックリスト】
● 壁紙・床・水回りの劣化状況
● 設備(給湯器・エアコンなど)の稼働確認
● 管理会社立ち会いの退去確認を実施

ステップ4.リフォーム・クリーニングを行い入居する

室内の修繕やクリーニングを終えたら、ようやく入居可能となります。
投資用物件として設計された間取りや設備を「自分仕様」に変更することで、快適な住環境を整えられるでしょう。
また、管理会社との契約をそのまま継続することで、共用部分の管理や修繕対応をスムーズに行えます

注意点としては、クロスの貼り替え、床の張り替えなどのリフォームを行う際は事前に管理組合への届け出をする必要があることが挙げられます。「リフォーム開始予定日の1ヵ月前までに提出する」といった規約が多いため、リフォームの計画を練るのと並行して、管理組合に対して「いつまでに」「どの程度のリフォームをする場合に」届け出が必要なのかを確認しておきましょう。

オーナーチェンジ物件に自分で住む際の注意点

オーナーチェンジ物件に自分で住む場合は、購入後のトラブルを避けるために、法律や契約の制約、そしてローン・税金の扱いをしっかり理解しておくことが重要です。
ここでは、購入前後で特に注意しておきたい2つのポイントを紹介します。

1. 入居者の権利と契約内容を正確に把握する
2. ローン・税制面の扱いに注意する

一部、これまでの内容と重複する点もありますが、大事なポイントですのでしっかり押さえておきましょう。

1.入居者の権利と契約内容を正確に把握する

オーナーチェンジ物件では、購入しても入居者の賃貸契約がそのまま引き継がれます。つまり、「所有者が変わっても契約条件は変わらない」 というのが原則です。
借地借家法によって入居者の居住権が保護されているため、「自分で住みたい」と思っても、退去交渉をすることは可能であるものの、契約期間中はより交渉の難度が上がります。

特に注意したいのは下記の点です。

● 契約形態(普通借家契約/定期借家契約)を確認する
● 契約期間・更新時期・退去予定の有無を把握する
● 管理会社を通じて入居者とのトラブル防止策を講じる

購入前にこれらを確認しておくことで、想定外の「入居までの待ち期間」や「立ち退き交渉の手間」を減らせます。

2.ローン・税制面の扱いに注意する

オーナーチェンジ物件を購入する際、多くの金融機関は「投資用不動産」として審査を行います。自己居住を前提にしていても、入居時期が不明確な場合は住宅ローンの適用が難しいことがあります。そのため、将来的に自分で住む予定がある場合は、購入前に金融機関へ必ず相談しておきましょう。

また、税制面でも注意が必要です。購入時点では「投資用」とみなされるため、住宅ローン控除の対象外になります。ただし、入居後に条件を満たせば控除を受けられるケースもあるため、税理士や金融機関に事前確認をしておくと安心です。

リスクを知って、オーナーチェンジ物件を賢く選ぼう

オーナーチェンジ物件は、投資目的だけでなく「将来自分で住みたい」という理由で購入を検討する人も少なくありません。しかし、入居者がいる間はすぐに住めず、退去交渉や契約解除には法律上の制約がともないます。
一方で、相場より安く購入できたり、固定資産税の軽減につながるなどのメリットもあります。
大切なのは、「いつから住めるか」「どの程度のコストがかかるか」を事前に確認しておくことです。購入前に不動産会社や管理会社へ相談し、物件の状況を正確に把握しておきましょう。適切な準備をすれば、トラブルを避けて理想の住まいを手に入れることができます。

なお、ノムコム・プロを運営する野村不動産ソリューションズでは、投資用物件のご紹介をはじめ、資金調達や税務のご相談など不動産の購入または売却に幅広く対応しております。
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よくある質問

Q:オーナーチェンジ物件を購入したら、すぐに自分で住めますか?

A:いいえ、すぐには住めません。入居者との賃貸契約は所有者が変わっても継続されるため、入居者が退去しない限り住むことはできません。退去には契約満了や「正当事由」に基づく解約の申し入れが必要です。

Q:オーナーチェンジ物件を購入して自分で住む場合、住宅ローンは使えますか?

A:原則として、入居者が住んでいる間は「投資用物件」として扱われるため、住宅ローンは利用できません。金利や借入期間、融資額なども住宅ローンよりは厳しく審査される傾向にある点に注意が必要です。
また、将来自分で住む予定がある場合は、購入前に金融機関へ事前相談するのが安心です。

Q:オーナーチェンジ物件を購入する前に確認しておくべきことはありますか?

A:入居者の契約内容(契約期間・更新履歴・家賃・退去予定)を必ず確認しましょう。長期入居者がいる場合は退去まで時間がかかることがあります。物件の管理状況や修繕履歴もチェックし、将来住む際にトラブルがないか事前に把握しておくことが大切です。

河原田 琢人宅地建物取引士

新卒で大手上場不動産会社にて勤務。主に契約履行業務に携わり、不動産における税務、法務に精通。その後、投資用物件の出口に特化したベンチャー企業へ転職。転職初年度から取り扱い件数1位を獲得。入社2年で最年少キャリアへ。

法務、および売却の実務に精通していることから、特にサブリース物件の出口戦略においては顧客のみならず、同業者からの相談をも解決している。
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