不動産投資を検討する際に、金利が気になる方は多いのではないでしょうか。不動産投資ローンの金利は、実は一律ではありません。借入先や個人の属性により、大きく異なります。本記事では不動産投資ローンの金利相場や金利の決まり方、選び方、低金利で借りるためのコツなどを解説します。ぜひ、最後までご覧ください。
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※以下の情報は2025年9月時点の情報をもとに、不動産投資家・2級ファイナンシャル・プランニング技能士の前田裕太が監修しています。
この記事で分かること
- 不動産投資ローンの金利は銀行や信用金庫、ネット銀行などの各金融機関の方針や物件、借主の属性などによって異なる
- 金利タイプには全期間固定金利、期間選択型固定金利、変動金利の3種類があり、それぞれ特徴やメリット・デメリットがある
- 不動産投資ローンを低金利で借りるには、資産価値の高い物件を選ぶ、複数の金融機関で比較する、融資に強い不動産会社を活用するなどのコツがある
目次
【金融機関別】不動産投資ローンの金利相場

不動産投資ローンの金利は、金融機関によって異なります。ここでは、不動産投資ローンを提供する主な7種類の金融機関(都市銀行、地方銀行、信用金庫・信用組合、信託銀行、日本政策金融公庫、ネット銀行、ノンバンク)について、それぞれの一般的な金利水準や審査基準などを解説します。
※2025年9月時点の情報をもとに記載しています。また、実際に提示される金利は情勢や物件の評価、投資家本人の評価により大きく変動するため、あくまで目安としてご確認ください。
借入先 | 金利相場の目安 | 審査期間の目安 |
---|---|---|
1.都市銀行 | 約1.0~2.0% | 比較的長期 |
2.地方銀行 | 約1.0~4.0% | 比較的中~長期 |
3.信託銀行 | 約1.9~4.0% | 比較的中期 |
4.信用金庫・信用組合 | 約2.0~4.0% | 比較的中期 |
5.日本政策金融公庫 | 約1.1~2.8% | 比較的中期 |
6.ネット銀行 | 約1.0~4.0% | 比較的短期 |
7.ノンバンク | 約3.0~5.0% | 比較的短期 |
1.都市銀行の金利相場と特徴
都市銀行とは、東京や大阪などの大都市に本店を構え、全国に支店網を広げる大規模な普通銀行のことです。中でも特に規模が大きく、国際的な取引も実施する銀行は「メガバンク」と呼ばれています。
不動産投資ローンにおいては一般的な金利相場が約1.0~2.0%と、相対的に水準が低いのが特徴です。一方で、高額融資が中心となるため、審査は比較的厳格です。年収や資産などの属性に余裕がある方、大型物件や複数物件への投資を検討している方にとっては、魅力的な選択肢の一つといえます。
特徴 | 内容 |
---|---|
金利相場 | 約1.0~2.0% |
融資の特徴 | ● 他の金融機関に比べて金利相場は低め ● 審査期間は長め ● 審査は比較的厳格 ● 高額の融資を対象とするケースが多い |
代表的な金融機関 | 三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行など |
不動産投資ローンの融資審査にかかる年収などについて詳しく知りたい方は、下記の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:不動産投資に必要な年収|年収別の投資スタイルとは?
2.地方銀行の金利相場と特徴
地方銀行とは、一般社団法人全国地方銀行協会の会員で、地域を中心に展開する銀行のことです。地域の経済発展や地域住民・企業との長期的な関係構築を重視しており、地域密着型の金融サービスを提供しています。
不動産投資ローンにおいては一般的な金利相場が約1.0~4.0%と、都市銀行と比較すると、やや水準が高めです。しかし、地域の不動産市況に精通しているため、地域特有の物件価値を適切に評価してくれるという期待があります。都市銀行では融資が難しいと判断された物件でも、地方銀行で融資を受けられる場合があります。
特徴 | 内容 |
---|---|
金利相場 | 約1.0~4.0% |
特徴 | ● 都市銀行と比べると金利相場はやや高め ● 審査期間は中~長期 ● 地域との関係性を重視し、地域の不動産市況に精通 |
代表的な金融機関 | 横浜銀行、静岡銀行、千葉銀行など |
3.信託銀行の金利相場と特徴
信託銀行は、銀行業務に加えて資産管理や運用などを行う「信託業務」を兼営する金融機関のことです。不動産関連業務に豊富な専門知識を持ち、不動産投資や相続などの幅広いサービスを提供しているのが特徴です。
不動産投資ローンにおいては一般的な金利相場が約1.9~4.0%で、都市銀行や地方銀行と比較すると、水準はやや高めです。しかし、不動産投資をはじめとする総合的なコンサルティングサービスが期待できます。
特徴 | 内容 |
---|---|
金利相場 | 約1.9~4.0% |
特徴 | ● 都市銀行や地方銀行と比べると金利相場はやや高め ● 審査期間は比較的中期 ● 不動産投資の専門知識があり、総合的なサービスを提供 |
代表的な金融機関 | みずほ信託銀行、三井住友信託銀行、オリックス銀行など |
4.信用金庫・信用組合の金利相場と特徴
信用金庫と信用組合は、ともに特定の地域に居住・就労する方々の協同組織です。根拠法は異なりますが、主な取引先が中小企業や個人であること、地域社会の利益が優先されることなどの共通点があります。
不動産投資ローンにおいては一般的な金利相場が約2.0~4.0%で、地方銀行と比較すると水準は同等か、やや高めです。しかし、年収が相対的に低い場合や、地域の小規模物件、築年数の経過した物件などでも、比較的相談に応じてもらいやすいのが特徴です。
特徴 | 内容 |
---|---|
金利相場 | 約2.0~4.0% |
特徴 | ● 地方銀行と比べると金利相場は同等か、やや高め ● 審査期間は比較的中期 ● 不利な条件でも比較的相談に応じてもらいやすい |
代表的な金融機関 | 城南信用金庫、京都中央信用金庫、近畿産業信用組合など |
5.日本政策金融公庫の金利相場と特徴
日本政策金融公庫は、国が100%出資する政府系金融機関です。民間の金融機関を補完する役割を担い、中小企業や小規模事業者の資金調達支援を目的としています。「日本公庫(にっぽんこうこ)」「国金(こっきん)」と言われることもあります。
不動産投資ローンにおいては、一般的な金利相場が約1.1~2.8%です。民間の金融機関と比較すると水準は低めですが、返済期間が10〜20年程度と短めのため注意が必要です。また、「不動産投資」の融資を実施していないため、「不動産賃貸事業」として申請しなければなりません。
特徴 | 内容 |
---|---|
金利相場 | 約1.1~2.8% ※時期や制度で変動 |
特徴 | ● 民間の金融機関と比べると金利相場は低め ● 審査期間は比較的中期 ● 返済期間が短め ● 営利目的の投資ではなく、事業としての賃貸経営が対象 |
代表的な金融機関 | 日本政策金融公庫 |
6.ネット銀行の金利相場と特徴
ネット銀行とは、インターネット上の取引を中心とする銀行のことです。実店舗を持たないケースが大半で、手続きのほぼすべてがオンラインで完結するのが特徴です。
不動産投資ローンにおいては一般的な金利相場が約1.0~4.0%と低めな一方で、事務手数料が高いケースもあります。保有期間によっては他の金融機関より総コストが高くなる場合があるため、利用には諸費用を含めた総合的な判断が必要です。
特徴 | 内容 |
---|---|
金利相場 | 約1.0~4.0% |
特徴 | ● 金利相場は低めだが、事務手数料が高めに設定されているケースがある ● 審査期間は比較的短期 ● 審査スピードは速め ● ほぼすべての手続きがオンラインで完結 |
代表的な金融機関 | 楽天銀行、住信SBIネット銀行、auじぶん銀行 など |
7.ノンバンクの金利相場
ノンバンクとは、預金業務を行わず、貸付・融資業務に特化した金融機関のことです。申込者の属性や物件に不利な条件がある場合も、物件の収益性を重視した現実的な審査が期待できます。
不動産投資ローンにおいては一般的な金利相場が約3.0~5.0%と、他の金融機関よりも高めの水準です。金利が高い分、十分な収益性を確保しなければ返済が困難になるリスクがあるため、入念な資金計画が必要です。
特徴 | 内容 |
---|---|
金利相場 | 約3.0~5.0% |
特徴 | ● 金利相場は他の金融機関より高め ● 審査期間は比較的短期 ● 審査スピードは速め ● 不利な条件でも相談に応じてもらいやすい |
代表的な金融機関 | L&Fアセットファイナンス、クレディセゾン、アサックス など |
不動産投資における金利タイプの選び方

不動産投資ローンには、主に「全期間固定金利」「期間選択型固定金利」「変動金利」という3種類の金利タイプがあります。個人や市場の状況・環境、投資戦略などにより最適な選択が異なるため、それぞれの特徴を押さえておきましょう。ここでは、3種類の金利タイプの特徴やメリット・デメリット、どのような方におすすめなのか、一般的な傾向を解説します。
1. 全期間固定金利の特徴とメリット・デメリット
2. 期間選択型固定金利の特徴とメリット・デメリット
3. 変動金利の特徴とメリット・デメリット
1.全期間固定金利の特徴とメリット・デメリット
全期間固定金利は、借入期間中の金利が変動しない金利タイプです。原則として、契約時に決定した金利が完済まで続きます。
メリット | ● 返済額が一定のため、資金計画が立てやすい ● 政策金利が上昇しても、返済額が変わらない ● 返済額が安定しているため、精神的な安心感を得やすい |
---|---|
デメリット | ● 金利が高めに設定される ● 政策金利が低下しても、返済額は下がらない ● 途中で金利タイプを変更しにくい |
◎全期間固定金利に比較的「向いている」とされる方
● 安定した収支計画を重視する方
● 金利が上昇するリスクに不安を感じる方
● 将来の売却を検討する際、政策金利変動の影響を考慮する手間を省略したい方
2.期間選択型固定金利の特徴とメリット・デメリット
期間選択型固定金利は、借入当初の一定期間(2年、3年、5年、10年など)だけを固定金利とする金利タイプです。固定期間の期間終了時にあらためて、変動金利または固定金利を選択します。
メリット | ● 固定期間時は、返済額が変動しない ● 固定期間終了時に、改めて意思決定ができる ● 全期間固定より、初期の金利が低い傾向がある |
---|---|
デメリット | ● 固定期間終了後の金利が不透明 ● 政策金利上昇の局面では、更新時に返済額が増える場合がある ● 定期的に金利タイプ選択の判断が必要となる ● 選択できる金融機関が少ない |
◎期間選択型固定金利に比較的「向いている」とされる方
● 短・中期的な投資戦略で、数年後の売却や借り換えを視野に入れている方
● 金利動向を定期的に見直したい方
● 初期の返済負担を抑えたい方
3.変動金利の特徴とメリット・デメリット
変動金利は、市場の金利動向に応じて適用金利が変動する金利タイプです。金利の見直しサイクルは、金融機関により「半年に1回」「年に2回」などと異なります。
メリット | ● 他の金利タイプより、初期金利が低い傾向がある ● 政策金利低下の局面では、返済負担が軽減される ● 借り換えや繰り上げ返済の自由度が高い |
---|---|
デメリット | ● 政策金利が上昇する局面では、返済負担が増加する ● 将来の返済額が予測しにくい ● 収支計画の見直しが必要になる場合がある |
◎変動金利に比較的「向いている」とされる方
● 金利動向に注意を払い、継続的に確認することに負担を感じにくい方
● 短期間での売却を検討している方
● 金利の上昇リスクを許容できる方
不動産投資ローンの金利を左右する3つの要因

不動産投資ローンの金利を決めるのは、金融機関の金利タイプだけではありません。金融機関が金利を決める際の評価・判断ポイントには、主に「物件」「借主」「市場環境」という3つの要因があります。各要因がどのように影響するかを理解することで、より有利な条件で融資戦略を目指すことができます。
要因1.物件
不動産投資ローンにおいては、担保となる物件そのものが金利を左右する重要な要素となります。金利に影響する評価ポイントとして、主な要素をまとめました。
主な要素 | 内容 |
---|---|
立地 | ● 駅からの距離、周辺環境などの需要 ● 好立地の物件は安定した家賃収入が見込める |
築年数 | ● 築年数が浅い物件は、担保価値が高い ● 築古の物件は修繕リスクなどの懸念がある |
用 途 | ● 住居系のアパートやマンション、オフィスビルなど ● SRC造やRC造、木造などの構造面も影響 |
管 理 | ● 空室率、修繕履歴、収益安定性など ● 管理・管理運営の適切さや健全さも影響 |
不動産投資ローンに関係するアパートやマンション、オフィスビルなどの収益物件について詳しく知りたい方は、次の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:収益物件とは?メリット・デメリットや購入時のポイント、 運用などを解説
要因2.借主の属性
借主自身の返済能力や信用力も、不動産投資ローンの金利を決定するうえでは重要な要因となります。金利に影響する評価ポイントとして、主な要素をまとめました。
主な要素 | 内容 |
---|---|
年 収 | ● 年収が高く安定しているほど有利 ● 年収不足や不安定な場合は、融資不可となるケースもある |
勤務状況 | ● 正社員・非正規などの形態、勤続年数など ● 企業規模や業界の安定性なども影響 |
他債務 | ● 住宅ローン、自動車ローン、カードローンなど ● 他の債務が少ないほど評価されやすい |
自己資金 | ● 物件価格に対する自己資金(頭金)の割合 ● 自己資金が多いと評価されやすい |
信用情報 | ● 過去の返済履歴や自己破産歴など ● 信用情報に傷がないことが重要視される |
不動産投資の自己資金について詳しく知りたい方は、次の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:不動産投資はいくらから?自己資金の目安と少額で始める方法
要因3.市場環境
不動産投資ローンでは物件や借主の属性といった個別の要因以外にも、市場環境のようなマクロ経済の動向が金利に影響を与えます。主な要素をまとめました。
主な要素 | 内容 |
---|---|
日本銀行の金融政策 | ● 政策金利や量的金融緩和政策の動向が直接的に影響 |
景気動向 | ● インフレが続くと、抑制のために中央銀行が金利を引き上げる可能性がある ● 結果的に、不動産投資ローンの金利も上昇する要因となる |
金融機関の資金調達 | ● 金融機関が融資を行うための資金を調達する際のコスト(国債の金利など)の影響 ● そのコスト転嫁で、不動産投資ローンの金利が上昇するケースもある |
不動産投資ローンを低金利で借り入れるコツ6選

不動産投資ローンを少しでも有利な条件で借り入れるためには、計画的な準備と戦略的なアプローチが重要です。ここでは、低金利で融資を受けるためのコツを6つ紹介します。
1. 資産価値の高い物件を選ぶ
2. 個人の属性を整える
3. 複数の金融機関に相談する
4. 借り換えを活用する
5. 事業計画書を作りこむ
6. 不動産会社を活用する
コツ1.資産価値の高い物件を選ぶ
不動産投資ローンを低金利で借り入れるためには、資産価値の高い物件を選択することが重要です。資産価値が高い物件は金融機関にとって担保の価値があり、金利が優遇されやすくなります。「不動産投資ローンの金利を左右する3つの要因」の「要因1.物件」で触れたように複数の視点から総合的な判断で評価されるため、ポイントを押さえておきましょう。
項目 | 内容 |
---|---|
立地 | ● 高需要で空室リスクを低減できるか ● 駅からの距離、生活の利便性、周辺の家賃相場など |
築年数 | ● 建物の耐用年数が長く、資産価値が安定しているか ● 築年数、建物の構造(SRC造・RC造・木造)、過去の修繕履歴など |
管理・修繕 | ● 計画的な管理・修繕がされているか ● 長期修繕計画、修繕積立金の積立状況、管理計画の認定の有無など |
用途・形態 | ● 安定した需要があるか ● 区分か一棟か、住居用か店舗用かなどの物件タイプ |
コツ2.個人の属性を整える
「不動産投資ローンの金利を左右する3つの要因」の「要因2.借主の属性」で触れたように、金利は個人の属性によっても変わります。金融機関は返済能力を多角的に評価するため、計画的に整えておきましょう。
項目 | 内容 |
---|---|
自己資金 | ● 融資額に対する自己資金の割合を上げ、返済能力の高さをアピールする ● 融資額の10〜30%程度の頭金と、別枠で予備費を確保する |
返済比率 | ● 年収に対する年間返済額の割合をできるだけ30%以下に抑える ● 余裕が見えると金利の交渉余地が広がる |
他債務整理 | ● 既存の借入(カードローン、自動車ローンなど)を整理し、できるだけ圧縮や完済をしておく ● 延滞履歴などで信用情報に傷を残さない |
不動産投資ローンの頭金について詳しく知りたい方は、下記の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:頭金ゼロでも買える?不動産投資の資金調達のコツ教えます!
コツ3.複数の金融機関に相談する
金融機関により、不動産投資ローンの審査基準や得意とする融資タイプが異なります。同じ借主や物件であっても、ある銀行で断られた融資が、他の金融機関では承認されるというケースは珍しくありません。金融機関は一つに絞らず複数に相談し、比較検討することが重要です。
不動産投資ローンを提供する金融機関は、主に6種類あります。各金融機関の一般的な特徴や金利水準・審査基準等については、冒頭の「【金融機関別】不動産投資ローンの金利相場」でも説明しました。具体的な内容は都市銀行、地方銀行、信託銀行、信用金庫・信用組合、日本政策金融公庫、ネット銀行、ノンバンクの節を、それぞれご参照ください。
不動産投資に関心があり、融資以外でも信頼できる相談先を探している方は、次の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:不動産投資のおすすめ相談先6選!選び方や相談時に押さえるべきポイントを紹介
コツ4.借り換えを活用する
一度不動産投資において融資を受けた後、他の金融機関と交渉し、より有利な条件で融資を受ける「借り換え」も有効な戦略です。借り換えにより金利を下げることができれば、月々のキャッシュフローも改善できます。
すでに融資を受け不動産も所有している状態であるため、交渉が比較的スムーズに進むケースもあるため、選択肢の一つとして意識しておいて損はありません。
ただし、借り換えには元の金融機関への違約金も含めて費用が発生します。そのため、単純な金利の比較だけではなく、トータルでかかるコストを比較し借り換え実施の是非を判断する必要があります。
コツ5.事業計画書を作りこむ
金融機関は物件の収益性や借り主の信用力に加え、事業計画の妥当性も重視します。事業成功の見通しや緻密で現実的な試算・計画を、しっかりと書面で伝えましょう。金融機関からの信頼を得るためにも、事業計画書は説得力が必要です。
項目 | 内容 |
---|---|
物件の概要 | 物件の所在地、種類、用途などの基本情報を正確に記載する |
収支計画 | 家賃収入や経費、ローン返済額を詳細にシミュレーションし、安定した収益性を示す |
キャッシュフロー | ローン返済後の手元に残る資金(キャッシュフロー)がプラスになることを明確に示す |
リスクの織り込み | 空室や金利上昇などのリスクを想定し、それに対する具体的な対策(手元資金の確保など)を盛り込む |
不動産投資の成功率を上げる秘訣について詳しく知りたい方は、下記の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:不動産投資の成功率を上げる秘訣とは?
キャッシュフローの重要性や計算方法などについて詳しく知りたい方は、下記の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:初心者でもわかる!キャッシュフローの計算と不動産投資で収益を安定させるコツ
コツ6.不動産会社を活用する
不動産会社は単に物件を紹介するだけでなく、その物件に最適な融資先の相談にものってくれる心強い専門家です。スムーズな融資につながるよう、提出書類の準備から対策までをトータルサポートしてくれることも多々あります。不動産会社が有する豊富な知識とネットワークを活用するために、積極的にアドバイスを求めましょう。
項目 | 内容 |
---|---|
提携力 | ● 金融機関によっては、提携している不動産会社を通してのみ申し込み可能な金利枠を有している場合がある ● 金融機関の担当者と直接的なパイプがあり、審査の優先順位が高くなる場合もある |
知見・ノウハウ | ● 最新の金融動向や市場状況を把握している ● 一般的な情報ではなく、実際の融資実行事例に基づく具体的な審査基準を把握している ● 金融機関が重視するポイントを踏まえた事業計画書や必要書類の作成をサポートしてくれる ● 実践的なアドバイスを提供してもらえる |
【金利別】不動産投資ローン返済額シミュレーション

不動産投資ローンの金利の違いは、返済金額の負担に直結します。一つの目安として、シミュレーション結果をご覧ください。長期的な視点では大きな差につながることがわかります。融資戦略の重要性を理解し、自身に合った最適な融資プランを検討するためのヒントとして活用ください。
ケース1.【金利×借入金】不動産投資ローン返済額シミュレーション
返済期間を35年(420回)、返済方法を元利均等返済と仮定したシミュレーションです。結果は実務面での見やすさを考慮して円単位に四捨五入しているため、誤差が生じる可能性があります。参考としてご覧ください。
条件 | 5,000万円 | 1億円 | 1億5,000万円 | 2億円 |
---|---|---|---|---|
1.5% | 153,092円 (64,298,640円) |
306,184円 (128,597,280円) |
459,277円 (192,896,340円) |
612,369円 (257,194,980円) |
2.0% | 165,631円 (69,565,020円) |
331,263円 (139,130,460円) |
496,894円 (208,695,480円) |
662,526円 (278,260,920円) |
2.5% | 178,748円 (75,074,160円) |
357,495円 (150,147,900円) |
536,243円 (225,222,060円) |
714,990円 (300,295,800円) |
3.0% | 192,425円 (80,818,500円) |
384,850円 (161,637,000円) |
577,275円 (242,455,500円) |
769,700円 (323,274,000円) |
3.5% | 206,645円 (86,790,900円) |
413,291円 (173,582,220円) |
619,936円 (260,373,120円) |
826,581円 (347,164,020円) |
4.0% | 221,387円 (92,982,540円) |
442,775円 (185,965,500円) |
664,162円 (278,948,040円) |
885,549円 (371,930,580円) |
4.5% | 236,628円 (99,383,760円) |
473,257円 (198,767,940円) |
709,885円 (298,151,700円) |
946,513円 (397,535,460円) |
5.0% | 252,344円 (105,984,480円) |
504,688円 (211,968,960円) |
757,032円 (317,953,440円) |
1,009,375円 (423,937,500円) |
【注意点】
※諸費用・保証料等は含まれていません
※実際の融資では、審査により金利が決定します
ケース2.【金利×返済期間】不動産投資ローン返済額シミュレーション
借入金を5,000万円、返済方法を元利均等返済と仮定したシミュレーションです。結果は実務面での見やすさを考慮して円単位に四捨五入しているため、誤差が生じる可能性があります。参考としてご覧ください。
条件 | 20年(240回) | 25年(300回) | 30年(360回) | 35年(420回) |
---|---|---|---|---|
1.5% | 241,273円 (57,905,520円) |
199,968円 (59,990,400円) |
172,560円 (62,121,600円) |
153,092円 (64,298,640円) |
2.0% | 252,942円 (60,706,080円) |
211,927円 (63,578,100円) |
184,810円 (66,531,600円) |
165,631円 (69,565,020円) |
2.5% | 264,951円 (63,588,240円) |
224,308円 (67,292,400円) |
197,560円 (71,121,600円) |
178,748円 (75,074,160円) |
3.0% | 277,299円 (66,551,760円) |
237,106円 (71,131,800円) |
210,802円 (75,888,720円) |
192,425円 (80,818,500円) |
3.5% | 289,980円 (69,595,200円) |
250,312円 (75,093,600円) |
224,522円 (80,827,920円) |
206,645円 (86,790,900円) |
4.0% | 302,990円 (72,717,600円) |
263,918円 (79,175,400円) |
238,708円 (85,934,880円) |
221,387円 (92,982,540円) |
4.5% | 316,325円 (75,918,000円) |
277,916円 (83,374,800円) |
253,343円 (91,203,480円) |
236,628円 (99,383,760円) |
5.0% | 329,978円 (79,194,720円) |
292,295円 (87,688,500円) |
268,411円 (96,627,960円) |
252,344円 (105,984,480円) |
条件 | 20年(240回) | 25年(300回) | 30年(360回) | 35年(420回) |
---|---|---|---|---|
1.5% | 482,545円 (115,810,800円) |
399,936円 (119,980,800円) |
345,120円 (124,243,200円) |
306,184円 (128,597,280円) |
2.0% | 505,883円 (121,411,920円) |
423,854円 (127,156,200円) |
369,619円 (133,062,840円) |
331,263円 (139,130,460円) |
2.5% | 529,903円 (127,176,720円) |
448,617円 (134,585,100円) |
395,121円 (142,243,560円) |
357,495円 (150,147,900円) |
3.0% | 554,598円 (133,103,520円) |
474,211円 (142,263,300円) |
421,604円 (151,777,440円) |
384,850円 (161,637,000円) |
3.5% | 579,960円 (139,190,400円) |
500,624円 (150,187,200円) |
449,045円 (161,656,200円) |
413,291円 (173,582,220円) |
4.0% | 605,980円 (145,435,200円) |
527,837円 (158,351,100円) |
477,415円 (171,869,400円) |
442,775円 (185,965,500円) |
4.5% | 632,649円 (151,835,760円) |
555,832円 (166,749,600円) |
506,685円 (182,406,600円) |
473,257円 (198,767,940円) |
5.0% | 659,956円 (158,389,440円) |
584,590円 (175,377,000円) |
536,822円 (193,255,920円) |
504,688円 (211,968,960円) |
条件 | 20年(240回) | 25年(300回) | 30年(360回) | 35年(420回) |
---|---|---|---|---|
1.5% | 723,818円 (173,716,320円) |
599,904円 (179,971,200円) |
517,680円 (186,364,800円) |
459,277円 (192,896,340円) |
2.0% | 758,825円 (182,118,000円) |
635,782円 (190,734,600円) |
554,429円 (199,594,440円) |
496,894円 (208,695,480円) |
2.5% | 794,854円 (190,764,960円) |
672,925円 (201,877,500円) |
592,681円 (213,365,160円) |
536,243円 (225,222,060円) |
3.0% | 831,896円 (199,655,040円) |
711,317円 (213,395,100円) |
632,406円 (227,666,160円) |
577,275円 (242,455,500円) |
3.5% | 869,940円 (208,785,600円) |
750,935円 (225,280,500円) |
673,567円 (242,484,120円) |
619,936円 (260,373,120円) |
4.0% | 908,970円 (218,152,800円) |
791,755円 (237,526,500円) |
716,123円 (257,804,280円) |
664,162円 (278,948,040円) |
4.5% | 948,974円 (227,753,760円) |
833,749円 (250,124,700円) |
760,028円 (273,610,080円) |
709,885円 (298,151,700円) |
5.0% | 989,934円 (237,584,160円) |
876,885円 (263,065,500円) |
805,232円 (289,883,520円) |
757,032円 (317,953,440円) |
条件 | 20年(240回) | 25年(300回) | 30年(360回) | 35年(420回) |
---|---|---|---|---|
1.5% | 965,091円 (231,621,840円) |
799,873円 (239,961,900円) |
690,240円 (248,486,400円) |
612,369円 (257,194,980円) |
2.0% | 1,011,767円 (242,824,080円) |
847,709円 (254,312,700円) |
739,239円 (266,126,040円) |
662,526円 (278,260,920円) |
2.5% | 1,059,806円 (254,353,440円) |
897,233円 (269,169,900円) |
790,242円 (284,487,120円) |
714,990円 (300,295,800円) |
3.0% | 1,109,195円 (266,206,800円) |
948,423円 (284,526,900円) |
843,208円 (303,554,880円) |
769,700円 (323,274,000円) |
3.5% | 1,159,919円 (278,380,560円) |
1,001,247円 (300,374,100円) |
898,089円 (323,312,040円) |
826,581円 (347,164,020円) |
4.0% | 1,211,961円 (290,870,640円) |
1,055,674円 (316,702,200円) |
954,831円 (343,739,160円) |
885,549円 (371,930,580円) |
4.5% | 1,265,299円 (303,671,760円) |
1,111,665円 (333,499,500円) |
1,013,371円 (364,813,560円) |
946,513円 (397,535,460円) |
5.0% | 1,319,911円 (316,778,640円) |
1,169,180円 (350,754,000円) |
1,073,643円 (386,511,480円) |
1,009,375円 (423,937,500円) |
※諸費用・保証料等は含まれていません
※実際の融資では、審査により金利が決定します
不動産会社の豊富な知見とノウハウを活用しよう

不動産投資ローンの金利は市況や金融機関ごとの特徴、物件の条件、借主の属性など、さまざまな要素が複雑に絡み合って決定します。確実な融資や低金利の借り入れを実現するには、緻密な戦略が必要です。まずは物件選びから、豊富な知見とノウハウを蓄積している不動産会社に相談しましょう。実際の不動産投資の現場から、自分に合った適切な戦略をアドバイスしてくれます。
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よくある質問
Q:不動産投資ローンの金利がお得なのは、どの金融機関ですか?
A:一概にはいえません。金利の低さだけを見ると都市銀行が最もお得ですが、審査基準が厳しく、物件の条件的にも融資に該当しないケースがあります。また、低金利でも事務手数料が高い場合は、総額も高額になる傾向があります。お得な条件を確認するには、複数の金融機関や物件を扱っている不動産会社に直接相談することをおすすめします。
Q:固定金利と変動金利のどちらが良いか選べず、困っています。
A:安定した収支計画を重視し、金利上昇のリスクを避けたい方には、固定金利がおすすめです。金利動向に応じてこまめに戦略を管理したい方や短期間で手放すことが前提の方は、変動金利がおすすめです。最初の一定期間だけ固定金利が適用される期間選択型固定金利という選択肢もありますので、ご検討ください。
Q:不動産投資ローンの審査になかなか通りません。どうしたら良いですか。
A:不動産投資ローンの審査になかなか通らない場合、まずは物件の状態、自分自身の属性、事業計画の3点を見直す必要があります。立地条件など変えられない条件もありますが、管理状態を改善する、カードローンなど他の借入を完済するなど、できることから始めましょう。例えば、地方銀行で断られた場合に信用金庫やネット銀行に相談するなど、審査基準の異なる複数の金融機関に打診することをおすすめします。