不動産投資コラム

収益物件とは?種類やメリット・デメリット、利回り相場などを丸ごと解説

収益物件とは?種類やメリット・デメリット、利回り相場などを丸ごと解説

「収益物件」とは「投資用物件」とほぼ同意義の、主に家賃収入や将来的な売却による収益を得る目的で購入・保有する不動産のことです。本記事では、収益物件の定義や種類からメリット・デメリット、利回りの目安、リスク対策などを網羅的に解説します。自分に合った収益物件を選ぶヒントとしてご活用ください。

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※以下の情報は2025年12月時点の情報をもとに、不動産投資家・2級ファイナンシャル・プランニング技能士の前田裕太が監修しています。

この記事で分かること

  • 収益物件とは、家賃収入(インカムゲイン)もしくは売却益(キャピタルゲイン)で収益を得ることを目的に購入・保有する不動産のこと
  • 収益物件の運用には金利上昇、空室・家賃滞納、老朽化などのリスクがあるが、事前に対策を講じることで、ダメージを最小限に抑えられる
  • 収益物件を選ぶには「需要があるエリアや物件を選ぶ」「実質利回りで判断する」「管理状態や修繕履歴を確認する」など5つのポイントがある

目次

収益物件とは?定義や投資物件との違い

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収益物件とは、賃貸による家賃収入や将来的な売却による利益などを得る目的で購入・保有する不動産のことです。最初に「収益」や「収益物件」の基本的な考え方について説明します。

1. 「収益」の考え方と「収益物件」の定義
2. 「収益物件」と「投資物件」の違い
3. 収益物件が売りに出される理由

「収益」の考え方と「収益物件」の定義

「収益」とは、事業活動によって得られる利益です。不動産投資における「収益」には「家賃収入(インカムゲイン)」と「売却益(キャピタルゲイン)」の2種類があります。

◎「家賃収入(インカムゲイン)」と「売却益(キャピタルゲイン)」の違い
項目 家賃収入(インカムゲイン) 売却益(キャピタルゲイン)
定義 不動産を賃貸に出すことで得られる継続的な利益 不動産を売却した際の、購入価格と売却価格の差額による利益
収益の性質 継続的・定期的 単発・一時的
メリット ● 入居者がいる限り、毎月安定した運用収益が得られる
● 収支予測が立てやすい
● 一度に大きな利益を得られる可能性がある
● 売却後は管理の手間がなくなる
デメリット ● 空室リスクがある
● 物件管理の手間やコストがかかる
● 価格下落でキャピタルロス(損失)のリスクがある
● 短期売却は譲渡所得税が高い(5年以内:約39%)
向いている人 ● 長期保有で安定収入を求める人
● 老後の年金代わりにしたい人
● 市況を見極める力がある人
● 短〜中期で利益を確定したい人

このような2つの収益を得るために所有する不動産を、「収益物件」といいます。自分が住むための家が「生活の基盤」であるのに対し、収益物件は「事業として利益を生むための資産」と定義されます。そのため、選ぶ基準も「市場に需要があるか」「どのような形で利益を得るか」という事業的な視点が重視されます。

メリットやデメリットの詳細は、「収益物件を所有するメリット5選・デメリット3選」でも紹介しますので、ぜひご覧ください。
「どのような形で利益を得るか」という具体的な出口戦略について知りたい方は、下記の記事をチェックしてみてください。
関連記事:不動産投資は出口戦略で決まる!目的別「利益最大化のコツ」徹底解説

「収益物件」と「投資物件」の違い

「収益物件」と「投資物件」の言葉の定義に、明確な違いはありません。どちらも収益を得るための不動産であり、金融機関や不動産業界でもほぼ同義語として扱われています。
むしろ、物件の購入において注意しなければならないのは、「収益物件(投資物件)」と「居住用物件」の違いです。収益物件の購入の際に、自分や家族が住むための住宅ローンは使用できません。収益物件の購入には、事業用として審査される「不動産投資ローン」を利用する必要があります。

不動産投資ローンの金利相場や、金利に影響する収益物件のポイントなどについて知りたい方は、下記の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:不動産投資ローンの金利相場は?選び方から低金利で借りるコツまで丸ごと解説

収益物件が売りに出される理由

「収益が得られるのなら、手放さないのでは」「売りに出されているということは、物件の条件が悪いのでは」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。収益物件の売却は、必ずしもネガティブな理由ばかりとは限りません。特に、入居者がいる状態で売買される「オーナーチェンジ物件」においては、オーナーの人生設計や投資戦略の変化が主な要因です。

◎収益があるのにオーナーチェンジする主な理由
より大きな物件への買い替え 不動産投資の規模を拡大する戦略的な売却
ワンルームマンションの売却益を頭金に、一棟アパートや一棟マンションへ買い替えるなど、資産の組み換え
利益の確定(キャピタルゲイン) ● 購入時よりも不動産価格が上昇している局面で、家賃収入よりも売却益を選択する
● 株式投資で株価が上がった時に売却するのと同じ合理性
減価償却期間の終了 ● 建物の減価償却が終わり、節税効果が薄れるタイミングでの売却
● 税務上のメリットがある別の物件への買い替え など
まとまった現金の確保 ● 物件そのものの良し悪しとは無関係の売却
● 相続税の支払い、教育資金 など
その他の理由 ● 相続で物件を取得したが管理しきれない
● 物件管理の手間から解放されたい など

もちろん、すべての物件がポジティブな理由で売りに出されているわけではありません。なかには、「将来的に賃貸需要の低下が想定される」「入居者トラブルがある」「物件に欠陥がある」などの問題を抱えているケースもあります。物件を検討する際は、不動産会社を通じて売却理由を確認しましょう。信頼できる不動産会社は、売却理由や管理状況などを通じて、隠れたリスクを見極めるサポートをしてくれます。手放す理由に納得できるかどうか、専門家の意見を聞きながら慎重に判断することをおすすめします。

オーナーチェンジ物件が売りに出される理由やリスク、見極めのポイントについてより詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
関連記事:オーナーチェンジ物件をなぜ売る?リスクと見極めポイントを徹底解説

収益物件の3つの種類と特徴

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収益物件には、主に「住居系」「オフィス系」「テナント系」の3種類があります。ここでは、それぞれの特徴やメリット・デメリットについて解説します。

◎収益物件早見表※物件一覧は投資用・事業用不動産サイトの「ノムコム・プロ」で取り扱っている物件です。
※事務所や店舗など、一部重複しているケースもありますのでご確認の際はご注意ください。
項目 住居系物件 オフィス系物件 テナント系物件
マンション、アパート、戸建てなど 事務所、ビルなど 店舗、倉庫、駐車場など
特徴 景気に左右されず、比較的安定している 景気に連動する。好況時は強い 立地条件や景気動向、業種トレンドの影響を受けやすい
物件一覧 物件一覧を見る 物件一覧を見る 物件一覧を見る

住居系物件(マンション・アパート・戸建てなど)

住居系の収益物件とは賃借人が居住を目的として借りる物件のことで、マンションやアパート、一戸建てなどが該当します。収益物件全体の中で最も取引数が多く、初心者でも比較的取り組みやすい分野です。

◎主なメリット・デメリット、向いている人
メリット ● 購入価格を抑えやすい物件が多い
● 不景気でも比較的安定した需要がある
● 選択肢が豊富
デメリット ● 爆発的な高利回りを期待しにくい
● 入居者間の生活トラブルが発生するリスクがある
向いている人 ● 不動産投資を初めて行う方
● 本業と両立しながら収入を得たい方

また、一口に「住居系」といっても、建物を一棟丸ごと買うのか、一部屋だけ買うのかなど、投資スタイルによって規模やリスクが異なります

◎住居系物件への不動産投資の種類と特徴
区分投資 ● マンションの一室だけを購入して貸し出すタイプで、比較的少額から始められる
● 管理の手間がかからないケースが多く、流動性も高い
● 空室になると家賃収入がゼロになる

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一棟投資 ● 一棟アパートや一棟マンションなど、土地と建物を丸ごと所有する
● 部屋が複数あるため全体の家賃収入が大きく、資産価値が高い
● 購入価格が高額になるため、融資のハードルが上がる

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戸建て投資 ● 一戸建て住宅を購入して貸し出すタイプで、ファミリー層が主なターゲットとなる
● 入居が長期間になる傾向があるため、家賃収入も安定しやすい
● 屋根や外壁の修繕費が自己負担となり、高額になりやすい
● 空室になると家賃収入がゼロになる

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各物件の特徴や不動産投資のポイントを、下記の関連記事で詳しく解説しています。ぜひ、ご覧ください。
マンション投資の仕組み|賃貸需要を考え、収益を最大化する方法
新築マンション投資の実態!成功例や失敗例、メリット・デメリットを解説
アパート一棟買いで失敗しやすい6つの落とし穴。リスク回避のポイントも紹介

オフィス系物件(事務所・ビルなど)

オフィス系の収益物件とは、企業や団体が事務所として利用する賃貸物件のことです。住居系と比べると取引数は少ないものの、法人契約による長期入居や高い賃料が期待できます。小規模スペースから大型オフィスビルまで規模は幅広く、都心部の駅近物件や企業が集積するビジネス街で高い需要が見込めます。

◎主なメリット・デメリット、向いている人
メリット ● 住居系よりも高い利回りが期待できる
● 入居者が法人であるため、家賃滞納や生活に関する近隣トラブルのリスクが比較的低い
● 契約で内装や原状回復の費用負担を借主側に設定しやすい
デメリット ● 景気の影響をダイレクトに受け、不況時は空室リスクが高まる
● 一度退去すると、次の入居者が決まるまで時間がかかる場合がある(半年以上など)
● 融資の審査基準が住居系よりも厳しくなる傾向がある
向いている人 ● ある程度の投資経験がある方
● 高い利回りを期待したい方

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(一部、事務所と店舗が重複しているケースがあります。ご確認の際はご注意ください。)

テナント系物件(店舗・倉庫・駐車場など)

テナント系の収益物件とは、飲食店や小売店、美容室、倉庫、駐車場など、事業者が商業目的で利用する物件のことです。住居系やオフィス系に比べて立地条件や景気動向による影響を受けやすく、ハイリスク・ハイリターンな上級者向けの分野です。業種によっては特殊な設備(飲食店の厨房設備、美容室のシャンプー台など)を入居者が負担するなど、オーナーの初期投資が抑えられるケースもあります。

◎主なメリット・デメリット、向いている人
メリット ● 収益物件の中で最も高い利回りが期待できる
● 「スケルトン貸し(内装なし)」が基本のため、設備投資や原状回復費用を借主負担に設定しやすい
デメリット ● 景気や業種トレンド、テナントの業績に影響を受けやすい
● 一度退去すると、空室期間が長期化しやすい
● 業種特有のトラブル(騒音や臭い、営業時間、来客マナーなど)が発生した場合、管理面の課題が多い
向いている人 ● 不動産投資の経験が豊富な方(駐車場など、一部は初心者向け)
● 特定の業種に精通していてテナントとの関係構築に自信がある方

また、テナント系も業態により投資スタイルやリスクが異なります。例えば飲食店や美容室など、特殊な設備を使用する業種では、下記のような特徴があります。

スケルトン貸し ● 内装や設備を全て撤去した状態で貸し出す
● 退去時の原状回復(スケルトンに戻す)が借主負担となり、オーナーの負担が少ない
● 借主の初期費用が高額になるため、テナント付けに時間がかかることもある
居抜き貸し ● 前のテナントの内装や厨房設備、什器などをそのまま残した状態で貸し出す
● 借主の初期費用を大幅に抑えられ、早期開業が可能となるため、テナントが付きやすい
● 設備の劣化や故障の責任範囲が曖昧になりやすい
◎テナント系物件の種類と特徴
店舗 ● 飲食店や物販店などに貸し出すタイプで、立地や人通りが重視されやすい
● 内装設備を引き継ぐ「居抜き」か、何もない「スケルトン」かで初期費用が異なる
● 流行の影響を受けやすく、テナントの入れ替わりが激しい傾向がある

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(一部、事務所と店舗が重複しているケースがあります。ご確認の際はご注意ください。)
倉庫 ● ネット通販の普及に伴う需要高で、長期契約になりやすい
● 駅から遠い立地でも、インターチェンジ近くなど車両アクセスが良ければ高い価値が出やすい
● 用途変更が難しく、他の業種への転用がしにくい

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駐車場 ● 建物を建てずに月極駐車場やコインパーキングとして土地を貸し出す
● 初期投資が少なく、建物管理の手間がかからない
● 建物がないため、固定資産税の軽減効果を得にくい

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テナント系物件は消防設備の設置や避難経路の確保、不特定多数の人を収容するための基準など、多くの規制や課題があります。そもそもの物件選定も難しいため、実績のある不動産会社などの専門家へ相談しながら、慎重に進めることをおすすめします。

不動産投資を検討するにあたり、適切な相談相手の選び方について知りたい方は、下記の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:不動産投資のおすすめ相談先6選!選び方や相談時に押さえるべきポイントを紹介

【計算方法つき】収益物件の利回り相場

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収益物件を選ぶ際、「利回り」の確認は欠かせません。利回りとは、投資した金額に対して、どれくらいの収益が得られるかを示す指標です。ここでは利回りの基本や、主な収益物件の利回り相場について解説します。

1. 「表面利回り」と「実質利回り」の違いと計算方法
2. 主な収益物件の利回り相場

「表面利回り」と「実質利回り」の違いと計算方法

利回りには「表面利回り」と「実質利回り」の2種類があります。広告に表示されている利回りは、ほとんどが「表面利回り」に該当します。表面利回りは大まかな収益性を把握するのに役立つ一方で経費を一切考慮していないため、投資判断にそのまま利用するのは危険です。実際に手元に残るお金(キャッシュフロー)を把握するには、必ず「実質利回り」を確認しましょう。実質利回りは、管理費や税金などの運営コストを差し引いた、現実に即した利回りです。表面利回りと実質利回りでは、数値に大きな差が生じます。

◎「表面利回り」と「実質利回り」の違いと計算方法
項目 表面利回り 実質利回り
概 要 経費を含まない、想定上の収益 経費を差し引いた、実質的な収益
わかること 大まかな収益性 実際に手元に残るお金、リアルな収益性
計算式 年間家賃収入÷物件価格×100 (年間家賃ー諸経費)÷(物件価格+購入諸経費)×100
家賃の基準 各部屋の現在の設定家賃 実際の家賃収入
空室の扱い 全室満室と仮定 空室分は除外
よく使われる場面 多数の物件を比較する際の目安
広告、営業資料など
最終的な投資判断
収支シミュレーション

表面利回りと実質利回りの具体的な計算例やリスク、投資判断に活かす方法などは下記の記事で詳しく説明しています。ぜひ、ご覧ください。
関連記事:表面利回りとは?実質利回りとの違いや計算方法をわかりやすく解説

主な収益物件の利回り相場

収益物件の利回りは、物件タイプ、立地、築年数、エリアなどの条件によって異なります。
ここでは、ノムコム・プロが提供する「収益物件一覧」を例に、主な物件タイプ別の表面利回りの相場を一つの目安として紹介します。

◎物件別「表面利回り」の相場※2025年12月時点での市場データに基づく目安です
物件の種類 表面利回り 備考
区分マンション 1.12%~14.02% 立地や築年数により幅が広い
一棟アパート 2.97%~11.82% 地方・築古の物件ほど高利回りになる傾向
一棟マンション 2.12%~21.40% 物件規模や立地条件による変動幅が大きい
戸建て 1.04%~10.00% エリアの需要や人気により二極化
ビル 2.07%~14.60% テナントが入れば収益性は高い
店舗・事務所 1.20%~14.68% 業種や立地により収益性が変動
倉庫 5.80%~7.61% 物件数が限られており、需要も高く、利回りは安定

利回りは、都心や築浅など好条件の物件では低めに、人口減少エリアや駅から遠い物件などでは高めになるのが一般的です。ただし、高利回りな物件が必ずしも良い物件とは限らないので、注意が必要です。高利回りな物件には、見た目だけではわからないリスク要因が隠れている恐れがあります。広告や数値など机上の判断は避け、不動産会社と連携して物件の現地調査や周辺環境のリサーチを入念に行いましょう。

不動産投資における利回りについて詳しく知りたい方は、下記の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:不動産投資における利回りの最低ラインとは?改善する4つのポイントも解説
関連記事:アパート経営で重要な4つの利回りの考え方や計算方法、目安となる相場などを簡単解説

収益物件を所有するメリット5選・デメリット3選

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収益物件の購入を検討する際は、メリットだけではなくデメリットやリスクも正しく理解しておくことが重要です。良い面ばかりに目を向けてしまうと、想定外の負担や失敗、トラブルに巻き込まれる恐れがあります。ここでは、収益物件を所有する5つの具体的なメリットと、事前に知っておくべきデメリットについて解説します。

《メリット・デメリット早見表》
メリット5選 1. 安定した家賃収入を長期的に得られる
2. レバレッジ効果で少額から始められる
3. 節税効果が期待できる
4. 生命保険・年金の代わりになる
5. インフレに強い実物資産になる
デメリット3選 1. 維持管理コストが継続的に発生する
2. 管理や運用に手間がかかる
3. 融資審査が厳しい場合がある

収益物件を所有するメリット5選

ここでは、収益物件を所有するメリットを5つ解説します。

1. 安定した家賃収入を長期的に得られる
2. レバレッジ効果で少額から始められる
3. 節税効果が期待できる
4. 生命保険・年金の代わりになる
5. インフレに強い実物資産になる

メリット1.安定した家賃収入を長期的に得られる

一度入居者が決まれば、毎月安定した家賃収入(インカムゲイン)が得られます。家賃は株式相場のような日々の変動や元本割れの懸念がないため、収益の見通しを立てやすいのが特徴です。特に住居系収益物件は、景気が悪化しても「住む」というニーズは変わらないため、比較的安定した需要と収益が見込めます。

メリット2.レバレッジ効果で少額から始められる

不動産投資は、銀行からの融資を活用して自己資金の何倍もの物件を購入できる「レバレッジ効果」も魅力的です。収益物件が担保価値を持つため金融機関の貸し倒れリスクが軽減され、大きな金額の融資につながりやすくなります。レバレッジを効かせることで、自己資金に対する利回り(ROI)が格段に高くなります。

レバレッジ効果の具体例や活用ポイントについて詳しく知りたい方は、下記の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:不動産投資におけるレバレッジとは?効果・目安・リスクを徹底解説

メリット3.節税効果が期待できる

不動産投資には、さまざまな税制上のメリットもあります。例えば管理委託費や修繕費、固定資産税、減価償却費などは「経費」として計上できます。帳簿上で不動産所得が赤字になった場合、サラリーマンの給与所得などとの「損益通算(利益と損失を相殺)」が可能です。現金を不動産に換えて保有することで、相続税評価額を大幅に下げることができるため、将来的な相続税対策としても有効です。

相続税対策に不動産を活用するポイントについて知りたい方は、下記の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:相続税対策のための不動産活用術│仕組みや具体策、リスクを解説

メリット4.生命保険・年金の代わりになる

不動産投資ローンを組む際は、「団体信用生命保険(団信)」に加入するケースが一般的です。「団体信用生命保険(団信)」はローン契約者に万が一のことがあった場合、借入金が保険金で全額弁済される仕組みです。遺族には無借金の収益物件が残るため、生命保険の代わりとして機能します。また、定年退職後も家賃収入が続くため、公的年金だけでは不安な老後生活を支える「私的年金」としての役割も果たします。

メリット5.インフレに強い実物資産になる

収益物件は形のある「実物資産」のため、インフレの局面では物価の上昇に連動して物件価格や家賃相場も上がる傾向にあります。収益物件の保有は、インフレで現金の価値が目減りしてしまうリスクに効果的な対策です。

収益物件を所有するデメリット3選

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収益物件は安定した家賃収入や節税効果など多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。ここでは、購入前に押さえておきたいデメリットを3つ説明します。

1. 維持管理コストが継続的に発生する
2. 管理や運用に手間がかかる
3. 融資審査が厳しい場合がある

デメリット1.維持管理コストが継続的に発生する

収益物件は、保有している間にもさまざまなコストが発生します。管理会社への委託費や固定資産税、都市計画税、火災保険料など、月単位、もしくは年単位で継続的に発生します。また、建物や設備の経年劣化に伴う定期的なメンテナンスや突発的な修繕費用は、物件の状態により想定以上にかさむ場合があります。
これらの費用を考慮せずに「表面利回り」だけで収支を計算していると、キャッシュフローが悪化する恐れがあります。購入の最終的な判断は、必ず「実質利回り」のシミュレーション結果を活用しましょう。購入後は定期点検を行い、小さな不具合を早期に修理することで大きな修繕費用を防ぐのも有効です。

デメリット2.管理や運用に手間がかかる

収益物件を保有すると家賃回収やクレーム対応、設備トラブルの対処など、さまざまな管理業務が発生します。管理会社に委託すれば手間は軽減できますが、委託費用がかかり、収益を圧迫します。管理会社によっては空室対策が不十分だったり、必要な修繕が放置されていたりするケースもあるため注意が必要です。
信頼できる管理会社を選び、定期的に報告を受けて物件状況を把握しましょう。自主管理する場合は、管理業務のマニュアル化やシステム化で効率化を図るのもおすすめです。

デメリット3.融資審査が厳しい場合がある

自己資金より大きな融資を得られるレバレッジ効果は不動産投資の魅力ですが、誰でも利用できるわけではありません。金融機関は年収や勤務先、勤続年数のような個人属性のみならず、物件の収益性や担保価値を厳しく審査します。金融機関の規定を満たさない場合は「希望額より融資額が低くなる」「借入期間が短くなる」などの不利な条件になるケースも少なくありません。不動産投資ローンの融資基準は、金融機関によって異なります。複数の金融機関に相談し、相性の良い融資を選ぶことが重要です。

金融機関の選び方や低金利で借りるコツを知りたい方は、下記の記事も合わせてご覧ください。
関連記事:不動産投資ローンの金利相場は?選び方から低金利で借りるコツまで丸ごと解説

収益物件の運用で注意すべき6つのリスクと対策

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収益物件には、空室リスク、家賃滞納リスク、災害リスク、金利上昇リスク、入居者トラブルリスクなど、さまざまなリスクが存在します。リスクをすべて回避することは難しくても、事前に対策を講じることでダメージを最小限に抑えることは可能です。収益物件の運用で特に注意すべき6つのリスクと、それぞれの具体的な対策について詳しく解説します。

1. 【経済】景気や金利変動のリスクと対策
2. 【運営】空室や家賃滞納のリスクと対策
3. 【物件】建物の老朽化や修繕のリスクと対策
4. 【環境】周辺環境が変化するリスクと対策
5. 【災害】地震や火災などのリスクと対策
6. 【売却】流動性が低くすぐに現金化できないリスクと対策

注意1.【経済】景気や金利変動のリスクと対策

景気変動や金利の上昇は、収益物件の運用に大きな影響を与えます。特に変動金利でローンを組んでいる場合は注意が必要です。金利の上昇に連動して毎月の返済額も増加し、キャッシュフローの悪化につながります。家賃収入よりもローンの返済額が上回る「逆ザヤ」現象も発生しかねません。金利が1%上昇するだけで総返済額が数百万円単位で増えることもあり、収益性に大きな影響を与えます。

◎主な対策

● 長期的な返済計画が立てやすい固定金利でローンを組む
● 金利上昇を見込んだ収支計画を立てる
● 1つの物件に集中せず、複数物件へ分散投資する

注意2.【運営】空室や家賃滞納のリスクと対策

空室は収益物件の最大のリスクです。入居者が見つからない期間は家賃収入がゼロになりますが、ローン返済、管理費、固定資産税などの支出は発生します。特に人口減少が進む地方エリアや、競合物件が多いエリアでは空室期間が長期化しやすく、収支が赤字になる可能性があります。入居者がいても家賃滞納があれば、収入が途絶えることに変わりはありません。空室や家賃滞納が続くとローン返済が困難になるほかオーナーの持ち出しが発生し、経営破綻の恐れが高まります。

また、空室リスクを回避するのであれば、空室時でも家賃が保証されるサブリース契約をサブリース会社(一般的には管理会社)と締結するのも一つの手段です。

◎主な対策

● 需要の強いエリアを選ぶ
● 客付け力の高い管理会社を選ぶ
● サブリース契約を利用する

注意3.【物件】建物の老朽化や修繕のリスクと対策

建物や設備は経年劣化が避けられません。外壁や屋根の補修、給排水管の交換、共用部分の清掃など、定期的なメンテナンスや維持管理にはコストがかかります。特に築年数が古い物件ほど修繕頻度が高くなり、突発的な故障に対応する出費も発生しがちです。これらの費用を見込んでいないとキャッシュフローが悪化し、収益性が大きく下がるリスクがあります。

◎主な対策

● 購入前に建物の状態を調査し、構造や設備の状態、今後の修繕時期を把握する
● 長期修繕計画を立て、修繕積立金を計画的に準備する
● 定期点検やメンテナンスをこまめに行い、不具合の早期発見・修理に努める

注意4.【環境】周辺環境が変化するリスクと対策

収益物件の価値は、立地や周辺環境に大きく左右されます。購入時は好条件でも、時間の経過とともに物件を取り巻く環境が変化するケースは少なくありません。結果的に家賃を大幅に下げざるを得なくなるばかりか、状況によっては物件を手放すことも想定しておく必要があります。

◎主な変化の例

● エリア内の学校や企業が移転・撤退して需要が極端に減少する
● 駅の反対側で再開発が進み、魅力的な競合物件が急増する
● 事件や事故の多発で周辺の治安が悪化する など

◎主な対策

● 自治体のホームページや都市計画図で、周辺の再開発計画を確認する
● 多様な需要が見込めるエリアを選ぶ
● 周辺環境の悪化が避けられない場合は、早めに売却タイミングを見極める

注意5.【災害】地震や火災などのリスクと対策

日本は地震や台風などの自然災害が多い国です。災害による建物の損傷や倒壊リスクは、決して無視できません。被害の規模によっては高額な修繕費や建て替え費用が発生するだけでなく、入居者が退去して家賃収入が途絶える恐れがあります。保険でカバーできる範囲もありますが、すべての損害を補償できるわけではありません。

◎主な対策

● 購入前に自治体のハザードマップを確認し、災害リスクが高いエリアは避ける
● 1981年6月以降に建築確認を受けた「新耐震基準」の物件を選ぶ
● 火災保険・地震保険は補償内容と保険料のバランスを吟味して加入する

不動産投資のリスクや対策について詳しく知りたい方は、下記の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:不動産投資の7つのリスクと7つの回避術

注意6.【売却】流動性が低くすぐに現金化できないリスクと対策

収益物件は株式や投資信託などと異なり、現金化するまでに時間がかかります(流動性リスク)。売却を決めてから買主が見つかり、契約・決済が完了するまで、半年以上かかるケースも珍しくありません。売り急いだ結果、相場より安く売却せざるを得ないケースもあります。
病気や急にまとまった出費が必要になった場合に備え、生活費の1年分など、ある程度の現金は手元に残しておきましょう。流動性リスクを低減するのであれば、いざというときに少しでも買い手が見つかりやすいよう、需要の高い都心部や駅近エリアの物件を選定するのも効果的です。
また、資産のすべてを不動産に投じるのではなく、病気や急にまとまった出費が必要になった場合に備え、生活費の1年分などは現預金として保有しておくなどのリスクヘッジも重要です。

◎主な対策

● 現金化に時間を要することを逆算した売却戦略を練る
● 買い手が付きやすい需要の高い物件を選定する
● いざという時困らないよう、一定の資産は現預金で持つ

収益物件を選ぶ5つのポイント

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最後に、失敗のリスクを減らし安定した収益を上げるために必要な物件の選び方のポイントを5つ紹介します。

1. 需要があるエリアや物件を選ぶ
2. 実質利回りで判断する
3. 管理状態や修繕履歴を確認する
4. 無理のない資金計画を立てる
5. 信頼できる相談相手を見つける

ポイント1.需要があるエリアや物件を選ぶ

収益物件で重要なのは「入居者が途切れないこと」です。どれほど利回りが高くても、空室が続けば収益は下がるかゼロになります。自分の好みや勘に頼るのではなく、客観的なデータに基づいてニーズが高い物件を選びましょう。

◎ニーズが高い物件の特徴
立地条件 駅近、複数路線が利用できる、生活施設が充実している、人気校区内にある など
居住環境 騒音が少ない、治安が良い、夜道が明るい、眺望が良い など
築年数 築浅、築年数が古くてもリノベーションされている、外観がきれい など
災害耐性 新耐震基準、ハザードマップでリスクが低い、地盤が強固 など
防犯 オートロック、防犯カメラ、管理人常駐または巡回管理 など
設備 インターネット無料(高速Wi-Fi完備)、宅配ボックス、24時間利用のゴミ捨て場 など

ポイント2.実質利回りで判断する

広告に載っている利回りは「表面利回り」であり、経費が考慮されていないケースが大半です。「『表面利回り』と『実質利回り』の違いと計算方法」で説明したように、物件購入時は経費を差し引いた本当の収益性を示す「実質利回り」で判断しましょう。利回りが相場より極端に高い物件は「大規模な修繕が必要」「空室率が高い」など、何らかの問題を抱えている恐れがあります。高利回りの理由に納得できるかどうかが重要です。

ポイント3.管理状態や修繕履歴を確認する

建物の管理状態や修繕履歴は、物件の寿命を左右する重要な要素です。適切な管理で良い状態に保たれた物件は、資産価値の維持につながります。入居者の満足度を高めて退去を防ぎ、長期的な収益の安定が期待できます。管理状態は資料だけで判断せず、実際の物件を見て判断しましょう。実際に物件を訪れることで、管理会社の報告との乖離や評判などの実態をリアルに把握できます。

◎管理状態のチェックポイント
修繕履歴・修繕計画 ● 過去の修繕履歴と現在の状態に妥当性があるか
● 今後の修繕計画が具体的に定められているか
● 今後の修繕計画は現実的な内容か
修繕積立金の積立状況 ● 修繕積立金が十分に積み立てられているか
● 修繕積立金に滞納や不審な出入金がないか
共用部分の状態 ● エントランス、階段、廊下、駐車場などは清潔に保たれているか
● 照明が切れていないか

ポイント4.無理のない資金計画を立てる

「フルローンで買えるから」「節税になるから」など安易に考え、余裕のない収支計画で見切り発車するのは危険です。空室の発生や金利の上昇にも耐えられるよう、リスクを織り込んでシミュレーションを行いましょう。物件価格の3割程度を頭金として準備しつつ、ある程度は手元に現金を残しておくと不安が軽減します。資金計画には余裕を持たせ、毎月のキャッシュフローを重視して黒字経営を目指しましょう。

ポイント5.信頼できる相談相手を見つける

不動産投資は情報収集に始まり、収益物件の選定や購入、融資、購入後の管理など、多岐にわたる専門的な知識が必要です。すべてを独学で進めていくのは困難といわざるを得ません。不動産市場や金融市場、融資など、各分野のプロと連携しましょう。信頼できる専門家は、メリットだけでなくリスクやネガティブな情報も脚色なく提供し、的確なアドバイスをくれます。専門家は強い味方です。少しでも気になることがあれば気軽に相談できるよう、普段からコミュニケーションをとるなど関係性の構築を意識しておきましょう。

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収益物件は、適切に運用していくことで安定した収入や資産形成の実現が期待できる有効な投資手段です。まずは情報収集から始め、自分に合った収益物件を見つけることから始めましょう。

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よくある質問

Q:収益物件に自分で住むことはできますか?

A:はい、可能です。ただし、すでに入居者がいる場合や不動産投資ローンで購入し、残債がある場合は自分で住むことが難しくなります。自分で住む場合は住宅ローンが適用となるため、不動産投資ローンが残ったまま自分で住むと金融機関に対する契約違反となります。一括返済を求められる恐れがあるため、必ず事前に金融機関へ相談しておきましょう。

Q:収益物件に使えるローンは何ですか?

A:「不動産投資ローン」を利用します。居住用の「住宅ローン」と異なり、不動産投資ローンは「事業資金の融資」として扱われます。個人の属性に加えて物件の収益性や担保価値が厳しく審査され、基準を満たさない場合は希望額より融資額が低くなるケースもあります。一方で、自己資金よりも大きい金額の融資がおりる「レバレッジ効果」も期待できるため、複数の金融機関への相談をおすすめします。

Q:初心者が最初に選ぶならどの種類の収益物件がおすすめですか?

A:初心者には一般的に「住居系物件」がおすすめです。なかでも駅近や都心部の区分マンションは景気に左右されにくく、単身者や学生などの需要も比較的安定しているため、初心者に人気があります。

前田 裕太
前田 裕太

前田 裕太企業役員、不動産投資家、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)

上場企業勤務時代にローンを活用して不動産投資を開始。現在は全国に複数の物件を所有する。不動産投資の知識をつけるため、独学で宅建試験に合格。
現在は不動産投資の傍ら、スタートアップ企業の役員として離島振興に従事。不動産の知識・経験や内装事業部とのシナジーも活用し、空き家問題の解決にも取り組んでいる。
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