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プロに聞く!不動産投資コラム 元サラリーマン大家が紹介! 赤井 誠氏(あかい まこと)

第3回 どんな物件を選んで購入すべきなのか(初級編)

2019年03月29日

一口に不動産投資と言っても、戦略的に不動産を購入していこうと考えると、一棟物件なのか区分所有なのか?地方なのか都心なのか?新築なのか中古なのか?木造なのかRC造なのか?など、さまざまな選択肢があり、何から始めたらいいのか悩んでしまいます。今回は特に、物件購入における最初のステップで理解すべきことをお話したいと思います。

まず初めに、それぞれの不動産の持つメリット・デメリットを説明したいと思います。

区分所有 vs 一棟物件

区分所有と一棟物件の大きな差は価格です。区分所有の場合は数百万円から不動産投資を始められるのに対し、一棟物件は少なくとも数千万円~という価格になります。

また、区分所有はマンション全体として管理会社が入っていて、物件の管理・清掃・修繕などをすべてやってもらうことができ、手はかかりませんが、逆に手をかけることもできません。それに対して、一棟物件はすべて自分が手配しなくてはなりません。もちろんすべての作業を管理会社に依頼することもできますが、一部を自分でやることで不動産の勉強になったり、コスト削減などにより収益性を上げたりすることもできます。

地方 vs 都心部

「地方」と「都心部」というとあまりにざっくり分類していますが、東京・大阪・名古屋などの大都市以外でも地方の政令指定都市など「各地域で人口が集中している地域」と「そうでない地域」と考えてください。

地方物件のメリットとしては物件の購入価格が安いこと・利回りが高いことがあげられます。逆にデメリットは空室リスクが高いことがあげられます。
それに対して都心部のメリットは空室リスクが比較的低いこと・部屋が狭くても賃料が高く、修繕費の割合が低く抑えられるというメリットがありますが、デメリットとしては物件価格が高いこと・利回りが低いことがあげられます。

これが全てではありませんが、すなわち、地方と都心部の物件の大きな違いは、リスクを取って大きな収益を得る運営を望むか、少ない収益でもリスクの低い運営を望むかということになります。

新築 vs 中古

新築物件と中古物件の大きな違いは「空室リスク」と「トラブルリスク」の差です。ここでもリスクを取った分だけ収益は上げられる可能性があります。

自分でトラブル対応ができる方、DIYを行うことが好きな方の場合は、中古物件は利益を上げやすいでしょう。それが忙しいからできない、苦手であるという方は、想定以上のトラブルが起きたときに対応できず、思ったほど利益が上がらないという結果になります。そのような方は、頭金を多く入れることで利回りの低さを補い、新築物件を購入することをお勧めします。

また、もうひとつの大きな差は物件価格と融資期間です。中古物件は比較的安く購入できますが、融資期間は新築に比べるとどうしても短くなります。新築物件は20〜30年という長い期間で融資を受けることができます。

木造 vs RC造

日本の銀行は法定耐用年数の残期間を融資期間としているところが多いため、耐用年数が22年である木造の中古物件では、どうしても融資期間を長くすることができません。
RC造は耐用年数が47年のため、築17年でも30年の融資期間を取ることができます。

もちろんすべての金融機関がこの耐用年数でしか融資しないわけではありませんが、都銀や地銀といった大きな銀行はほとんど耐用年数以下の期間しか融資はしません。
信用金庫や信用組合などは耐用年数に限らず融資するところもありますので、長い期間で融資を受けたい方は、そちらを利用することになると思います。

それでは次に、購入するために必要な融資について絶対に理解しておかなくてはならない基本的なことを説明します。

「いい借金」と「悪い借金」の区別をつけましょう

私は不動産投資は融資を利用できることが最大のメリットだと思っています。融資を利用すれば、少ない資金で大きな物件を購入することができるからです。すなわち「レバレッジがかけられる」ということです。

ここで、最初に借金に対する漠然とした恐怖感を拭い去らなければなりません。借金にも種類があることを理解して、融資に対する考え方をしっかり持ちましょう。

例えば、ギャンブルや浪費をするために借金をすることはとても怖いことだと思います。楽しんだ後には、何年もの間、自分自身の稼ぎから借金を返済し続けていかなくてはなりません。借金のある限り、自分の収入が減ってしまうということになります。これが借金が怖いという考えにつながっているのだと思います。

しかしながら、不動産を購入するための借金はこれと同様に考えてはいけません。あくまでも、お金を生み出さない浪費とは違います。購入したアパートやマンションは毎月の家賃という新たな収入を私たちに与えてくれます。そして、その借金の返済はその新たな収入の一部から支払うことができ、さらに借金の返済後に残ったお金を私たちに与えてくれるのです。

収入を何も生まないものを購入する借金と、新たな収入を生むものを購入する借金は全然違うものです。このことをまずきちんと理解しましょう。

融資を継続的に受けるために銀行の不動産評価方法を理解する

融資を受けるときに重要になるのが「銀行がどのようなポイントをみているか」ということです。銀行は物件の価値を評価したうえで、融資可能な金額と期間を決めていきます。そのために銀行の主な評価方法である「積算評価方法」と「収益還元評価方法」の考え方をしっかりと理解しましょう。

積算評価方法を理解する

積算評価はほとんどの銀行が物件の評価に利用しているものです。土地と建物についてそれぞれ計算し、合計します。
土地は、相続税路線価に面積をかけたものです。建物は再調達価格(同様の不動産を再び購入すると仮定した場合に必要な原価)から耐用年数分の償却額(建物の劣化分)を引いて計算したものになります。

土地の相続税路線価は国税庁の路線価図・評価倍率表で知ることができます。(http://www.rosenka.nta.go.jp/


図1.路線価図の説明 国税庁ホームページより
(http://www.rosenka.nta.go.jp/docs/ref_prcf.htm

建物の評価額は銀行によって多少違いますが、再調達価格を「構造別の建築単価」×「面積」で計算します。建築単価はだいたい、木造13~15万円/㎡ 鉄骨造17~19万円/㎡ RC造19~20万円/㎡です。

例えば木造100㎡で築5年の建物ですと、木造の耐用年数は22年ですので、
13万円 × 100 ×(22 - 5)/ 22 = 1,005万円となります。
実際はこれよりも建築費がかかることが多く、銀行の評価方法はかなり厳しいものといえます。

それでは、この積算評価額がどのように使われているかを図2で説明します。
物件1は物件の販売価格に対して、積算評価額が上回っている状態を示したものです。逆に物件2は物件の販売価格に対し、積算評価額が下回っているものです。
ここではわかりやすく単純化して説明するために、物件価格≒融資希望額、積算評価額≒融資可能額とします。


図2.物件価格と積算評価額

物件1を購入する場合は、物件価格(融資希望額)<積算評価額(融資可能額)のため、安全と判断され、融資が実行されます。
一方、物件2を購入する場合は、物件価格(融資希望額)>積算評価額(融資可能額)のため、銀行からは資産より負債の方が大きいため借り過ぎと判断され、不足分を現金で用意するか、もしくは別の担保を提供しないと積算評価額以上の融資を受けることはできません。

さて、ここからは応用です。物件1と2のいずれかを購入した後、もう一方の物件を買い増したい場合、どちらを先に購入すべきでしょうか?

物件1を先に購入すれば、図の斜線部分の資産価値分だけ担保余力が生まれ、物件2を購入するときにその余力分があるため、物件2も購入することができます。

しかし、物件2を先に購入した場合は、銀行の評価が積算評価方法で行われている以上、運よく融資を受けられたとしても返済が進んで借入額が積算評価額を下回らない限り、次の融資を受けることができません。そのため、全額融資を受けて積算評価額以下の建物を購入するか、頭金をいれて積算評価額まで融資を受けるかのどちらかになります。

ただ、これはあくまでも銀行の評価方法であって、積算価値の高いものがいい物件ではないところが難しいところです。
積算評価額が実際の物件価格よりも高い物件というのは地方の広い土地に建つRC造のマンションとなり、都心部の一等地に建つ物件はほとんどの場合は積算評価額より大幅に高い価格になっています。

収益還元評価方法を理解する

収益還元評価方法はその土地・建物が生み出す収益から考える価値です。
こちらも多くの銀行が利用していて、特に都心部などでは積算評価額と実勢の価格が大幅に乖離しているため、実際とかけ離れた評価とならないよう収益還元評価方法が導入されています。

個人的には、国が決めた相続税路線価を利用する積算評価方法より、その土地や建物が生み出す収益から評価する収益還元評価の方が適正な方法だと思っています。

収益還元評価の計算式は
不動産の収益還元価格 =(年収益-経費)÷ 還元利回り
です。
例えば、
  年間の収益 500万円
  年間の経費 100万円
(維持管理費・修繕費・公租公課・損害保険料・空室等損失相当額等)
の物件があるとします。
利回りの期待値を還元利回りとして計算すると、物件の価値がわかるということです。
利回り7%を期待値とすると(500万円-100万円)÷ 0.07 = 5,714万円
利回り8%を期待値とすると(500万円-100万円)÷ 0.08 = 5,000万円
となります。

積算評価方法と収益還元評価方法のどちらを評価基準に使うかは各銀行の考え方次第ですが、積算評価額でのみ評価する銀行と収益還元価格でのみ評価する銀行、それぞれを一定の割合で組み合わせて評価する銀行など、各銀行によって評価方法が違いますので、いくつかの銀行に対して融資依頼をすべきだと思います。

何度も複数の銀行に融資相談を持ち込んだり、銀行員に直接訪ねたりすることで、各銀行の評価方法がわかってくるようになって来ると思います。

勇気を持って未来をつくる

それでは実際にどんな物件を買ったらいいのでしょうか?

どのような物件を選んでもメリットとデメリットが存在します。「こうすればいい」という解答は残念ながらありません。この解答はその人の持つ考え方や資産規模、なりたい姿によって違ってくるものです。現在、多くの不動産投資家で経済的・時間的自由を得て人生を謳歌している人はたくさんいますが、それぞれやってきた手法やいまやっている方法も違います。

ただ一つはっきりしているのは、それぞれの成功者は自分の頭で考え、自分で意思決定して、自分で勇気を持って行動してきたということです。
皆さんも一歩を踏み出してみませんか。未来は自分の力でつくるものだと思います。

 

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