2026年版 不動産査定とは?家の価値・売却価格の調べ方を解説

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「この家は、今いくらくらいで売れるのだろう」・・・売却や相続、住み替えを考え始めると、一番先に頭に浮かぶ方も多いのではないでしょうか。本記事で扱う家の価値は、売却時に見込まれる市場価格のことです。公的な取引価格データで相場の目安を確認すると、仲介会社から提示された金額の妥当性を見極めやすくなります。査定の仕組み、築年数と相場の関係、机上査定と訪問査定の違い、売却相場の調べ方、査定結果の見方や売出価格を考える際のポイントを順に整理します。不動産査定とは、建物や土地の状態、立地、周辺の取引事例などをもとに、売却時の目安となる市場価格を見積もることです。仲介会社に依頼することで見積もりが可能です。

この記事の要点


  • 不動産査定では、建物や土地の状態、立地、周辺の取引事例などをもとに、売却時の目安となる価格を確認できる
  • 相場情報は参考になるものの、実際にいくらで売れそうかを知るには、仲介会社の査定で物件ごとの条件を確認することが重要
  • 机上査定は短期間で目安を把握、訪問査定は現地で確認できる個別条件を査定額に反映しやすい。用途で使い分ける
  • 取引事例比較法や原価法など、物件の種類や条件に応じた方法で価格が算出される
  • 査定額は売却価格ではない。金額の高さより、根拠の説明が明快な会社かどうかを確認する
  • 譲渡所得の長期・短期区分は築年数ではなく所有期間で判定される(国税庁)

目次

1.不動産査定とは?基本を理解しよう

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査定の種類を理解し、目的に合った査定を依頼しましょう。

1-1.不動産査定の目的

自宅がいくらで売れそうかを知りたいとき、多くの人がまず頭に浮かべるのは仲介会社への査定依頼です。査定とは、仲介会社が物件の条件や周辺の取引状況をもとに「今売るとしたらいくらくらいになるか」を見積もることを指します。 査定額はあくまで見積もりであり、実際の成約価格と完全に一致するとは限りません。 売り出してみたら査定額より高く売れることもあれば、内覧の反応が薄く価格を見直すこともあります。査定を受ける目的は「正確な未来の売却価格を知ること」ではなく、「今の自分の家がどのくらいの価値帯にあるのか」をつかみ、売却の計画を立てやすくすることにあります。 相続や住み替えを考え始めた段階では、査定額を見て初めて「想定より市場価値が上がっている」「想定より下がっている」と気づく方も多いようです。査定は、漠然とした不安を具体的な数字に変える最初の一歩です。

1-2.査定の種類と特徴

不動産査定には、大きく「机上査定(簡易査定)」と「訪問査定」の2種類があります。机上査定は、住所や築年数、面積、周辺の取引事例といったデータをもとに算出する方法です。現地を見ないため結果が早く、ネット経由で依頼できるのが特徴で、おおまかな相場をまず知りたい段階では扱いやすい方法です。 一方の訪問査定は、担当者が実際に自宅を訪れ、日当たりや室内の状態、周辺環境まで確認したうえで算出します。机上査定よりも手間はかかりますが、より実態に近い査定額が期待できるのが利点です。戸建てとマンションでは、査定の難しさにも違いがあります。マンションは同じ建物内や近隣で似た条件の取引事例を見つけやすいものの、戸建ては間取りや構造、建物の向きなど一棟ごとの個別性が強く、事例と単純に比較しづらい面があります。同じ広さ・築年数の戸建てでも、査定額に差が出やすいのはこのためです。売却を具体的に検討する場合は、戸建て・マンションともに訪問査定で現地の状態を確認してもらうと、より個別条件を反映した査定額を把握しやすくなります。

1-3.査定を行う前に知っておくべきこと

査定額は、周辺の取引事例などを参考にしながら算出されます。訪問査定では、これに加えて建物や室内の状態、日当たり、リフォーム履歴、土地の条件など、現地で確認できる個別の要素も評価に反映されます。同じ地域・同じ広さの家であっても、リフォームの有無や設備の状態次第で査定額に差が出るということです。 このしくみを踏まえると、相場情報は査定額を理解するための参考になります。ただし、実際の査定額は築年数や日当たり、間取り、リフォーム履歴など物件ごとの条件を加味して算出されるため、相場情報だけで判断するのではなく、仲介会社の査定で個別の評価を確認することが重要です。 次の章では建物の状態や土地の条件が、査定額にどう影響するのかを具体的に見ていきましょう。

2.不動産の価値を決める要素

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家の価値を左右する要素は、戸建てとマンションで異なります。戸建てでは建物の状態と土地の条件を分けて考えることが重要です。一方、マンションでは住戸そのものの条件に加え、建物全体の管理状態なども査定に影響します。また、戸建て・マンションのいずれも、立地や周辺環境、市況などによって評価は変わります。それぞれの特徴を見ていきましょう。

2-1.戸建ての価値を左右する要素

戸建ての価値を考える際は、建物と土地を分けて確認することが重要です。

建物の構造と状態

建物の価値は一般的に築年数の経過に伴って評価が低下しますが、その下がり方は一律ではありません。中古戸建て住宅では、従来、住宅の状態にかかわらず築後20〜25年程度で建物の市場価値をほぼゼロとみなす慣行がありました。一方、現在は築年数だけではなく、住宅の性能や維持管理、リフォームなどの状況を踏まえて評価する考え方が示されています[出典1]。たとえば、基礎・躯体については住宅性能や状態を踏まえて評価し、内外装・設備についても、適切な補修やリフォームによる価値の回復・向上を評価に反映する考え方です[出典1]。 国土交通省の資料でも、インスペクション結果や売主から提供された情報をもとに、基礎・躯体の状態を個別に確認して評価に反映することが示されています。 そのため、同じ築年数でも、耐震性能や断熱性能、修繕・リフォームの履歴、建物の劣化状況などによって査定額に差が出ます。逆に、雨漏りや基礎のひび割れなど劣化が目立つ場合は、評価が下がる要因になります。 査定を依頼する際は、リフォームの履歴や設計図面等の建築時の資料があるか確認しておくと安心です。こうした情報は、築年数だけでは分からない建物の状態や性能を査定に反映する材料になります。 「うちは古いから価値がない」と決めつけず、まずは建物の状態を客観的に振り返ってみてください。

土地の特徴と法令上の制限

建物は築年数の経過によって価値が下がることがありますが、土地には建物のような経年による減価という考え方は基本的にありません。ただし、土地の価格が将来にわたってそのまま維持されるわけではなく、地域の需給や不動産市況、周辺環境の変化などによって上がったり下がったりします。 築年数が経過した戸建てでは、建物の評価が小さくなるにつれて、土地の評価が売却価格に占める割合が大きくなることがあります。そのため、古い戸建ての価値を考える際は、建物の状態だけでなく、土地がどのように評価されるかも重要なポイントです。 とはいえ、土地の価値は面積や形だけで決まりません。同じ広さでも、道路にどう接しているか、方角や形状が整っているかによって評価は変わります。旗竿地や不整形地は、正方形に近い土地と比べて建物の配置や土地利用に制約が生じる場合があり、評価に影響することがあります。意外と見落とされているのが法令上の制限です。用途地域によって建てられる建物の用途が定められ、建ぺい率や容積率によって敷地に建築できる建物の規模が変わります。こうした土地利用上の条件は、建て替えや将来の利用のしやすさに関わるため、土地の評価を考える際の要素の一つです[出典2]。相続や売却を考えているなら、自分の土地がどの用途地域に属し、どんな制限を受けているかを一度確認しておいてください。用途地域や建ぺい率を把握しておくと、査定額が出たときの根拠が理解しやすくなります。

2-2.マンションの価値を左右する要素

マンションでは、専有部分の条件だけでなく、マンション全体の状態や管理状況も価値を左右します。 住戸そのものについては、専有面積や間取り、階数、方角、日当たり、眺望、室内の状態などが査定時の判断材料になります。リフォームや設備交換を行っている場合は、その内容や時期も評価に影響することがあります。 また、マンションならではのポイントが、建物全体の管理状態です。管理規約や長期修繕計画、管理費・修繕積立金の水準、共用部分の維持管理状況なども査定時に確認される要素となります。室内の状態が良好でも、マンション全体の維持管理状況によって評価が変わる場合があります。 さらにマンションは、同じ建物内や近隣に、専有面積や築年数などの条件が近い取引事例を見つけやすいという特徴があります。同じマンション内の類似住戸の成約事例は査定時の重要な参考材料になりますが、階数や方角、眺望、室内状態などによって価格差が生じるため、単純に同じマンションの取引価格だけで判断することはできません。

2-3.立地や周辺環境の影響

不動産の価値は、建物や土地、住戸そのものの条件だけでなく、立地や周辺環境にも左右されます。 駅から近い、買い物施設や学校が徒歩圏にあるといった利便性の高い立地では、購入希望者からの需要が見込まれやすく、プラスに評価される場合があります。反対に、駅から遠くバス利用が前提となるエリアでは、物件そのものの条件が良くても評価が伸びにくい場合があります。 また、周辺の不動産市場の動きも価格に影響します。近隣で大規模なマンションや新築分譲地が供給されると、周辺の中古住宅への需要が変化し、相場に影響することがあります。これは自宅そのものの状態が変わったわけではなく、地域の需給や市場動向による影響です。 査定額が想定と異なる場合は、物件そのものの条件だけでなく、周辺の成約事例や販売状況もあわせて確認するとよいでしょう。自宅と似た立地や広さ、物件種別の不動産がどのように評価されているかを見ることで、査定額の根拠も理解しやすくなります。 築年数の相場感をつかむときは、自宅と似た立地・広さの物件がどう評価されているかをあわせて見てください。実際の相場に近い感覚をつかむための参考になります

3.不動産査定の方法

査定は「机上か訪問か」の選び方と、価格算出の仕組みを知ると納得感が変わります。

3-1.簡易査定と訪問査定の違い

査定には前章でも触れた通り、机上査定(簡易査定)と訪問査定の2種類があります。机上査定は、住所や築年数、間取りといった基本情報と周辺の取引事例をもとに、現地を見ずに価格を出す方法です。ネットで依頼でき、結果は即日から数日で届くことも多いので、まずは大まかな相場を知りたい方に向いています。ただし実際の建物の状態は反映されないため、あくまで目安と考えてください。 一方の訪問査定は、担当者が実際に自宅を見て、日当たりや傷み具合、周辺環境や雰囲気まで確認したうえで算出します。日程調整が必要で結果が出るまで1週間ほどかかることもありますが、実態に近い金額が期待できます。戸建て・マンションともに訪問査定で現地の状態を確認してもらうと、より個別条件を反映した査定額を把握しやすくなります。また、査定時の説明内容や対応を通じて、担当者の説明の丁寧さや相性を見極める機会にもなります。

3-2.価格算出方法:取引事例比較法とは?

取引事例比較法は、対象不動産に条件が近い周辺の取引事例を集め、必要に応じて取引時期や地域、物件ごとの条件の違いを補正・比較しながら価格を算出する方法です[出典3]。 たとえば、同じエリアや近隣で取引された類似物件の価格を参考にしながら、土地の形状や立地、取引時期などの違いを考慮して査定額を算出します。 戸建ての土地やマンションなど、周辺に比較できる取引事例がある場合に活用される考え方です。 自分でおおまかな相場を掴みたい場合も、この考え方が役立ちます。厳密な補正まではできなくても、近い立地・似た広さの売出価格を並べて眺めるだけで、自宅がどのレンジにありそうか見当がつきます。ただし一般的に確認が可能な売出価格と実際の成約価格は別の数字です。

3-3.価格算出方法:原価法と収益還元法の概要

原価法は、対象不動産を現在あらためて取得・建築するとした場合に必要となる再調達原価を求め、そこから築年数や建物の状態などを踏まえて減価修正を行い、価格を算出する方法です[出典3]。 建物や、建物とその敷地の価格を求める際に活用されます。減価を考える際は、築年数だけでなく、建物の設計や設備、維持管理、補修の状況なども考慮されます[出典3]。一方、収益還元法は、その不動産が将来生み出すと見込まれる収益をもとに価格を算出する方法です[出典3]。 賃貸用不動産や事業用不動産の価格を求める際に特に有効とされていますが、自宅などの自用不動産でも、賃貸を想定して適用される場合があります[出典3]。 これらは不動産価格を求める代表的な考え方です。仲介会社が行う価格査定は、不動産鑑定士による鑑定評価とは異なりますが、不動産の価格を求める方法には複数の考え方があり、物件の種類や用途、条件に応じて使い分けられます。

4.不動産査定を依頼する流れ

不動産査定は、物件情報を伝えて査定を依頼し、提示された査定額とその根拠を確認するという流れで進みます。査定額だけを見るのではなく、どのような条件や取引事例をもとに算出されたのかを確認することが大切です。

4-1.仲介会社に査定を依頼する

不動産査定を受けるには、仲介会社へ物件の所在地や築年数、面積、間取りなどの基本情報を伝えて依頼します。まず価格の目安を知りたい場合は机上査定、売却を具体的に検討している場合は訪問査定を利用するなど、目的に応じて査定方法を選びます。 査定を依頼する際は、リフォームや修繕の履歴など、物件の状態を判断するための情報があれば伝えておくとよいでしょう。訪問査定では、室内や建物の状態、日当たり、周辺環境など、データだけでは分からない条件も確認されます。 査定額を確認する際は、提示された金額だけでなく、どのような条件や取引事例をもとに算出されたのかにも目を向けることが大切です。

4-2.査定結果を受け取る

査定が完了すると、仲介会社から査定額が提示されます。机上査定では物件情報や周辺の取引事例などをもとに算出され、訪問査定では現地で確認した建物や室内の状態なども反映されます。 査定額は、あくまで「現時点で売却した場合に、どの程度の価格が見込めるか」を示す目安です。実際にその金額で売却できることを保証するものではありません。 そのため、査定額を受け取ったときは、金額の高低だけで判断せず、その金額になった理由もあわせて確認することが重要です。

4-3.査定結果の根拠を確認する

査定結果を見る際は、周辺のどの取引事例を参考にしたのか、築年数や建物の状態、立地などがどのように評価されたのかを確認しましょう。 同じ物件でも、仲介会社によって参考にする取引事例や評価の仕方が異なるため、査定額に差が出ることがあります。査定額を確認する際は、「なぜこの金額になったのか」を確認することで、自宅のどの条件が評価に影響しているのかを把握しやすくなります。 査定額が高いという理由だけで仲介会社を選ぶのではなく、査定額の根拠を具体的に説明してもらえるかどうかも確認しておきたいポイントです。

5.査定額の見方と売出価格の決め方

査定額は、実際に売り出す価格や最終的に売買が成立する価格と同じではありません。それぞれの違いを理解したうえで、周辺相場や物件の条件、売却の希望などを踏まえて売出価格を検討します。

5-1.査定額・売出価格・成約価格の違い

不動産の売却では、「査定額」「売出価格」「成約価格」という異なる価格があります。 査定額は、仲介会社が物件の条件や周辺の取引事例などをもとに、「この程度の価格で売却できそう」と見込んだ金額です。 売出価格は、実際に物件を市場へ出す際に売主が設定する価格です。査定額を参考にしながら決めますが、必ずしも査定額と同じ金額にする必要はありません。 成約価格は、売主と買主が条件に合意し、実際に売買が成立した価格です。価格交渉などによって、売出価格とは異なる場合があります。 査定額はあくまで売出価格を検討するための材料の一つであり、最終的な売却価格を保証するものではないことを理解しておきましょう。

5-2.査定結果から不動産の評価ポイントを確認する

査定結果を見る際は、提示された査定額だけでなく、どのような点が評価され、その金額につながったのかを確認することが大切です。 たとえば、戸建てでは建物の状態や築年数、土地の形状、接道条件、立地などが査定に影響します。マンションでは、専有面積や階数、方角、眺望、室内の状態に加え、同じ建物内や周辺の取引事例、管理状況なども判断材料になります。 査定結果には、周辺の取引事例や物件ごとの条件を踏まえた評価が反映されています。そのため、「査定額はいくらか」だけを見るのではなく、「どの条件がプラスまたはマイナスに評価されたのか」を確認すると、市場での評価を理解しやすくなります。 こうした査定結果の内容を把握しておくことで、次に売出価格を検討する際にも、査定額をどのように参考にすればよいか判断しやすくなります。

5-3.売出価格は査定額や相場を踏まえて決める

売出価格は、査定額をそのまま採用するのではなく、査定額とその算出根拠、周辺相場、自宅の条件などを踏まえて検討します。また、「できるだけ高く売りたい」「一定の時期までに売却したい」など、売主の希望によっても価格設定の考え方は変わります。相場とかけ離れた高い価格を設定すると購入希望者が集まりにくくなる一方、必要以上に低い価格では、本来見込めた価格より安く売却することにつながる可能性があります。 そのため、売出価格を決める際は、査定額の数字だけを見るのではなく、その根拠や周辺の成約状況について仲介会社から説明を受け、自分の売却方針と照らしあわせて判断することが大切です。

6.不動産査定における注意点とリスク

査定額の高さだけで会社を選ばず、その根拠や説明内容まで確認することが大切です。査定額は仲介会社によって差が出ることがあるため、金額そのものよりも、どのような情報をもとに算出されたのかを見る必要があります。

6-1.高すぎる査定額に注意

査定を受けた際、想定より高い査定額が提示されることがあります。査定額が高いからといって、その価格で売却できるとは限りません。査定額はあくまで売却価格の目安であり、仲介会社ごとに評価方法や重視するポイントが異なります。 高値の査定額をそのまま売出価格にすると、内覧の申し込みが集まらず、売却までに時間がかかることがあります。その結果、後から価格を見直すことになり、当初想定していた売却計画とずれる可能性もあります。戸建てもマンションも同様で、査定額を提示されたら金額だけでなく、周辺の取引事例や築年数・物件状況などの評価根拠など、根拠をきちんと説明できるかを確認してみましょう。説明内容と査定根拠を比較検討することが大切です。

6-2.査定額の根拠を確認する

査定結果を見る際は、提示された金額だけでなく、その査定額がどのような根拠で算出されたのかを確認することが重要です。 たとえば、周辺のどの取引事例を参考にしたのか、築年数や建物の状態、立地、土地の条件などがどのように評価されたのかを確認すると、査定額に対する理解が深まります。マンションの場合は、同じ建物内や近隣の取引事例に加え、階数や方角、眺望、室内の状態、管理状況などがどのように反映されているかも確認するとよいでしょう。 査定額が高いか低いかだけで判断するのではなく、「なぜこの金額になったのか」を確認することで、自宅のどの点が評価されているのか、またどの点が査定額に影響しているのかを把握しやすくなります。 査定結果について分からない点がある場合は、仲介会社に説明を求め、算出根拠を確認したうえで判断することが大切です。

7.納得できる査定を受けるためのポイント

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査定では、物件の基本情報だけでなく、これまでの修繕やリフォーム、設備の状態なども判断材料になります。物件について把握している情報を整理し、正確に伝えることで、個別の条件を査定に反映してもらいやすくなります。

7-1.査定前に役立つ情報を整理する

査定を依頼する前に、物件について分かっている情報を整理しておくと、査定時のやり取りがスムーズになります。 たとえば、リフォームや修繕を行っている場合は、その内容や時期を確認しておくとよいでしょう。戸建てであれば建物や土地に関する資料、マンションであればリフォーム履歴や管理に関する資料などが手元にあれば、査定時の参考になります。 ただし、査定を受けるために多くの書類をあらかじめそろえる必要はありません。手元にある情報の範囲で、物件の状態やこれまでの修繕内容を伝えられるようにしておくことが大切です。

7-2.物件の特徴を伝える

査定時には、担当者が確認できる情報に加えて、実際に住んでいるからこそ分かる物件の特徴があれば伝えておくとよいでしょう。 たとえば、リフォームや設備交換を行った時期、日当たりや眺望、収納や駐車スペースの使い勝手などは、査定時の参考になる場合があります。戸建てであれば耐震・断熱に関する改修、マンションであれば室内のリフォーム状況なども、把握している範囲で伝えましょう。 こうした情報をあらかじめ細かく整理する必要はありません。査定時に担当者から確認された際に、分かる範囲で具体的に伝えることで、物件の状態や特徴をより正確に把握してもらいやすくなります。

7-3.不具合や修繕履歴も正確に伝える

物件の特徴だけでなく、把握している不具合や過去の修繕についても、査定時に正確に伝えることが大切です。 戸建てであれば雨漏りや建物の劣化、設備の不具合など、マンションであれば室内設備の状態や修繕した箇所など、分かっている情報があれば担当者に伝えましょう。 また、過去に不具合があっても、すでに修繕している場合は、その内容や時期もあわせて伝えると、現在の状態を判断する材料になります。 物件の良い点だけでなく、現在の状態をできるだけ正確に伝えることで、個別条件を踏まえた査定につながります。

8.2026年の不動産査定に関する最新情報

不動産の価格は、建物や土地、立地といった物件ごとの条件だけでなく、市場全体の動きにも影響を受けます。近年は住宅価格の上昇傾向が続いていますが、地域や物件種別によって動きには差があります。市場動向は参考情報として捉え、実際の査定額は個別の条件を踏まえて確認することが重要です。

8-1.住宅価格は上昇傾向が続いている

国土交通省が公表する不動産価格指数を見ると、全国の住宅価格は上昇傾向が続いています。 令和7年12月の住宅総合指数は148.0で、前月比0.5%上昇しました。戸建住宅は121.9で前月比1.2%増、マンション(区分所有)は225.1で同1.0%増となっています[出典5]。 前月の令和7年11月も住宅総合指数は前月比0.7%増となっており、直近では住宅価格が緩やかな上昇基調にあることがうかがえます。 また、長期的な推移を見ると、特にマンションの価格指数は大きく上昇しており、戸建てとは価格の動きにも違いがあります。 ただし、不動産価格指数は全国的な市場動向を示すものであり、すべての地域や物件で価格が上がっていることを意味するものではありません。実際の査定額は、立地や建物の状態、土地の条件、地域の需給などによって異なります。 そのため、「住宅価格が上昇しているから自宅も高く売れる」と単純に判断するのではなく、市場全体の動向は参考情報として捉え、自宅の価格は個別の査定で確認することが大切です。

8-2.公開情報は相場を知る参考にする

不動産価格指数や周辺の取引情報など、公開されている情報から、市場全体の動きや相場の目安を知ることができます。 ただし、こうした公開情報だけでは、建物の状態やリフォーム履歴、土地の形状、マンションの階数・方角・室内状態など、個々の物件の条件までは判断できません。 そのため、公開情報は相場を知るための参考として活用し、実際にどの程度の価格で売れそうかは、仲介会社の査定で確認するとよいでしょう。査定では、公開情報だけでは分からない物件ごとの条件も踏まえて査定額が算出されます。

9.まとめ

家の市場価値を把握するには、周辺の取引情報や不動産市場の動向を参考にしながら、物件ごとの条件を踏まえた仲介会社の査定を受けることが重要です。公開情報だけでは、建物の状態や土地の条件、マンションの階数・方角・管理状況など、個別の要素までは反映できません。

査定額が提示されたら、金額の高低だけではなく、どのような取引事例や物件の条件をもとに算出されたのか、その根拠も確認しましょう。査定額は売出価格や成約価格そのものではないため、それぞれの違いを理解したうえで、査定結果や周辺相場、自身の売却方針を踏まえて売出価格を検討することが大切です。

10.よくある質問(FAQ)

不動産の売却相場を自分で調べるには、どんな方法がありますか?

国土交通省の「不動産情報ライブラリ」で実際の取引価格情報を調べる方法 [出典9] と、指定流通機構が運営する「レインズマーケットインフォメーション」で成約価格を調べる方法 [出典10] が基本です。後者は全国の指定流通機構が保有する成約情報を検索できます。ただしプライバシー保護のため該当件数が少ない条件では結果が表示されず、個別物件の特定もできません。あくまで大まかな相場感の把握に使う位置づけになります。

レインズを使えば、自宅近隣の成約事例を直接調べられますか?

レインズは指定流通機構が運営する仲介会社専用の物件情報交換システムで、一般の方はアクセスできません[出典4]。一般の売主が見られるのは「レインズマーケットインフォメーション」や国土交通省の「不動産情報ライブラリ」です[出典9][出典10]。ただし、これらの公開情報だけでは、建物の状態やリフォーム履歴、土地の形状、マンションの階数・方角など、個別の条件までは反映されません。実際に自宅がどの程度の価格で売れそうかを知るには、仲介会社の査定で確認するとよいでしょう。

机上査定と訪問査定は、どちらを選べばよいですか?

目安を早く知りたい段階なら机上査定、売出価格を決める段階なら訪問査定です。机上査定は基本データと過去事例から算出するため手軽ですが大まかな金額にとどまります。訪問査定は日当たり・室内状態・設備まで見て算出するので個別条件を反映しやすいです。特に戸建ては個別性が強く差が出やすいため、売却を具体的に進めるなら訪問査定をおすすめします。

築年数が経つと、家の価値はどのくらい下がるのですか?

建物部分は経年で評価が下がりますが、下がり方は構造・維持管理・修繕履歴で大きく変わり、築年数だけで決まるものではありません。 中古戸建て住宅では、従来、築後20〜25年程度で建物の市場価値をほぼゼロとみなす慣行がありましたが、現在は住宅の性能や維持管理、リフォーム、建物の状態などを踏まえて評価する考え方が示されています[出典1]。 そのため、同じ築年数でも、適切に修繕・維持管理されている住宅と、劣化が進んでいる住宅では査定額が異なる場合があります。土地は建物のように築年数によって価値が下がるものではありませんが、市況や立地、需給などによって価格は変動します。戸建ての価値を考える際は、土地と建物を分けたうえで、個別の状態を確認することが重要です。

家を売って利益が出たら、税金はどう計算されますか?

家を売って利益(譲渡所得)が出た場合は、所有期間によって税率が異なります。譲渡した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えている場合は「長期譲渡所得」、5年以下の場合は「短期譲渡所得」として計算されます。 長期譲渡所得の税率は、所得税15%・住民税5%に復興特別所得税を加えた合計20.315%です[出典6]。短期譲渡所得は、所得税30%・住民税9%に復興特別所得税を加えた合計39.63%となります[出典7]。 また、マイホームの売却では、一定の要件を満たすと、所有期間にかかわらず譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります[出典8]。 税率の区分は建物の「築年数」ではなく、売主がその不動産を所有していた「所有期間」で決まる点に注意しましょう。

11.出典

[出典1]国土交通省:「既存住宅・リフォーム市場の活性化に向けた取組み」

[出典2]国土交通省:「都市計画制度の概要」

[出典3]国土交通省:「法令・不動産鑑定評価基準等」

[出典4]国土交通省:「不動産流通について」

[出典5]国土交通省:「不動産価格指数(令和7年12月・季調値)」

[出典6]国税庁:「No.3208 長期譲渡所得の税額の計算」

[出典7]国税庁:「No.3211 短期譲渡所得の税額の計算」

[出典8]国税庁:「No.3302 マイホームを売ったときの特例(3,000万円特別控除)

[出典9]国土交通省:「不動産情報ライブラリ」

[出典10]公益財団法人 東日本不動産流通機構(ほか全国指定流通機構):『レインズマーケットインフォメーション』

金子洋平

金子洋平

iYell株式会社 執行役員
2009年 東証プライム(旧東証一部)上場のSBIホールディングス入社。SBIアルヒ株式会社(旧SBIモーゲージ株式会社)に配属。その後、株式会社じげん(旧株式会社アイアンドシー・クルーズ株式会社)での勤務を経験。2017年 iYell株式会社に入社。執行役員及びフィンテック推進室責任者として、銀行及び大手住宅事業者をはじめとする外部企業とのアライアンス領域を担当。2018年 一般社団法人不動産テック協会の理事に就任(現任)。

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