
「今が売り時ですよ」と仲介会社に言われても、すぐには返事ができなかった。そんな経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。相場は上がっているらしいけれど、うちのマンションにも当てはまるのか、もう少し待つべきか、逆に遅すぎるのか。
感覚だけで判断すると、売り急いで損をしたり、逆に待ちすぎて需要期を逃したりしかねません。マンションの売り時は、市場の状況と、物件やご自身の事情の両方から判断します。
ここでは、その見極め方を解説します。読み終えたときには、自分の物件で何を確認すれば結論が出せるかがわかるようになります。
この記事の要点
- 売り時は相場や金利などの市場動向、築年数や修繕の時期、税金やローン残債から総合的に判断する
- 首都圏の中古マンションは上昇基調。全国平均だけでなく地域差も要確認
- 2〜3月と9〜11月は取引が動きやすく、逆算して3〜6か月前から準備を始める
- 譲渡所得の長期・短期区分は所有期間で判定。築年数とは別物なので混同しない
- 大規模修繕の実施状況だけでなく、積立金残高や長期修繕計画も見られる
1. 2026年のマンション売却タイミングとは?
価格・金利・需給が交差する2026年は、準備次第で有利な売却がしやすい局面です。
マンションをいつ手放すべきか、迷っている方は多いはずです。「売る時期」を決める要素は一つではなく、市場の値動き、金利、需給という複数の条件が絡み合っています。ここでは2026年という時点に絞って、マンション売却のタイミングを判断する土台となる情報を整理していきます。[出典1]
1-1.2026年の市場動向
まず押さえておきたいのが、マンション価格の全体的な流れです。国土交通省の不動産価格指数によると、2025年3月時点のマンション価格指数は220.0で、前年同月の198.0から上昇しました[出典1]。この指数はあくまで全国的な傾向を示すもので、個別の物件がこの通りに値上がりしているとは限りません。とはいえ、マンション市場全体としては上昇基調が続いていると見てよさそうです。
エリアによる地域差も見逃せません。東日本不動産流通機構の最新データでは、都心の中古マンション平均成約価格が8,000万円近い高水準にある一方、同じ首都圏でも埼玉県・千葉県では3,000万円台に留まる場所もあり、その格差は鮮明になっています[出典3]。また、不動産情報ライブラリで実勢価格の推移を辿ると、首都圏を中心とした近年の価格上昇が改めて浮き彫りになります[出典2]。全国平均の指標だけで「今は売り時だ」と一括りに判断するのは禁物です。ご自身の物件がある地域の具体的な動きを定点観測し、個別に精査することがポイントです。
1-2.マンション価格の変動要因
価格が動く背景には、いくつかの要因が重なっています。代表的なのは需給バランス、金利、そして物件そのものの状態です。一般的には、需要が供給を上回れば価格は押し上げられる傾向にありますし、逆に売り物件が増えすぎると値崩れが起きやすくなる、というのが基本的な考え方です。
ただし、実際の市場は必ずしもこの原則通りに動くとは限りません。2026年3月度の首都圏の中古マンション市場では、在庫件数が前年同月比で増加に転じた一方、成約価格は前年同月比プラス11.6%と17か月連続で上昇しました。これは、新築価格の高騰を背景とした中古への需要シフトや、都心部への需要集中など、在庫の増加分よりも需要が強い状態が続いていることを示しています。[出典3]
このように、在庫の増減だけで価格の先行きを単純に判断するのは難しく、需給バランスはあくまで数ある変動要因のひとつとして捉え、実際の成約動向とあわせて確認することが重要です。2026年は価格指数が高水準にある一方で、こうしたバランスは常に変化するものだと理解しておいたほうがよいでしょう。
社会情勢の影響も見逃せません。人口の流入が続く都市部では需要が底堅く保たれやすい一方、人口減少が進む地域では価格の下支えが弱まる傾向があります[出典2]。ご自身の物件がどちらの傾向に近いエリアにあるか、周辺の取引動向を確認しながら見極めていくとよいでしょう。
1-3.住宅ローン金利の影響
金利は、購入検討者の購入意欲を左右する大きな要素です。金利が低い時期は月々の返済負担が抑えられるため、購入検討者が動きやすくなります。逆に金利が上昇局面に入ると、同じ物件でも「買える金額」の上限が下がり、購入をためらう人が増える可能性があります。
たとえば3,000万円を35年ローンで借りる場合、金利が1.5%なら月々の返済額はおよそ9.2万円です。金利が2.0%まで上がると、月々約7,500円前後増える計算になります(元利均等返済・ボーナス払いなしで試算した場合の目安です)。この差は購入検討者にとって決して小さくありません。金利が上がるほど、「予算に見合う物件」の選び方が厳しくなっていくのです。
金利動向は日本銀行の金融政策に左右されるため、常に変わる可能性がある点は念頭に置いておきましょう。金利が低いうちは購入検討者が動きやすく、それだけ売却活動もスムーズに進みやすい傾向にあるといえます。反対に金利が上昇局面に入った後は、価格交渉が長引いたり、購入検討者の慎重な姿勢が強まったりすることも考えられるでしょう。
現在の金利水準がどのあたりにあるのか、住宅ローンの動向をニュースや金融機関の情報でこまめに確認しておきたいところです。売却を検討し始めた段階からこうした情報収集を習慣にしておくと、判断のブレは少なくなるでしょう。
2. マンション売却に適した時期

売却の好機は、季節・ライフイベントが重なるタイミングに訪れます。
市場全体の動きを踏まえたところで、続いては「いつ売り出すか」という具体的なスケジュールの話になります。売り出す時期によって、同じマンションでも内覧の数や成約までの期間は変わるものです。季節・ライフイベント・築年数という3つの軸から、マンション売却のタイミングを整理していきましょう。
2-1.季節ごとの売却傾向
首都圏の中古マンション成約件数は年間を通じて一定ではなく、時期によって増減の傾向があります。2025年3月から2026年3月までの実績では、特に3月前後と秋(9月~11月)にかけて成約件数が高くなる傾向があり、逆に1月や8月は他の月に比べて少ない傾向にありました[出典3]。一般的に、3月前後は転勤や進学、新生活のスタートに合わせて住まいを探す人が増える時期、9月から11月にかけては秋の異動シーズンに合わせた住み替えニーズが高まる時期と言われており、こうした背景が成約件数の増加につながっていると考えられます。
一方で、1月や8月は、年始や夏季休暇の影響で不動産取引そのものが停滞しやすい時期とされています。お盆や年末年始で内覧の予定が立てにくく、購入検討者自身も休暇や行事で忙しくなるためです。
ここで大切なのが、繁忙期に間に合わせるための逆算です。2月から3月の需要期に成約を狙うなら、売り出し自体は前年の秋から冬にかけて始めておきましょう。査定や内覧準備、価格設定の調整には、想像以上に時間がかかります。焦って年明けから動き出すと、写真撮影や書類準備に追われ、肝心の内覧対応が後手に回ってしまうケースも見られます。季節の需要に乗るには、逆算したスケジュール管理を意識しましょう。
2-2.ライフイベントによるタイミング
季節の話に続けて、もうひとつ見逃せないのが売主自身のライフイベントです。転勤・子どもの入学・相続・住み替え。こうした出来事は、売却時期を決める最も直接的なきっかけになります。進学や転勤のタイミングに合わせて購入検討者が動くのと同じように、売主側も生活の節目で売却を決断することが多いものです。
たとえば子どもの入学を控えている場合、新居への引っ越しを新学期前に終えたいという事情から、逆算して売却活動を始める方が少なくありません。この場合、契約から引き渡しまでにかかる期間を考えると、余裕を持って動き出すと安心です。
住み替えを検討している方にとって悩ましいのが、売却と購入のどちらを先に進めるかという順序の問題です。売却を先行させれば資金計画は立てやすくなりますが、仮住まいが必要になる場合があります。購入を先にすれば住み替えはスムーズです。ただし売却価格が想定より下がった場合、資金繰りが厳しくなることも考えられます。どちらを選ぶにしても、自分のライフイベントの時期から逆算しましょう。いつまでに何を終えておくべきかを整理しておけば、安心して手続きを進められます。
2-3.築年数による影響
これまで見てきた季節やライフイベントは「いつ売るか」という時期に関する要因ですが、これとは別に、物件そのものの条件として築年数も売却のしやすさに影響します。一般的には、築5年以内の物件は人気が高く、築6年から10年程度までも比較的需要が見込みやすい傾向があると言われています。築年数が浅いうちは、住宅設備や共用部の状態が新しく、購入検討者にとって安心材料になりやすいためです。
築年数が経過するほど、売却のしやすさに変化が出やすくなるとされていますが、東日本レインズの2026年3月度データでは、首都圏の中古マンションの成約物件の平均築年数は27.24年となっており、築年数がある程度経過した物件でも、実際には数多く成約に至っている実態がうかがえます[出典3]。ただ、これは築年数だけで機械的に決まる話ではありません。マンションの資産価値は、構造や管理状態、修繕履歴、立地条件によっても大きく左右されるからです。管理組合がしっかり機能し、長期修繕計画に沿って積立金が計画的に積み上がっている物件は、築年数が進んでいても評価が大きく落ちにくいケースもあります。
大切なのは、築何年だから売れないと諦めることではなく、自分のマンションの管理状態や修繕履歴を確認したうえで売却のタイミングを判断すること。大規模修繕を控えている場合は、修繕積立金の残高や今後の値上げ予定を事前に把握しておくと、売却時の説明もスムーズになります。築年数という数字だけでなく、管理状態という中身も合わせて見極める姿勢が、納得のいくマンション売却につながります。
3. 売却タイミングを見極めるためのポイント

季節やライフイベント以外にも、売り時を見極めるには、エリアの取引価格の動きや、所有期間によって変わる税率といった、相場と税金の視点を重ねて見る必要があります。
3-1.相場の動向を把握する
まず取り組みたいのが、自分のマンションが属するエリア・築年数帯の相場を数字で確認することです。感覚だけで「高く売れそう」と判断すると、後になって査定額とのギャップに戸惑うことになりかねません。
前章でも記載の通り、国土交通省の不動産価格指数はここ数年で上昇傾向にあり、全国的にマンション価格は底堅い動きを見せています[出典1]。ただ、この数値はあくまで全国の平均的な傾向を示すものです。個々の物件の値動きが指数と同じ方向に動くとは限りません。まず確認すべきは、この全国指数ではなく自分の物件が属する地域の実際の取引価格です。
地域差も大きいため、お住まいのエリアがどちらの傾向に近いのか、近隣の成約事例や売り出し中の物件情報を確認してみてください。
具体的な調べ方としては、国土交通省の不動産情報ライブラリで地域ごとの取引価格情報を検索する方法があります。あわせて仲介会社に査定を依頼すれば、指数だけでは分からない個別要因(間取り・階数・管理状態など)も踏まえた金額感がつかめます。
相場を見るときに確認したいポイント
・上昇、下落が何か月続いているか:直近1〜2ヶ月の動きだけで判断せず、半年〜1年単位の連続性を見ることで、一時的な変動なのか、継続的なトレンドなのかを見極められます。
・在庫件数の増減とあわせて見る:一般的には在庫が急増すると値下がり圧力が強まるとされますが、実際には在庫増加下でも価格が上昇を続けるケースもあり、在庫の増減だけで先行きを単純に判断することはできません。成約件数や成約価格の推移とあわせて確認するとよいでしょう。
・全国指数と地域の実勢価格を比較する:自分のエリアの伸び率が全国平均を上回っていれば、地域固有の需要(再開発・人気エリア化など)が価格を押し上げている可能性があります。逆に全国平均を下回っている場合は、待っても大きな上昇は見込みにくいかもしれません。
これらを踏まえたうえで、「今のエリアの相場は上昇局面にあるのか、それとも横ばいや下落の兆しが出ているのか」を確認することが、売却時期を判断する上での一つの材料になります。
3-2.税金面の考慮
売却のタイミングは、手元に残るお金にも直結します。特に意識したいのが、マンションの所有期間による税率の違いです。
譲渡所得にかかる税金は、売却した年の1月1日時点での所有期間が5年を超えるかどうかで区分が変わります。[出典7]5年超の「長期譲渡所得」は、5年以下の「短期譲渡所得」より税率が低く設定されています[出典7]。所有期間があと数か月で5年を超えるという場合は、売り急ぐより区分が変わるタイミングまで待つほうが、手残り額の面で有利になることがあります。
所有期間は、あくまで「売主が保有していた期間」で判定される点に注意してください。マンション自体の築年数とは別の考え方です。たとえば築15年の中古マンションを購入して4年で売却すれば、築年数は19年でも所有期間は4年という扱いになります。
マイホームとして住んでいた場合には、所有期間の長短にかかわらず譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例が用意されています[出典4]。所有期間が10年を超えるマイホームには、軽減税率の特例もあります[出典5]。これらの特例は要件が細かく定められており、住宅ローン控除など他の制度との併用に制限がかかる場合があります。適用できるかどうかは、売却前に税務署や税理士に確認してください。
なお、これらの特例を適用するには、売却した翌年の2月中旬〜3月中旬にご自身で確定申告を行う必要があります。購入時の売買契約書など証明書類の提出が求められるため、売却検討の段階から書類を整理しておきましょう。
3-3.周辺環境の変化をチェック
相場や税金に比べると影響は限定的ですが、マンションが建つ地域そのものの変化も、参考として頭に入れておくとよいでしょう。同じ物件でも、周辺の環境が変わることで評価が上下することがあります。
たとえば、新駅の開業や大型商業施設の開発計画といったニュースが出れば、利便性の向上を背景に売却価格にプラスに働く可能性があります。反対に、近隣の商業施設の撤退や治安面の懸念材料が出れば、マイナスに働くこともあります。こうした情報は毎回発生するものではありませんが、もし該当するニュースが出ていないか、地元の自治体や鉄道会社の公表資料で一度確認しておくと安心です。
4. 売却を成功させるための注意点

納得のいく売却には、動き出す前の一手間が結果を左右します。
4-1.売り時を逃さないための準備
相場が良いタイミングに気づいても、準備が整っていなければ売却のスタートラインには立てません。まず取りかかりたいのは、査定を早めに依頼して売却価格の目安をつかんでおくことです。
書類関係もあわてず揃えておきましょう。登記済権利証や固定資産税納税通知書などは、売却を決めてから探し始めると時間がかかってしまいます。
住宅ローンが残っている方は、残債の確認も忘れずに行いましょう。金融機関に一括返済の手続きや必要書類を事前に問い合わせておくと、契約から引き渡しまでの流れがスムーズになります。売却価格がローン残債を下回るオーバーローンの状態かどうかも、この段階でおおまかに把握しておくと安心です。
内覧の準備も見落とせないポイントです。水回りの清掃や不要な荷物の整理は、購入検討者に良い印象を与える基本の対策といえます。需要が高まるシーズンに向けて動くなら、最低でも1〜2か月前には準備を始められればタイミングを逃さずに済みます。
4-2.経済動向に注意する
マンション売却のタイミングは、個々の物件の条件だけでなく、経済全体の動きにも左右されます。金利や物価、株価の動向は、住宅ローンを組んで購入を検討する層の購買意欲に直結するため、日頃からニュースをチェックしておく姿勢が役立ちます。
物価上昇が続く局面では、建築資材や人件費の上昇を背景に新築マンションの価格が上がりやすく、その影響で中古マンションの相対的な割安感が意識されることもあります。一方で、生活コストの上昇が家計を圧迫すると、購入そのものを先送りする層が増える場合もあり、単純にどちらが有利とは言い切れません。
大切なのは、経済動向を漠然と眺めるのではなく、自分の売却スケジュールに落とし込んで考えることです。半年後に金利が上がりそうだと感じるなら、動けるうちに査定や内覧の準備を進めておきましょう。逆に情勢が読みにくいときは、価格だけでなく引渡し時期の柔軟性も交渉材料として意識しておくと、状況の変化に対応しやすくなります。
5. マンション売却のリスクと懸念点
タイミングを誤ると、売却価格や手残り額に想定外の差が生まれてしまいます。
5-1.オーバーローンのリスク
売却価格よりも住宅ローンの残債が多い状態を、オーバーローンと呼びます。マンション売却のタイミングを見極める際に見落とされがちですが、実はここが一番の落とし穴になりやすいポイントです。
購入後間もないうちに転勤や離婚などで急いで売却しようとすると、ローン残債が思ったより減っておらず、売却価格だけでは完済できないケースが出てきます。特に頭金を少なくして購入した場合や購入から間もない時期は、売却価格よりローン残債が多くなる可能性があります。築5年未満での売却は、残債と売却価格のバランスを事前に確認しておく必要があります。
対処法としては、金融機関から残債証明を取り寄せ、想定売却価格と比較することから始めましょう。差額が出そうな場合は、貯蓄からの充当や住み替えローンの活用を検討する余地があります。逆に所有期間が長く、繰り上げ返済も進めてきた方であれば、残債は少なくオーバーローンの心配は薄れるはずです。売却を焦る前に、ローンの残債と現在の市場価格を照らし合わせる習慣をつけておくと安心でしょう。
5-2.売却価格が下がる可能性
不動産価格指数は上昇局面にあっても、個々の物件が同じように値上がりするとは限りません。全国や首都圏の平均値と、実際に売りに出す一室の評価は別物だと考えておいたほうがよいでしょう。
同じマンション内でも、階数や向き、リフォーム履歴によって査定額に差が出ます。加えて、金利が上昇局面に入ると購入検討者のローン審査が厳しくなり、購入意欲そのものが冷え込む可能性もあります。売り出し時期を先延ばしにしている間に金利動向や地域の需給バランスが変わり、当初の想定より価格を下げざるを得なくなる場合も少なくありません。
5-3.競合物件の影響
同じマンション内や近隣エリアで似た条件の物件が同時期に売りに出されると、購入検討者の選択肢が増え、価格競争が生まれやすくなります。特に大規模マンションでは、複数戸が同じタイミングで売却活動をしていることも珍しくありません。
自分の部屋と同じ間取り・同じ階数帯の物件が先に値下げをすれば、後から売り出す側は同水準か、それ以下の価格設定を迫られる可能性があります。
競合の動きは、不動産情報ライブラリなどで周辺の取引動向を確認したり、担当の仲介会社から近隣の売り出し状況をヒアリングしたりすることで、ある程度つかめます。競合が多いエリアほど、内覧対応の質やリフォームの有無といった細かな差別化が、成約までの期間や最終的な売却価格に響いてきます。焦らず周辺の動きを把握したうえで、売り出し価格と時期を決めていきましょう。
6. まとめ
マンション売却のタイミングは、たった一つの正解を探すものではなく、市況・季節・築年数と修繕計画・所有期間による税負担・ローン残債の5つを重ねて判断するものです。全国平均の価格指数が上向きでも、ご自身の物件が同じ動きをするとは限りません。だからこそ、査定や、残債の確認から始めるのが現実的な一歩になります。特に、住み替えや相続、転勤で時期に幅がある方ほど、この整理が効いてくるはずです。ここまで読んだ方が次にやることは一つ、自分の物件の現在地を把握することです。売るかどうか決まっていない段階のご相談でも構いません。判断材料を揃えるための確認だけでも、どうぞお気軽にお問い合わせください。
7. よくある質問(FAQ)
2026年はマンションの売り時といえますか?
単純な価格面で、2024年9月頃と2025年9月頃と比較すると高くなっており、その後も上昇が続いている事から[出典1]、一般的には売り時と言えます。ただし指数は全国の平均的な動きで、あなたの物件の値動きと一致するとは限りません。具体的には、周辺の情報収集と併せ、仲介会社への相談をおすすめします。
マンションが売れやすい時期・シーズンはいつですか?
一般的に、新生活に向けて動く2〜3月と、秋の9〜11月は購入検討者が増える時期とされています[出典3]。逆に8月や1月は、夏季休暇や年始の影響で不動産取引そのものが停滞しやすい時期とされています[出典3]。売り出しから成約・引渡しまでには期間が必要なので、繁忙期に合わせるなら数か月前から査定や書類整理を始めておくと安心です。
「マンションは10年住んで売るのがよい」といわれるのはなぜですか?
一般的に、築年数が浅いほど買主が付きやすく、価格も維持しやすいと言われています。加えて所有期間が10年を超えるマイホームには軽減税率の特例が用意されており、税制面でも節目になります(国税庁「No.3305」[出典5]。適用要件は必ず最新情報をご確認ください )。ただし10年が唯一の正解ではなく、管理状態や修繕積立金の状況、家族構成やライフスタイルの変化、経済状況の変化によって最適解は変わります。
築年数が古いマンションは売れないのでしょうか?
築年数はあくまで評価のひとつでしかありません。管理組合の運営状況、修繕積立金の残高や値上げ予定、長期修繕計画、耐震性能、立地によって評価は大きく変わります。総会議事録や長期修繕計画を整えて提示できると、築古でも買主の不安を減らせます。
自分のマンションの相場を自分で調べる方法はありますか?
国土交通省の不動産情報ライブラリや、不動産流通機構が公開しているレインズ・マーケット・インフォメーションで、成約価格帯の目安を確認できます。広告の売り出し価格は「希望額」で成約価格とは異なるため、両者を混同しないことが大切です。
8. 出典
[出典1] 国土交通省「不動産価格指数(住宅)」
[出典2] 国土交通省「不動産ライブラリ(取引価格情報・地価公示等)」
[出典3] 東日本レインズ「月例速報マーケットウオッチ・サマリーレポート<2026年3月度>」
[出典4] 国税庁 タックスアンサー「No.3302 マイホームを売ったときの特例(3,000万円の特別控除)」
[出典5] 国税庁 タックスアンサー「No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例(10年超所有)」
[出典6] 国税庁 タックスアンサー「No.3102 譲渡所得の申告期限」
[出典7] 国税庁 タックスアンサー「No.3208 長期譲渡所得の税率」
[出典8] 国税庁 タックスアンサー「No.3390 マイホームを売却して譲渡損失が出たとき(特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)」

iYell株式会社 執行役員
2009年 東証プライム(旧東証一部)上場のSBIホールディングス入社。SBIアルヒ株式会社(旧SBIモーゲージ株式会社)に配属。その後、株式会社じげん(旧株式会社アイアンドシー・クルーズ株式会社)での勤務を経験。2017年 iYell株式会社に入社。執行役員及びフィンテック推進室責任者として、銀行及び大手住宅事業者をはじめとする外部企業とのアライアンス領域を担当。2018年 一般社団法人不動産テック協会の理事に就任(現任)。
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