
家を売ろうと仲介会社に相談したら、いきなり「媒介契約はどうしますか」と聞かれて戸惑う方も少なくありません。
専任媒介契約(以後「専任媒介」)とは、売却の依頼先を1社に絞る契約のこと。自分で見つけた購入希望者とは、仲介会社を介さず直接契約できます。契約期間は3ヶ月以内、レインズへの登録は7日以内、業務報告は2週間に1回以上とされています。[出典3][出典7]。
この記事では、一般媒介契約(以後「一般媒介」)や専属専任媒介契約(以後「専属専任媒介」)との違いを整理し、専任媒介が向く場面と向かない場面を比較します。媒介契約書にサインする前に、判断の材料を揃えておきましょう。
この記事の要点
- 専任媒介とは、1社にのみ売却を依頼する契約。自分で見つけた購入希望者とは、仲介会社を介さず直接契約することも認められている
- 契約期間は3ヶ月以内で、レインズへの登録は契約翌日から7日以内に行うことが義務づけられている(専属専任媒介の場合は5日以内)[出典3]
- 業務報告は2週間に1回以上の頻度。専属専任媒介の1週間に1回以上に比べると、やや緩やかなペース
- 契約期間中の解除自体は認められているが、「他社の方が良い条件を出してくれたから」と売主側の事情だけで解除すると、それまでにかけた広告費などの実費を請求される場合もあるので注意が必要
1. 専任媒介とは?その基本を理解しよう
専任媒介は、1社にだけ売却を任せつつ自分で購入希望者を見つける自由も残す契約です。
不動産を売ろうと決めたとき、最初にぶつかる壁が「媒介契約って何を選べばいいの」という疑問です。仲介会社に売却を依頼する際に結ぶ契約を媒介契約と呼びます。これは1種類ではなく、専属専任媒介・専任媒介・一般媒介の3つに分かれています。この記事の主役である専任媒介について、定義と特徴を見ていきましょう。
1-1.専任媒介の定義
専任媒介とは、売却の依頼先を仲介会社1社に絞る契約形態です。複数の会社に同時に依頼することはできず、契約した仲介会社が窓口となり販売活動を行います。 [出典2]。
専任媒介では、売主が自分で見つけた購入希望者と直接契約する「自己発見取引」が認められています[出典2][出典7]。以前から家を欲しがっていた親戚や職場の同僚に売る場合、専任媒介であれば仲介会社を介さずに売買契約を結べます。同じく1社に依頼する専属専任媒介では自己発見取引そのものが認められていない点が大きな違いとなります[出典1][出典7]。
窓口は1社に絞りながらも、購入希望者探しの手を自分で動かせる余地は残しておきたい、そういう方には、専任媒介が合っています。契約の名前だけを見ると窮屈な印象を受けますが、実際には売主側の動きにもある程度の自由度が確保された契約です。知り合いに買ってもらえそうな見込みが少しでもあるなら、専属専任媒介ではなく専任媒介を選んでおけば、後々の選択肢が広がります。
なお、専任媒介は自己発見取引が可能とはいえ、売買契約書の作成や契約条件の整理、引渡し手続きなどを円滑に進めるため、仲介会社にそのまま仲介を依頼するケースも少なくありません。
1-2.専任媒介の特徴
専任媒介の大きな特徴は、仲介会社に一定の義務が課される点にあります。契約を結んだ翌日から7日以内に、指定流通機構(レインズ)へ物件情報を登録することが義務付けられています[出典1][出典3]。レインズに登録されると、他の仲介会社もその物件情報を閲覧できるようになります。1社にしか依頼していなくても、実質的には多くの会社の顧客に情報が届く仕組みです。
もう一つの特徴が、販売活動の報告義務。専任媒介を結んだ仲介会社は、売主に対して2週間に1回以上の頻度で、問い合わせ状況や内見の反響などを報告しなければなりません[出典2][出典3]。今どれくらいの反応があるのか分からないまま何ヶ月も待つ、という状態にはなりません。売主にとっては心強い仕組みです。
契約の有効期間は、3ヶ月以内とされています。 [出典4][出典9]。3ヶ月ごとに販売状況を見直し、必要であれば更新するかどうかを判断できる仕組みです。1社に任せきりで放置されるのではなく、定期的な報告と期間の区切りがセットになっている。これが専任媒介の実務上の特徴です。
2. 媒介契約の種類とその違い
媒介契約選びは、複数社に頼める自由度と、1社に絞ることで得られる手厚さのどちらを優先するかで決まります。
2-1.一般媒介との違い
一般媒介は、複数の仲介会社へ同時に売却を依頼できる契約です。専任媒介と違って1社に絞る必要がないので、A社にもB社にも同じ物件の売却を依頼できます。窓口を増やして購入希望者に出会う機会を広げる、という考え方に基づく契約形態です。
大きな違いのひとつが、レインズ(指定流通機構)への登録義務。専任媒介には登録期限が定められている一方、一般媒介に登録義務はありません[出典1]。業務報告についても、専任媒介には定められた頻度がありますが、一般媒介には報告義務そのものがないとされています。担当者から連絡が来なければ、「今どのくらい反応があるのか」を売主自身が問い合わせることになります。
窓口が多いほど有利になるとは限りません。複数社に同じ物件情報を出す以上、各社にとっては「他社で決まってしまうかもしれない物件」になります。仲介会社によっては、広告費をかけて力を入れても契約に至らない可能性がある分、優先して動いてもらいにくいのが実情です。例えばチラシ作成や広告掲載など、費用のかかる販促活動は専属専任媒介や専任媒介の物件から優先されやすい傾向があります。一般媒介では販促の優先順位が下がりやすい点も、頭の片隅に置いておきたいところです。
売却を急がず、まずは市場の反応を広く見たい方には一般媒介が合います。担当者からのこまめな連絡や販売戦略の提案を重視するなら、専任媒介のほうが満足感を得やすいはずです。
2-2.専属専任媒介との違い
専属専任媒介は、専任媒介と同じく1社にのみ依頼する契約です。ただし、制限の強さは一段上がります。最大の違いは前章でも説明した自己発見取引の扱いです。専任媒介なら、友人や知人が買いたいと申し出た場合、仲介会社を介さず直接契約できます。ところが専属専任媒介では、これが認められていません。自分で購入希望者を見つけても、必ず契約している仲介会社を通す形になります[出典4]。実家を売る際に近所の顔見知りから購入の相談を受ける、そんな場面ではこの違いが実際の選択を左右することもあります。
レインズへの登録期限や業務報告の頻度にも、先ほど触れたとおり差があります。数字だけ見ると小さな差に思えるかもしれません。ただ、報告のペースの違いは、進捗を細かく把握したい人にとっては重要なポイントです。内覧の申し込み状況や周辺の売却相場の動きを頻繁に知りたい方には、報告の間隔が短いことが安心材料になるでしょう。逆に、こまめな連絡を煩わしいと感じる方もいます。その場合は専任媒介の報告頻度でも十分に足ります。
親族や知人へ売却する見込みがまったくなく、仲介会社に一本化して手厚いサポートを受けたい。そんな方には専属専任媒介が向いています。自分で購入希望者を見つける可能性も残しておきたいなら、専任媒介を選ぶのが現実的な判断です。
2-3.各契約のメリット・デメリット
3つの契約は、自由度と手厚さのバランスがそれぞれ異なります。特徴を整理すると、下の表のようになります。
| 契約の種類 | 依頼できる社数 | レインズ登録義務 | 自己発見取引 |
| 一般媒介 | 複数社可 | 任意(義務なし) | 可能 |
| 専任媒介 | 1社のみ | 7日以内 | 可能 |
| 専属専任媒介 | 1社のみ | 5日以内 | 不可 |
一般媒介のメリットは、複数社の販売力を比較しながら進められる点です。デメリットは、各社の力の入れ方が分散しやすく、進捗報告の義務もないため状況がつかみにくくなりがちな点などがあります。対処法としては、依頼する会社ごとに連絡のタイミングを自分で決めておくと良いでしょう。提案内容や広告の出し方を会社ごとに記録しておけば、どこが本当に動いてくれているのかも見えてきます。
専任媒介のメリットは、レインズ登録と報告義務があるため活動状況を把握しやすいこと。デメリットは1社に依存する形になる分、その会社の販売力が結果を左右しやすい点です。契約前に販売実績や提案内容を確認しておけば、この不安はかなり和らぎます。契約期間中に思うような反応が得られないときも、担当者に販売活動の内容を具体的に尋ねると次の一手が見えてきます。
専属専任媒介のメリットは、報告頻度の高さです。デメリットは自己発見取引ができない不自由さで、知人への売却を考えている方には向きません。購入を希望している知人がいないかを一度振り返ってから選べば、後悔を避けやすくなります。
3. 専任媒介が向いているケース
専任媒介は、販売活動を1社に集中させたい方や、担当者と密に連絡を取りながら売却を進めたい方に向いています。
3-1.物件の魅力を丁寧に伝えたい場合
専任媒介は、仲介会社と連携しながら計画的に売却を進めたい場合に向いている契約です。窓口が1社に集約されるため、販売戦略の相談や価格調整の判断がしやすく、売却活動の状況も把握しやすくなります。たとえば再建築不可の土地や私道負担のある戸建てなど、購入希望者への説明に専門的な対応が求められる物件では、担当者が物件の特徴を深く理解して販売活動を進めることで、購入希望者への説明を一貫して行いやすくなります。
一方で、駅近のマンションや人気エリアの物件など需要が見込める不動産であっても、専任媒介が選ばれるケースは少なくありません。担当者と密に連携しながら物件の魅力を購入希望者へ伝えたい方や、販売状況を確認しながら価格や販売戦略を柔軟に見直したい方に選ばれています。どの契約が適しているかは物件の条件だけでなく、売主がどのように売却活動を進めたいかによっても変わります。
なお、専任媒介では、媒介契約締結日の翌日から7日以内のレインズ登録義務と、2週間に1回以上の業務報告義務があります。定期的に反響状況を確認できるため、価格や販売戦略の見直しもしやすい契約形態です。
3-2.売却活動を任せたい場合の選択肢
「複数の仲介会社とやり取りする余裕がない」「窓口はひとつにまとめたい」。そんな方には、専任媒介が現実的な選択肢になります。仕事や家庭の事情で内見の調整や問い合わせ対応に時間を割きにくいなら、連絡先が1人で済むだけでも負担はかなり軽くなります。
販売活動を一手に任せたい場合は、自分で購入希望者を見つける可能性がほぼないという方に限り、専属専任媒介も視野に入ります。この契約形態では自己発見取引ができません。その代わり業務報告は1週間に1回以上と頻度が上がり、担当者との連携をいっそう密にできます。
反対に、知人や親族に購入希望者がいるかもしれないなら、専任媒介を選んで自己発見取引の余地を残してください。専任媒介であれば、自分で見つけた相手と直接契約することも認められています[出典7]。あとから「実は買いたい人がいた」と分かったときに、契約形態が足かせになりません。
売却活動をどこまで人に委ねたいか、自分で動く余地をどれだけ残したいか。この2つの軸で考えると、専任媒介と専属専任媒介、どちらが自分に合うかが見えてきます。
4. 媒介契約を選ぶ際の注意点
契約を結ぶ前に、期間・費用の支払い方・担当者の実力という3点を必ず確認しておきましょう。
4-1.契約期間と解除のリスク
専任媒介の有効期間は、前述の通り法律で上限が定められています。3ヶ月と聞くと長く感じるかもしれません。ただ、途中で「この担当者とは合わないかも」と感じる場面は意外とあるものです。
押さえておきたいのは、期間中でも解約自体はできるという点。仲介会社側に説明不足や報告義務違反といった落ち度があれば、違約金なしで解除できるケースがあります[出典4][出典9]。単に「他の会社に変えたい」という売主都合での中途解約になると、それまでにかかった広告費などの実費を請求される可能性があります[出典9]。ここは覚えておいてください。
解約を切り出すタイミングも重要です。感情的に「もう嫌だから解約したい」と伝えるより、いつからどんな報告が滞っているかを、具体的な日付とともに書面で指摘する方が話は進みやすいものです。口頭のやり取りだけで済ませてしまうと、後になって「言った」「言わない」の水掛け論になりかねません。解約通知は書面で残し、控えを手元に保管しておけば、万一トラブルになった場合の証拠にもなります。
見落とされがちなのが、解約後にすぐ別の会社と契約してよいのか、という点です。前の会社が広告活動で見つけた購入希望者と、解約後に別ルートで契約が成立してしまうと、実費請求どころか違約金の対象になる可能性もあります[出典4]。担当者の対応に不満があっても、解約のタイミングと次の契約先の選定は慎重に進めた方が安全です。
4-2.仲介手数料の支払いタイミング
仲介手数料は、契約形態によって金額の上限が変わるわけではなく、報酬の法定上限は同じ基準で計算されます。ただし支払いのタイミングは仲介会社ごとに運用が異なる場合があり、媒介契約前に確認しておきたいポイントです。
一般的には、売買契約が成立した時点で半金、物件の残代金決済・引渡しが完了した時点で残り半金という分割払いの形が多いとされます。残代金決済・引渡し時に全額を一括で支払う運用の会社もあり、どちらが正しいというものではありません。売却代金が入金されるタイミングと手数料の支払い時期がずれると、一時的に手元資金が足りなくなる事態も起こり得ます。
住み替え先の購入代金の支払いスケジュールと、売却代金の入金時期がぴったり重ならないケースは珍しくありません。旧居の引渡しと新居の引渡しを同じ日に設定できず、間に数週間の隙間ができてしまうこともあります。そのタイミングで手数料の一括払いが求められると、つなぎ資金の準備が必要になる場合もあるため、住み替えを予定している方は、スケジュールの調整も含めて早めに担当者へ相談しておくと安心です。手数料の支払い方法や時期は契約を結ぶ段階で書面に明記してもらい、口頭の説明だけで済ませないようにしましょう。
支払いの根拠となる領収書や請求内訳も、忘れずに受け取っておくことをおすすめします。後から「この費用は何のためのものだったか」と確認する場面は意外と多く、書類が手元にあると安心です。広告費や実費が別途発生した場合は、何にいくらかかったのかが分かる内訳書をもらっておくと、後の確定申告の際にも役立ちます。
4-3.信頼できる仲介会社の選び方
専任媒介は1社に売却活動を任せる形になるため、どの会社・どの担当者を選ぶかが結果を大きく左右します。一般媒介のように複数社へ並行して依頼できない分、最初の見極めがそのまま売却の成否に直結すると考えておいてください。
判断材料として分かりやすいのは、査定時の説明の具体性です。「このエリアなら高く売れます」といった曖昧な言葉だけで終わる担当者よりも、近隣の類似物件の取引動向や価格の根拠を数字で示してくれる担当者の方が、契約後の報告や交渉でも誠実な対応が期待できます。前述の業務報告義務について、電話一本で済ませるのか、書面やメールで販売状況をきちんと共有してくれるのか。事前に聞いておくとよいポイントです。
査定額の高さだけで会社を決めるのは避けたいところ。相場より高い査定額を提示して契約だけを取り、その後じわじわと値下げを提案してくる会社も存在します。査定額を提示されたら、その根拠となる取引事例や価格設定の考え方まで説明してもらい、納得できるかどうかを確かめておきましょう。説明を求めても曖昧な返答しか返ってこない場合、契約後のやり取りでも同じような対応になる可能性が高いと考えられます。
複数の会社に査定を依頼して、対応や提案内容を比較してから契約先を決める進め方も有効です。1社だけの説明を鵜呑みにせず、少なくとも2〜3社の話を聞いてみると、相場観や販売戦略の違いが見えてきます。査定を依頼する際は同じ条件で説明してもらい、金額だけでなく販売活動の具体的な計画も合わせて比較すると、会社ごとの姿勢の違いが分かりやすくなります。担当者との相性は数値化できませんが、質問への回答の速さや、こちらの事情に合わせた提案をしてくれるかどうかは、日々のやり取りの中で自然と見えてくるものです。契約後に後悔しないためにも、契約前の対話に時間をかける価値は十分にあります。
5. 専任媒介のデメリットと懸念点
専任媒介は窓口が1社に絞られる分、その会社の対応力と誠実さが売却結果を大きく左右します。
5-1.販売活動の成果に差が生じる可能性
専任媒介は、1社にだけ売却活動を任せる契約です。そのため、その会社の営業力や販売網が、そのまま成果に直結します。複数の仲介会社へ同時に依頼できる一般媒介と違い、窓口が一本化されるので、やり取りの手間は減ります。ただ、任せた会社が積極的に動いてくれなければ、購入希望者との接点そのものが増えにくくなります。窓口が一つということは、良い意味でも悪い意味でも「その会社の実力がそのまま結果になる」ということ。担当者が熱心なら頼もしい反面、動きが鈍い会社に当たると他社に助けを求めることもできず、じりじりと時間だけが過ぎてしまいかねません。
「他社からの問い合わせは来ていますか」「レインズの閲覧状況はどうですか」と担当者に投げかけるだけでも、対応の透明性を見極める材料になります。報告の際に「問い合わせ件数」「内見の申し込み件数」「他社からの照会件数」を分けて聞いてみると、販売活動の実態が見えやすくなります。数字だけでなく、どういう反応があったのか、断られた理由まで聞けると状況をつかみやすくなります。情報の流通量は任せる会社の誠実さに大きく委ねられている、と考えておくと契約後の心構えとして役立ちます。
5-2.契約解除の難しさ
専任媒介は、期間中であっても解除すること自体は可能です。とはいえ、無条件でいつでもやめられるわけではありません。解除の理由やタイミング次第では、仲介会社から違約金や広告費などの実費を請求されるリスクがあります[出典4][出典9]。「合わないと思ったらすぐ切り替えられる」というイメージをお持ちの方も多いのですが、実際にはいくつかの条件を踏まえて動く必要があります。
契約解除のパターンは大きく3つ。契約期間が満了して自然に終了するケース、仲介会社側に義務違反などの落ち度があり違約金なしで即時解除できるケース、売主側の都合による中途解約のケースです。多くの方が悩むのは3つ目の中途解約でしょう。
「担当者と相性が合わない」「思ったより販売活動に動きが感じられない」といった理由で打ち切りたい場合、正当な理由と判断されれば期間中でも解除は可能とされています[出典4]。
ただし、専任媒介の期間中に別の仲介会社へ依頼したり、紹介された購入希望者と直接契約を結んだりすると、契約内容によっては報酬相当額や損害賠償の請求を受ける可能性があります。[出典4][出典9]。売主都合での中途解約では、販売活動の状況によって既に支出した費用の負担を求められるケースもあります。費用負担の有無や範囲は契約内容によって異なるため、契約前に確認しておくと安心です。
専任媒介は「合わなければすぐ切り替えられる」という軽い気持ちで結ぶものではありません。契約内容や解除理由によって中途解約時の費用負担が発生する可能性があります。解除を検討するときは、感情的に切り出すのではなく、どのパターンに該当するのかを整理し、書面で意思を伝えることが推奨されています。口頭だけのやり取りは「言った・言わない」の水掛け論になりやすいもの。解除の意思や理由は記録として残しておくと安心です。
契約前の段階で担当者の対応の丁寧さや説明の分かりやすさをじっくり見極めておくことが、後々の解除トラブルを避ける近道になります。初回の相談時にどれだけ具体的な販売戦略を示してくれるか、質問への回答が的確かどうか。ここを見ておくと、契約後のすれ違いを減らすヒントになるはずです。
6. まとめ
媒介契約は「どれが正解か」で選ぶものではありません。売り急ぐ事情があるかどうか、物件に買い手がつきやすいかどうか、報告をどれだけ受けたいか。こうした条件によって、合う契約の形は変わります。専任媒介が向いているのは、窓口を1本に絞って進捗を定期的に受け取りたい方です。その分、1社の販売力に結果が左右されます。だからこそ契約前に、販売計画とレインズ登録の扱い、そして途中解除の条件を確かめておくと安心です。初めての不動産売却で何から手を付けるか迷っている方には、この記事の比較表がそのまま判断の材料になるはずです。
ここまで読んでいただいた方に、次にやっていただきたいことは1つ。ご自身の物件で3つの契約のどれが現実的か、誰かに話してみてください。まだ売ると決めていない段階のご相談でも構いません。お問い合わせから、状況に合った進め方を一緒に整理していきましょう。
7. よくある質問(FAQ)
専任媒介とはどんな契約ですか?
専任媒介は、売却の仲介を1社の仲介会社だけに任せる契約です。他社に重ねて依頼することはできませんが、売主が自分で見つけた購入希望者と直接契約する自己発見取引は認められています[出典2][出典7]。契約の有効期間は3ヶ月を超えない範囲で定められ、更新も可能です[出典4][出典9]。窓口が1本にまとまるため、進捗の把握や相談がしやすい点が特徴です。
専任媒介・専属専任媒介・一般媒介の違いは何ですか?
依頼できる会社数、自己発見取引の可否、レインズ登録と報告の義務が異なります。専任媒介は1社のみで自己発見取引が可能、レインズ登録は契約締結後7日以内、業務報告は2週間に1回以上です[出典2][出典3]。専属専任媒介は1社のみで自己発見取引も不可となる代わりに、レインズ登録は5日以内、報告は1週間に1回以上と手厚くなります[出典1][出典3]。一般媒介は複数社に依頼でき、レインズ登録は任意です[出典1]。
うちの不動産にはどの媒介契約が向いていますか?
売却活動を1社に任せて進捗報告を受けながら進めたい方には専任媒介が向いています。知人など自分で購入希望者を見つける可能性を残したいなら専任媒介、その可能性がなく手厚い報告を求めるなら専属専任媒介という選び分けになります[出典5][出典7]。売却を任せる仲介会社を決めきれない場合には、複数社の窓口を持てる一般媒介も選択肢です。迷ったときは、査定時の説明のわかりやすさや販売計画の具体性で会社を比べてから決めましょう。
仲介手数料の目安はどれくらいですか?また媒介契約の種類で変わりますか?
仲介手数料は媒介契約の種類では変わらず、宅地建物取引業法にもとづき決まります[出典10]。売買価格に応じて算定されるため、契約前に金額と支払い時期を書面で確認してください。なお、価格800万円以下の「低廉な空き家等」については、2024年7月1日から媒介報酬の上限が30万円(税込33万円)に引き上げられています[出典6][出典10]。この特例を適用する場合は、媒介契約時の説明と合意が必要です。
専任媒介は途中で解除できますか?違約金はかかりますか?
契約期間中でも解除自体は可能ですが、無条件ではありません。仲介会社側に義務違反などの落ち度がある場合は即時解除が認められるケースがある一方、売主都合の中途解約では広告費などの実費を請求される可能性があります[出典4][出典9]。契約期間中に他社へ依頼した場合や、紹介を受けたと直接契約した場合は違約金の対象になり得ます。解除の意思は口頭ではなく書面で伝えるのが安全です[出典6]。
8. 出典
[出典1] 指定流通機構(REINS)「媒介契約制度の概要」
[出典2] 国土交通省「宅地建物取引業法関係の案内(標準媒介契約約款等)」
[出典3] 国土交通省「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方(第34条の2 媒介契約関係ガイドライン・PDF)」
[出典4] 国土交通省「宅地建物取引業施行規則の規定による標準媒介契約約款(最新告示本文・PDF)」
[出典5]国土交通省「標準媒介契約約款の運用(通達・指導基準)」
[出典6] 国土交通省「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方(通達全文・PDF)」
[出典7] 公益財団法人不動産流通推進センター「媒介契約における媒介業者と依頼者の成約義務」
[出典8] 国土交通省「業界団体あて通知(媒介契約制度の適正運用について)」

iYell株式会社 執行役員
2009年 東証プライム(旧東証一部)上場のSBIホールディングス入社。SBIアルヒ株式会社(旧SBIモーゲージ株式会社)に配属。その後、株式会社じげん(旧株式会社アイアンドシー・クルーズ株式会社)での勤務を経験。2017年 iYell株式会社に入社。執行役員及びフィンテック推進室責任者として、銀行及び大手住宅事業者をはじめとする外部企業とのアライアンス領域を担当。2018年 一般社団法人不動産テック協会の理事に就任(現任)。
あわせて読みたいコラム5選
不動産売却・住みかえをお考えなら、無料査定で価格をチェック!
新着記事
-

2026/09/07
2026年版|住宅ローン返済中の家を売却する方法と注意点
-

2026/09/07
タワー マンション 売却に関する完全ガイド【2026年版】
-

2026/09/07
権利証の基本と紛失時の対策|2026年版
-

2026/09/03
地番とは?2026年版・住所との違いや調べ方を徹底解説
-

2026/09/03
専任媒介とは?2026年版の徹底解説と選び方
-

2026/09/03
間口の意味と使い方を徹底解説【2026年版】
人気記事ベスト5
不動産売却ガイド
- 最初にチェック
- 不動産の知識・ノウハウ
- 売却サポート
- Web上で物件を魅力的に魅せる! サポートサービス
- お買いかえについて
- お困りのときに
カンタン60秒入力!
売却をお考えなら、まずは無料査定から
投資用・事業用不動産サイト ノムコム・プロ










