マンションデータPlus

ネットで住み替えノムコム nomu.com

知識・トレンド

#マンション売却

2018.11.08

中古マンションの3つの価格と価格決定要因

  • facebookでシェア
  • twitterでシェア
  • Google+でシェア

「今すぐ自宅を売り出したら、いくらぐらい?」「隣のマンションが高く売れたみたいだけど、うちならもっと高く売れるのでは?」「そもそも中古マンションの価格って、どう決まるの?」――そんな疑問に答えます。

一口に「中古マンションの価格」といっても、表1のように3つの種類があります。たとえば、インターネットサイトやチラシなどの広告に出ている価格は「売出価格」です。売主が「この価格で売り出す」と決めた「売主希望価格」ともいえるでしょう。

表1.中古マンションの3つの価格
査定価格 仲介を担当する不動産会社が、客観的なデータとし調査を基にプロの立場から割り出した価格。現在の不動産市場で、概ね3カ月以内に売れる価格としてアドバイスする。
売出価格 査定価格を参考に不動産会社の担当者と売却計画を打ち合わせしながら、売主が自分の事情や希望を織り込んで決めた価格。売り急いでいるか否かによっても変わる。
成約価格 売出価格で売却活動をした結果、最終的に売主と買主が合意して、売買契約が成立した金額。売出価格と同じか、低いことが多いが、稀に高い場合もある。

不動産会社が出すのは、売出価格を決めるに当たって参考となる「査定価格」です。そして、売却活動をした結果、売主と買主が交渉して合意した時に決まるのが「成約価格」です。

「査定価格」は、プロがアドバイスする「売れる価格」

仲介を依頼する不動産会社に「自宅がいくらで売れるか」を専門的な立場からアドバイスしてもらうことを「査定」といいます。不動産会社によって査定価格は多少異なり、査定価格が不動産会社の実力や信頼度を見極めるポイントになることもあります。

表2.取引事例と比較する主な要素
【同一マンションの場合】
住戸配置 階数、主要開口部の方位(向き)・日照
眺望 抜け感、眺望の阻害要因の有無
専有部分
(住戸内)
売りやすい間取り、地域ニーズにあった間取りか
バルコニー・専用庭・外部収納などの有無・広さ
室内の使用状況、設備状況(リフォームの必要性)
【近隣マンションの場合】
立地 交通アクセス。最寄駅からの所要時間
周辺環境(住環境、生活利便施設)
建物 設備仕様のグレード、築年数、建物劣化状態
管理状態 管理員の勤務形態、メンテナンスの程度
管理費・修繕積立金の月額
修繕積立金のストック状況、修繕履歴
ブランド力 分譲会社(事業主)やゼネコンの実力・実績

中古マンションの査定については、現在「取引事例比較法」をベースに行うのが一般的です。これは、同じマンション内で過去に売買された事例を集めて、それらの成約価格との比較によって割り出す方式です。

同じマンション内で最近の取引事例が見つからない場合は、近隣の似たような条件のマンションを参考にします。不動産仲介業者が参考にするさまざまなデータの中でも、自社の取引履歴は重要なデータとなります。

集めた取引事例と、実際に売り出す住戸の個別条件とを比較して、プラス・マイナスの評点をつけます。特に差が出るのは部屋の汚れや設備の状況で、リフォームが必要かどうかという点です。また、眺望の良し悪しも大きな格差になります。

自社の取引事例が豊富だと、物件の詳細な状況や、契約に至った経緯を把握できるため、査定価格の信頼性が高まります。

査定には、住戸内調査は行わない「簡易査定」(机上査定)と、実際に現地に行って部屋の中までチェックする「訪問査定」(実査定)がありますが、正確な価格を出すには訪問査定が必要です。

ブランド力の違いが、査定価格にも影響する

同じマンションの取引事例がない場合は、立地や築年、管理状態、分譲会社やゼネコンなどのブランド力の違いも考慮に入れなければいけません。

たとえば、立地の場合、単純に駅に近ければよいわけではありません。駅周辺に風俗営業系の店舗や施設がある場合は、駅から徒歩3~7分ほど離れたほうが、住環境は優れていることも多く、評点も高まります。また、バス便の場合は、以前に比べてマイナス点が厳しくなる傾向が強くなっています。

このほか、管理の良し悪しも査定に響きます。大規模修繕の時期が近づいているのに修繕積立金が十分に貯まっていないようなケースはマイナスです。

さらに最近は、ブランド力の差が査定価格に大きく響いてきます。駅からの距離、築年数、専有面積や間取りが同じでも、ブランド力の異なるマンションでは価格が1割も2割も違うことがあるのです。

都心タワーマンションは特殊なマーケット

都心のタワーマンションの場合には、前述したマニュアルが通用しないため、査定が難しくなっている面があります。

40~50階建て以上の超高層タワーで、総戸数が500戸を超えるようなメガマンションでは、マンションそのものの個別性が高く、従来のマニュアルが想定している状況とは一致しません。都心のタワーマンションの場合、それぞれ独自の"相場観"が形成されています。そのため、マーケットで売れる価格を導き出すアプローチも異なるのです。

そこで、ひとつのツールとして重要になるのが、新規分譲時の価格表です。併せて、倍率が高くて人気があった住戸なのか、逆に売れ残って値下げしたのかなど、分譲当時の販売状況も吟味します。さらに注意したいのは、分譲してから現在までの環境変化です。眺望が売りのタワーマンションで、隣に新しいマンションができて正面の視界が遮られるようになってしまうと、評価はガクンと下がります。

昨今の購入者層の変化についても考慮する必要があります。都心のタワーマンションに対しては、外国人投資家の"インバウンド投資"や国内富裕層の相続税対策の取得が目立ち、価格に対する判断が、マイホームのために購入する実需層とは異なるためです。グローバルな視点から、分散投資する目線で判断した投資利回りや税務上の評価なども検討します。

このようにして割り出した査定価格に、「流動性比率」と私たちが呼んでいる係数を掛け合わせます。これは不動産会社ごと、あるいは営業担当者ごとに「営業力」や「自信」を点数化したものです。また、不動産会社によって売却をサポートするサービス体制も異なります。不動産会社による査定価格の違いが出るのは、こうした要素もあるからといえるでしょう。

売主の希望、事情、同一マンション内の売出状況を見て「売出価格」を決める

不動産会社が出した査定価格を基に、売主の希望を取り入れながら売出価格を決めます。査定価格より高めで売り出したい、という方がほとんどですが、大幅に高い価格を付け、相場とかけ離れてしまっていると、売れ残ってしまうリスクが高まります。

何らかの事情で現金化を急いでいるような場合には、信頼できる仲介業者の査定価格に近い価格で売り出すのが、安全かもしれません。

逆に、特に期限を決めず「この金額以上で売れるなら売りたい。ダメならやめる」という期待感で売り出すなら、少し強気で「査定価格+5~15%」くらいに設定するケースもあります。相場より高いと長期化するリスクが高いのですが、買主の側にも色々な事情があり、「この場所でどうしてもマンションが欲しい」という人もいるため、うまくマッチングできれば売買が成立することもあります。

都心の不動産価格が右肩上がりの時には、「高く売れるなら売る」という売主が増加します。相場が過熱していると、それでも売れてしまうこともありますが、いくら人気のあるタワーマンションでも同時に10戸以上も売りに出ていると危険です。強気の売出価格が連鎖して値段がつり上がってしまい、買い手がついてこれずに物件が滞留してしまうことがあります。

買主側も勉強しており、インターネットで売出状況をウォッチングしたり、同好の士と情報交換したりしています。購入検討者が「いずれ下がるはず」と一斉に様子見に入ると、相場全体が値上がり基調でも、個別物件ごとに価格調整が入る可能性があります。

このように、市況の動きに加えて、同一マンション内の売出状況も考慮しなければなりません。何戸くらいが売り出されたのか、反響はどうか、売れ残りは何戸くらいあるかを把握しておく必要があるのです。それによって、売出価格の設定も変わりますし、場合によっては、売り出すタイミングそのものを考えるべきでしょう。

  • facebookでシェア
  • twitterでシェア
  • Google+でシェア

PAGE TOP