家が売れない時代なのは本当?1年以上売れない家の特徴と対策

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家が売れないのは、人口減少や住宅ローン金利の上昇が原因だと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、不動産市況はまだまだ好調です。もし、家が1年以上売れない場合、市況ではなく物件に問題があるかもしれません。この記事では、売れない物件の特徴と、売るための改善点について解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

1. 「家が売れない時代」は本当か

近年、地方に限らず首都圏でも「空き家問題」が問題となっています。家が売れない社会的・経済的要因として、全国的な人口減少や金利上昇をはじめとする経済環境などがあるのは確かです。ここでは、そうした要因が、本当に家を売れにくくしているか、データから検証してみましょう。

1-1.首都圏・近畿圏では成約件数は増加傾向

首都圏では、中古マンション・中古戸建ともに、成約件数は7カ月連続で前年度比増加となっています。近畿圏においても、中古マンションは7カ月連続、中古戸建は12カ月連続で前年度比増加という結果です。また、土地の取引においても首都圏が10カ月連続で前年比プラス、近畿圏においても12カ月連続で前年度比プラスとなっています(いずれも2025年5月データ。全宅連・不動産総合研究所調べ)。

いずれの地域においても、住宅の取引は増加傾向にあるようです。

1-2.在庫件数は首都圏では減少・近畿圏では増加

在庫件数とは、不動産の需要と供給のバランスを評価するひとつの目安で、レインズでの新規登録件数から成約件数を差し引いた数値です。首都圏の中古マンションの在庫件数は、13カ月連続で減少しており、需要が旺盛であることを示しています。近畿圏では、3カ月連続で増加しており、成約件数の増加にともなって売却希望の物件も増えてきているようです(いずれも2025年5月データ。全宅連・不動産総合研究所調べ)。

いずれにせよ、住宅の買い意欲はまだまだ旺盛とみて良いでしょう。

2. 1年以上売れない家の特徴

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中古住宅の売り出しから成約までの期間は、3~6カ月程度といわれています。1年以上売れない場合は、物件自体か、立地や周辺環境に売れにくい要因があると疑ってみたほうが良いでしょう。ここでは、1年以上売れない家の特徴を解説していきます。

2-1.物件自体に問題がある

1年以上売れない物件には、以下のような要因があると考えられます。

・築年数が大きく経過している
・耐震性に問題がある
・住んでからのコストや手間がかかる

特に、コストがかかる水回り設備の更新や大掛かりな修繕が必要な物件は敬遠されやすい傾向にあります。リフォームや修繕をしてから売りに出したほうが良いかは、物件によりけりです。どのような売り方をすれば魅力的な物件になるか、仲介会社の担当者とよく相談する必要があるでしょう。

2-2.売出価格が高い

売出価格を高く設定していると、なかなか買い手が見つかりません。買主も相応の情報収集をしているため、周辺の不動産相場より高い物件は検討客が減少します。売出価格を高く設定する理由があったとしても、相場よりも高い物件は買主の予算を超えるため、検討の対象外になっているかもしれません。

2-3.立地や周辺環境に問題がある

成約件数が少ない田舎や郊外の物件は、なかなか成約に至らないケースが少なくありません。周辺の売却物件が多ければ検討客にとっても選択肢が多くなるため、成約まで時間がかかることもあります。それ以外にも、以下のような立地・周辺環境の問題があると、新築・中古問わず売れにくいことがあるため、注意が必要です。

幹線道路沿いで騒音や排気が気になる
・近隣に店舗や公共交通機関がなく利便性が悪い
・自然災害のリスクが高い
・学校や教育環境が不十分

2-4.不動産仲介会社の対応に問題がある

なかなか家が売れない原因には、熱心に宣伝活動をしていない、情報サイトへの掲載を怠っているなど、不動産仲介会社の対応に問題があることもあります。特に、自社の顧客にのみ物件を紹介して売り手・買い手双方から手数料を取ろうとする「囲い込み」に遭っていると疑われる場合は、不動産仲介会社の変更も検討したほうが良いでしょう。

3. 家が売れないとどうなるか

不動産取引に不慣れな方にとって、長期間の自宅売却活動は、労力やコストの負担が大きく、ストレスもたまります。住みかえを検討している場合、今後の人生設計にかかわるため、心理的な負担はさらに大きくなるでしょう。ここでは、家が長期間売れないことのデメリットを解説していきます。

3-1.維持費がかさむ

空き家を維持するには、売却期間中の住宅の維持費(水道光熱費)や清掃費、固定資産税・都市計画税を支払い続けなければなりません。加えて、誰も生活していない家は、埃や汚れがたまるとともに、老朽化も早まります。そのため、定期的な掃除や玄関・窓の開放といった、維持管理の手間も必要です。遠方に住んでいる場合であれば、なおさら大きな負担になるでしょう。

3-2.資金計画や引越しスケジュールが狂う

家の売却資金を新居購入のあてにしている場合、家がいつまでも売れない限り資金計画のめどが立ちません。とはいえ、新居購入を急げば、二重ローン状態になるため、新居のローンが通りにくいデメリットがあります。既存自宅の売り先行・新居の買い先行、どちらの場合でも既存住宅が売れる見通しが立たない限り、引越しのスケジュールを決めることができません。

3-3.ストレスがたまる

家が売れずに新居に引越しできない場合、少しずつ家族の精神的負担も大きくなっていくでしょう。例えば、いつ新しい学区に移るかが分からないままだと、子どもの通学計画も立てにくくなります。また、転勤が必要な場合は、単身赴任の期間が生じるかもしれません。

4. 家が売れないときの対策

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売れにくい物件でも、さまざまな対策によって検討客を増やし、成約しやすい物件にすることができます。ここからは、家が売れないときに取れる対策をご紹介していきましょう。

4-1.買主が安心して取引できる環境を整える

中古物件を購入する買主には、住宅購入後の不具合が発見されたり、トラブルが起きたりしないかなど、多くの不安がつきまとうものです。そうした不安を取り除くために、売主にもできることがあります。

例えば、建物診断を実施し、発見された不具合箇所を正直に買主に開示し、修繕履歴を開示すれば、買主は不具合の程度を納得したうえで検討できるでしょう。内覧対応の改善や、ハウスクリーニングの実施、不要物の処分なども、買主が前向きに検討するために大切なポイントです。

4-2.価格を見直してみる

売出価格が相場に合っていないのであれば、価格の見直しを検討してみてください。少しでも高く売りたい気持ちが先走ると、相場より高い価格設定になるケースも少なくありません。しかし、相場より高い価格設定を受け入れてもらうためには、価格分の理由が必要です。物件自体に問題がある場合は、その問題を考慮に入れた価格設定を検討してみると良いでしょう。

4-3.不動産仲介会社を変えてみる

不動産売買の媒介契約には、「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」の3種類があります。専属専任媒介・専任媒介の期間は最長で3カ月です。状況をみて成約しにくそうであれば、一般媒介に切り替えて複数の会社に仲介を依頼することもできます。売却を急ぐのであれば、買取会社に相談するほうが良いかもしれません。

4-4.販売時期を見直してみる

家の売れやすさは、不動産市況の影響も受けます。不動産需要が上昇する時期(1~2月・8~9月)に広告を増やす、季節に合わせた写真や広告内容に刷新するといった対策も考えられますので、仲介の担当者に相談してみてください。

5. まとめ

不動産需要はまだまだ旺盛で、都市部を中心に売買は活発です。もし自宅の売却が思うように進まないようであれば、物件自体あるいは周辺環境に問題があるのかもしれません。客観的な分析とともに、売れない理由を突き止め、適切な対策を取れば、検討客は増えていきます。販売方法や売出条件についても、改善点を探りつつ、仲介担当者の助けを借りて検討してみてください。

徳田 倫朗

徳田 倫朗

宅地建物取引士
株式会社イーアライアンス代表取締役社長。中央大学法学部を卒業後、戸建・アパート・マンション・投資用不動産の売買や、不動産ファンドの販売・運用を手掛ける。アメリカやフランスの海外不動産についても販売仲介業務の経験をもち、現在は投資ファンドのマネジメントなども行っている。

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