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住宅ローンコラム 住宅ローンと購入資金にまつわるQ&A

Q. 頭金が少ないけど、その分も住宅ローンで借りて大丈夫?

2018年04月26日

A.返済に無理がないなら、貯まるまで待つより借りたほうがいい

このコラムでは、マイホームを買うときにとても多い、皆さんの「あるあるなお悩み」について、解決策を考えていきたいと思います。
第1回は、お悩みナンバーワンの「頭金不足」について取り上げます。

頭金はなぜ必要?どんな効果がある?

一般的に「頭金は1割~2割程度を用意するのがいい」と言われています。では、それはなぜでしょうか?

理由の一つは、住宅ローンの借入額を抑えることができることです。住宅価格の1割~2割の頭金があれば、借入額は8割~9割になります。その分だけ毎月の返済額を減らして、家計を圧迫するのを防ぐという効果があります。

もう一つの理由は、万一売らなければならなくなった場合、売却価格で住宅ローンを完済しやすくなることです。住宅ローンの残高が少ない方が、住宅を売った額で住宅ローンを完済できる可能性が高くなり、次の住まいへの打ち手が取りやすくなるという効果があります。

住宅ローンは借りた後で長期にわたって返済し続けることになるので、借りた人の「リスクを減らせる」ということが頭金の大きな役割です。頭金が1割または2割あるかどうかで、住宅ローンの金利が変わる(頭金が一定割合以上あると金利を引き下げる)という商品が一部にありますが、金融機関の方でも返済リスクが少ない人には金利を引き下げても大丈夫と考えてのことでしょう。

頭金がなくても住宅ローンは借りられる?

かつては、住宅価格の8割までしか住宅ローンの借り入れができないというときもありましたが、今は住宅価格の全額まで借りられる住宅ローンがほとんどです。

とはいえ、誰でも住宅価格の全額まで借りられるわけではありません。金融機関は、住宅ローンを貸した相手が滞りなく返済できるかを、借りる人の返済能力や住宅の担保価値で判断します。

特に重要視されるのが、借りる人の返済能力です。一般的には、その人の年収に対して、年間返済額が何割になるかという「返済負担率」で判断されます。この場合の年間返済額には、住宅ローン以外に自動車ローンなどがあればそれも合計されます。さらに、一部の金融機関ではクレジットカードのキャッシング枠も合計されますのでご注意ください。

では実際に、返済負担率を試算してみましょう。

例えば、年間の返済額の合計が毎月15万円×12カ月=180万円だったとします。返済負担率は、年収750万円の人なら180万円÷750万円=24%ですが、年収500万円の人なら36%になります。負担率が低いほど、返済に無理がないことになりますが、どういった基準を設けているかは、実は金融機関によって違います。

ここでは、返済基準をオープンにしている「フラット35」の事例で見ていきましょう。

【フラット35の収入基準】

年収(税込) 400万円未満 400万円以上
返済負担率 30%以下 35%以下

先ほどの事例でいえば、年収750万円の人は返済負担率(35%以下)をクリアーしていますが、年収500万円の人は返済負担率をオーバーしていますので、借入額を減らさないと借りることができないということになります。

頭金が少なければ住宅ローンの借入額が多くなるので、返済額も増えてしまい、返済負担率の関係で希望額が借りることができない、という可能性もあることを理解しておいてください。

頭金が貯まってから買うVS頭金が少なくても今買う

金融機関が貸してくれる金額と無理なく返済できる金額は違いますから、返済負担率だけでなく、家計の上でも長期的に見て返済に問題がないか確認する必要があります。無理なく返済できるとした場合、頭金が貯まるまで待つのと、頭金が少なくても今買うのとでは、どちらがいいのでしょうか?

今のような「超」が付く低金利の時代は、利息が少ないので、貯蓄するにはデメリット。なかなか貯蓄は増えません。逆にいえば、借りるには大きなメリットです。

具体的に、簡単な試算を参考に考えていきましょう。

仮に、4,500万円の住宅を買おうとして、今は頭金が300万円しかない人がいるとします。今すぐ4,200万円の住宅ローンを組んで買ったというのがAの場合です。同じケースで頭金がすでに480万円ある人が、今すぐ4,020万円の住宅ローンを借りて買ったというのがBの場合です。

●A:今頭金300万円で買った場合

頭金 借入額 返済期間 金利
(9割超)
毎月返済額 総返済額 頭金+総返済額
300万円 4,200万円 35年 1.79% 13万4,646円 約5,655万円 約5,955万円

●B:今頭金480万円で買った場合

頭金 借入額 返済期間 金利
(9割以下)
毎月返済額 総返済額 頭金+総返済額
480万円 4,020万円 35年 1.35% 12万153円 約5,046万円 約5,526万円

いずれも全期間固定型の金利の「フラット35」(2018年4月時点金利)で借りています。フラット35の場合は、頭金が1割以上か未満かによって金利が変わります。頭金が1割以上あるBの場合は、借入額が少ないことと金利が低いことから、利息を含めた総返済額を抑えられるので、頭金が多いことの効果が表れています。

Bのように頭金が多くあればいいのですが、だからといって貯まるまで待った場合、どうなるでしょうか?

その試算がCです。条件は、住宅価格4,500万円、3年間で180万円貯めて頭金を480万円に増やしました。ただし、3年経っていますので、住宅ローンの完済年齢を先延ばししないように返済期間を32年間に短くしました。問題になるのは、金利です。3年後の金利がどうなっているか、誰にも予測できませんが、五輪景気を経て金利は上がっていると見て、2.0%と置いてみました。

●C:3年後に頭金480万円で買った場合

頭金 借入額 返済期間 金利 毎月返済額 総返済額 頭金+総返済額
480万円 4,020万円 32年 2.00% 14万1820円 約5,446万円 約5,926万円

+3年分の賃料(12万円)=432万円

AとCを比べると、Cは頭金が増えて借入額が減りましたが、返済期間を短縮しているので毎月返済額はその分増えてしまいます。金利が上がっているので、利息を含めた総返済額でもAとCはあまり違いません。貯めている3年間が賃貸住宅であれば、その分の賃料も加味しなければならないでしょう。

これはあくまで試算ですが、試算を見て押さえてほしいことは、「貯まるまで待っているうちに、住宅ローンの金利が上がってしまったら、頭金を増やした効果がなくなってしまう」ということです。

実際には、3年経つうちにさまざまな環境の変化があります。消費税率が10%になる(※)と住宅価格(建物価格)も上がり、3年後に同じような住宅が見つかるかどうかはわかりません。

※消費税率は2019年10月に10%への増税が予定されています。(2019年4月時点)

頭金がないのと貯金がないのは違う

これまでは頭金の話をしてきました。頭金が不足していても、あるいは住宅価格全額を住宅ローンで借りても、返済に無理がないなら、貯まるまで待つ必要はないといいましたが、全く貯蓄がないというのは別物です。

住宅を買おうとすれば、住宅価格のほかに、住宅の登記費用や住宅ローンを借りた際の税金や手続き費用なども必要です。いわゆる「諸費用」といわれるもので、貯蓄などから現金で支払います。

今は諸費用まで住宅ローンで借りることができるため、住宅を買うことは可能かもしれません。それでも、貯蓄が全くないが住宅を買いたいというのであれば、少し待ちましょう。そもそも住宅ローンを借りたら、長く返済を続けなければなりません。その間には、教育費を用意したり、高額の消費が発生したり、想定外の事態が起こる場合があります。そのために、住宅ローンの返済を続けながらでも、貯蓄をしていく必要があります。

貯蓄をする家計体質ができてないなら、まずやるべきことは貯蓄ができる家計にしていくことです。皆さんのご家庭はどうですか?

執筆者:山本 久美子(やまもと くみこ)

住宅ジャーナリスト
早稲田大学卒業。リクルートにて、『週刊住宅情報』『都心に住む』などの副編集長を歴任。現在は、住宅メディアへの執筆やセミナー等の講演にて活躍中。宅地建物取引士、マンション管理士、ファイナンシャルプランナー(AFP)。著書に『買い上手こそ!中古マンション 購入&リフォーム 得する選び方・改装術』(小学館)他

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