マーケット
オフィスマーケットレポート(2026年5月)
【東京都心5区 大規模ビル】
アナリストの視点
年間の成約面積は2021年から5年連続で前年を上回り、リーシング活動は拡大傾向にある。足元のオフィス需要は活発な一方、都心部では空室床の消化が進み、まとまった面積の募集床が限定的なため、成約面積の伸びには以前ほどの勢いが見込みにくい状況となっている。また、中東情勢の緊迫化で資材価格が一段と上昇し、景気後退への警戒感が高まっていることから、今後の需要動向を注視する必要がある。
(基準日:2026年4月30日)
| ※東京都心5区: | 千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区 |
| ※大規模ビル: | 1フロア面積200坪以上の賃貸オフィスビル |
| ※空室率: | 貸付総面積に対する「現空面積」の割合 |
| ※潜在空室率: | 貸付総面積に対する「募集面積」の割合。既存ビルにおいて、テナント退去前を含む募集床が対象 |
| ※募集面積: | 各統計日において公開されているテナント募集面積の合計 |
| ※統計開始: | 1994年1月1日 |
Ⅰ.実質GDP成長率
2026年1-3月期。2四半期連続のプラス成長を予測
ニッセイ基礎研究所によれば、5月19日に内閣府が公表する実質GDP成長率(2026年1-3月期)は年率プラス1.8%と、2四半期連続のプラス成長が予測される。4-6月期は中東情勢の緊迫化を受けた原油価格の上昇や供給制約の影響で、前期比年率0%台前半まで減速すると予想している。(図表1)
Ⅱ.失業率
前月から上昇(=悪化)。就業者数は再び減少
3月の完全失業率(労働力調査 総務省)は前月から上昇(=悪化)の2.7%となった。有効求人倍率(厚生労働省)は前月から低下(=悪化)、その先行指標である新規求人倍率は前月から上昇(=改善)した。失業率と有効求人倍率はともに悪化し、就業者数は再び減少している。(図表1)
出所:ニッセイ基礎研究所Ⅲ.空室率
前月から横ばい。1%台前半の低水準で推移
空室率は前月から横ばいの1.15%となった。自社ビルへの移転等により、まとまった面積の現空床が生じた一方、港区の新築・築浅ビルを中心に空室消化が進んだ。空室率は1%台前半の低水準で推移している。潜在空室率は前月比マイナス0.06ポイントの2.55%となった。

Ⅳ.募集賃料
6ヵ月連続の上昇。2008年11月以来の33,000円/坪台を回復
募集賃料は6ヵ月連続で上昇し、2008年11月以来の33,000円/坪台を回復した。募集面積約25万坪のうち、既存ビルでの募集は約16万坪となっており、2020年5月の水準まで低下している。賃料水準の上昇に加え、選択肢が限定的なため、移転計画を見送り既存オフィスのリニューアル等で対応するケースも増えている。

Ⅴ.成約面積(四半期)
対前年同期比は2期連続でマイナス
成約面積はリーシング活動の活発度を表す指標である。2026年第1四半期の成約面積は10万坪を下回り、2025年第4四半期に続き2期連続で対前年同期比マイナスとなった。

Ⅵ.エリア別募集賃料(円/坪)




| ※規模 (1フロア面積) |
・大規模(200坪以上) ・大型(100坪以上200坪未満) ・中型(50坪以上100坪未満) ・小型(20坪以上50坪未満) |
※「-」は、調査時点においてテナント募集を行ったビルが少なかったため、適正データが算出できなかったエリアです。
Ⅶ.空室率の推移(6大都市 大規模ビル)
Ⅷ.募集賃料の推移(6大都市 大規模ビル・主要駅前地区)
※募集賃料:共益費込
※外税表示
提供:三幸エステート株式会社
会社HP:https://www.sanko-e.co.jp/
当レポートは情報提供を目的とし、情報の正確性に十分配慮して作成されておりますが、その内容を保証するものではありません。使用にあたっては貴社の責任と判断にてお願い致します。