【2026年最新】家の解体費用はいくら?構造・坪数別の相場と補助金・更地にすべきかの判断基準

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「古家付きのまま売るべきか、解体して更地にすべきか」----売却を検討している方なら、一度は悩むテーマではないでしょうか。判断の分かれ目は、解体費用の相場・補助金の有無・固定資産税の変化の3点にあります。この記事では、構造・坪数別の解体費用相場から、地域ごとの補助金制度、実例を交えた費用感、業者選びの注意点までを順を追って解説します。
結論:家の解体費用は木造で1坪あたり約4.5万円~6万円 、30坪で約135万円~180万円が目安です。構造・立地・アスベストの有無で上下し、更地にすると翌年度以降の固定資産税が上がります。補助金が使える自治体もあるため、まずは複数社の見積もりと自治体への確認から始めましょう。[出典1][出典2]

この記事の要点

•解体か売却かは、費用・売却時期・税制を比較し、メリットとデメリットを整理して判断する
•木造住宅の解体費用は1坪あたり約4.5万円~6万円 、30坪で 約135万円~180万円が相場の目安[出典1]
•構造は木造が最も安く、鉄骨造・鉄筋コンクリート造の順に費用が上がる[出典1]
•自治体の補助金制度を使えば、解体費用の負担を軽減できる場合がある[出典4]
•解体後は固定資産税の住宅用地特例が外れ、土地の税額が上がる点に注意[出典2][出典3]

解体費用は建物の所有者が負担するのが原則。相続・共有名義では負担者の整理が必要

目次

1. 解体するか売却するかの判断基準

解体か売却かは、費用・買い手の需要・建物の状態を並べて初めて判断できます。
古家付きの不動産を前にすると、多くの方が「更地にした方が売れやすいのでは」と考えます。ただ、解体費用をかけたからといって必ず高く売れるとは限りません。判断のポイントは、立地のニーズ、建物の傷み具合、そして手元資金の3つに集約されます。ここから、それぞれのメリットとリスクを具体的に見ていきましょう。

1-1.古家を解体して売却するメリット

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更地にする一番の利点は、買い手の間口が広がることです。新築を建てたい層は解体済みの土地を好みますし、住宅ローンの審査も土地単体の方がスムーズに進みやすい傾向があります。木造住宅の解体費用は坪あたり4.5万〜6万円程度が目安とされ、30坪の家ならおおむね135万〜180万円ほどかかりますが、その分「古い家の管理や解体の手間を買い手に負わせない」という安心感を与えられます。

また、老朽化が進んで倒壊の危険がある建物や、シロアリ被害・雨漏りが目立つ物件は、そのまま売るより解体した方が価格交渉で有利になるケースが多いです。内覧時に「この家、住めるのだろうか」と不安を持たれると値引き交渉の材料にされやすくなりますが、更地であれば土地の広さや形状、日当たりだけで評価してもらえるため、査定額が安定しやすいという特徴があります。

1-2. 古家をそのまま売却するメリット

一方で、あえて解体せずに売る選択肢もあります。まず解体費用を一切かけずに済む点は大きな利点です。解体料金は建物の構造や面積によって数十万円から数百万円と幅があり、この初期負担をゼロにできるのは資金繰りの面で心強いはずです。
さらに、古家付きのまま売ると固定資産税の住宅用地特例が継続され、更地にするより税負担が抑えられる期間が生じます。また近年増えている「古い家を購入して自分好みにフルリノベーションしたい」という買主や、 、賃貸経営を考える投資家からの需要もあり、「古い家だから売れない」と決めつけず冷静に検討しましょう。価格設定次第では、古家のまま短期間で成約する事例も珍しくありません。

1-3. 解体のデメリットとリスク

解体には見落とされがちなリスクもあります。まず、更地にした瞬間から固定資産税の住宅用地特例が外れ、翌年度以降の税額が上がる可能性がある点です。年内に売却できず年をまたぐと、想定外の税負担を抱えることになりかねません。
加えて、解体費用は事前見積もりより高くなることがあります。地中埋設物(古い基礎やコンクリートガラ)が出てきた場合は追加費用が発生しやすく、当初の想定より50万円以上膨らむ例も見られます。売却時期が決まっていない段階での解体は、資金だけが先に出ていく「持ち出し」状態になるリスクがある点も想定しておきましょう。

選択肢 メリット 注意点・リスク
解体して売却 ・買い手の間口が広がる
・ターゲットが幅広く早く売れやすい
・解体費用が先行負担になる
・住宅用地特例が外れ税負担が増える
古家のまま売却 ・初期費用が不要
・住宅用地特例が継続する

・買い手が限定されやすい
・値引き交渉をされやすい

1-4. 解体費用は誰が負担する?(相続・共有・借地のケース)

「そもそも解体費用は誰が払うのか」は、特に相続がからむと迷いやすいポイントです。原則として、建物の解体費用はその建物の所有者が負担します。
相続した実家や空き家の場合は、相続人が負担します。相続人が複数いる共有名義であれば、法定相続分(持分)に応じて按分するのが原則ですが、実務では遺産分割協議のなかで「誰が負担し、代わりに何を取得するか」をまとめて決めるケースが多く見られます。
注意したいのが相続放棄です。相続放棄をすれば負担を免れると考えられがちですが、次に管理する人(他の相続人や相続財産清算人など)が決まるまでは、放棄した人にも建物の管理義務が残る場合があります。放棄すれば当然に解体・管理の責任がなくなるわけではない点は注意が必要です。
また、借地上に建つ建物は、借地契約の内容によりますが、契約終了時に建物所有者(借地人)が解体して土地を返す原状回復義務を負うのが一般的です。古家付き土地を売買する場合は、売主が解体して引き渡すか、買主が解体を前提に購入するかは契約次第で、解体費相当分を価格に反映して調整することもあります。相続や共有で負担者の判断に迷うときは、早めに不動産会社や専門家に相談すると、売却の段取りとあわせて整理しやすくなります。

2. 解体費用の相場と要因

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解体費用は構造・坪数・立地で大きく変わり、事前の相場把握が交渉の武器になります。

2-1. 構造別の解体費用相場

解体を検討するなら、まず自分の家がどのくらいの費用になるのか、構造別の相場をつかんでおくことが出発点になります。解体工事費は建物の構造によって単価が異なり、一般的に木造が最も安く、鉄骨造、鉄筋コンクリート造の順に高くなる傾向があります[出典1]。国土交通省の資料によれば、空き家の解体工事費は木造住宅で1坪あたり4.5万円~6万円程度が相場とされ、30坪の建物なら135万円~180万円が目安です[出典1]。木造か軽量鉄骨か、あるいはRC造かによって解体料金は 変わるため、まずは自宅の構造を確認し、その構造の相場帯から見積もりの妥当性を判断する姿勢が大切です。

建物の構造 坪単価の目安(税抜) 総額(税抜)
※30坪の場合
木造 4.5万〜6万円 135万~180万円
鉄骨造(軽量・重量) 6万〜8.2万円 135万~246万円
鉄筋コンクリート(RC) 7.3万〜10万円 219万~300万円

2-2. 坪数別の解体費用の目安

坪数が増えるほど総額は上がりますが、坪単価そのものは大きく変わらないケースが多く見られます。木造住宅の解体費用は1坪あたり3.5万円が一つの目安とされ、これをもとに坪数別の総額を整理すると次のようになります[出典1]。

延床面積 木造の解体費用目安(坪単価3.5万円換算)
30坪 約105万円
50坪 約175万円
100坪 約350万円

30坪クラスの戸建てなら解体費用は100万円前後、100坪の大きな古家になると300万円を超えることも珍しくありません。同じ坪数でも地域によって単価が変わる点も見逃せず、関東は約3.7万円/坪、北海道・東北は約3.2万円/坪という具合に差があります[出典1]。まずは自宅の延床面積を把握し、上記の目安表に当てはめて概算をつかんでおくと、業者から提示された見積もりを冷静に判断できるようになります。

2-3. 解体費用に影響する要因

坪単価や構造だけでは説明できない費用の上下があるのも、解体工事の悩ましいところです。主な要因は次のとおりです。

  • 立地条件:道路が狭く重機が入れない現場では手作業での解体が必要になり、人件費で総額が膨らむ。隣地との距離が近い狭小地は、養生や防音対策の費用も加わりやすい。
  • 建物の老朽化・損傷:地震や台風で損傷を受けた建物は廃材の分別作業が増え、通常より高額になりやすい。
  • アスベストの有無:古い建材にアスベストが使われている場合、専門業者による除去作業が別途必要となり、費用が大きく上振れする可能性がある。
  • 残置物の量:家具や家電などの残置物を売主側であらかじめ撤去しておくと、作業負担が減り費用を抑えられる。
  • 依頼する時期:12月〜3月は依頼が集中する繁忙期で割高になりやすい。時期を選べる場合は閑散期(4月以降)が有利。[出典7]

なお、人件費や廃棄物処分費の上昇、アスベスト対策の強化などを背景に、解体費用は近年上昇傾向にあります。数年前の相場観のままだと想定より高くつくことがあるため、見積もりは複数社から最新の金額で取り直すことをおすすめします。

3. 地域別の補助金と助成制度

坪単価や構造で決まる解体費用そのものとは別に、見落とされがちなのが自治体の補助金制度です。空き家解体には自治体独自の補助金があり、条件次第で数十万円の負担が軽減できる可能性があります。

3-1. 地域による補助金の違い

多くの市区町村が、老朽化した空き家の解体に対して独自の助成制度を設けています。国も「空き家対策総合支援事業」を通じて市区町村の除却の取り組みを支援しており、これを活用した制度が各地にあります[出典4]。たとえば、倒壊の危険があると判定された老朽家屋の解体費の一部を補助する制度や、空家等対策特別措置法に基づく「特定空家等」の除却に対して工事費の一部(上限数十万円〜100万円程度)を補助する自治体が見られます[出典4]。
ただし、補助の有無や金額は自治体ごとに大きく異なります。同じ県内でも、市によっては制度自体が存在しない、あるいは予算枠に達し次第受付終了というケースもあります。「うちの地域は関係ないだろう」と思い込まず、まずは物件所在地の役所の建築指導課や住宅政策課に問い合わせてみることをおすすめします。補助対象は「昭和56年以前の旧耐震基準の建物」「一定期間居住実績がない空き家」など細かく条件が定められていることが多く、単に古い家というだけでは対象外になる場合もある点も押さえておきましょう。
※補助金制度は年度ごとに内容が変わります。本記事は2026年7月時点の一般的な傾向であり、実際の申請にあたっては物件所在地の自治体の最新の要綱を必ずご確認ください。

3-2. 補助金申請の流れと注意点

補助金活用で最も注意すべきなのは、申請のタイミングです。多くの自治体では「解体工事の契約前」に申請し、交付決定を受けてから着工することが条件になっています。先に解体業者と契約してしまうと、後から申請しても対象外と判断される事例が実際にあるため、この順序を間違わないようにしましょう。
一般的な流れとしては、まず役所の窓口で事前相談を行い、対象要件を満たすか確認します。その後、現地調査(職員による建物の老朽度診断)を経て申請書類を提出し、審査を経て交付決定通知を受け取ります。ここでようやく解体業者との契約・着工に進み、工事完了後に実績報告書と領収書を提出して補助金が交付される、という段取りです。申請から交付決定まで1〜2か月程度かかる自治体もあるため、売却スケジュールに余裕を持たせておく必要があります。
年度ごとの予算枠にも注意しましょう。人気の高い制度は募集開始からわずか数週間で予算上限に達することもあり、年度が替わるタイミングで再度申請するといった対応を迫られる可能性もあります。早めの情報収集と役所への相談が、費用負担を抑える近道になります。

4. 解体費用に関する実例

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実例を知れば、自分の物件の解体費用や土地活用の見通しが具体的につかめます。

実例1:木造平屋の解体費用

築50年ほどの木造平屋、延床30坪の家を解体するケースで考えてみましょう。木造住宅の解体費用は1坪あたり3.5万円が全国的な相場とされ、坪数が大きくなるほど総額も比例して増えていきます[出典1]。この単価をそのまま当てはめると、30坪であれば本体解体費だけでおおむね100万円前後です。ただし実際の見積もりでは、これに加えて足場や養生シートなどの仮設工事費、庭木の伐採やブロック塀の撤去といった付帯工事費が上乗せされることがほとんどです。 平屋は総二階の家に比べて基礎や外壁の面積が広く、坪数のわりに手間がかかる場合がある点も覚えておくとよいでしょう。

実例2:鉄骨造の解体費用

鉄骨造の住宅は、木造に比べて構造がしっかりしている分、解体にも重機での分離作業や鉄骨の切断・搬出といった手間が加わります。そのため坪単価は木造より高くなる傾向があり、一般的に木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造の順に費用が上がっていくとされています[出典1]。仮に延床40坪の鉄骨2階建て住宅を解体する場合、木造相場の3.5万円/坪を基準にすると鉄骨造では1.5〜2倍程度になるケースが多く、総額で200万円を超える見積もりが出てくることも十分あり得ます。

実例3:解体後の土地活用事例

古家を解体して更地にしたあと、そのまま売却せずに一時的な土地活用に回すという選択肢もあります。たとえば駐車場として貸し出す方法は、初期投資が比較的少なく、更地のまま活用できる点が魅力です。月極駐車場であれば数台分のスペースがあれば始められ、売却先が決まるまでの間の収益源として選ばれることが多いパターンです。ほかにも、資材置き場として近隣の工務店に貸す、トランクルームを設置するといった活用例が見られます。一方で、更地のまま長期間放置すると、固定資産税の負担が続くだけでなく、雑草の管理や不法投棄のリスクも出てきます。売却活動と並行して短期の土地活用を検討しておくと、安心材料になるはずです。

5. 固定資産税と解体の関係

更地にすると土地の固定資産税は上がりやすいため、解体前に税負担の変化を必ず試算しておきましょう。

5-1. 解体後の固定資産税の変化

古家付きの土地には「住宅用地の特例」という軽減措置が適用されており、建物を解体するとこの特例が外れます。200平方メートル以下の小規模住宅用地は固定資産税の課税標準額が評価額の6分の1に、200平方メートルを超える部分は3分の1に軽減されています[出典2]。この特例は建物が建っていることが条件のため、解体して更地にすると適用外となります。
更地(住宅用地以外の宅地)になると、課税標準額の上限である評価額の70%程度まで一気に戻ることになります。[出典3]。つまり、特例で6分の1に抑えられていた課税標準が一気に高くなるため、土地の固定資産税は解体した翌年度から3〜4倍程度に跳ね上がるのが一般的です。
たとえば土地の評価額が900万円の小規模住宅用地の場合、特例適用時の課税標準額は150万円(=900万円×1/6)、固定資産税は年約2.1万円(税率1.4%)です[出典2]。更地化後は課税標準額が段階的に上がり、上限の630万円(=900万円×70%)に達すると固定資産税は年約8.8万円となり、土地だけで見れば約4倍です[出典3]。ただし解体によって建物分の固定資産税はなくなるため、トータルの負担増はこれより緩和されますが、それでも増額は避けられません。都市計画税がかかる地域ではさらに上乗せされます。

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売却までに時間がかかりそうな場合、解体後に何年も更地のまま所有し続けると、この税負担がじわじわと家計を圧迫します。「解体すればすぐ売れる」と安易に考えず、売却までの見込み期間と税負担のバランスを見ておきましょう。

5-2. 税金対策のポイント

税負担を抑える一番のポイントは、解体と売却のタイミングを合わせることです。固定資産税は毎年1月1日時点の所有者・状態で課税されるため、年明け早々に解体し、その年のうちに引き渡しまで完了できれば、更地状態での高い税額を1年分回避できる可能性があります。逆に年内(1月1日より前)に解体すると、翌年1月1日を更地で迎えるため、その年から更地状態の税額となります。解体時期の見極めが節税の分かれ道になります。
自治体によっては、解体工事の完了時期や滅失登記の申請時期によって課税年度の判定が変わる場合もあるため、事前に役所の資産税課へ確認しておくと安心です。また、更地のまま長期保有せざるを得ない事情がある場合は、駐車場や資材置き場として一時的に活用し、収益で税負担を相殺する方法も検討に値します。判断に迷ったときは、不動産会社に売却の見込み時期を確認したうえで、税理士や自治体窓口にも相談しながら決めると失敗しにくいでしょう。

6. 解体を依頼する際の注意点

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業者選びと見積もり比較を丁寧に行うことが、適正な解体費用で工事を終える近道です。

6-1. 信頼できる業者の選び方

固定資産税の負担まで見据えて解体を決めたら、次に悩むのが業者選びです。解体工事業は建設業許可または解体工事業登録が必要な業種で、まずこの許可番号を確認することが基本です。都道府県のウェブサイトで登録業者を検索できる仕組みがあるので、契約前に一度調べておくと安心できます。
産業廃棄物収集運搬の許可を持っているかも見逃せないポイントです。解体で出た廃材を無許可の業者に運ばせると、不法投棄に加担した扱いを受けるリスクがあります。安さだけで選んだ結果、近隣トラブルや廃棄物の不適切処理が発覚し、施主側に責任が及んだ例も報告されています。
見積もり時に現地調査を行わず電話だけで金額を提示する業者は避けたほうが無難です。解体費用は立地や建物の状態で大きく変わるため、実際に敷地を見て積算する業者のほうが精度の高い金額を出してくれます。

6-2. 見積もりのチェックポイント

解体費用の見積書を受け取ったら、総額だけで判断せず内訳の書き方を確認してください。「一式」とだけ記載され、仮設工事・本体解体・廃材処分・整地の区分がない見積書は要注意です。後から追加請求されるケースの多くは、この内訳の曖昧さが原因になっています。
比較する際は、必ず2〜3社から同条件で見積もりを取ることが欠かせません。同じ30坪の木造住宅でも、業者によって坪単価の設定や廃棄物処理費の計算方法が異なり、数十万円の差が出ることも珍しくありません。極端に安い金額を提示する業者には、後から追加費用を請求する意図が隠れている場合もあるため、その場で契約せず一度持ち帰って検討する姿勢が大切です。見積書に工期の記載があるかも確認しましょう。工期が不自然に短い場合、手抜き作業や廃材の不適切処理につながる懸念があります。

6-3. 解体工事の流れと必要な手続き

解体工事は契約後すぐに始まるわけではなく、いくつかの手続きを経て進みます。まず建設リサイクル法に基づき、床面積80平方メートル以上の建物を解体する際は、発注者が工事着手の7日前までに都道府県知事へ届出を行う必要があります[出典5]。この届出は発注者自身か、委任を受けた業者が行うのが一般的な流れです。
届出後、近隣住民への挨拶が行われます。振動や粉じん、車両の出入りで迷惑をかける可能性があるため、業者と一緒に挨拶に回るか、業者に一任するかを事前に決めておくとスムーズです。実際の工事は仮設足場やシートの設置から始まり、内部の造作物撤去、重機による本体解体、基礎の撤去、廃材搬出、整地という順序で進みます。木造30坪程度であれば工期はおおむね1〜2週間ですが、天候や搬出経路の状況で延びることもあります。
工事完了後は、不動産登記法に基づき、建物の滅失から1か月以内に法務局へ建物滅失登記を申請する義務があります。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になる場合があるため、忘れずに手続きを済ませておきましょう[出典6]。滅失登記をしないと、取り壊して存在しない建物に固定資産税が課され続けるおそれもあります。

7. 家の解体費用の内訳

解体費用は〈本体工事費〉〈仮設工事費〉〈付帯工事費〉〈諸経費〉の4つで構成されています。
見積書を見て「解体費用は結局何にお金がかかっているのか分かりにくい」と感じた方も多いのではないでしょうか。家の解体費用は、単に建物を壊す作業だけでなく、複数の工事や手続きの費用が積み重なってできています。まずは全体像を表で確認し、そのあと各項目を順に見ていきましょう。

内訳項目 主な内容 費用比重の目安
本体工事費 建物本体の取り壊し・廃材処分 約60〜70%
仮設工事費 足場・養生シートの設置ほか 約10〜15%
付帯工事費 庭木伐採・ブロック塀撤去・残置物処分 約10〜20%
諸経費 届出費用・近隣対応・道路使用許可申請 約5〜10%

7-1. 本体工事費

建物本体を取り壊す費用で、解体費用全体の6〜7割程度を占める最も比重の大きい項目です。木造住宅なら1坪あたり4.5万円~6万円が目安とされ、30坪の家屋で本体工事費だけで135万円~180万円が相場です[出典1]。ここに木材・コンクリート・金属などを分別して運搬・処理する廃材処分費が含まれます。分別が不十分だと処分費が割高になるため、業者選びの段階で分別方法を確認しておくと安心です。

7-2. 仮設工事費

建物を壊す作業そのものではなく、工事を安全かつ円滑に進めるための準備費用です。代表的なのが足場の設置と養生シートで、足場は作業員の安全確保、養生シートは解体時のほこりや破片の飛散を防ぎ近隣トラブルを回避する役割を担います。密集した住宅街では特にこの養生が丁寧に行われているかが重要で、シートの隙間から粉じんが漏れると近隣からの苦情につながりかねません。
仮設トイレの設置や仮囲い、電気・水道の仮設引き込みなども含まれ、坪単価にすると1,000円〜3,000円程度が目安です。30坪の住宅であれば3万〜9万円ほどが計上される計算です。敷地が狭く足場の組み方が複雑になる場合や、隣家との距離が近くより厳重な養生が必要な場合は上振れすることもあります。安全対策と近隣配慮の質を左右する項目のため、金額だけで削るべきではありません。

7-3. 付帯工事費

建物本体の取り壊し以外に発生する、敷地内の構造物や設備を撤去・処分するための費用です。具体的には、ブロック塀や庭木の伐採、物置や倉庫の解体、カーポートの撤去、井戸や浄化槽の埋め戻し、庭石や庭園灯の撤去などが該当します。
たとえば古家付きの土地によくあるコンクリートブロック塀は、1メートルあたりおおむね3,000円から6,000円ほどの撤去費用がかかり、 20メートルなら6万円から12万円程度が上乗せされる計算です。庭に大きな樹木があれば1本あたり10万円を超えるケースもあり、庭石等の重量物の撤去や井戸の埋め戻し等も多額になる場合があります。付帯工事は見積もり時に見落とされやすく、契約後の追加費用トラブルの原因になりがちです。敷地内の構造物を一つずつ業者に伝え、撤去対象と費用を項目ごとに明記してもらいましょう。

7-4. 諸経費

廃棄物の運搬・処理にかかる費用のほか、建設リサイクル法や道路使用許可などの各種届出費用、近隣への挨拶や防音対策にかかる費用などが含まれます[出典5]。重機を敷地に入れるための道路使用許可申請費など、こうした細かな項目まで見積書に明記されているかどうかで、業者の誠実さも見えてきます。

8. まとめ

解体するか売却するかは、費用相場・補助金・固定資産税の変化を踏まえて総合的に判断するものです。木造30坪 なら解体費用はおおむね135万円~180万円が目安ですが[出典1]、構造や立地、アスベストの有無で大きく変わります。特に古家の老朽化が進み買い手が見つかりにくいと感じている場合は、更地化による売却スピードの向上が有効な選択肢になります。まずは複数業者から見積もりを取り、補助金の対象になるか自治体に確認することから始めてみてください。

9. よくある質問(FAQ)

Q:空き家や古家の解体費用はどれくらいかかりますか?

A:木造住宅の場合、1坪あたり4.5万円~6万円程度が目安で、30坪であれば135万円〜180万円 程度が相場です[出典1]。エリアによっても差があるため、実際の費用は立地や建物の構造、付帯工事の有無によっても変動するため、複数業者の見積もりで確認することをおすすめします。

Q:建物の解体費用が高くなるのはどんなケースですか?

A:重機が入れない狭い道路や敷地の場合、手作業が増えて費用が上がります。アスベストが含まれる建材がある場合や、地震・台風で損傷し廃材の分別が必要な場合も、通常より高額になりやすい傾向です。鉄筋コンクリート造など構造自体が頑丈な建物も、木造より解体費用が高くなります。

Q:木造平屋の解体費用の相場はどのくらいですか?

A:木造住宅の解体費用は1坪あたり4.5万円~6万円万円程度が全国的な目安で、30坪の平屋であれば約135万円~180万円万円 が相場とされています[出典1]。 平屋は解体作業がしやすく、2階建てに比べて仮設工事や重機作業の負担が軽い分、費用が抑えられる傾向があります。

Q:解体費用の全国的な相場と地域差はありますか?

A:解体費用は全国一律ではなく地域差が見られます。一般的に、人件費や廃棄物処理コストが高い都市部(関東圏など)は高めになり、地方部では比較的抑えられる傾向があります。実際の費用は立地条件や建物の構造、業者数などによって変動するため、事前の見積もりで確認することが重要です。

Q:解体費用は誰が負担しますか?相続や共有名義の場合は?

A:原則として建物の所有者が負担します。相続した空き家や実家の場合は相続人が負担し、共有名義であれば持分に応じた按分が原則ですが、実務では遺産分割協議のなかでまとめて決めることが多いです。なお、相続放棄をしても、次の管理者が決まるまでは管理義務が残る場合があるため、放棄すれば当然に責任がなくなるわけではありません。判断に迷う場合は不動産会社や専門家への相談をおすすめします。

Q:解体費用を負担できない場合はどうすればいいですか?

A:解体費用を用意できない場合は、無理に解体せず古家付きのまま売却する、自治体の補助金や解体ローンを活用する、といった選択肢があります。相続した空き家であれば、空き家バンクへの登録や自治体窓口への相談も有効です。一方で、老朽化した空き家を放置すると「特定空家等」に指定され、固定資産税の住宅用地特例が外れたり、行政代執行の対象になったりするリスクがあるため、早めの対応が大切です[出典4]。

金子洋平

金子洋平

iYell株式会社 執行役員
2009年 東証プライム(旧東証一部)上場のSBIホールディングス入社。SBIアルヒ株式会社(旧SBIモーゲージ株式会社)に配属。その後、株式会社じげん(旧株式会社アイアンドシー・クルーズ株式会社)での勤務を経験。2017年 iYell株式会社に入社。執行役員及びフィンテック推進室責任者として、銀行及び大手住宅事業者をはじめとする外部企業とのアライアンス領域を担当。2018年 一般社団法人不動産テック協会の理事に就任(現任)。

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