
2025年の近畿圏平均は26.08、前年から1.91ポイントと連続上昇
マンションPERが最も低かった駅は「大津京」の17.09、最高駅は「北浜」の45.71
2025年における新築マンションPER(=マンション価格が同じ駅勢圏のマンション賃料の何年分に相当するかを求めた値)の近畿圏平均は26.08で、前年から1.91ポイントと連続上昇し、平均値で既に強い割高感を示している。
算出対象駅(81駅)における新築マンションの平均価格(70m2換算)は前年比+11.7%の6,766万円、分譲マンションの平均賃料(70m2換算)は+2.8%の214,988円といずれも上昇した。ただし、上昇率が10%を超えた平均価格に対して賃料の上昇率は追いついておらず、むしろ差は拡大して回収に要する期間も一段と長期化した。
各駅のマンションPERを色分けした路線図を見てみると、強い割安感を示す青色(18未満)は2025年には1駅(シェア1.3%)と駅数・シェアともに縮減した。
表面利回りで5%以上を維持している緑色(18以上20未満)は4駅(同4.9%)で前年並みだったが、2023年まではほぼ10%を超えていたことからすれば低い水準である。郊外においても高いPERの駅が出てきている状況では、これらのシェアが回復する見込みはほとんどない。
加えて、比較的割安感がある橙色(20以上22未満)も5駅(同6.2%)と駅数・シェアともに縮減し、いずれも緑色に並ぶ水準となっている。桃色(22以上24未満)は21駅(同25.9%)と駅数・シェアともに増大した一方で、赤色(24以上26未満)は14駅(同17.3%)とシェアが10ポイント以上縮小した。
近畿圏平均を概ね上回り強い割高感を示す茶色(26以上)の駅は36駅(同44.4%)と駅数・シェアともに大きく増大した。
京都市中心部に加え、大阪市中心部でも高額物件の供給により茶色へ取って代わった駅が確認できる。また、北摂エリアにおいてもマンションPERが上振れており、通勤利便性の高さから価格上昇の波が人気のベッドタウンにも及んでいる様子が見て取れる。

近畿圏で最もマンションPERが低かった(割安感が強かった)駅はJR湖西線「大津京」の17.09で、賃料換算での回収期間は近畿圏平均に比べて約9年も短かった。「大津京」で対象となったのは徒歩時間区分・所在階層区分が異なる6グループで、マンションPERのレンジは13.29~20.25と7ポイント近く開いている。
「6分~10分」は駅近立地で強気の価格設定が為されたものの、賃料には階層の違いが十分に反映されていない様子である。「11分~15分」では、階層が高くなるにつれ賃料も高く設定されていることでマンションPERは低下傾向にある。
第2位の「三ノ宮」で対象となったのは、27階建てのタワーマンションから発生した所在階層区分が異なる3グループ。神戸市では2020年7月から、条例によって市中心部でのタワーマンション建設を規制しており、当該エリアで"最後のタワマン"と呼ばれている物件である。
「10階~14階」「15階~19階」のマンションPERは17ポイント台となっているが、「20階~24階」では21.48と高まっており、賃料見合いでまだ割安感はあるものの、高層階では相応に高い値付けが為されているようだ。
一方、最もマンションPERが高かった(割高感が強かった)駅は大阪メトロ堺筋線「北浜」の45.71で、近畿圏で唯一40ポイントを超え、賃料換算では平均値と比較して回収に20年近くも余計にかかる計算となる。
「北浜」で対象となったのは徒歩時間区分が「5分以内」の所在階層区分が異なる3グループで、「4階以下」「5階~9階」「10階~14階」のマンションPER(40.40、42.73、53.83)を見ると、高層階の数値が高まり、最大で10ポイント以上差が開いている。
当該駅で徒歩2分のタワーマンションが供給されたことで、平均価格(70m2換算)が全体的に押し上がったが、平均賃料(70m2換算)は約22万円~23万円と所在階層区分によって大きな差が見られなかった。ランキング下位20駅のうち、多くを京都市中心部の駅が占めていることに変わりはないが、大阪市外、神戸市外に位置する駅も加わっている。
第8位「茨木」で供給される新築マンションは大阪市内に通勤するファミリー層を主な販売ターゲットにし、価格が高騰する大阪市中心部を検討対象から外した実需の受け皿になっているとみられる。その点を踏まえれば、さほど収益性を考慮せず価格設定ができると言えるだろう。

築10年中古マンションで最もマンションPERが低かった駅は南海本線「和歌山市」の15.92で、賃料換算での回収期間は近畿圏平均に比べて10年以上も短かった。「和歌山市」で対象となったのは徒歩時間区分が「11分~15分」の4グループで、総じて20ポイントを下回っている。
新築マンションPERでは「和歌山市」が27.22と強い割高感を示していたこととは対照的である。ランキング上位20駅の中で所在階層区分が20階以上のグループを含んでいたのは第18位「阿倍野」のみで、徒歩時間区分は「5分以内」と駅近立地での供給だった。
所在階層区分ごとにマンションPERを比較すると「5階~9階」で22.52、「20階~24階」で22.58とほぼ同水準になっている。いずれの階層区分もタワーマンションからの事例であり価格・賃料が高く設定されていたものとみられる。
一方、最もマンションPERが高かった駅は京都市営地下鉄東西線「東山」の40.27で、賃料換算では近畿圏平均と比較して回収に13年以上余計にかかる計算となる。「東山」で対象となったのは徒歩時間区分が異なる2グループで、「6分~10分」「11分~15分」のマンションPER(41.06、39.29)を比べると、いずれも非常に強い割高感を示している。
「梅田」「北浜」といった大阪市中心部の平均価格(70m2換算)を上回っているにもかかわらず、平均賃料(70m2換算)は下回っており、やはり事業集積地を保有するエリアとの賃料水準の違いが回収期間に影響していると分かる。第2位の「大阪」では大規模な複合開発に伴い建設された48階建てのタワーマンションから、坪1,000万円を超える住戸が複数供給され、平均価格はランキング上位駅の中でも一段と高い水準となっている。


データについては無断で転載、利用することを禁じます。
提供:東京カンテイ物件を買う
物件を売る
エリア情報

