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2025.11.18

マンションのパイプスペースとは?メーターボックスとの違いや活用方法を紹介

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マンションのパイプスペース(PS)には、給水管や排水管、ガス管などの配管が集約されています。パイプスペースの役割や目的、設置個所別のメリット・デメリット、チェックポイント、活用方法などを解説します。

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[目次]
マンションのパイプスペースの基本知識
 パイプスペースの役割と設置目的
 パイプスペースは共用?専用?
 パイプスペースの主な用途
 「パイプスペース」「メーターボックス」「メーターボックスパイプスペース」「ダクトスペース」とは
パイプスペースの室内設置・屋外設置、各メリット・デメリット
 室内設置の主なメリット・デメリット
 屋外設置の主なメリット・デメリット
中古マンションを選ぶ際のパイプスペース・チェックポイント
 ポイント1.パイプスペースの設置場所と生活動線
 ポイント2.パイプスペース内の配管の材質
 ポイント3.パイプスペースの防音対策
 ポイント4.パイプスペースの劣化度合
 ポイント5.パイプスペースの点検・修理状況
パイプスペースの活用方法
 活用1.インテリアのアクセントにする
 活用2.収納スペースに組み込む
 活用3.回遊動線・間取り工夫の軸にする
パイプスペースは間取り図だけではなく、現物を見て確認しよう

マンションのパイプスペースの基本知識

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マンションの間取り図などを見ていると、「PS」という表記を目にすることがあります。PSとは「パイプスペース」の略語で、給水管や排水管、ガス管などの配管を収納するために設けられた専用空間です。ここでは、パイプスペースの役割や設置目的、主な用途などについて解説します。

■パイプスペースの役割と設置目的
■パイプスペースは共用?専用?
■パイプスペースの主な用途
■「パイプスペース」「メーターボックス」「メーターボックスパイプスペース」「ダクトスペース」とは

■パイプスペースの役割と設置目的
パイプスペースとは給水管や排水管、ガス管など、生活に必要な配管をまとめて収納するために設けられた専用空間のことです。各住戸へ水やガスを安定供給し、使用後の水を適切に排水するという、マンション全体の水回り機能を支える役割を担っています。

配管をパイプスペースに集約する目的は、主に「保護」と「維持管理」の2つです。配管がむき出しの状態では見た目が気になる人もいるほか、物をぶつけて破損させてしまうリスクもあります。パイプスペースという空間で保護することで、物理的な損傷を防ぐほか、配管の寿命を延ばすことにもつながります。

■パイプスペースは共用?専用?
パイプスペース内の配管は、その配管の種類や位置によって共用部分と専用部分に区分されます。一般的に、建物の上下階を貫通する縦管や各住戸へ分岐する前の主配管は、「共用部分」として管理組合が管理します。住戸内の横引き配管や専有部分内の給水・排水設備は、区分所有者の管理責任となることが多いようです。

一般的な区分と管理責任
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例えばパイプスペース内で水漏れが発生した場合、原因が縦管にあれば、基本的に修繕費用は管理組合が負担します。自分の部屋に向かう横引き管からの水漏れであれば、自己負担で修繕するケースが多くなります。万が一、水漏れが起きた際に「誰が直すのかわからない」と焦る事態を防ぐためにも、区分や管理責任を理解しておくと安心です。

ただし、区分はマンションごとの管理規約により、異なる場合もあります。マンションの購入を検討している方は、事前に規約を確認しておくことをおすすめします。

マンションの共用部分と専用部分について知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
⇒ マンションの共用部分はどこまで?間違えやすい共用部分と注意点を解説
管理組合について知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
⇒ マンションの管理組合とは?役割から加入義務、起こりやすいトラブルまで解説

■パイプスペースの主な用途
マンションのパイプスペースは、単に配管をまとめるだけではありません。衛生的で快適な暮らしを守るために、排水の種類に応じて「雑排水用」と「汚水用」の2系統に分けて設置されるのが一般的です。

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雑排水と汚水を分けることで、配管の詰まりやにおいのトラブルが発生した際に、原因を特定しやすくなります。メンテナンスや清掃も系統別に効率的に行えるため、建物全体の衛生環境を良好に保てます。

トイレの汚水は独立した系統で処理されるため、キッチンや浴室などの雑排水への影響を防げる仕組みです。浴室やキッチン、トイレが複数設置されている物件では、パイプスペースも2ヵ所以上に設けられている場合があります。パイプスペースは、安全で衛生的な住環境を長期的に維持するための重要な設計なのです。

■「パイプスペース」「メーターボックス」「メーターボックスパイプスペース」「ダクトスペース」とは

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間取り図にはパイプスペース(PS)以外にも、「MB」「MBPS」「DS」など、複数の略語が記載されている場合があります。これらは似ているようで、それぞれ異なる役割を持つため、理解しておくと良いでしょう。ここでは、よく見かける「メーターボックス(MB)」「メーターボックスパイプスペース(MBPS)」「ダクトスペース(DS)」について、用途や特徴を説明します。

パイプスペースを含め、各略語の意味や用途をまとめた下表をご覧ください。それぞれの違いを理解しておくと、より正確に図面を読み解くことができ、マンション選びもスムーズに進みやすくなります。

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マンションの間取りについて知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
⇒ 2LDKマンションの間取り3タイプを解説!おすすめの人やレイアウトのポイントも紹介
⇒ 4LDKのマンションの特徴は?間取りパターンと選ぶ際のポイントについて解説

パイプスペースの室内設置・屋外設置、各メリット・デメリット

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パイプスペースは、室内に設置される場合と、共用廊下も含めた屋外に設置される場合があります。ここではパイプスペースの室内設置と屋外設置、それぞれの特徴を解説します。ライフスタイルや住環境に合わせた物件選びのヒントに活用してください。

■室内設置の主なメリット・デメリット
■屋外設置の主なメリット・デメリット

■室内設置の主なメリット・デメリット
室内にパイプスペースが設置されているメリットのひとつが、配管を外部環境から完全に保護できる点です。特に北海道や東北などの寒冷地でも、配管が凍結するリスクを大幅に低減できます。パイプスペースが外部に露出しないため、マンションの外観・美観に影響しない点も魅力的です。

一方で、「音」の問題には注意が必要です。パイプスペースは居住空間に隣接するため、上下階からの排水音が室内に響くことがあります。寝室の近くにパイプスペースが配置されている場合、深夜のシャワーやトイレの流水音が気になる人もいるでしょう。メンテナンス不足の場合、配管の湿気や臭気が室内に影響するケースもあります。パイプスペースの位置は基本的に移動できないため、将来リフォームを考えた際に、制約となるケースも考えられます。

物件を選ぶ際には、パイプスペースの位置を確認しましょう。音やにおいの影響を受けにくい配置かどうか、チェックすることをおすすめします。

室内設置の主なメリット・デメリット
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マンションの防音性能について知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
⇒ マンションの防音性能とは?!対策と快適に暮らせる物件選びのポイント

■屋外設置の主なメリット・デメリット
パイプスペースが共用廊下を含む屋外に設置されている場合、室内空間を有効活用できるのが魅力です。パイプスペースによる凹凸が室内に生じないため、家具の配置やレイアウトの自由度が向上します。特にコンパクトな間取りの物件では、室内にパイプスペースがないことで、居住スペースを確保しやすくなるでしょう。

屋外設置は排水音が室内に響きにくいため、他の住戸の流水音が気になる方の負担軽減にもつながります。業者による点検なども住戸に影響しないため、作業音が気になる方へもおすすめです。

一方で、屋外設置にはデメリットもあります。外観にパイプスペースが露出しがちになるため、外観・美観への影響が考えられます。寒冷地では配管の凍結リスクが高まるため、断熱材やヒーターなどの防寒対策も必要です。風雨や雪、紫外線など、劣化要因の影響を受けやすいのも、デメリットの一つです。定期的にメンテナンスを行い、問題の早期発見に努めると良いでしょう。

屋外設置の主なメリット・デメリット
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近年のマンションでは、美観と機能性のバランスを取るため、バルコニー内へ設置するケースも増えています。外壁との一体化など、デザイン性の高いパイプスペースを採用するマンションも増えていますので、物件選びの参考にしてください。

マンションのメリット・デメリットについて知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
⇒ マンション購入に必要な基礎知識とメリット、デメリットを理解しよう

中古マンションを選ぶ際のパイプスペース・チェックポイント

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マンションを選ぶ際、パイプスペースの状態や位置は見落としがちなポイントのひとつです。パイプスペースの配置や劣化具合は、生活の快適性に影響します。購入後に「こんなはずではなかった」と後悔しないためにも、内覧時に確認しておくことをおすすめします。ここでは、物件を選ぶ際に押さえておくと良い5つのチェックポイントについて解説します。

■ポイント1.パイプスペースの設置場所と生活動線
■ポイント2.パイプスペース内の配管の材質
■ポイント3.パイプスペースの防音対策
■ポイント4.パイプスペースの劣化度合
■ポイント5.パイプスペースの点検・修理状況

マンション内覧時のチェックリストを知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
⇒ マンション内覧時のチェックリスト【新築・中古別ポイント】

■ポイント1.パイプスペースの設置場所と生活動線
パイプスペースの設置場所は、生活の快適さにつながるポイントです。次の3つの視点でチェックしましょう。

●寝室や書斎など、静かに過ごしたい部屋に隣接していないか
●リビングの家具配置を邪魔しないか
●水回り設備はパイプスペースの近くに集約されているか

寝室や書斎の隣にパイプスペースがあると、上階の住人がトイレやシャワーを使用するたびに排水音が聞こえやすくなります。音に敏感な方にとっては、ストレスになるでしょう。

リビングの中心部にパイプスペースが配置されている場合は、家具の配置に制約が生じることがあります。大型のソファやテレビボードが、理想の位置に配置できないケースです。内覧時にはパイプスペースの位置を確認し、実際の生活をイメージしながら家具の配置を検討しましょう。

水回り設備がパイプスペースから離れている場合も、注意が必要です。配管が長くなるほど排水音が響きやすくなり、詰まる恐れも出てきます。理想的なのは、廊下や玄関付近にパイプスペースがある配置です。生活動線を妨げにくく、寝室からも離れているため、排水音の影響を受けにくくなります。

■ポイント2.パイプスペース内の配管の材質
パイプスペース内の配管材質も、音やメンテナンス性、配管の寿命に影響します。特に築年数が経過した中古マンションの購入を検討している方は、配管の材質と交換履歴を確認すると良いでしょう。

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鋳鉄管は厚みのある金属で作られており、比較的、遮音性に優れています。厚みによっても遮音性が変わるため、気になる方は管理組合や施工記録で厚みを確認することをおすすめします。

築年数が古い物件では、水道の給水管に鉛管が使用されているケースがあるので注意が必要です。鉛管は現在、健康への影響が懸念され、原則として使用が禁止されています。鉛管が使われている場合は交換工事が必要になる可能性があります。費用負担も考慮する必要があるため、管理組合に確認すると良いでしょう。内覧や問い合わせの際に配管の交換履歴や将来の更新計画についても確認しておくと、より安心です。

■ポイント3.パイプスペースの防音対策
パイプスペース自体の防音対策も、チェックポイントのひとつです。防音材の設置状況のほか、リフォーム時などに防音材の追加施工が可能かどうかも確認することをおすすめします。

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■ポイント4.パイプスペースの劣化度合
パイプスペース内部の配管劣化が放置されていると、水漏れなどのトラブルにつながる恐れがあります。チェックは「内覧時の目視確認」と「書類による確認」の2段階で行うと良いでしょう。

内覧時の目視確認のポイント
●天井や壁、床にシミやカビ、不自然な変色(水漏れの痕跡)がないか
●異臭や湿気がないか
●パイプスペースのカバーに破損、変形、ぐらつきなどはないか

書類による確認のポイント
●配管の交換履(いつ、どのような内容の交換工事が行われたか)
●次回の配管更新工事はいつ頃予定されているか
●修繕積立金の積み立て状況に問題はないか
●直近で、大規模修繕のための一時金(追加徴収金)が計画されていないか

■ポイント5.パイプスペースの点検・修理状況
マンションでは、パイプスペースの定期的な点検やメンテナンスが実施されています。定期点検や修理の状況を、管理会社や管理組合に問い合わせるのもおすすめです。

確認のポイント
●管理規約で、パイプスペース内の配管が「共用部分」と「専有部分」のどちらにあたるのか責任範囲を明確に理解する
●管理の質を具体的な記録で確認する
 ○定期点検の頻度は適切か
 ○過去の記録が確認できるか(トラブルの有無、原因、対処内容、再発防止策の有無など)
 ○修繕積立金の徴収、管理方法は健全か

管理が適切で将来の計画も明確なマンションは、資産価値が維持されやすいといえるでしょう。長期的に安心して住める物件であることが期待できます。

パイプスペースの活用方法

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パイプスペースは「動かせない制約」と捉えられがちですが、工夫次第で魅力的な空間づくりに活かせます。ここでは、室内に設置されたパイプスペースを中心に、3つの活用方法を紹介します。

■活用1.インテリアのアクセントにする
■活用2.収納スペースに組み込む
■活用3.回遊動線・間取り工夫の軸にする

■活用1.インテリアのアクセントにする

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パイプスペースを隠すのではなく、あえて見せることでインテリアのアクセントとして楽しむのもひとつの方法です。

例えば、煉瓦風のタイルや古材風の木材で配管カバーを装飾すれば、存在感を演出できます。パイプ自体の金属感や無骨感をそのまま活かした「インダストリアル風」は、スタイリッシュさを求める方に人気です。パイプスペースの前面に鏡を貼れば、圧迫感が解消されて、空間に奥行きと明るさが生まれます。表面をマグネット塗料で塗装すれば、写真やポストカードなどを飾るギャラリーウォールとしても活用できます。

季節ごとにパイプスペースの印象を変えるなど、工夫次第で楽しみ方が広がるのも魅力的です。

■活用2.収納スペースに組み込む

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パイプスペースの隣接空間やデッドスペースを、収納棚として活用することも有効な方法です。パイプスペースの壁面を利用してニッチ棚を作れば、ちょっとした小物を飾る飾り棚や、隙間収納としても便利に使えます。高さを揃えたキャビネットでパイプスペースを囲むようにレイアウトすると、パイプスペースの存在を隠しつつ収納を確保できます。キッチン横ならパントリー、リビングならテレビボードとの一体化が人気です。

「寝室の隣にパイプスペースがあるけれど、どうしてもこの物件が気に入っている」という方が、パイプスペースの隣に移動式のクローゼットを設置した例もあります。クローゼットが緩衝材となり、音が軽減したという声がありました。ひとつの参考にしてください。

■活用3.回遊動線・間取り工夫の軸にする

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リフォームやリノベーションを検討する際は、動かせないパイプスペースを「間取りの基準点」として考えると良いでしょう。パイプスペースを軸に間取りを考えることで、効率的な配管配置と使いやすい動線を実現できます。

例えばキッチン、洗面所、浴室の水回りをパイプスペースのラインにそろえて配置すると配管が短くなり、施工コストの抑制も期待できます。水回りが近くにまとまることで、家事動線もスムーズになり、効率的に家事をこなしやすくなるでしょう。パイプスペースを軸に回遊動線を作るため、狭いスペースでも使いやすい間取りになります。リフォームやリノベーションを検討する際は、最新の工法についても専門業者に相談することをおすすめします。

パイプスペースは間取り図だけではなく、現物を見て確認しよう

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パイプスペースは給水管や排水管、ガス管などの生活に必要な配管を収納し、マンション全体の水回り機能を支える重要な設備です。動かせない制約であるケースが多いのですが、工夫次第でインテリアのアクセントなど、魅力的な空間への活用が可能です。

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