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「住宅ローン」は借りられる額ではなく、「返せる額」であることが大切。老後の生活に無理がないよう、夫退職時までに支払い終えるようにしておきましょう。
毎月の返済額=( 1 - 2 - 3 - 4 )÷12ヶ月
1 収入 2 住宅費以外の支出 3 住宅を購入した場合の年間維持費 (管理費・修繕積立金、固定資産税などの維持費) 4 将来に向けた貯蓄
Dさんの毎月の返済可能額
Dさんの現在の手取収入と、住宅費以外の支出
<現在>
収入 | 夫 | 760 |
妻 | 360 | |
収入合計(A)1,120 |
支出 | 生活費 | 466 |
支出合計(B)466 |
<妻退職後>
収入 | 夫 | 818 |
妻 | 0 | |
収入合計(A)818 |
支出 | 生活費 | 416 |
支出合計(B)416 |
Dさんの場合には、妻退職後の家計を基準に考えます。住宅購入後は、管理費・修繕積立金、固定資産税などの維持費がかかります。これを年間50万円とし、緊急予備資金として50万円程度の余裕は残るようにしておきます。
(818万円-416万円-50万円-50万円)÷12ヶ月=302万円÷12ヶ月=約25万円
Dさんの借入可能額
毎月の返済可能額から借入額を算出します。
Dさんは定年退職までは22年ですが、繰上返済もできると見込んで返済期間は25年とします。
また、妻が働いている間は、もう少し返済することが可能です。妻が働く5年間で返済できる額を上乗せします。
A 妻退職後の借入可能額毎月返済額25万円、金利2.0%、返済期間25年の場合の借入可能額5,890万円
+
B 上乗せする分(妻が働く5年間で返済できる額)妻が働いている間は、さらに月約13万円は返済できると考えます。妻が働く期間は5年。毎月返済額約13万円、金利2.0%、返済期間5年の場合の借入可能額740万円
この金額を上乗せした分をDさんが借り入れします。
Dさんが借入できる額5,890万円( A ) + 740万円( B )= 6,630万円( C )
ただし、妻退職後の家計を基準に考えるべきであるため、毎月返済額を25万円程度に抑えるべきです。そのため、実際に借り入れをする際には、30年返済で借り入れを行い、妻が働いている間は毎年156万円を繰上返済、妻退職の年には、156万円と退職金300万円を繰上返済します。また、15年後に400万円の繰上返済を行うことにより、約22年で返済を終了することができ、夫退職前に完済が可能です。
毎月返済額25万、金利2.0%、返済期間30年の場合の借入可能額 6,760万円