オフィスマーケットレポート(2026年8月)
【東京都心5区 大規模ビル】

アナリストの視点

品薄感が一段と強まり、移転先の選択肢は限定的な状況にある。また、新築・建築中ビルを中心に賃料は力強い上昇を続けている。更に、中東紛争の長期化を原因とした原油の供給制約・価格高騰により、入居前工事等の移転コストが急速に上昇していることも、成約面積が減少している背景にある。足元で需要に明確な陰りは確認されないものの、移転に伴うコストの上昇にテナント側がどこまで対応していくのか、動向が注目される。
(基準日:2026年7月31日)


※東京都心5区: 千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区
※大規模ビル: 1フロア面積200坪以上の賃貸オフィスビル
※空室率: 貸付総面積に対する「現空面積」の割合
※潜在空室率: 貸付総面積に対する「募集面積」の割合。既存ビルにおいて、テナント退去前を含む募集床が対象
※募集面積: 各統計日において公開されているテナント募集面積の合計
※統計開始日: 1994年1月1日

Ⅰ.実質GDP成長率

2026年4-6月期。3四半期連続のプラス成長を予想

ニッセイ基礎研究所によれば、8月17日に内閣府が公表する実質GDP成長率(2026年4-6月期)は、民間消費の増加と高水準の企業収益により3四半期連続のプラス成長が予想される。7-9月期は物価上昇を背景とした民間消費の減速、外需の悪化等からほぼゼロ成長まで減速すると見込んでいる。(図表1)

Ⅱ.失業率

前月から横ばい。就業者数は均せば増加傾向が継続

6月の完全失業率(労働力調査 総務省)は前月から横ばいの2.5%となった。有効求人倍率(厚生労働省)、その先行指標である新規求人倍率はともに前月から上昇(=改善)した。就業者数は前月から減少したが、4~5月にかけて大幅に増加したところからの減少であり、均せば増加傾向が継続している。(図表1)

【図表1】主要経済指標データ
202608_05_5ku_image01.jpg出所:ニッセイ基礎研究所

Ⅲ.空室率

前月から小幅な低下。2020年9月以来の1%を下回る水準が目前

空室率は前月比マイナス0.11ポイントの1.00%となり、前月から小幅に低下した。建替えに伴う大口の貸止めがあったことに加え、新築ビルが概ね高稼働で竣工し、主な低下要因となった。空室率は2020年9月以来の1%を下回る水準が目前に迫っている。潜在空室率は前月比マイナス0.17ポイントの2.33%となった。

【図表2】空室率&潜在空室率
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Ⅳ.募集賃料

9ヵ月連続の上昇。2008年9月以来の34,000円/坪台を回復

募集賃料は9ヵ月連続の上昇となった。上昇傾向が継続し、2008年9月以来の34,000円/坪台を回復した。ファンドバブル時のピークである2008年1月の34,686円/坪に迫る水準であり、賃料の上昇ペースには力強さが見られる。

【図表3】募集賃料&募集面積
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Ⅴ.成約面積(四半期)

対前年同期比は3期連続のマイナス

成約面積はリーシング活動の活発度を表す指標である。2026年第2四半期の成約面積は約8万坪と、対前年同期比で3期連続のマイナスとなった。また、2026年上半期の合計は前年同期を大幅に下回り、コロナ禍の2021年並みの水準となっている。

【図表4】成約面積(四半期)
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Ⅵ.エリア別募集賃料(円/坪)

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※規模
(1フロア面積)
・大規模(200坪以上)
・大型(100坪以上200坪未満)
・中型(50坪以上100坪未満)
・小型(20坪以上50坪未満)

※「-」は、調査時点においてテナント募集を行ったビルが少なかったため、適正データが算出できなかったエリアです。

Ⅶ.空室率の推移(6大都市 大規模ビル)

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Ⅷ.募集賃料の推移(6大都市 大規模ビル・主要駅前地区)

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※募集賃料:共益費込
※外税表示

提供:三幸エステート株式会社

会社HP:https://www.sanko-e.co.jp/
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