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2025.11.11

マンションの建て替えとは?実態、流れ、住民への影響などをまとめて解説

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老朽化が進んだマンションの建て替えが気になる方は、多いのではないでしょうか。マンションの建て替えに関する実態や今後の見通し、建て替えの流れ、住民への影響などを解説します。ぜひ最後までお読みください。

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[目次]
マンション建て替えの基本知識
 そもそもマンションの「建て替え」とは
 マンションの「建て替え」と「大規模修繕」の違い
 マンションの「寿命」と「建て替え」のタイミング
マンション建て替えの実態
 建て替えが実施されたマンションの数と事例
 マンションの建て替えに関する今後の見通し
マンションの建て替えが進みにくい2つの理由
 理由1.区分所有者の費用負担が大きい
 理由2.現行の建築基準法に適合しない
マンション建て替えの流れ
 ステップ1.準備
 ステップ2.検討
 ステップ3.計画
 ステップ4.実施
マンションの建て替えで気になる「住民への影響」
 建て替えに賛成した場合
 建て替えに反対した場合
マンションの建て替えも視野に入れ、物件の選択肢を広げよう

マンション建て替えの基本知識

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築年数が経過し、老朽化が進んだマンションの再生方法の一つが「建て替え」です。ここではマンション建て替えの基本知識として、大規模修繕との違いやマンションの寿命、建て替えのタイミングについて解説します。

■そもそもマンションの「建て替え」とは
■マンションの「建て替え」と「大規模修繕」の違い
■マンションの「寿命」と「建て替え」のタイミング

■そもそもマンションの「建て替え」とは
マンションの建て替えとは、既存のマンションをすべて取り壊し、その敷地に新たなマンションを建設し直すことです。建物そのものを一新するため、老朽化や耐震性など、現在のマンションが抱えている問題を根本から解決します。最新の設備、多様なライフスタイルに合わせた間取り、宅配ボックスの設置など、より住みやすい環境への改善も期待できます。

マンションの建て替えには、住戸の所有や敷地の持ち分など多くの人の権利が関わるため、法律により指針が詳細に定められています。

□区分所有法(正式名称:建物の区分所有等に関する法律)
●令和7年5月30日施行(現在施行)
●所有者の権利関係や建物の管理、利用方法について定めた基本的な法律
●建て替え決議を行う際の根拠となる
●令和8年4月1日に改正案が施行される予定
参考:国土交通省│建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号)

□マンション建替円滑法(正式名称:マンションの建替え等の円滑化に関する法律)
●令和7年6月1日施行(現在施行)
●マンションの建て替え促進が目的
●建て替えが認可されるための要件や容積率などが定められている
●建て替えの要件が一部緩和され、2026年4月1日から改正法が施行される予定
参考:国土交通省│マンションの建替え等の円滑化に関する法律(平成十四年法律第七十八号)

建て替えの意思決定は区分所有法、実際の事業はマンション建替円滑化法に基づき実施されると考えるとわかりやすいでしょう。

■マンションの「建て替え」と「大規模修繕」の違い
築年数が経過し、老朽化したマンションの再生方法には、大きく分けて「建て替え」「修繕・改修」という2つのくくりがあります。どちらも建物の状態を改善する目的で行われますが、内容や規模、影響範囲が異なります。

建て替えは、建物全体を解体し、基礎から新たなマンションを再建することです。新しいマンションには最新の耐震基準や設備が導入され、住環境や資産価値が大幅に向上するメリットがあります。

大規模修繕は、建物の構造体はそのままに、劣化した部分の修繕や機能向上のための工事を行うことです。具体的には外壁の塗り直し、屋上防水のやり直し、給排水管の交換、エレベーターの更新などが含まれます。建物の寿命を延ばし、快適な住環境を維持することが主な目的であり、建て替えほどの抜本的な変更は行いません。10年から15年周期で実施されることが多く、一般的には修繕積立金でまかなわれます。

わかりやすくまとめると、建て替えは「建物自体の一新」で、大規模修繕は「既存の建物のメンテナンス」です。

■マンションの「寿命」と「建て替え」のタイミング
マンションの老朽化に伴い「あと何年住めるのか」「あと何年で建て替えになるのか」と気になる方は多いのではないでしょうか。「あと何年住める」とは、一概にはいえません。マンションの寿命は築年数で決まるのではなく、建物の立地や管理状態、構造・建材などにより、個別に判断されるからです。

一般的には、建て替えが認可された時点で築40年以上のマンションが多い傾向にあります。マンション再生協議会が公表している「マンション建替円滑化法による建替え事例の一覧」では、認可された時点での築年数の平均は、約45.4年となっています。あくまでも目安にすぎませんが、マンションの建て替えは築40年を過ぎたあたりから選択肢の一つになるといえるでしょう。

築年数が40年に至り、老朽化が進んでも、すぐに建て替えとなるケースはほとんどありません。築年数が経過してマンションに不具合が目立ち始めた場合、多くのマンションでは、まず大規模修繕が検討されます。修繕か建て替えかの判断は、国が定めたマニュアルの中で、次のように示されています。

建替えか修繕・改修かの判断にあたっては、現マンションの老朽度と区分所有者の不満やニーズを把握し、要求する改善水準を設定した上で、それを修繕・改修で実現する場合と建替えにより実現する場合との改善効果と所要費用を比較して判断を行います。その結果、修繕・改修では居住者の安全性の確保ができない、要求改善水準が実現できない等建替えが合理的と判断される場合には、マンション敷地売却制度の活用も視野に入れつつ、建替え等の検討を進めます。
出典:国土交通省│マンション建替えか修繕を判断するためのマニュアル

建て替えは、さまざまな検討を重ねても対応困難と判断された後に、検討が開始されるケースが一般的です。

マンションの築年数や寿命について知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
⇒ 築50年のマンションは何年住める?選び方のポイントとメリット・デメリットを解説
⇒ マンションは何年住める?寿命や購入前のチェックポイントを解説

マンション建て替えの実態

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ここでは、マンション建て替えの実態として、これまでに建て替えが実施された件数や建て替えの動向、今後の見通しについて解説します。

■建て替えが実施されたマンションの数と事例
■マンションの建て替えに関する今後の見通し

■建て替えが実施されたマンションの数と事例

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出典:国土交通省│マンション建替え等の実施状況

国土交通省の調査によると、全国で2025年3月31日までに建て替えられたマンションの累計数は、323件(約26,000戸)となりました。2024年度は8件で、2023年度は16件、2022年度は17件です。2019年以降は「マンション建替円滑化法による建替え」が「マンション建替円滑化法によらない建替え」を上回る傾向が続いています。

実際に建て替えられた事例は、先述のマンション再生協議会が公表してる「マンション建替円滑化法による建替え事例の一覧」のほか、東京都の「マンション建替法に基づく建替え・敷地売却事業事例一覧」でも確認できます。気になる方は参考にしてください。

■マンションの建て替えに関する今後の見通し
国土交通省の発表によると、2024年末時点で築40年以上のマンション数は、約148万戸に達しました。2034年末には約2倍の293.2万戸、2044年末には約3.3倍の482.9万戸に増加すると予測されています。築40年以上のマンションでは世帯主が70歳を超えているケースも多く、総会運営や集会決議の困難化も指摘されました。

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出典:国土交通省│築40年以上のマンションストック数の推移

このような背景もあり、マンション建て替えの円滑化に向け、2026年4月から区分所有法(正式名称:建物の区分所有等に関する法律)の改正法が施行される予定です。改正後は建て替え決議の要件が緩和されるため、今後はマンションの建て替えも増加していくと予想されています。
※参考:国土交通省「マンションを巡る現状と最近のマンション政策等の動向」

マンションの建て替えが進みにくい2つの理由

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2003年度から2024年度までのマンションの建て替え件数が全国で累計323件と知り、「意外と少ない」と感じた方もいるのではないでしょうか。ここでは、マンションの建て替えが進みにくいとされる主な理由を3つ解説します。

■理由1.区分所有者の費用負担が大きい
■理由2.現行の建築基準法に適合しない

■理由1.区分所有者の費用負担が大きい
国土交通省の発表によると、マンション建て替えにおける区分所有者の負担額の平均は、年々増加傾向にあります。2017年から2021年までの平均負担額は、1,941万円となりました。

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出典:国土交通省│マンションを巡る現状と最近のマンション政策等の動向

基本的には調査などの一部を除き、修繕積立金をマンションの建て替えに使うことはできません。建て替えが決定した場合、修繕積立金の残高は各区分所有者に返還されます。しかし、終戦積立金が返還されてもすべてをまかなえるほどの金額に至らないケースが大半です。老朽化したマンションの区分所有者は比較的年齢が高い傾向もあり、まとまった金額を新たに用意するのは難しい背景がうかがえます。

■理由2.現行の建築基準法に適合しない
そもそもの問題で、建築基準法や都市計画法などの法規に適合しないケースもあります。新しいマンションの計画が現行基準に適合しないと、以前と同じ規模では建て直せません。マンションの建て替えにあたり、新たに利用できる容積率は、年々減少しています。

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出典:国土交通省│マンションを巡る現状と 最近のマンション政策等の動向

容積率が減少した場合、建て替え後の総戸数が制限されるため、元の住民に還元する住戸以外の「余剰住戸」も減少します。分譲販売にあてられる戸数が減少すると、事業採算性の低下を懸念して実施を見送る場合もあります。

マンション建て替えの流れ

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マンションの建て替えは、他人事ではありません。築年数が経過し、老朽化が進んだマンションは、建て替えの対象となるケースがあります。いざというときに備え、建て替えの流れを理解しておきましょう。建て替えは一般的に、4つのステップに分けて考えられます。

■ステップ1.準備
■ステップ2.検討
■ステップ3.計画
■ステップ4.実施

■ステップ1.準備
準備段階は、建て替えの必要性を住民全員で共有するための基盤づくりです。建て替え検討の専門チームが設置され、建物の劣化状況や修繕積立金の現状などの確認を行います。建築士や弁護士、ゼネコン、デベロッパーなどの専門家を招いた勉強会が開かれることもあります。

そもそも、本当に建て替えが必要か否かの吟味も、この段階から始まります。修繕積立金や管理費の現状なども含め、広く情報を集める時期です。

■ステップ2.検討
検討段階では、建て替えの方法や実現可能性を具体的に検討し、事業計画を練ります。準備段階の勉強会を経て、住民に対する説明会などが開かれ始めます。マンション全体で、建て替えに対する意識を高めていく時期です。

建て替えを本格的に進めるかどうか、住民の意思を確認する「建て替え推進決議」が実施される場合もあります。建て替えそのものの賛否ではなく、建替えの計画に合意するかどうかを確認するための決議です。

■ステップ3.計画
計画段階では、設計や施工を行うデベロッパーなどの協力のもと、詳細な計画の策定に入ります。建て替えにかかる費用や期間、新しい建物の専有面積や間取りまで、具体化していく時期です。終盤の局面では、建て替え決議も実施されます。

状況がより現実的にとらえられるため、興味や不安など、いろいろな感情が生じる方もいるでしょう。納得できるまで相談やアドバイスが受けられるよう、普段から信頼できる専門家と関係性を構築しておくことをおすすめします。

■ステップ4.実施
建替え決議で規定の賛同が得られた場合、いよいよ建て替え事業が開始されます。住民は仮住まいに移動するなど、生活に大きな変化が生じる時期です。建て替えは一般的に長期にわたり、解体から建築だけでも3年程度を必要とします。立地や規模などの状況によっては、さらに年月がかかる場合もあります。検討開始から完成までをあわせて考えると、10年以上かかるケースも少なくありません。

この段階は生活や資金面以外にも、心理的な負担が発生しやすい時期です。特に子どもや高齢者がいる家庭では、フォローを丁寧に行いましょう。

マンションの建て替えで気になる「住民への影響」

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マンションの建て替えが決定した場合、住民にはどのような影響があるのでしょうか。賛成者と反対者では、それぞれ対応が異なります。ここでは費用負担や生活への影響など、実際に直面することが考えられるポイントについて解説します。

■建て替えに賛成した場合
■建て替えに反対した場合

■建て替えに賛成した場合
マンションの建て替え決議に賛成し、建て替え事業への参加を選んだ方は、最終的に新しいマンションに住むケースが一般的です。

建て替えにかかる費用や仮住まい費用などは、原則として区分所有者の負担です。建て替え後のマンションの空き住戸を再分譲し、得られた収益を工事費用に充当することで住民の負担を軽減する場合もあります。新しい住戸は、建て替え前のマンションの資産価値に応じて割り当てられます。

■建て替えに反対した場合
マンションの建て替え決議に反対し、建て替え事業に参加しない方は、原則としてマンションを離れることになります。

建て替えにかかる費用を負担することはありません。建て替え事業を行う建替組合やデベロッパーに所有する住戸と敷地の権利を売却して、代わりに現金を受け取ります。受け取る金額は、売却時の時価を基準に評価されることが一般的です。

マンションの建て替えは、賛成と反対、どちらの選択肢にもメリットとデメリットがあります。建て替えに賛成の場合は費用負担がある一方で、資産価値の向上や住環境の改善が期待できます。反対の場合は建て替えにかかる金銭的な負担はないものの、住み慣れた家を離れることにつながります。将来のライフプランをしっかり考えたうえで、判断することが重要です。

マンションの建て替えも視野に入れ、物件の選択肢を広げよう

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マンションの建て替え実績は2024年度で8件と、まだそれほど多くないのが現状です。一方で、マンションの高齢化や法改正の背景から、今後増えていくことも予想されます。いざというときに慌てないよう、マンション建て替えについて概要を理解しておきましょう。

築年数の経過したマンションの中にも、立地や管理状況の良い魅力的な物件は数多くあります。建て替えへの不安で選択肢を狭めるのではなく、適切な判断基準でより広い選択肢から理想的な住まいを見つけることをおすすめします。

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