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住宅ローンコラム 知っておきたい!住宅ローンテクニック

2017年大予想!住宅ローンの金利はどうなる?

2017年01月18日

今回は2017年の住宅ローン金利の動きを、3名の経済アナリストやファイナンシャルプランナーの方にご協力を仰ぎ予想してみました。予想はあくまでも予想。責任は負いかねますので、住宅ローンの金利を選ぶ際はご自身で判断してくださいね!

住宅ローンの金利はどう決まる?

金利予想をする前に、住宅ローンの金利がそもそもどう決まるのかについて、おさらいをしておきましょう。住宅ローンの金利は、変動金利型と10年以上の固定金利期間選択型や全期間固定金利型では決まり方が異なります。

変動金利型の金利は、多くは「短期プライムレート」を基準に決められています。短期プレイムレートは、銀行が優良企業に対して適用する「最優遇貸出金利」のうち1年以内の短期で貸し出す際の金利のことです。

短期プライムレートに1%程度を上乗せした金利が変動金利型の店頭金利となり、そこから銀行の優遇金利を引いた分が最終的な適用金利です。

この短期プライムレートに影響するのが、金融機関同士が無担保で資金を融通し合う「無担保コールレート(オーバーナイト物)」の金利です。日銀は金融政策の1つとしてこの金利をコントロールしています。そのためこの金利を「政策金利」と呼んでいます。

一方、固定金利期間選択型の10年以上や全期間固定金利型などの長期住宅ローンですが、これら長期金利の指標となっているのが「新発10年物国債」の利回りです。

2016年9月、日銀は「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を発表し、2%の「物価安定の目標」を実現し持続するため、必要な時点まで「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を行うと宣言(オーバーシュート型コミットメント)しました。

長短金利操作の方法として打ち出されたのが、長短金利の操作を行う「イールドカーブ・コントロール」です。10年物国債の金利がほぼ0%で推移するように長期国債の買入をコントロールするというものでした。

2016年2月に導入されたマイナス金利の影響で「新発10年物国債」の利回りもマイナスに触れていましたが、9月以降はプラスに転じました。

そして吹き荒れたトランプ旋風。大どんでん返しで、2016年11月にトランプ氏が次期アメリカ大統領に決まり、あっという間に株価が上昇、為替も円安ドル高が進みました。アメリカ国債の上昇につられ、日本の国債も上昇。一時は0.1%まで戻しました。

今や、変動金利のもとになる政策金利も、長期金利のもとになる10年物の国債利回りも、日銀の金融政策によってコントロールされている状況だということがご理解いただけたでしょうか。

2017年の変動金利の予想は?

さて住宅ローンの予想を見てみましょう。予想にご協力くださったのは、下記のお三方です。
●小松英二氏(CFP、経済アナリスト。元日銀マン)
●深野康彦氏(ファイナンシャルプランナー。有限会社ファイナンシャルリサーチ代表)
●橋本秋人氏(CFP、FPオフィスノーサイド代表。前職は住宅メーカー勤務)

まずは変動金利ですが、小松氏は「2017年は上がらず」との予想。理由は「欧州の政治リスクなどを受けた急激な円高に備えて日銀が政策金利を動かさないと見るため」とのこと。

日銀が、2017年実施のオランダ、ドイツの議会選挙やフランスの大統領選でEU離脱派が勝利した場合の金融マーケットの激変の可能性まで考慮しているであろうと、考えられるからだそうです。

深野氏は「2017年、2018年は変わらず。上がるのは早くて2019年から」と予想。理由は、「日銀が短期プライムレートに影響するような、政策変更をすることはないと予測しているため」だそうです。ただし、2017年後半に、銀行が優遇を縮小する形で、変動金利が上がる可能性についても予想しています。

橋本氏は「2017年は横ばいで、上がっても年末から小幅に」と予想。「個人消費が伸び悩み国内景気が思うように回復せず、しばらくは政策金利を上げられないため」とのこと。可能性として、2017年末に小幅で金利の上昇が始まる可能性を予想しています。

お三方の予想を総合すると、2017年の変動金利は変わらないようです。年末に利上げに転じるか、あるいは銀行の優遇縮小による金利上昇があるかも、とのことですね。

私の予想も同様で、2017年の住宅ローンの変動金利は変わらないと思います。ただし、2つの理由から、日本も年末頃にいったん利上げをする可能性もあるかもと思います。理由は、2017年はトランプノミクス効果でアメリカ経済はよさそうで、その影響で日本経済も一時的に安定することと、FRB(※)が想定通り年3回、あるいはそれ以上の利上げを実施すると、日米の金利差が開き円安・米ドル高が想定以上に進みすぎ、逆に円安を抑える対応を求められる可能性もあるためです。

※FRBとは、「連邦準備制度理事会」のこと。一般の主な業務は、公開市場操作を含む「金融政策の決定」や、連邦準備銀行が設定する割引率(公定歩合)の審査決定などを行う
大予想!2017年の変動金利はどうなる?
名前小松英二氏深野康彦氏橋本秋人氏
変動金利の予想 日銀政策金利のマイナス金利水準の維持により、変動金利も変わらず。 2017年、2018年は変わらず。上がるのは早くて2019年から。ただ、銀行の優遇見直しがあれば、2017年後半に引き上げられる可能性が多少ある。 2017年は横ばいが続く。上がるとしても年末から小幅に。
理由は? ●欧州の政治リスク(2017年実施のオランダ、ドイツの議会選挙やフランスの大統領選でEU離脱派が勝利した場合の金融マーケット激変)などを受けた急激な円高に備えて日銀が政策金利を動かさないと見るため、変わらずと予想。 ●短期プライムレートは日銀が金融政策を変更しない限り見直されることはほぼない。日銀が短期プライムレートに影響するような政策変更をすることはないと予測しているため、当面は変わらずとした。 ●個人消費が伸び悩み国内景気が思うように回復せず、しばらくは政策金利を上げられないため、低い水準を維持すると予想。

2017年の全期間固定の予想は?

続いて、10年固定以上の固定金利期間選択型や全期間固定の長期金利の予想も見てみましょう。

小松氏は、「少なくとも2017年は上がらない」と予想。理由は、「日米金利差が円安・株高につながっている"日本経済にとって心地よい状態"を維持するため、変わらずと予想する」とのこと。

また、「トランプ氏が自身のツイッターなどで米国金利の上昇によるドル高を非難する声を発すれば、日米金利差が縮まり米ドル安・円高に転じることもあり、日銀は10年国債の利上げには慎重ではないか」とも予想しています。やはりトランプ氏の言動はしばらく目が離せないようです。

深野氏は「2016年8月で10年固定や全期間固定は底を打ち、すでに上昇傾向にある」とのこと。「上下動を繰り返しながら緩慢な上昇トレンドを描く」と予想しています。理由としては、「日銀は長期金利の水準を0.1%までは容認すると考えるが、米国の長期金利が上昇し、日米の金利差が開くことで円安・米ドル高に。日本の消費者物価指数が上昇傾向になれば、日銀は国内銀行に利ザヤを確保させるため小幅な政策変更を行い、長期金利の上昇幅の容認を0.2%程度まで引き上げる可能性があると予想しているため」とのこと。

橋本氏は、「年初より徐々に上昇。大幅には上がらず上昇低下を繰り返しながら年末までには0.5%前後の上げとなる」と予想。その理由は、「2016年末より上昇圧力があるが日銀がブレーキをかけるため、急激・大幅な上昇はない。新設住宅着工数が腰折れすると景気に対する影響は大きいため、住宅政策に関しては税制等さまざまな施策が講じられるが、金利についても住宅取得意欲に著しい影響を与えない程度の小幅な金利上昇に抑えるような政策を取ると予想されるため」とのこと。小松氏同様、「トランプ氏の経済政策は注視する必要あり」と、やはりトランプ氏の影響を指摘しています。

10年固定や全期間固定は意見が割れましたが、私も予想させていただくと、2017年は「緩やかに上昇していく」と予想します。日銀の金融緩和政策の出口を目指す一歩として、徐々に国債購入を減らし、長期金利のターゲット金利を引上げ、正常化を目指す方向へ向かうと思われます。ただし、順調に進むとは限らず、二歩進んで一歩下がるような牛歩の歩みとなる可能性もありそうです。

大予想!2017年の10年固定や全期間固定金利はどうなる?
名前小松英二氏深野康彦氏橋本秋人氏
10年固定や全期間固定は? 少なくとも2017年は上がらない。 2016年秋口から上昇傾向にあると言える。ただし、上下動を繰り返しながら緩慢な上昇トレンドを描くイメージの動きだろう。万が一、日銀がマイナス金利の深堀をすれば、再び低下傾向をたどるだろう。その確率は3%未満と考える。 年初より徐々に上昇。大幅には上がらず上昇低下を繰り返しながら年末までには0.5%前後の上げとなる。
理由は? ●開いた日米金利差(米国金利はトランプ期待で上昇する反面、日本金利は日銀がゼロ近傍から離れないようにコントロール)が円安・株高につながっている"日本経済にとって心地よい状態"を維持するため、変わらずと予想。
●トランプ氏が自身のツイッターなどで米国金利の上昇によるドル高を非難する声(支持してくれた白人労働者階級の気持ちを自身に向けさせるため)を発すれば、日米金利差が縮まりドル安・円高に転じることも。
こうした可能性から日銀はコントロール下にある長期金利(10年国債)の利上げには慎重ではないか(仮に上げ、その後下げる事態になれば、日銀政策のダッチロールと見られる懸念)。
●「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」により、事実上マイナス0.1%以下に下がらなくなったので、2016年8月の金利が10年固定、全期間固定の底とした。その後、長期金利は同政策を反映して下がりにくくなったところで、トランプ政権誕生。米国の長期金利が急騰し、日本の長期金利も上昇傾向に。
●日銀は長期金利の水準を0.1%までは容認すると考えるが、米国の長期金利が上昇し日米の金利差が開くことで円安・ドル高に。日本の消費者物価指数が上昇傾向になれば、日銀は国内銀行に利ザヤを確保させるため小幅な政策変更を行い、長期金利の上昇幅の容認を0.2%程度まで引き上げる可能性があると予想しているため。
●2016年末より上昇圧力があるが日銀がブレーキをかけるため、急激・大幅な上昇はない。住宅産業の業界規模は8.9兆円(引用:業界動向サーチH25-26)に達し、住宅取得に伴う他分野への経済的効果も相当あり、新設住宅着工数が腰折れすると景気に対する影響は大きい。
そのため住宅政策に関しては税制等さまざまな施策が講じられるが、金利についても住宅取得意欲に著しい影響を与えない程度の小幅な金利上昇に抑えるような政策を取ると予想されるため。
ただし、今後打ち出されるトランプ氏の経済政策は注視する必要あり。

終わりに

2017年の予想をまとめると、変動金利はあまり変わらず(年末は上がる可能性あり?)、10年固定以上の固定金利期間選択型や全期間固定金利型は変わらないか緩やかに上がる可能性がありそうです。

これを前提に考えるなら、「ずっと変動金利でいく」とリスクを取る覚悟でいる方以外は、早めに全期間固定などを選択するほうがよさそうです。借換えで10年固定などへ切り替える予定の方も同様です。いやいや、日本はまだまだ金融緩和が必要で、マイナス金利を深堀りするような状態が続くはず!と予想する方には、変動金利を利用するのも止めません。いずれにしても、自己責任でご判断ください!

執筆者:豊田 真弓(とよだ まゆみ)

ファイナンシャルプランナー、住宅ローンアドバイザー
FPラウンジ ばっくすてーじ代表。経済誌・女性誌等のライターを経て94年よりFPとして独立。「家計の永続性」をテーマに、個人相談や講演・研修、雑誌や新聞、サイトへの寄稿、監修などを行う。「住宅ローン賢い人はこう借りる」(PHP研究所)、「50代家計見直し術」(実務教育出版)など著書多数。座右の銘は「今日も未来もハッピーに」。

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