マーケット
オフィスマーケットレポート(2026年4月)
【東京都心5区 大規模ビル】
アナリストの視点
オフィス需要は活発な状況が続く一方、中東紛争の長期化により世界経済へ大きな悪影響が及ぶ可能性が高まっている。企業収益の悪化はオフィス需要の縮小に繋がるものの、それが各種データに反映されるまでにはタイムラグがある。都内の大規模ビルでは定期借家契約が多く、景気の悪化が直ちに解約の増加とはなりにくい構造にあるため、この点も踏まえてマーケットの動向には注意を払う必要がある。
(基準日:2026年3月31日)
| ※東京都心5区: | 千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区 |
| ※大規模ビル: | 1フロア面積200坪以上の賃貸オフィスビル |
| ※空室率: | 貸付総面積に対する「現空面積」の割合 |
| ※潜在空室率: | 貸付総面積に対する「募集面積」の割合。既存ビルにおいて、テナント退去前を含む募集床が対象 |
| ※募集面積: | 各統計日において公開されているテナント募集面積の合計 |
| ※統計開始: | 1994年1月1日 |
Ⅰ.実質GDP成⻑率予測
年率1%前後の成長が継続する予想
2025年10-12月期の実質GDP成長率(内閣府)2次速報を受け、ニッセイ基礎研究所は実質GDP成長率を2025年度1.0%、2026年度0.9%、2027年度1.3%と予測している。米国、イスラエルによるイラン攻撃後の原油価格高騰の影響を踏まえ、2026年度の見通しを下方修正している。(図表1)
Ⅱ.失業率
前月から低下(=改善)。有効求人倍率ともに横ばい圏の動き
2月の完全失業率(労働力調査 総務省)は前月から低下(=改善)の2.6%となった。有効求人倍率(厚生労働省)は前月から上昇(=改善)、その先行指標である新規求人倍率は前月から低下(=悪化)した。失業率と有効求人倍率はともに若干改善したものの、就業者数の増加幅(10万人増)は前月の落ち込み(21万人減)を取り戻していない。(図表1)
出所:ニッセイ基礎研究所Ⅲ.空室率
2ヵ月連続で小幅な上昇。1%台前半の低水準で推移
空室率は前月比プラス0.05ポイントの1.15%となった。2ヵ月連続で小幅に上昇したが、1%台前半の低水準で推移している。複数の新築ビルが空室を抱えて竣工した一方、港区の新築・築浅ビルを中心に集約移転や館内増床等でまとまった面積の空室消化が進んだ。潜在空室率は前月比マイナス0.02ポイントの2.61%となり、前月からほぼ横ばいだった。

Ⅳ.募集賃料
5ヵ月連続の上昇。上昇傾向が続く
募集賃料は5ヵ月連続の上昇となった。賃料の上昇傾向が続き、2008年11月以来の33,000円/坪台が視野に入りつつある。引き締まった需給バランスを背景に、新年度からオーナー側が募集条件を一段と引き上げる動きが見られる。

Ⅴ.ネット・アブソープション(吸収需要)
需要は旺盛な状況が継続
ネット・アブソープション(吸収需要)はオフィス需要の指標であり、一定期間におけるテナント入居面積(稼働面積)の増減を表す。直近2026年第1四半期は供給が需要を上回り、10期ぶりで供給過剰となった。ただし、需給ギャップはわずかであり、吸収需要は約7万坪の高水準にあることから、需要は旺盛な状況が続いている。

Ⅵ.エリア別募集賃料(円/坪)




| ※規模 (1フロア面積) |
・大規模(200坪以上) ・大型(100坪以上200坪未満) ・中型(50坪以上100坪未満) ・小型(20坪以上50坪未満) |
※「-」は、調査時点においてテナント募集を行ったビルが少なかったため、適正データが算出できなかったエリアです。
Ⅶ.空室率の推移(6大都市 大規模ビル)
Ⅷ.募集賃料の推移(6大都市 大規模ビル・主要駅前地区)
※募集賃料:共益費込
※外税表示
提供:三幸エステート株式会社
会社HP:https://www.sanko-e.co.jp/
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