整理収納アドバイザー 吉岡尚美 さん
2007年10月、ハウスキーピング協会認定の整理収納アドバイザー2級講座を受講し、整理収納の奥深さと素晴らしさに目覚め、翌年プロとしての資格である整理収納アドバイザー1級を取得。その後も住空間収納プランナー、マスターライフオーガナイザー、整理収納コンサルタントなど、整理収納に関する資格を取得し、愛媛県初のお片付けの先生として活動。スクラップブッキング講師の経験から独自の写真整理方法「クリアブッキング」を発案。
発案のきっかけ
整理収納アドバイザーの資格を持ち、インストラクターとして活動をしている吉岡さん。講座の生徒さんから「空間の整理の仕方はわかったのですが、たまってしまった写真はどうやって整理すればいいですか」という質問を受けました。「収納の整理はまず捨てることが基本ですが、写真は思い出だから捨てるわけにもいかないし」と。こうした質問は同じ資格を持っている方からもあって「写真の整理にみんな困っているんだ」ということを知った吉岡さん。
こういう相談を持ちかけられるのにも理由がありました。吉岡さんはアメリカで人気の『スクラップブッキング』というアルバム作りのセミナーを現地で受け、ご自身の膨大な写真を整理されたという実績があったからです。
ただ『スクラップブッキング』は「トールペイントなどクラフトが好きな方向きで、センスが求められます。そうでない方にとってハードルがすごく高かった」。整理が大好きな吉岡さんだからこそ、手軽にできる方法を探そうと一念発起。それが今回ご紹介の写真整理術『クリアブッキング』です。
『クリアブッキング』を発案するまでにいろんな課題がありました。「一番大きかったのが世代間の違いでした。いうなればアナログとデジタルの違いですね」。
- 1.ご年配の方はまずプリントを捨てられない。だから、写真がたまっていく。
- 2.若い人にはプリントは邪魔。パソコンのデジタルデータで残しておきたい。でもデジカメや携帯でどんどんシャッターを切るため画像が増えすぎて、どう整理したらいいかわからない。
この2つのま逆の考えをクリアーして作り上げられたのが『クリアブッキング』だったのです。
『クリアブッキング』とはどんなもの
吉岡さんが着目した『クリアブッキング』は「お金がかからず、心置きなく思い出がきちんと整理できる、誰でもカンタンに作れる、薄くて軽くて収納力がある、パソコンやメディアで楽しめる、手作りの楽しさがわかるなど世代を超えて写真の整理ができる方法です(写真の整理術参照)」用意するもので一番苦心されたのが「A4サイズの紙」と「A4サイズの入る透明のクリアファイル」。
「A4サイズはどんな棚にもピタッとおさまります。しかも家庭のスキャナーで取り込めるサイズです。さらにクリアファイルは薄くて、軽くて、しかも安い」それ以外でも「両面テープではるので、バランスの失敗もこわくない。タイトルや残したいものも付箋ではるので間違ってもすぐ貼りかえられます」さらに「作ったものをスキャナーでそのままパソコンに取り込むことができること。jpgファイルにすることで、パソコンはもちろん、携帯やタブレット端末でも見ることができるし、デジタルフォトフレームでも見ることが可能です」。
写真の仕分け法
『クリアブッキング』を作る前に準備があります。写真の仕分けです。
「まず家中にある写真を1か所にまとめます。そして2つの段ボールとゴミ袋の3つを用意してください。そこから仕分けのスタートです。
段ボールのひとつに『要』、もうひとつに『不要』とし、ピンボケしたものなど、本当にいらないと思う写真は心置きなくゴミ袋に捨てましょう。『要』の箱には、クリアブッキングで整理したいと思う、本当に大切な写真を入れます。ここでポイントなのが、『不要』の箱に入れる写真は捨てないこと。捨てようと思うと分けられないので、迷ったものは『不要』の中に入れてください。写真は捨ててしまったら二度と手に入りませんから、迷いのあるものは捨てずに取っておきます。捨てられない不要な写真は、空き箱などに束のまま入れておけばそれほどかさばりません。最終的に捨てる決心がついたらいつでも捨ててください」。
そこから先の作り方は写真の整理術へ。
デジカメやスマホで撮った写真は
「パソコンに移すときがポイントです。どんどんパソコンの中に溜まっていって、それこそパソコンがいっぱいになって収支がつかなくなります。その整理のコツはフォルダのつけ方。8桁の数字(例えば2013年12月10日に撮影したものであれば:20131210)をまずつけてください。そのあとはその出来事を詳細に入れ込むだけです。そこから先の作り方は写真の整理術へ。
あとひと工夫できる余裕のある方は『お気に入りの写真コーナー』にその日の一番のお気に入りを選んで入れておくことをおすすめします。すでにプリントアウトしている写真の整理として、『クリアブッキング』をお勧めしています。最近のデジカメで撮った写真の整理には、『フォトブック』がお勧めです。フォトブックは、写真を選ぶ作業が大変なのですが、期間を指定すると自動的に良い写真を選んでくれるサービスなどもあります。
『クリアブッキング』の利点
「写真を整理している時って、昔のことが思い出されて懐かしいし、楽しいですよ。私は作った『クリアブッキング』は、リビングの手に届くところに収納しています。すぐ取り出せるし、お友達が遊びに来た時も、お茶を用意する間見てもらっています。同窓会やお友達と会う時も、軽いので鞄の中に入れてもって行くんですよ。すごく喜ばれて、話題に事欠きません」
最後に、今から『クリアブッキング』を作りたいという方へのアドバイスをいただきました。「勇気を持って仕分けをしてくださいということに尽きるのですが、大切なのはこれからです。整理収納術の考えからいうと「無駄を省く」ということを意識されるといいですね。どういうことかというと、今後無駄な写真はとらないようにすることです。そうすると整理するのもカンタンです」。
確かに、今はデジカメやスマホで後先考えずに、カンタンに撮影できる時代です。だからこそ、ここぞ、というポイントでシャッターを切る勇気が必要なのかもしれません。そして吉岡さんは「写真は家族の絆を強くしてくれる大切なものです。リビングの一番いい場所において、みなさんで楽しんでくださいね」ともおっしゃっていました。
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