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カフェロッタオーナー 桜井かおりさんインタビュー

カフェロッタオーナー 桜井かおりさん
鎌倉の高校を卒業後、保険会社のOLに。5年経た後、テディベアのお店に転職。そこではロンドンへの買い付けを担当。そのたびに、素敵なティールームとの出会いを経験。結婚を機にご主人がオーナーの『カフェ・アンジェリーナ』を手伝うことに。しばらくたって自分のお店を持ちたいという夢が膨らみ、2001年3月『カフェ・ロッタ』をオープン。カフェ巡り女子必見のメルヘンカフェとして今のカフェブームを牽引している。
桜井さんのこだわりは、生活感のある魅せる収納。

心地いい空間作りを楽しんでいます。

カメラ女子の聖地ともいわれる素敵なカフェロッタ。手作り感そのままの白いペンキで塗られたドアをあけると、そこは絵本のような世界が広がっていました。不揃いの椅子、使い込まれた感じのテーブル、むき出しの食器棚、タイル貼りの棚の上に無造作に置かれたケーキケース、カフェオレボウルの花瓶、天井からいろんな種類のライト、ペンキがすこし剥げ落ちた壁……。

カフェとの縁はご主人を通してでした。ご主人がオーナーをしているカフェ・アンジェリーナの常連客だった桜井さん。縁あって結婚し、1人目の子供ができ、2人目を身ごもった時、「自分でお店をもちたい」という強い願望がわきあがってきました。「珈琲とケーキが好きな女性が気軽に立ち寄れるお店がつくれたらなあと、ふと思ってしまったんです」「やりたいと思った時がやりどき」という信念を持つ桜井さんは、さっそくケーキ学校に通いました。

空間づくりでは大工さんにこだわりました。「きれいな空間というよりもごちゃごちゃした空間を作りたかったんです。お客様のおうちのような空間に。おうちで美味しい珈琲を飲んでるような。そんな想いがあったので大工さんとたくさん意見交換しました。一番激しくやりあったのは客席から見える食器棚です。一番ごちゃつくとこですよね」。その食器棚の前のテーブルにすわるとまさにおうちのダイニングにいるような感じです。

カフェロッタがオープンしたのは、まだ日本にカフェブームが到来する前、今から13年前のことです。「参考にするものが何もありませんでした。でもイメージは私の頭の中にありました。以前の仕事で買い付けに行ったロンドンやブライトンの田舎にあるティールームです。ずっといたくなるほど心地良かった。その時の感覚を頼りにお店を作っていきました」。そんな素敵な空間を珈琲好きな女子が見逃すはずはありません。

すでにオープンから10年以上たつのにお客様はどんどん増えています。その理由をお聞きしました。「住宅街の中のカフェなのでノーと絶対いわないことです。お客様の要望はさまざまです。例えば、2人できたお客様がケーキ1つを2つにわけて、生クリームをそれぞれに欲しいというような意外なことを求められることもあるんですが、カフェロッタにはノーはありません。一番大切なことは、お店にきていただいたお客様みんなが気持ちのいい時間を過ごしてもらうこと。それは私自身の心地よさでもあるんです」。「心はいつもフラットなんです」という桜井さんのあふれんばかりの笑顔は向き合う人をほっとなごませてくれます。

お店で人気のケーキも、もちろん桜井さんのオリジナル。「毎日たべてもあきない、素材がしっかり感じられるものを作っています。珈琲もくせのない何杯でもおかわりしたくなるようなものを大阪から取り寄せています」。

そんな桜井さんには多くのファンがいます。その中に旅行関係者の方がいて、その方から桜井さんおすすめの場所をめぐるパリ観光ツアーを企画したいと提案されました。「最初は私なんかで人が集まるんだろうか」と不安だったという桜井さんでしたが、「おいしくてかわいいパリの旅」は好評を博し、今年も実施されるそうです。「現地では普通のツアーでは行けないインテリアショップやカフェに行ったり、近くの公園にクロワッサンとチーズ、カフェオレを買ってミニピクニックしたり、みんなで友情を温め合うような旅をしています」。そのせいか、旅行の後もみんなで集まる機会がたびたびあるそうです。

「おうちカフェはゆるい感覚で準備したり過ごしたりするのが一番。いいなと思ったカップやおいしそうだなと思ったケーキ、お花は手の届く範囲にある器を使ってアレンジするとか。空間作りも自分で心地いいなと思う気持ちを大切にして実行されるといいと思います」と、桜井さんならではのおうちカフェの楽しみ方をお話していただきました。

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