2013/10/10
相続対策の専門家は誰か
財産の半分は不動産、対策も納税も不動産で考える
国税庁の発表では、平成23年度に相続税の申告をされた方の財産の分類は、土地が46%、家屋が5.7%となっており、半分が不動産となっています。
これは相続税の基礎控除を超えた方の割合ですので、基礎控除を超えない方も含めて考えると、財産の大半を不動産が占めているのが現状です。
そうなると、「不動産」が課題になることは想像に難くないことでしょう。不動産があるから相続税がかかり、納税が難しい。不動産は個々で違い、評価が難しい。不動産があると分けにくく、もめてしまう、などなど。こうしたことから、相続では不動産のノウハウや実務経験がないと、節税もできずにトラブルのもとをつくることになる、と言えます。
しかし、課題となるからこそ、「不動産」を活かすことで節税でき、相続を乗り切ることができて、財産を継承させる価値も生むことができる、とも考えられるのです。相続税で困られる方は、現金よりも不動産を持たれている方のほうが多く、千万単位、億単位で相続税が課税されるため、大きく節税できる方法を考えなくてはなりません。
そのため、節税も、納税も、不動産で考えることが必要になると言えるのです。
相続の相談相手は、弁護士でも、税理士でもない
では、相続の相談は誰にすればよいのでしょうか?あらためて考えてみてください。
多くの方が「弁護士」と答えられます。しかし、弁護士は法律の専門家で、争いの調停や交渉が主業務です。争わない限り、弁護士に頼む必要はありません。相続は、親子、兄弟姉妹など身近な親族間のことなので、弁護士は引っ張り出さない方がよいでしょう。
ならば、「税理士」だと言われます。しかし、平成23年度に相続税に課税された方は亡くなった方の4.1%です。ほとんどの方は相続税がかからず、相続税の申告も不要だという実情で、最初に税理士に相談するのは適切とは言えません。さらに、平成23年に亡くなった方は約125万人、相続税の申告数は約5万件ですが、税理士の登録数は約7万人。相続専門の税理士法人がまとまった数の相続税の申告をしていますので、計算すると一年のうち一度も相続税の申告をしない税理士がいるということになります。そのような状況下で、相続に強い税理士を探すのはなかなか大変です。
であれば、「信託銀行」という選択肢もありますが、信託銀行は遺言信託や遺産整理が主業務です。相続対策の提案は期待できず、費用負担も少なくないため、相談相手としては向いていないと言えます。
こうしたことから、円満な相続では弁護士に依頼する必要はなく、また、多くの場合は税理士も信託銀行も適しているとは言えないのです。
相続相談は"不動産の専門家"に
「弁護士に相談したが、具体的なアドバイスをもらえなかった」「税理士や金融機関などで相続税の概算を出してもらったけれども、次の提案がなく、どうしていいかわからずに困っている」と、こうした理由で相談に来られる方が増えてきました。
財産の中で不動産の占める割合が多く、節税も納税も、不動産で考えなければならないのに、弁護士や税理士の多くは不動産の専門家ではなく不動産の実務経験がないため、活用や組換えなどの提案を期待できないのは当然のことなのです。
そうなると、「相続相談は不動産の専門家にする」ことが必要だと、理解できることでしょう。たとえ、相続税の申告が必要で税理士に依頼する場合であっても、なおさら、遺産分割や納税に不動産のノウハウが必要になることは間違いありません。
私は、不動産のノウハウを生かした相続コーディネートをしており、多くの実績を作ってきました。相続後でも億単位の節税ができた実例もありますが、それでも、生前にお手伝いができれきばもっと多くの成果が上げられたのに...と感じることが多々あります。
相続はオーダーメードの対策が必要です。生前に相続プランをつくり、感情面、経済面に配慮した節税対策に取り組むようにすれば、円満で負担のない相続を実現することができるのです。
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執筆者:曽根恵子

公認 不動産コンサルティングマスター、相続対策専門士。日本初の相続コーディネーターとして1 2000件以上の相続相談に対処。感情面、経済面に配慮した“オーダーメード相続”を提案し、家族の絆が深まる「夢相続」の実現をサポートしている。NHK「あさイチ」」、TBS「はなまるマーケット」、フジ「とくダネ」などに出演。新聞、雑誌の取材も多数。「相続税を減らす生前の不動産対策」(幻冬舎)など著書多数。
本コラムは、執筆者の知識や経験に基づいた解説を中心に、分かりやすい情報を提供するよう努めておりますが、その内容について、弊社が保証するものではございません。