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不動産投資・収益物件 > 不動産投資の最新動向 > 事例に学ぶ/住宅ローンを使える賃貸併用住宅の利点(3ページ目)
不動産投資の物件選びのポイントや不動産投資の出口戦略、利回り・不動産価格・マーケット情報など不動産投資に関する最新動向をわかりやすく解説いたします。
2015年3月13日
―――賃貸併用住宅の場合は、返済負担がなくなる代わりに、制約もあります。立地やプランなど借り手のニーズを優先する必要がありますから、自宅部分のプランではそれなりに我慢しないといけませんね。
岩崎/私は、現金の持ち出しが出るのは嫌でしたから、予算の大枠はありました。それでも、プランについては自分の好きなようにリクエストして、その後から優先順位を決めて削って帳尻を合わせればいいと思って進めましたよ。
―――たとえば、どのような点ですか?
岩崎/壁紙は、スタンダードなタイプより4倍も高いものを入れてもらいました。システムキッチンもこのメーカー以外は絶対に譲れないと希望したブランドのものです。建築士に、家具と内装を組み合わせた時にインテリアデザインがちぐはぐにならないように、家具店や内装材のショールームを何十軒も一緒に廻ってもらったりしました。その分の手当も出しました。
―――たしかに、とても素敵な壁紙だと思いました。かなり、こだわりの部分を反映できたんですね。マイホームだと、こだわる分だけコストが上がって返済負担が増えます。しかし、賃貸併用住宅なら自分の出費はゼロですし、収益が上がる分だけ好みのプランを反映できるわけですね。
岩崎/植栽スペースにもこっています。有名なランドスケープ・アーキテクトの方に、「全く手入れをしなくて済むような木々にしてください。デザインは○○の音楽をイメージして」とお願いしたら、その通りに作ってくれました。小さなスペースなので、普通は10万円くらいで済むところ、60万円かかりました。ただ、この5年間は本当に何も手入れせず、水は自然の雨だけで、美しく維持されています。普通ならかかるメンテナンス費用のことを考えたら、結果的には安かったかもしれません。
―――設計に当たって注意すべき点はありますか?
岩崎/賃貸併用の場合、自宅と賃貸との間の防音がしっかりしていないと、あとで苦労しますよ。建設会社の施工技術も大切だと思います。
―――賃貸住戸は4戸ですね。戸数の設定は、やはり採算ベースを考えて?
岩崎/はい。最初、賃貸部分は3戸にして住宅部分を広くしようとも思いました。ただ、そうすると家賃収入が減って、ローン返済で持ちだしが出てしまう。それは避けたいので、4戸にしました。その面では、投資寄りに考えると、マイホーム部分に制約が出るのは確かですね。
―――自宅と賃貸とどちらを重視するかによって、プランが変わってくるわけですね。
岩崎/私の友人は、初めての不動産として収益マイホームを建てましたが、賃貸部分が3戸で、自宅部分を少し充実させています。住宅ローン返済で少し持ち出しがあるくらいでしょう。起業したいので、住宅ローンの負担を抑えたいというのが狙いです。
―――賃貸部分と住宅部分のバランスは、目的によって違いますね。仮に、賃貸収入を重視して、月々の収支で2~3万円のプラスがあったら、岩崎さんならどうしますか。
岩崎/投資より自宅としての位置づけを重視するなら、自宅の借金を減らす繰り上げ返済をするのも意味があるでしょう。私なら、せっかく1%以下の低金利で借りられているのだから、それを返済するよりも次の投資に振り向けます。ただ、投資の原資としては少ないですね。2~3万円くらいのプラスだと、イタリアンレストランに1回行ったら終わりですから。
―――なるほど、賃貸併用住宅をうまく建てれば、住宅ローンの負担が実質ゼロになった上に、月々数万円のプラスを出すこともできます。その使い道は、月1回のちょっと豪華な食事、繰り上げ返済、積立型投資など、いろいろな選択肢がありますね。
さきほど、出口戦略の話も伺いましたが、住宅ローンの低金利を最大限利用できる「賃貸併用住宅」は、思っていた以上にいろいろな可能性を持った投資といえるかもしれませんね。本日は、ありがとうございました。