不動産サイト nomu.com > 不動産ニュース > 26年基準地価(下)、上下動分布に濃淡

不動産ニュース Pick-up

26年基準地価(下)、上下動分布に濃淡

2026年09月17日

7月1日時点の基準地価は緩やかな景気回復で全国的に上昇基調が続いた。ただ居住や就労、観光、企業立地などの地域差で上下動分布に濃淡が付いた。建築費高騰の負荷が強まり、大都市圏では再開発事業の延期や見直しが増加。そうした供給制約がオフィスやマンションの市場価値を相対的に高め、地価を底上げすると同時に、行き過ぎた価格上昇が調整局面を招くことにもなった。

訪日客や海外の半導体企業といった外需が地価動向を左右する傾向も依然として強い。対日投資の多寡で景況が揺らぐ構図は危うく、成長投資を通じた内需拡大の重要性が改めて浮かんだ。

全国の調査地点のうち全用途平均が上昇した割合は49.9%で前年の49.3%と同水準だった。東京圏は89.8%、地方4市は84.2%と多くの地点で前年を上回り、大阪・名古屋両圏の上昇割合も約78%と高位だった。

市街地再開発の施行区域や半導体産業の集積地で地価が跳ね上がり、訪日客が多い繁華街や別荘需要が強いリゾート地も大きく伸びた。来年度に全面開業するJR大阪駅北側の「グラングリーン大阪」一帯では前年比で2割ほど上昇した地点が複数あった。

住宅地価の上昇率上位10地点には北海道富良野市や長野県白馬村などのほか、別荘が多い新潟県妙高市が初めて入った。商業地価の上位にも白馬村や野沢温泉、浅草などの常連が並ぶ。東京・中野駅前では複合施設「中野サンプラザ」の再開発が白紙に戻ったが、一帯の不動産需要が強く上昇率は東京圏で2位に付けた。

東京圏で住宅地価が最も高いのは8年連続で「港区赤坂」、商業地は21年連続で「中央区銀座」の同地点。1m2の価格は各750万円、5250万円と同じ都心でも7倍の差がある。東京都心では一部地域でマンションの需要が鈍り、千代田、中央、渋谷、目黒など9区で地価上昇率が縮んだ。ただ調査時期に売られる物件の種類や戸数で地価への影響は変わる。

地方をみると、名古屋市では全16区のうち住宅地は10区、商業地は9区で上昇幅が縮んだ。市中心部の住宅価格が上がり、富裕層らが買う中、東、千種など各区を除き地価の勢いが落ちた。福岡市でも住宅地は前年の7.2%から5.5%、商業地は10.2%から8.1%とやや減衰した。国交省の説明では、その背景にも建築費と地価の上昇、需要の鈍化があるという。

能登地域では一昨年の地震発生から約2年8カ月たつが地価の下落が目立つ。ただ復旧・復興が進み下落幅は縮小傾向だ。

熊本では7月28日に震度7の地震があり、道路や住宅などの基盤施設が被災した。次回以降の地価調査で数値に現れそうだ。膠着状態だったリニア中央新幹線静岡工区の工事許可も9月上旬までに下りたが、国交省によると「リニアの開業時期が地価に及ぼす影響は小さくなっている」という。

(提供:日刊不動産経済通信)

  • ノムコム会員