

25年都道府県地価調査、全国+1.5%
2025年09月17日

国土交通省は16日、25年の都道府県地価調査(7月1日時点、調査地点2万1441地点)を公表した。
全国の地価は平均で+1.5%(前年+1.4)となった。住宅地は+1.0%(+0.9%)、商業地は+2.8%(+2.4%)となった。都心の国内外の富裕層の高い需要や、インバウンド観光客の増加を背景に、全用途平均・住宅地・商業地がいずれも4年連続で上昇し、上昇幅も前年を上回った。
三大都市圏は、東京・大阪は全用途・住宅地・商業地とも上昇幅の拡大が続いたが、名古屋圏はいずれも上昇幅が縮小した。名古屋圏の全用途平均・住宅地・商業地の上昇幅縮小は、20年以来5年ぶり。
名古屋圏について国交省は、「コロナ禍からの回復は早かったが、東京・大阪に比べインバウンド需要が相対的に低い。(全国的に)地価が一定程度回復した中で、住宅地は価格上昇により、ある程度落ち着きがみられる。特に名古屋圏はそうだ」と説明する。
住宅地は、東京圏・大阪圏の利便性が高い中心部では引き続き高い上昇を示した。建設コストの上昇分がマンション価格に上乗せされても購入できる、国内外の富裕層需要が都心の地価上昇の原動力だ。
上昇率で東京圏住宅地3位・東京都内1位だったのは、新宿区の神楽坂に近い「新宿―11」で+15.9%(前年+17.1%)、価格は㎡当たり175万円。大阪圏中心部は大阪市浪速区の芦原橋駅近くの住宅地「浪速―1」が+9.9%(+5.7%)となり、上昇率が大阪圏1位、大阪府1位だった。
商業地は、再開発・インバウンド・マンション需要との競合などの要素が重なる場所で高い上昇率を示す。横浜市中区の関内駅に近い「中5―6」は、横浜市旧市庁舎の再開発が完成間近。にぎわい向上の期待から、地価は+20.0%(+15.8%)の高い上昇を示した。
インバウンドの増加効果が特に強く出たのは、商業地上昇率全国4位の長野県白馬村「白馬5―2」で、+29.3%(+30.2%)。世界的人気となったスキー場周辺のホテル・コンドミニアム用地や店舗需要が旺盛で、国内外から資本が流入している。
地方のけん引役だった「地方4市」(札幌、仙台、広島、福岡)は、2年連続で上昇幅が縮小した。広島市以外の3市が、上昇は維持したものの、住宅・商業とも前年より上昇率を下げた。
特に札幌市の住宅地では、地価や建築費の上昇で全体的に住宅の買い控えが発生。札幌市内全区で上昇幅が縮小し、外縁部の戸建て中心エリアで横ばいに転じた地点も多く出たため住宅地は+1.4%(+3.6%)となった。
北海道は地方部で人口減や高齢化の影響を受けマイナスとなった市町村もある。北海道の住宅地は△0.2%で、5年ぶりにマイナスに転じた。
(提供:日刊不動産経済通信)


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