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不動産投資の最新動向

不動産投資の物件選びのポイントや不動産投資の出口戦略、利回り・不動産価格・マーケット情報など不動産投資に関する最新動向をわかりやすく解説いたします。

宮澤 大樹
野村の仲介+
資産コンサルティング部
1998年から不動産業界に携わり、首都圏のマンション販売・投資用マンションの販売を経験。
その後、2005年より主に一棟マンション・ビル等の投資事業用不動産を中心とした仲介業務に従事。
不動産投資マーケット、物件価格・利回りの動向

不動産投資物件の有利な売却法

都心部を中心に不動産価格は右肩上がりの状況です。売却の好機ともいえますが、売り方を間違えると、思い通りの結果が得られないおそれもあります。そこで、この市況の中で有利に売る方法を考えてみましょう。

2015年6月15日

売り出しのタイミングと価格設定がカギ

次に、こうした市場動向を踏まえ、少しでも有利に売却するにはどうすればいいかを考えてみましょう。

都心部の区分マンションなら、現在は少しくらい強気の価格設定でも売れています。ただし、いつまでもこの状態が続くとは限りません。

価格上昇のトレンドが頭打ちに近づいた時に、いわゆる"失敗"(最高値で買ってしまい、売却できなくなる)を避けようとするため、一斉に需要が縮小するおそれがあるからです。キャピタルゲイン(売却益)を目指した価格で推移するマーケットで、その潮目が変わる瞬間を見極めるのは至難の業です。

また価格設定の面でも、あまりにも相場とかけ離れた高値を付けるのは考えものです。特に同じマンション内や近隣で競合物件が同時に複数出ている場合は、他と比較されて割高な物件という印象を与えてしまい、そのままずるずると"売れ残り物件"の烙印を押されかねません。売り出しのタイミングと最新相場を見極めながら、慎重に価格設定をすることが大切です。

一棟マンションの場合は、基本的に収益還元価格をベースに判断されています。その時々のエリア相場を反映した利回りを基に価格設定をすれ ば、スムーズに売れるはずです。ただ、いくら市況が活発な時期といっても、買主が投資家に限られる一棟マンションは、簡単に短期間で売却できるとは限りま せん。現状では2~3カ月以内を目標にしますが、半年程度はかかる可能性があります。

売却までの期間を少しでも短縮するためには、競合物件と差をつけるための対策が必要です。たとえば、一棟物件は外見が重要なチェックポイントのひとつになりますから、外壁洗浄や塗り替えなどによって見栄えを良くするリフォームをすることは有効です。あるいは、空室がある物件なら、なるべく満室にしてから売り出したほうが、引き合いは強くなるでしょう。

区分マンションと一棟物件で違う売却戦略

次に、売却戦略としては、物件情報をオープンにするか非公開にするかをよく考えることが大切です。区分マンションの場合は、 居住用物件と同様に、速やかにインターネットに物件情報をアップし、広く購入者を集めるほうがいいかもしれません。前述のように、1億円以下の物件なら、 個人投資家や買取業者、実需層(居住用の購入者)など幅広い需要が期待できるからです。

しかし、一棟マンションの場合は、購入層が相続税対策を目的にした富裕層や個人投資家が中心ですから、物件情報をすぐに公開しないほうが賢明かもしれません。最初のうちは非公開にして秘匿性を持たせたほうが"有利な投資商品"というイメージになり、投資家の反応が良くなる傾向があるためです。

ガイドの勤める不動産会社では、投資物件の売却戦略として、初めは購入希望登録をしている会員にメールで物件情報を告知するという方法をとることがあります。そこで一定期間内に反響がない場合にWEBサイトでの公開に切り替えるわけです。

それでも問い合わせがなかったり、成約に至らなかったりした場合は、サイトからは一時的に取り下げます。いわゆる"さらし物件"のイメージが付くことを避けるためです。その後、様子を見ながら、もう一度売却活動を始めます。

反響が薄いからといって、すぐに価格を下げる必要はありません。居住用物件の場合は、5,000万円から4,800万円へ200万円下げただけでも割安感 が出て反響が増えることはあります。しかし、収益物件の場合は、1億円から9,500万円に500万円下げたとしても、表面利回りが0.1~0.2%上が るだけでインパクトがないため、値下げ効果が出ないのです。

現在のように価格が右肩上がりの時期は、時間がたったほうが高く売れる可能性もあります。タイミングを逃すのは避けたいところですが、あせらずに売却活動を進めるといいでしょう。

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