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不動産投資・収益物件 > 不動産投資の最新動向 > 不動産投資物件の有利な売却法(1ページ目)
不動産投資の物件選びのポイントや不動産投資の出口戦略、利回り・不動産価格・マーケット情報など不動産投資に関する最新動向をわかりやすく解説いたします。
2015年6月15日
まずは、収益不動産の市場動向について把握しておきましょう。
2014年ごろから東京都心部では不動産価格が大きく上昇、2015年に入ってもその傾向は変わらず、もしくは一段と進んでいるところもあります。売り出し価格ベースの表面利回りは、平均でも5%台を下回りそうな水準まで低下しています。
物件種別では、区分マンションの動きが活発です。なかでも都心部のタワーマンションは、表面利回り3%前後の値付けで売り出され、実際に取引が成立している状況です。
表面利回りが3%を下回る水準になると、賃貸経営において、経費を差し引いた手残りはほとんどありません。
また、区分マンションは、空室になれば収入が一時的にゼロになるというリスクもあります。インカムゲイン(賃料収入)目的では、収支が合いにくい状況といえるでしょう。
したがって、現在の都心部における区分マンションの市場は、賃料収入以外を目的とした購入層が中心と考えられます。キャピタルゲイン(売却益)を目指した投資家や不動産会社、または、相続税対策のために取得する富裕層による購入が中心になっているといえるかもしれません。
収益物件の売り出し価格を査定する場合、インカムゲインをベースに投資家が期待する利回り(キャップレート)にもとづいて評価する収益還元法を用いるのが一般化しています。しかし、現状の都心部の区分マンションは、収益還元法による査定額を大きく上回る価格で売り出しても、購入者が現れて売買が成立している状況です。
結果として、取引事例比較法による価格設定が主流になっているといえるでしょう。
これに対して、一棟マンションやアパートの場合は、現状でも収益還元法をベースに評価した価格設定が中心といえます。新築や比較的新しい物件では4%~6%でも売り出されていますが、中古物件では5%~7%台が一般的です。都心部で一定の稼働率を維持できれば、ある程度のキャッシュフローを確保できます。その上で、キャピタルゲインも期待できるという2つの目的を狙えるといえるでしょう。
都心部の価格上昇、利回り低下の波は周辺部にも及んでいます。東京都下、神奈川、埼玉エリアなどでは、以前までは、表面利回り9%超が成約ラインでしたが、現在は、一棟マンション・アパートの場合で、表面利回り6~8%が成約可能なラインです。周辺部にも売却チャンスが広がっているといえるでしょう。
利回りに関係なく、物件の価格帯そのものについても売れ筋があります。たとえば、表面利回りが8%あっても総額が3~4億円を超えると反響が減ってしまいますが、6%台でも1億円前後までなら問い合わせも多く、売れるケースが珍しくありません。
つまり、表面利回りだけでなく、グロス価格(投資総額)の水準によって売れるか否かが分かれてくるわけです。エリアごとに「売れ筋のグロス価格帯」があるといえます。これを仮に"グロス感"といっていいかもしれません。
区分マンションでは、港区のプレミアム・タワーマンションは、坪単価700万~800万円、100m2(約30坪)で2億円を超えますが、現在の市場では動いています。
エリアによっては、100m2(約30坪)・1億5,000万円では反響は鈍いのですが、50m2(約15坪)で7,500万円では、一気に問い合わせが増えて来ます。同じ坪単価(500万円)でも、グロスで見ると割安と感じるのかもしれません。
富裕層や外国人投資家は、都心3区限定で物件を探すケースが少なくありません。都心3区以外では、それ以外の個人投資家や、株を売却して得た余裕資金の運 用先として不動産への組み替えを検討している層、あるいは、自己居住用やセカンドハウスを探している個人も購入者として加わってきます。
つまり、小ぶりで「割安」な印象を与えるグロス感の物件は、需要の幅が大きく広がるわけです。
売主として市場をチェックする場合は、表面利回りの水準だけでなく、こうしたグロス感も併せて把握しておくといいでしょう。