不動産投資・収益物件 > 不動産投資の最新動向 > 土地持ちでもお金ナシ?貧乏地主にならない相続対策(2ページ目)

不動産投資の最新動向

不動産投資の物件選びのポイントや不動産投資の出口戦略、利回り・不動産価格・マーケット情報など不動産投資に関する最新動向をわかりやすく解説いたします。

宮澤 大樹
野村の仲介+
資産コンサルティング部
1998年から不動産業界に携わり、首都圏のマンション販売・投資用マンションの販売を経験。
その後、2005年より主に一棟マンション・ビル等の投資事業用不動産を中心とした仲介業務に従事。
不動産投資と相続、贈与、節税対策

土地持ちでもお金ナシ?貧乏地主にならない相続対策

資産家や地主といわれる富裕層の中には、相続が気になりながらも、「いざとなれば土地を売ればいい」と考えている人もいます。しかし、売るに売れない、慌てて売ってなんだか納得がいかない、というケースは少なくないようです。対策を急ぐべき不動産、土地はどのようなものなのでしょうか?相続する人、相続される人、両世代で考えておきたい不動産の相続対策についてご紹介します。

2018年1月30日

都心は高すぎる?売却資金で買える狙い目エリアとは

資産の活用効率を改善したり、より高い収益を生むように、保有資産を売って別の資産を買うときには、次の2点がその要点になります。ちなみに、相続税を圧縮するには現金資産より不動産のほうが有利なのが一般的です。

  1. 収益性・資産価値の低いところから高いところへ
  2. □ 実勢価格より相続税評価額が相対的に低く、相続税の圧縮効果が高い場所・物件へ



上記の2条件を満たすには、「地方都市から大都市へ」「郊外から都心へ」という動きになるのが一般的です。東京都心をはじめ、全国主要都市の中心部の地価が上昇しているのは、こうした地方の富裕層による資産組み換えの動きが活発化していることも要因のひとつといえるでしょう。

ただ、何が何でも都心(中心部)を買えばいいというわけではありません。都心に近づくほど価格は高くなりますし、競合も激しくなります。手持ち資産の売却資金で購入できるエリアを選ぶ必要もあるでしょう。

そこで、都心周辺部にも目を向けてみることをお勧めします。たとえば、「ひとつの駅で生活が完結できる利便性の高いエリア」は有望でしょう。人々が集まり、長期的な賃貸ニーズが期待できるからです。

生活利便施設としては、日用品や生鮮品の商店、コンビニエンスストア、役所などの公共施設、金融機関などが挙げられます。さらにこれからは、最新のグルメやファッションを楽しめる総合商業ビルやショッピングモール、映画館なども求められるのではないでしょうか。

このような施設の揃った駅としては、神奈川県の「横浜駅」、埼玉県の「大宮駅」など、各県を代表するようなメジャーな駅・ターミナル駅は第一候補でしょう。その他には、ここ数年で発展した、また発展している駅も注目です。「二子玉川駅(東急田園都市線。世田谷区)」や「武蔵小杉駅(東急東横線、JR南武線・横須賀線。川崎市)、「北千住駅(JR常磐線、地下鉄千代田線・日比谷線、東武伊勢崎線、つくばエクスプレス。足立区)」などが挙げられるでしょう。

一方、都心やメジャー駅に近い駅であっても、未整備だったり魅力に乏しいエリアでは賃貸ニーズが伴いません。「~区」や「~市」といった行政区ではなく、それぞれの駅をチェックすること、つまり「面ではなく点」で検討することが大切です。



売って買うだけはない「資産組み換え」の多様なスキーム

「資産組み換え」は、「場所を移す」「買いかえる」ことが必須ではありません。同じ場所で「土地から建物へ」という方法もあります。東京郊外に広い敷地の自宅と3つの駐車場を持つBさんの事例を紹介します。

自宅について、築年数の経過とともに老朽化が進み建て替えたいと考えていましたが、建て替え費用の借り入れが多額になるため悩んでいました。また、3か所ある駐車場は稼働率が3~4割しかなく、固定資産税などの税金を払うと、手元に残るお金はそれほど多くありません。

そこで、駐車場3か所のうち2か所を売却し、その資金で自宅を建て替えることにしました。

3か所に分散していた駐車場契約を1か所に集約することで、契約台数を減らすことなくほぼ100%の稼働になり、固定資産税などの税金やメンテナンスの負担が減ったので、収益性もアップしました。

しかも、駐車場の売却代金から自宅の建て替え費用を差し引いても、3,000万円以上も残りました。この余裕資金の一部を活用して、新たに収益不動産を購入する計画もあるそうです。
3,000万円以下の収益物件を見てみる≫≫

このように先祖代々の土地に住み続けながら、収益性の低い一部の土地を売り、別の資産のバリューアップを行うことで、資産内容を改善することも「資産組み換え」の効果の一つです。

また、一般的なセオリーとは反対の「都心から準都心へ」買いかえた例も紹介しておきましょう。収益性の改善を目的に資産組み換えをしたCさんの例です(図3)。

Cさんは当初、都心のタワーマンションに6戸の区分物件(同一棟内)を所有していました。共用施設が充実していることもあり管理費と修繕積立金などの維持管理コストが高く、税引き前の収支は年間約100万円と満足いくものではありません。

そこで、これらの区分物件を売却し、準都心にある経費率の低い新築木造アパートを購入しました。その結果、税引き前の収支を2倍以上に増やすことができました。
■都心周辺部で一棟アパートを探してみる(東京都下・川崎市・横浜市・さいたま市)>>

収益性・資産性を高める「資産組み換え」には、多様なスキームが考えられます。先祖代々受け継いだ土地や相続した家を守るだけでなく、「資産の価値」を守り高めていけるよう、所有している資産の実態に合わせ、収支計画をしっかりと吟味した上で実行してください。

  • 1
  • 2
[an error occurred while processing this directive]

新着記事一覧

2022/4/14
投資のプロも注目する「不動産投資」を成功させるための秘訣を紹介!
2022/4/13
不動産投資の7つのリスクと7つの回避術
2019/4/24
「AM・PM」は、個人の不動産投資にも浸透するか?
2019/4/17
実物不動産と比較した「J-REIT」のメリット・デメリット
2019/4/10
地方都市での不動産投資、有望なエリアや物件を選ぶポイントは?
2019/4/ 3
抑えておきたい店舗・事務所物件への投資メリット・デメリット
2019/3/27
新築か中古か、アパート経営で有利なのはどっち?
不動産投資セミナー(参加無料)詳しくはこちら! 不動産投資のマーケット情報などをお届けするメールマガジンバックナンバー