-
- ホーム
- 建物検索
- 土地検索
- 査定・売却
- コラム・知識
- 投資ローン・賃貸管理
不動産投資・収益物件 > 不動産投資の最新動向 > 店舗・事務所物件への投資、メリット・デメリット(1ページ目)
不動産投資の物件選びのポイントや不動産投資の出口戦略、利回り・不動産価格・マーケット情報など不動産投資に関する最新動向をわかりやすく解説いたします。
2014年9月18日
不動産投資市場が活況を呈するなかで、一棟マンションやアパート、区分マンションの売出価格が上昇し、以前に比べて利回り(表面利回り。以下同)が低下しています。今よりも利回りが高かった時期を知っている方は、物件購入に消極的な傾向があるようです。その一方で、相対的に利回りの高い事務所や店舗物件に目を向けている方もいます。
図1は物件種別ごとの利回りの推移を示したグラフです。東京23区全体では、2013年の初頭から全ての種別で利回りが下がり始めています。全体的に右肩下がりになっているものの、住宅系の区分・一棟マンションより、売りビルや区分物件を含む店舗・事務所(※)の利回りのほうが、高い水準で推移していることがわかるでしょう。
※「売りビル」=一棟ビル、「店舗・事務所」=区分所有の店舗・事務所+ビルではない一棟建物の店舗事務所など(ロードサイド店舗なども含む)。「東京23区南」は品川区・世田谷区・目黒区・大田区
23区南エリアでは、他の物件種別の利回りが低下していくなか、店舗・事務所は2013年よりも高い水準で推移していることがわかります。売りビルは、2013年前半までもっとも高く、他の種別に2ポイント以上の差を付けていました。現在でも、売りビル店舗・事務所ともに、住宅系よりも1~2ポイントは利回りが高いようです。
こうした高利回りを魅力に感じ、店舗・事務所に積極的に投資をしている方も少なくありません。ただし、住居系に比べてリスクが高いのも事実です。そこで、今回は店舗・事務所に投資をするメリット・デメリット、注意点などを住宅系の物件と比較しながら整理してみましょう。
<利回りが高い>
店舗・事務所のメリットは、第一に、前述したように利回りが比較的高いこと。物件の売出価格が上昇して利回りが全体的に低下する状況でも、一定水準の利回りが期待できます。
<賃料単価が高い>
上述した店舗・事務所の利回りが高い理由とも関係しますが、住宅系に比べ、床面積当たりの賃料単価が高いのです。住宅の入居者は「居住サービスを消費する」だけですが、店舗・事務所のテナントは「モノやサービスを売って収益を生み出す」ため、より高い家賃設定が可能といえます。
ただし、利回りや賃料単価は、地域によっては店舗・事務所と住宅系との差がほとんどないケースもあります。商業エリアや事業所の多い地域、つまり東京都心部や地方中核都市の中心市街地に近いエリアのほうが、店舗・事務所の賃料単価が高いのが一般的です。
<保証金が多い>
店舗・事務所は、保証金(敷金)の金額が高いこともメリットのひとつです。住宅系では家賃1~2ヵ月分が一般的で、最近は縮小傾向にあります。店舗・事務所の場合は3ヵ月や半年、1年分というケースも少なくありません。また、預かった保証金の一部は償却され、退去時に返還しなくてもよいケースもあります。その分を運用して利殖することができるのです。
<経費率が低い>
これは、ビル一棟全体を一つの事業者に一括貸しする場合に限られます。一棟貸しの場合、清掃や設備点検、室外部分の照明代などがテナントの負担になることが多く、オーナーは支出する必要がありません。住宅系ではオーナー負担となる共用部の維持費や光熱費が掛からないのです。
<原状回復の手間・費用が不要>
さらに、テナントが退去する際の原状回復の扱いも、店舗・事務所と住宅系では異なります。賃貸住宅の場合は、国土交通省の「原状回復ガイドライン」や東京都の「東京ルール」などによって、貸す側・借りる側のどちらが原状回復するべきかという範囲が規定されています。故意・過失による損傷以外の自然損耗などの補修費は、貸す側(オーナー)が負担しなければなりません。
しかし、店舗・事務所の場合は、通常はスケルトン渡しです。内装や造作(ぞうさく)はテナントが造り込みます。退去時には、テナントの負担で原状回復し、スケルトンの状態に戻して返還するのです。そのため、オーナーが原状回復に費用をかける必要がありません。この点においても、店舗・事務所のほうが経費率が低くなるといえるでしょう。