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不動産投資・収益物件 > 不動産投資の最新動向 > ズバリ教えます! 不動産投資ローンの現状(2ページ目)
不動産投資の物件選びのポイントや不動産投資の出口戦略、利回り・不動産価格・マーケット情報など不動産投資に関する最新動向をわかりやすく解説いたします。
2013年9月19日
不動産投資向けのローンは、住宅ローンに比べると、金融機関による融資条件の違いも大きくなっています。住宅ローンの場合、現在では保証機関に保証料を支払うことによって連帯保証人を不要にしているのが一般的ですが、不動産投資向けのローンでは原則として連帯保証人が必要です。基本的に配偶者や親族が連帯保証人になるため、独身者は借りにくい傾向があります。
ただし、団体信用生命保険に加入できる場合は独身者で連帯保証人なしでも借りられることがあります。保険金の上限は、メガバンクや地方銀行が1億円まで、その他の金融機関やノンバンクは2~3億円までと幅があります。物件評価の方法も金融機関ごとに少しずつ違います。担保価値を査定する場合、家賃収入をベースに評価する「収益還元価格」と、土地と建物の価格を積み上げる「積算価格」があります。金融機関によって、収益還元価格1本の場合もあれば、積算価格を最優先する場合、収益還元価格と積算価格の両面から評価する場合など、さまざまです。
同じ物件でも、銀行によって担保評価が変わる?
どのような評価手法を取り入れているかによって同じ物件でも価格と融資限度額が2倍も変わることがあります。各金融機関のカラーを知った上で相談することがいかに重要かおわかりいただけるでしょう。
また、複数棟の賃貸運営をしている場合、資産管理会社を設立するケースも多いでしょう。その場合、資産管理会社による購入に対しては融資しない金融機関もあります。融資はオーケーでも、返済期間が通常より短く設定されるケースもあります。
最後に、金利の選択についての注意点を解説しておきましょう。金利の種類は、主に変動型、固定金利期間選択型、全期間固定型の3種類があります。金利変動リスクを避けるという点では、当然、全期間固定型が安全です。しかし、これは収益を生まない、住宅ローン等の融資にあてはめた場合に限られます。
実際の取引の中では、不動産投資用ローンの場合には、3年固定型~5年固定型の金利を選択する方がほとんどです。なぜなら、まず第一に住宅ローンの場合は、政策的バックアップもあって長期固定型でも2%を切る超低金利が可能ですが、不動産投資ローンの場合では長期固定型は、住宅ローン金利よりもかなり高くなるのが普通です。それではよほど高利回りの物件を購入するか多くの自己資金を投入しない限り、キャッシュフローがプラスにならないため、借りる人がほとんどいません。
もうひとつは、住宅ローンの場合には、ほぼいつでも無償、もしくは低額の手数料で繰り上げ返済や一括繰り上げ返済が可能ですが、主に民間金融機関による不動産投資向けの融資の場合、当初設定した返済期間より早く一括繰り上げ返済する場合には、残存期間に応じたペナルティが課せられるからです。その金額は、数百万円レベルではなく、タイミングによっては1,000万円単位になります。
たとえば、20年返済で2%の固定型ローンを借りられたとします。金利負担だけを見れば魅力的でしょう。しかし、不動産投資では、譲渡税の税率が変わる5年目、大規模修繕の検討が必要な5~10年目、ローン金利の経費計上効果が下がって税金が上がる時期(全体収入によって変わる)、価格相場が上昇して売り時が来た時、その他個別事情により返済途中で売却を検討するべきタイミングが必ず来ます。その時、多額のペナルティが足かせになって売るに売れない恐れもあるのです。
不動産投資の場合は、金利変動リスクの他に流動性リスク(売れないおそれ)も検討しておく必要があります。両方のリスクを考慮すると、3~5年程度の短期間だけ固定する固定金利期間選択型が無難といえるかもしれません(固定金利選択期間中の一部繰り上げ返済にペナルティが付くこともある)。最初は少し金利が高くても、何年か返済実績を積んでから金利の引き下げ交渉をして条件変更をすることも可能です。
以上のように、不動産投資向けのローンの実態は、なかなか表に出ない部分も少なくありません。有利な融資を組むには、この分野の実務に長けた不動産会社に相談することをお勧めします。