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不動産投資の最新動向

不動産投資の物件選びのポイントや不動産投資の出口戦略、利回り・不動産価格・マーケット情報など不動産投資に関する最新動向をわかりやすく解説いたします。

宮澤 大樹
野村の仲介+
資産コンサルティング部
1998年から不動産業界に携わり、首都圏のマンション販売・投資用マンションの販売を経験。
その後、2005年より主に一棟マンション・ビル等の投資事業用不動産を中心とした仲介業務に従事。
不動産投資のノウハウ・事例

投資用物件の「掘り出し物」を見つける方法

不動産投資の指南などでは、「掘り出し物を探そう」と書かれているものがあります。その一方で、「不動産に掘り出し物はない」ともいわれます。いったいどちらが本当か、「資産形成」や「相続対策」などで、収益物件を買う時の視点で考えてみましょう。(2ページ目)

2017年3月21日

「磨けば光る物件」を掘り出す

相場より価格の安い、誰もが「掘り出し物」と思う物件は、不動産買取業者が先手を打って購入してしまう可能性が高くなります。この点は、マイホームも収益物件も変わりません。

ちなみに、これには理由があります。一般の買主よりも業者のほうが、「期限までに確実に現金化できる」からです。買い取り業者は決断が早く、基本は現金決済です。借り入れをする場合も、一般の買主のように融資が下りずに契約が白紙になる、ということはありません。また、瑕疵担保を免責するので売主は引き渡し後の心配がほぼないのです。

買える可能性の低い掘り出し物の出現を待つのは得策ではありません。

収益物件(マイホーム以外の不動産)の場合は、目的や人の属性によって「よい物件」が違います。目の付け所によっては、他の人が見落としているものの中から、磨けば光る物件を発掘することも可能です。たとえば、どんな物件が考えられるでしょうか。

1.築年数が古く、外観が汚れていたり、管理状態が悪い物件

一般に敬遠されがちです。 まして、空室率が高そうなら、なおさらでしょう。しかし、見た目は悪くても、最寄り駅から徒歩5分以内で生活利便施設も整っているような立地であれば、賃借人の募集方法の工夫管理の見直しによって満室にすることは不可能ではありません。


2.不人気な設備が設置されている物件

3点ユニットバスは人気がないので選ばれない、新しい設備に替えるにはリフォーム費用が高くつく、などと思い込み、検討候補から外すケースも多いようです。しかし、外国人留学生などは、学校やアルバイト先に近いなどの条件が合えば、住戸内の設備や外観はそれほど気にしません。つまり、ターゲットの見極めが肝心です。


3.眺望の良いハイグレード物件より、建物に囲まれた古いマンション

ハイグレード物件とやや見劣りする物件では、どうしても前者に目が行きがちです。しかし、同じエリア内の似たような立地条件では、家賃は大きくは変わりません。それよりも購入時の価格差のほうが大きくなります。家賃収入が大きく変わらないなら、購入価格の割安な古いマンションのほうが投資効率が高いといえます。これも目の付け所次第です。

掘り出し物はどこにある?効率的に探すには?

とはいえ、このような物件を個人が自分で見つけ出すのは大変です。物件検索サイトなどには出てこない「非公開物件」の中に潜んでいることも少なくありません。

その点、不動産仲介会社は、非公開情報も含めた膨大な物件情報に接しています。そのなかでも、収益物件に強い会社の営業担当者から、優先して物件情報を提供してもらえるようになるのが、掘り出し物への近道でしょう。

不動産仲介の営業担当者は、売主からの売却相談はもちろん、金融機関税理士弁護士と接するなど、さまざまなルートで物件情報を仕入れています。不動産流通情報ネットワークのレインズもそのひとつです。毎日チェックしていると、中には「おっ、これは」という物件に出会うこともあります。

たとえば、賃貸仲介や土地・戸建ての取り扱いが中心の仲介会社などが、収益物件の価格査定慣れていないためか、思いのほか割安な価格設定をしていることがあります。不動産は、株価のように機械的に相場が算出されるわけではないため、「価格のゆがみ」のようなものが出るわけです。

「掘り出し物」をいち早くつかむコツ

こうした新鮮な情報をキャッチしたとき、営業担当者は誰にその物件情報を持って行くでしょうか。「このお客さんなら、希望条件にマッチするし、購入可能な範囲だ」とピンとくる人でしょう。

つまり、購入したい物件の条件が明確で、資金の裏付けがある人、端的に言えば「買える人」です。反対に、「何を買うか決めていないけど、良い情報があったら教えてほしい」といった漠然とした希望しかない人は、どうしても優先順位が低くなってしまいます。

あるカリスマ大家さんは「安く買おうと思うな、自分を高く売りこめ」と表現しています。「自分には購入能力があること、条件に合えば確実に買う意欲があることをアピールしろ」という意味でしょう。営業担当者はそんな「ホンキ度が強い人」に真っ先に良い情報を持って行きます。

もちろん、投資家の側でも、「実績の豊富な不動産会社」「ホンキで取り組む営業担当者」を選ぶことが大切です。そんな不動産会社なら、物件情報を豊富に持っているのはもちろん、融資面の戦略サポートも期待できるでしょう。

そして、力のある営業担当者ほど、たくさんの金融機関とのパイプを持ち、有利なローンを組めるようマッチングしてくれます。物件を買えるかどうかは、金利や返済期間などの融資条件によって左右される面も多分にあるのです。

「これは掘り出し物だ」と思っても、うまく融資が組めないために「絵に描いた餅」に終わることもあれば、予算オーバーで手が届かないと思っていた物件が、低金利・長期返済の融資を受けられたことで購入できることもあります。「高嶺の花の物件が掘り出し物に化ける」という言い方もできるかもしれません。

掘り出し物はどこにあるか、誰が持っているかを探すところから始めましょう。

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