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一期一会の手仕事 インタビュー

お風呂博士 石川泰弘さん
株式会社バスクリン広報責任者、温泉入浴指導員、睡眠改善インストラクター。お風呂博士として各地で講演活動を行っています。主な著書として、『お風呂の達人』(草思社)など多数。
お風呂は心と体の緊張をときほぐす、至福の時間です。
忙しいと、ついシャワーで済ませがちなバスタイム。けれど、ゆっくりと湯ぶねにつかった日は、寝付きもよくて翌朝もすっきりします。今回は、お風呂の時間がいかに大切なのか、入浴剤メーカーであるバスクリンお風呂博士・石川泰弘さんにお話を伺いました。
正しい入浴法や近年わかってきた最新のお風呂事情まで、忙しい毎日を頑張るあなたにぴったりのお話です。

正しい入浴法は、快眠への近道!

睡眠改善インストラクター(日本睡眠改善協議会認定)の資格を持つ石川さん。この資格を取得するに至ったのは、お客様から寄せられた多くのお問い合わせにありました。
「肩こりや疲労回復に効く入浴法は?美肌やダイエットに効果的な入浴法はあるの? など、日々こうした質問を聞くうちに、正しい入浴法や入浴剤の大切さを痛感しました」と石川さん。お風呂について効果効能を調べていくうちに、その奥深さや睡眠への影響を再認識したのだとか。「睡眠は夜の10時から深夜2時に熟睡していることが大事だと言われています。ただ、その後の研究で、大切なのは最初の3時間質の高い深い睡眠に入ることだとわかってきました。そのために必要なのがお風呂の存在なのです」。
質の高い睡眠は、単に夜10時~深夜2時に眠ればいいわけではなく、眠るまでの過程が深く関係していたのですね。「人は体温が徐々に下がることで眠りのモードに入っていきます。だからこそ、寝る前の1時間半から2時間前にお風呂に入ることをオススメします。そこでしっかり体を温めることで血管を拡張し、熱放出できて体温を下げることが出来るので良質の睡眠をもたらすのです」。
正しい入浴法は、眠る時間と密接に関わっています。お風呂と睡眠のいい関係を築けば、自然と日々の疲れを癒すことができると思います。

また、プライベートではフルマラソンに出場するなど、スポーツを欠かさない石川さん。最近はスポーツと入浴というテーマで講義や書籍でアドバイスをされています。「アスリートの方々にお話を伺うと、筋肉疲労にマッサージを取り入れてもお風呂に気を使う方があまりいなかったんですね。今後はスポーツと入浴の正しい知識やアドバイスもしていきたい」と、石川さん。その優しい表情の中に、今後のお風呂業界に対する情熱が伝わってきました。

お風呂博士が伝授! 知って得する入浴剤のホント?!

寒くなるこれからの季節は、入浴剤を使って楽しいバスタイムを過ごしたいもの。でも、入浴剤のことって知っているようで知らないですよね。ブクブクと泡の出る入浴剤、あの泡を直接体に当てると効果がある気がしてしまうのですが…?そんな疑問に石川さんは、「入浴剤で炭酸ガスが出るものがあります。あの泡を体に当てないと効果が無いと思っている方が多いですが、あれは間違いです(笑)。泡自体に効能があるのではなく、お湯の中に溶けた炭酸ガスが温浴効果を高め、血管を拡張させ血行を良くします。それが、より早く新陳代謝を促して体の内側から温める作用があるからなのです」。続けて石川さんは、「ただし、炭酸ガス系の入浴剤の効果は、お風呂に入れてから約2時間半くらいが目安。その時間内に入るようにしてください」。
さらに、女性に人気のスキンケア系の液体入浴剤にも、より効果的な入浴法があるのだとか。「保湿成分たっぷりの入浴剤でせっかくお肌が潤っても、お風呂から上がるときにシャワーを浴びてしまうと効果は半減します。どうしても上がり湯をしたい人には、洗面器などにお湯を入れ液体入浴剤を少し加えて、それを掛湯がわりにしてください。お風呂上がりのしっとりさが抜群に違います」と石川さん。お風呂博士だけに、効果的な入浴法をたくさんお聞きすることができましたがもうひとつ、意外なお話も。
「よくお湯が固いとか、肌に刺さるような感じと言いますが、もし入浴剤が無い場合やお湯が肌にしみるようなときは、うまみ調味料を少々、湯船に入れてみてください。この中のグルタミン酸ナトリウムは入浴剤にも入っている成分。塩素をとってくれてお湯がまろやかになりますよ」。うまみ調味料を入浴剤にできるとは、おどろきですね。

お風呂には、「健康とハッピーがつまっています」と語る石川さん。あくなき探究心と、それを世に広めることに情熱を燃やす想いから、取材する側も元気をチャージさせていただきました。

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