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特集コラム

#マンションの間取り考

2018.09.20

マンションでよく見かける間取り4タイプのメリットと注意点

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前回まではマンションの間取り図に表記されている略語やアルファベットの意味、間取り図の読み方とチェックポイントなど、基本的な事項について解説しました。今回は、マンションでよく見かける間取りを4タイプご紹介し、それぞれの特徴などを解説します。

最もポピュラーな外廊下型「田の字プラン」

マンションで最も多く供給されていてなじみが深いのが、外廊下型マンションで多用される「田の字プラン」です。同フロアの住戸が共用で使う廊下が外部に開放されている形を「外廊下型」といい、低層~高層のマンションでよく採用されている形です。

外廊下型マンションの共用廊下

外廊下型マンションのメリットは、全戸が南向き(または東向き)など、日当たり条件が良好な住戸が多いこと。住戸の形は、間口が6メートル程度の長方形をしているものが多く、短辺の一方は外廊下に面し、もう一方はバルコニーに面しています。

「田の字プラン」は、外廊下型のマンションに良く見られるプランです。住戸の中央を廊下が縦方向にのび、その廊下と中心部分にある水回りによって、住戸の居室が上下左右に振り分けられており、ちょうど田の字のように配置されていることからこう呼ばれています。

間取りのバリエーションはあまり多くありませんが、隣戸どうしでは同種の部屋が隣り合い、上下の住戸どうしでも同種の部屋が上下の位置に配されるため、住戸間の騒音問題が発生しにくいというメリットがあります。

注意点は、外廊下側に配された個室のプライバシーの確保です。窓の外を人が通るため窓を開けにくいという声もありますが、最近では窓の外廊下側に目隠しをしつつ風は通すルーバーを設けるなど、工夫が見られるマンションもあります。

間口が広い「ワイドスパン」

「ワイドスパン」とはバルコニー側の間口(=スパン)が広い住戸をいいます。明確な定義はないものの、一般的なファミリータイプの場合、間口がおおよそ7メートル以上あるものをそう呼んでいます。

特徴として、バルコニー側の間口が広く奥行きが浅くなるため、日当たりがよく奥まで光が届く明るい住戸となること、玄関から各室に移動する動線が短くなり、廊下の面積が少なくて済む分、各居室の面積を広く取れるということ、バルコニーに面して3室を確保した間取りが可能となることです。リビングを中心として家族が顔を合わせやすい間取りが多く見られ、家族のコミュニケーションを大切にするファミリーに向きます。

このようにリビングに動線が集まる間取りの場合、来客時にお客様と家族が顔を合わせる機会が多くなります。来客の多いファミリーはその点を理解しておきましょう。

バラエティー豊かな「角(かど)住戸」

角住戸とは、マンション住棟の端に位置する住戸を指し、基本的に住戸は3方が開放されています。そのため窓を多く取ることができ、中住戸に比べ通風条件、日照条件がよい住戸となります。バルコニーが2方向または3方向についていたり、下階の屋根を利用した広いルーフバルコニーのある間取りも見られます。間取りの自由度が高くなるため、中住戸より広く、個性的な間取りを見つけることができます。

角部屋は3方が外気に開放されているため、2方面のみ開放されている中住戸に比べ、構造的にどうしても室内の冷暖房が逃げやすくなりますが、しっかりと断熱が施してあれば問題ありません。断熱性の簡単な見分け方は、内覧をした時に、壁や窓際にカビの跡がないかをチェックしてください。

高級マンションに多く採用されている「センターイン」

玄関が住戸の中央付近にくる間取りを「センターイン」形式と呼びます。住戸玄関は住戸の中央付近に設けられているため、その結果、寝室などのプライベート(P)空間とリビングなどのパブリック(P)空間を南北に振り分けるPP分離型の間取りが可能になります。お互いのプライバシーを尊重したいファミリーに向く間取りです。

外廊下型のマンションに見られるような、多数の住人が行き交う外廊下がなくなり、使用する人の顔がわかるため、防犯性に優れています。また南北の2面が外気に開放されるためプライバシー性が高く、窓も開けやすくなり、住戸内の通風条件が良い間取りが多くなります。

デメリットとしては、他のプランに比べて建築コストがかかるため価格が割高になることや、1フロア2戸でエレベーターを共有する2戸1(ニコイチ)タイプの場合、エレベーターの設置費・維持点検費が高めに設定されることもあるという点があります。

マンションの間取りは、冒頭で紹介した「外廊下型・田の字プラン」が最もポピュラーで、物件数も豊富にあります。しかし、今回紹介したように、さまざまなパターンがあり、それぞれに特徴があり、注意しておきたい点もあります。どのタイプが自身のライフスタイルにあいそうか、検討しておくと間取り選びがしやすくなるでしょう。

井上恵子(いのうえ・けいこ)

井上恵子(いのうえ・けいこ)

住まいのアトリエ 井上一級建築士事務所主宰/一級建築士/インテリアプランナー
総合建設会社の設計部で約14年間、主にマンションの設計・工事監理、性能評価などを担当。2004年の独立後は生活者の視点から「安心・安全・快適な住まい」「間取り研究」をテーマに、webサイトでの記事執筆、新聞へのコラム掲載、マンション購入セミナーの講師として活動。
著書に「住宅リフォーム計画」(学芸出版社/共著)「大震災・大災害に強い家づくり、家選び」(朝日新聞出版)などがある。夫と子ども2人との4人暮らし。
住まいのアトリエ 井上一級建築士事務所 http://atelier-sumai.jp/

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