【横須賀市】海と丘陵の自然に恵まれた街、横須賀市の防災対策
「横須賀中央」駅前の街並み横須賀市は神奈川県の南東にある三浦半島の中央部に位置し東側は東京湾に、西側は相模湾に面しています。市内の多くは丘陵地で小さな河川が浸食してできた谷戸の地形がみられます。
江戸時代には浦賀に奉行所が置かれ、江戸を守る海側の防衛拠点となっていました。幕末以降明治初期にかけて製鉄所や造船所が開設され、日本の産業近代化をけん引してきました。その後、これらの施設は軍事施設になり、軍事都市という性格を強めます。第二次世界大戦後は米海軍基地も設置されました。近年は旧軍施設の再開発や丘陵部の宅地開発、埋め立てが行われ、成熟したベッドタウンになっています。
「うみかぜ公園」などに災害監視カメラを設置横須賀市は海岸に面した丘陵地という地理的条件からさまざまな災害が発生する可能性があります。とくに海岸では高潮や強風時の越波、丘陵地の間を流れる河川沿いでは大雨による氾濫が懸念されます。そこで、過去に冠水などが起きた場所27か所に災害監視カメラを設置し、状況をリアルタイムで確認できるようにしました。この画像はYouTubeライブでも公開されています。
災害監視カメラの位置とYouTubeライブへのリンクはWebサイトで確認できます。市では大雨警報などの防災気象情報が発令された場合は、横須賀市公式LINEと防災情報メールにより、プッシュ型の通知を送っています。この通知にも、カメラ映像へのリンクを付け、市民が避難のタイミングを判断しやすいようにしています。
久里浜地区には原子力発電の燃料加工工場があり、米海軍横須賀基地には米軍の原子力艦が寄港する場合があります。このため、放射性物質や放射線が漏れる原子力災害が起きる可能性があります。
各原子力施設には多重の防護設備があり、各施設の関係者が適切な対応を行えるよう日頃から訓練を重ねているため、市民に危険が及ぶ可能性はほとんど考えられません。それでも、万が一の原子力災害を想定し、「原子力防災の取り組み」を行っており、大気中の放射線濃度を常時測定しています。市内のモニタリングポストは神奈川県が設置した8基に加え、原子力規制庁が設置した10基の計18基があります。
「横須賀市災害リスクマップ 本庁・逸見地区」マップ面様々な災害が発生した際の被害予測を地図にしたハザードマップとして、横須賀市では「土砂災害ハザードマップ」「洪水ハザードマップ」「横須賀市内水ハザードマップ」「高潮ハザードマップ」「津波ハザードマップ」を作成しています。
市内には丘陵地が多く、大雨時の土砂災害が懸念されます。「土砂災害ハザードマップ」では市内を8地区に分け、土砂災害警戒区域と土砂災害特別警戒区域、風水害時避難所を記しました。「洪水ハザードマップ」は大雨により鷹取川、平作川、竹川・松越川が氾濫した場合に浸水が予想される場所や風水害時避難所の位置などを示したものです。「横須賀市内水ハザードマップ」は想定される最大の大雨で下水道などの排水能力を超えた場合に、浸水が想定される場所は深さを示しています。
市の東側と西側は海岸に面しており、高潮や津波の被害も想定されます。「高潮ハザードマップ」には想定される最大規模の高潮による氾濫が起きた場合の浸水想定区域や風水害時避難所の位置などが表示されています。「津波ハザードマップ」は神奈川県に被害を及ぼすと予想される地震による津波で浸水する場所と深さが最大になる場合を想定したものです。
さらに、横須賀市に大きな影響を及ぼすと予測されている三浦半島断層群を震源とする地震と大正型関東地震を想定し、市内各地で想定される震度を地図にした「震度マップ」も作成しています。
市内には災害時に孤立する可能性がある場所が存在します。同時に複数の災害が発生する可能性も否定できません。そこで、さまざまな災害への備え方を啓発するために横須賀市では「災害リスクマップ」を作成しています。
このマップは市内8地区に分け、各種ハザードマップをもとにした土砂災害警戒区域や洪水浸水想定区域などを全て記載しました。それぞれの災害から逃れるための避難所なども表示しています。併せて、家庭で必要な備蓄、防災に関する基本的な行動などの情報も掲載しました。
災害はいつ、どこで発生するか分かりません。しかし、災害による被害は生活への影響は日頃の備えや災害に対する知識で軽減できます。市民の防災意識向上や防災対策推進を図るツールとして、横須賀市では日常生活で目にすることが多いカレンダーに着目しました。
「くらしの安全・安心カレンダー」は2か月ごとのカレンダーで、津波からの避難やハザードマップ、災害ごとの避難所の違いなどの解説が添えられています。防災情報の取得方法や非常時の連絡先一覧もあり、見やすい場所に掲示しておきたいカレンダーです。
年末に市政情報コーナーや市役所、行政センターなどで配布されるほか、WebサイトからもPDF版をダウンロードできます。
「横須賀美術館」横須賀市では楽しみながら防災を学べるイベントも開催されています。中央消防署で開かれる「あつまれ!!キッズ防災フェア」は子どもとともに防火、防災を学ぶイベントです。AED体験やクイズでスタンプがたまると消防グッズがもらえるガチャガチャに参加できるスタンプラリーのほか、消防車両見学、地震体験車による地震体験、煙体験なども行われました。体験型のイベントが多く、子どもが楽しみながら災害時の対応を学べます。
2025年に「横須賀美術館」で開かれた企画展「山本理顕展 コミュニティーと建築」では、関連イベントとして「横須賀防災フェア」も開催されました。津波シェルターや木造耐震シェルターの体験、サバイバルフーズ体験、地震体験車、ARによる消火体験など体験型のイベントのほか、バッテリー、モバイルソーラー充電器、防災懐中電灯、家具転倒防止器具といった防災対策用品の展示も行われています。
横須賀市は海に面し、起伏が多い丘陵地という地形です。このような地理的条件に合わせ、総合的な災害対策が進められています。
- 掲載日
- 2026/07/15
本記事は、(株)ココロマチ が情報収集し、作成したものです。記事の内容・情報に関しては、調査時点のもので変更の可能性があります。





