【新宿区】「新宿」駅周辺の防災まちづくりや中高層マンション防災対策にも力を入れる新宿区
西新宿の街並み新宿区は東京23区のほぼ中央にあり、1947(昭和22)年に四谷区、牛込区、淀橋区が統合されてできました。区名は江戸時代に整備された甲州街道の「内藤新宿」に由来します。信州高遠藩の内藤氏の屋敷に設けられた新しい宿場だったため「内藤新宿」と名付けられ、その後、新宿という地名になりました。
区の地形は武蔵野台地の東端にあたる淀橋台地と豊島台地が大半を占め、その間を神田川や妙正寺川が流れています。
「新宿」駅は1日当たりの乗降客数が世界最大の巨大ターミナルで、駅周辺には多くの大規模ショッピング施設や地下街が集まります。「新宿」駅西口の超高層ビル群には「東京都庁」もあり、東京都の行政機能が集積するエリアです。
新宿区では地震や風水害などさまざまな災害の予防や復旧などをまとめた「新宿区地域防災計画」を策定しています。地震に対しては、都心南部直下地震や多摩東部直下地震が発生した場合、区内の大部分で、震度6弱あるいは6強の揺れになると想定し、具体的な対策をまとめました。例えば、大地震により「新宿区役所」が被災した際に区の重要業務を中断させず、中断した場合も早急に復旧させるための計画として「新宿区事業継続計画(地震編)」を策定しています。
「新宿区役所」の本庁舎は、2011(平成23)年の東日本大震災でガラス破損などの被害を受けました。そこで、早急に仮補強工事を行い、2015(平成27)年には大がかりな免震改修工事を完了させています。これにより本庁舎の耐震性能は大幅に強化されました。また、「新宿区役所」の本庁舎が大きな被害を受けた場合を想定し、「曙橋」駅付近の「新宿区立防災センター」にも本庁舎と同様の新宿区災害情報支援システムを設けました。本庁舎が機能しなくなった場合は、ここが災害対策活動の拠点となります。
風水害に対しては、想定最大規模降雨による河川の氾濫を想定した「新宿区洪水ハザードマップ」、大雨によるがけ崩れなど土砂災害を想定した「新宿区土砂災害ハザードマップ」が作成されています。
防災ハンドブック『災害に備えて』大規模災害の発生時には区民それぞれが身を守り、地域で対応する必要があります。その時に参考となる冊子が防災ハンドブック『災害に備えて』です。ここには、地震の発生メカニズムや日頃の備え、発災時の適切な行動、大雨に対する各家庭での浸水対策、区の防災・減災対策、避難場所地図などがまとめられています。
「新宿区避難場所(広域)地図」は災害時に避難する場所がひと目でわかる地図です。「避難場所(広域)」や「避難所(学校)」などが示され、地区ごとに避難方向も記載されています。
新宿区避難場所(広域)地図「避難場所(広域)」は地震発生時の大規模火災の延焼から身を守るためのオープンスペースです。新宿区では「新宿御苑」「明治神宮外苑」「早稲田大学」「哲学堂公園」「後楽園」「戸山公園」「新宿中央公園」など広い面積を持つ公園や施設が指定されています。「避難所(学校)」は家屋の倒壊などにより自宅で生活できなくなったときに、一時的に生活する場所です。
区では大規模災害発生時の避難所運営支援など、地域の災害応急活動を担う防災ボランティアとして「防災サポーター」の登録も受け付けています。平常時は避難所や地域での防災訓練支援や防災啓発活動、スキルアップ講習会の受講を行い、地域防災力の向上に努めています。
新宿区では区民の約8割が集合住宅に居住しており、マンションの高層化も進んできました。大地震が発生した場合、中高層マンションでは大きな揺れのほか、エレベーターへの閉じ込めや給排水設備などの損傷、高層階住民の孤立など特有の問題が懸念されます。しかし、自主的な防災対策の重要性が指摘されています。マンション住民一人ひとりが備えをしておくことが大切です。
新宿区でも、マンション居住者や管理組合などが連携して防災対策を行えるように「中高層マンション防災対策ガイドライン」を策定するとともに、防災対策マニュアル『マンション防災 はじめの一歩』を配布しています。この中で、マンション居住者が行うべき防災対策や、自主防災組織の結成方法や活動内容、マンション自主防災組織の活動事例などを紹介しています。
『マンション防災 はじめの一歩』さらに、マンション防災についての専門知識を持つ「マンション防災アドバイザー」をマンション管理組合などに派遣する取り組みも行っています。「マンション防災アドバイザー」は、マンションに必要な防災対策や防災訓練などについて、実践的な助言や支援を行います。
「新宿」駅周辺の超高層ビル群「新宿」駅周辺にはオフィスや大規模ショッピング施設が集まり、昼夜を問わず活気にあふれていますが、大規模地震が発生すると大きな混乱が生じる可能性があります。東京都が2022(令和4)年に発表した「首都直下地震等による東京の被害想定報告書」では、「新宿」駅周辺地域で最大約40万人の滞留者が発生し、そのうち約3.7万人が屋外に滞留すると想定しました。
そこで、新宿区と交通機関、ショッピング施設、ビルの管理者などによる「新宿駅周辺防災対策協議会」を組織し、大規模地震発生時の対策を検討し、「新宿ルール」としてまとめました。そのポイントは「組織は組織で対応する(自助)」「地域が連携して対応する(共助)」「公的機関が地域を支える(公助)」の3点です。さらに、「新宿ルール実践のための行動指針」として「むやみに移動しない」「現地本部を中心に連携する」「地域で傷病者に対応する」の3つを示しました。
協議会では「帰宅困難者一時滞在施設運営マニュアル」や「滞在者等誘導マニュアル」といった各種マニュアルを作成し、啓発活動や訓練を行うなど、発災時の対応力強化を図っています。
このように新宿区では、帰宅困難者対策など「新宿」駅周辺の防災まちづくり、特有の課題を抱える中高層マンションの防災といった都市ならではの防災対策を含めた幅広い取り組みを行っています。
- 掲載日
- 2026/10/23
本記事は、(株)ココロマチ が情報収集し、作成したものです。記事の内容・情報に関しては、調査時点のもので変更の可能性があります。





