楽しいマイホーム・ライフも間もなく10年目を迎えようとしている野村夫妻。
2年前に第2子が産まれた美咲は、いまは会社を辞め、専業主婦として育児に専念する毎日。そんなある日のこと、仕事から帰宅した健太に、美咲が神妙な面持ちで相談を持ちかけてきました――。
ファイナンシャル・プランナー's アドバイス!
リフォームに備え、費用の準備は早めに
マイホームに長く住み続けるには、一戸建て、マンションにかかわらず定期的なメンテナンスが必要です。設備などの補修や交換だけでなく、生活スタイルの変化にともない、間取りを変更するなど大掛かりなリフォームが必要になることもあります。
10年後、20年後のリフォームに備え、早いうちから費用の準備を始めましょう。
●主に必要になるリフォーム
・壁クロスなど内装の変更
・キッチン・浴室などの水回りや住宅設備の交換
・屋根や壁など外装のメンテナンス
・間取りや収納スペースの変更
・和室を洋室になど、居室用途の変更
・省エネ化・バリアフリー化
など
●住宅のリフォーム時に利用できるローン
リフォームをする場合、金利の低さでは「住宅ローン」が有利ですが、少額のリフォームであれば、手続きの手間がかからず、手数料も少ない「リフォームローン」の利用が一般的です。
・「リフォームローン」
リフォームローンは、担保なしで借り入れできる無担保ローンです。審査もスピーディーで、抵当権設定の手続きも不要なので、融資までの日数が短いのがメリットです。借り入れできる額は、500~1,000万円程度と少なめで、返済期間は10~15年が上限です。住宅ローンに比べ、返済期間が短いうえ金利も高めなので、月々の返済額は多めになります。住宅ローンと同じ金融機関であれば、金利優遇を受けられるケースもあります。
・「住宅ローン」
多くの金融機関では、リフォームの場合も住宅ローンを利用することができます。リフォームローンに比べ金利が低いこと、返済期間を長くできることがメリットです。毎月の返済額を抑えたい場合には向いています。
ただし、土地や建物には抵当権が設定されるので融資までの時間がかかり、登記費用もかかります。住宅ローンが残っている場合は、原則追加での借り入れは難しいので、まずは借り入れ中の金融機関に相談を。
また、返済中の住宅ローンの借りかえを検討するなら、にリフォーム代も合わせて借りかえする方法もあります。
表1 「リフォームローン」と「住宅ローン」の主な違い
その他、「財形住宅融資」を利用することもできます。財形住宅融資は、1年以上継続して財形貯蓄をし、50万円以上の残高がある人なら利用できます。残高の10倍、最高4,000万円まで借り入れでき、金利は5年固定で銀行などのリフォームローンよりも低めです。
また、リフォームなら600万円まで無担保で借り入れすることが可能です。勤務先や条件によっては金利の優遇や、利子補給を受けられる場合もあります。
●耐震化やバリアフリー化の場合
都道府県や市町村によっては、助成金の給付や利子補給、また融資を行っているところもあります。特に耐震化や省エネ化、バリアフリー化といったリフォームを対象としたものが多く見られます。利用条件などは、各自治体の担当課やホームページなどで確認してみましょう。
(完)
今回の教訓
リフォームは必ず必要になる!費用の準備はできるだけ早く始めよう!
ローンを利用する場合は、住宅ローン、リフォームローンの中で有利なものを選ぼう!