住宅ローンの審査も終わり、あとは売買契約書に判を押すだけという段階に来た 野村夫妻のマイホーム購入奮闘記。
いよいよ明日は最終契約日という夜のこと、 リビングでテレビを観ていた健太が、 “マリッジブルー”の新婦のような、大きなため息をつきました。
大きな買い物を目前にして、またいろいろと不安が募ってきたようです――。
ファイナンシャル・プランナー's アドバイス!
火災保険・地震保険に加入するポイント
●補償対象は「建物」と「家財」に分かれている
火災保険の補償対象は「建物」と「家財」で、それぞれ分けて契約します。住宅ローン借り入れに際し必須とされるのは「建物」の保険ですが、自宅にある家具や家電製品、日用品などの家財についても損害を受けることがあるため、生活の再建を考え、家財についても検討すると良いでしょう。
●加入時の注意点は?
・必要な補償を吟味して!
火災保険は、火災だけでなく自然災害リスクや日常生活リスクなど幅広く保証してくれる、いわば「住まいの保険」です。
そのため、火災・風災・水災・盗難・家財など、幅広い補償がパッケージ化されたものもあり、このような商品は補償を細かく選ぶ手間はありませんが、建物の構造や、立地条件、生活環境などによっても必要な補償は異なります。
例えば、マンションだから水災の心配は無いので水災の補償は外すなど、必要な補償だけを選び加入すれば、保険料を抑えることもできます。
●火災保険で補償される主な損害
また、マンションなどの共同住宅では、階下の部屋に水漏れで損害を与えてしまうというようなトラブルも想定されます。
このような他人への賠償に備えるには「個人賠償責任補償」といった特約を付けておくと良いでしょう。個人賠償責任補償は、自動車保険など他の保険契約に付いている場合もありますので、重複しないよう確認してみましょう。
・契約は「再調達価額」で。保険金額の過不足に注意
火災保険の「建物」の保険金額は、もう一度同じ建物を取得できる金額、つまり「再調達価額」で契約するのが原則です。いくら保険金額を高く設定しても、保険金は実際の損害額までしか支払らわれず、余分に払った保険料は無駄になります。
反対に、保険料を節約しようと保険金額を低く設定すれば、支払われる保険金が損害額に満たないケースも出てきます。万一の場合に十分な補償が受けられるよう、適正な保険金額を設定しましょう。
・長期契約ほど保険料は割安に
火災保険は最長で10年の長期契約にすることも可能です。長期契約の場合、保険料は一括で支払います。保険期間が長いほど1年あたりの保険料が安くなる仕組みになっていますので、支払えるのであれば長期で契約するほどお得です。
・地震等に備えるには地震保険が必要
火災保険だけでは、地震等(地震、噴火またはこれらによる津波)を原因とする火災、損壊、埋没、流出による建物や家財の損害は補償されません。地震等による損害に備えるには地震保険が必要です。
損害保険会社で取り扱っている地震保険は、政府と民間損害保険会社が共同で運営するものなので、保険料や補償内容はどの保険会社であっても一律です(※)。なお、保険料は構造と所在地によって異なります。
地震保険は必ず火災保険とセットで契約します。保険金額は、火災保険の保険金額の30〜50%の範囲内で、建物は5,000万円、家財は1,000万円が限度、保険期間は最長で5年です。
図1 所得補償保険の利用例(会社員の場合)
今回の教訓
火災保険は「建物」「家財」は原則別契約。契約時に補償内容をしっかり確認しよう!
万一のときの保険だけど、掛けすぎは禁物!家計とバランスを考えて!