マーケット
オフィスマーケットレポート(2025年8月)
【東京都心5区 大規模ビル】
アナリストの視点
足元のオフィス需要は旺盛な一方で、米国の関税引上げによる景気への影響が懸念されている。今後オフィス需要が縮小する可能性はあるものの、経済動向がオフィスマーケットの需給バランスに影響し、それが各種データに反映されるまでにはタイムラグがある。この点も踏まえて、マーケットの変化には引き続き注意を払う必要があろう。
(基準日:2025年7月31日)
※東京都心5区: | 千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区 |
※大規模ビル: | 1フロア面積200坪以上の賃貸オフィスビル |
※空室率: | 貸付総面積に対する「現空面積」の割合 |
※潜在空室率: | 貸付総面積に対する「募集面積」の割合。既存ビルにおいて、テナント退去前を含む募集床が対象 |
※募集面積: | 各統計日において公開されているテナント募集面積の合計 |
※統計開始: | 1994年1月1日 |
Ⅰ.実質GDP成長率
2025年4-6月期。5四半期連続のプラス成長を予想
ニッセイ基礎研究所によれば、8月15日に内閣府が公表する実質GDP成長率(2025年4-6月期)は、設備投資や民間消費の伸びを背景に前期比年率プラス1.0%と、5四半期連続のプラス成長が予想される。7-9月期はトランプ関税による輸出の落ち込みで、マイナス成長の可能性があるとしている。(図表1)
Ⅱ.失業率
前月から横ばい。女性の就業者数は過去最高を更新
6月の完全失業率(労働力調査 総務省)は前月から横ばいの2.5%となった。有効求人倍率(厚生労働省)は前月から低下(=悪化) 、その先行指標である新規求人倍率は前月から上昇(=改善)した。女性の就業者数(季節調整値)は過去最高を更新している。(図表1)

Ⅲ.空室率・潜在空室率
5ヵ月連続の低下。空室率は2021年2月以来の1%台
空室率は前月比マイナス0.19ポイントの1.84%となり、2021年2月以来となる1%台に低下した。港区・新宿区を中心に空室消化が進んだことに加え、7月に竣工した複数の新築ビルが概ね高稼働だったことが背景となっている。潜在空室率は前月比マイナス0.34ポイントの3.59%となった。空室率・潜在空室率ともに5ヵ月連続で低下し、低下傾向が続いている。

Ⅳ.募集賃料
引き続き上昇傾向。20ヵ月連続で前月比上昇・横ばい
募集賃料は20ヵ月連続で前月から上昇または横ばいとなり、引き続き上昇傾向にある。都心部では募集床の品薄感が強まっていることから、特に立地条件等の競争力が高いビルの募集区画では複数の引き合いが生じ、募集条件を上回る賃料で成約する事例も見られる。

Ⅴ.募集賃料 対前年同月比
上昇ペースはコロナ禍前と同水準に
募集賃料の対前年同月比は、2024年2月から18ヵ月連続でプラスとなり、上昇傾向が続いている。プラス幅は7%台に達し、コロナ禍による需要縮小の影響が及ぶ前である2019年後半から2020年前半と同水準の上昇ペースを回復している。

Ⅵ.エリア別募集賃料(円/坪)




※規模 (1フロア面積) |
・大規模(200坪以上) ・大型(100坪以上200坪未満) ・中型(50坪以上100坪未満) ・小型(20坪以上50坪未満) |
※「-」は、調査時点においてテナント募集を行ったビルが少なかったため、適正データが算出できなかったエリアです。
Ⅶ.空室率の推移(6大都市 大規模ビル)

Ⅷ.募集賃料の推移(6大都市 大規模ビル・主要駅前地区)

※募集賃料:共益費込
※外税表示
提供:三幸エステート株式会社
会社HP:https://www.sanko-e.co.jp/
当レポートは情報提供を目的とし、情報の正確性に十分配慮して作成されておりますが、その内容を保証するものではありません。使用にあたっては貴社の責任と判断にてお願い致します。
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