2025/10/03vol.329
野村不動産ソリューションズ実勢調査による2025.10.1時点の首都圏「住宅地価格」の動向
野村不動産ソリューションズが3か月ごとに実施している「住宅地価格調査」から、その概要を報告いたします。
本報告は、「野村の仲介+(PLUS)」各店舗の営業エリアにおいて、調査地点を選択し、通常取引を想定して実勢価格を査定したものの要約です。
調査地点は限定されたエリアから抽出したものですので、本報告書の数値は都県全体の変動率を表すものではありません。
なお、「中古マンション価格」は『マンションデータPlus』にて、推定相場価格や周辺エリアの相場情報をご覧いただけます。
首都圏の住宅地価INDEXは21四半期連続で上昇
首都圏の上昇率は拡大、東京区部、東京都下、千葉県が上昇を牽引
首都圏の変動率は+1.3%(前回+0.5%)と、2020年第4四半期以降、21四半期連続で上昇しました。調査地点の動きをみると、値上がり地点の増加(前回48地点→今回61地点)、値下がり地点の減少(前回6地点→今回1地点)により、上昇エリアは拡大しています。
東京区部
東京区部の変動率は+2.1% (前回+1.2%)と上昇率が拡大し、2020年第4四半期以降、21四半期連続で上昇となりました。調査地点の動向をみると、値上がり地点が増加(前回35地点→今回42地点)しています。 都心5区では住宅地の供給量が少ない傾向が続いており、これが大幅な価格高騰に影響しています。マンションと比較した割安感から戸建を購入する動きが見られ、これも地価上昇に影響していると考えられます。また、都心周辺でも、都心5区と比較した際の割安感から顧客が流入しており、上昇傾向が継続しています。特に大規模複合開発等が計画されているエリアにおいては、今後の期待感から大幅な上昇がみられます。
東京都下
東京都下の変動率は+2.1%(前回+0.3%)となり、上昇率が大幅に拡大しました。調査地点の動向をみると、値上がり地点は増加(前回4地点→今回6地点)、値下がり地点は減少(前回2地点→今回0地点)しています。三鷹駅周辺では15%前後の大幅な価格上昇となっています。これは、三鷹駅周辺での新築分譲住宅の販売等が影響していると考えられます。その他のエリアでも、駅に近い等の好条件の物件を中心に売れ行きは好調で、これらが東京都下全体の価格上昇に影響しています。
神奈川県
神奈川県の変動率は+0.4%(前回+0.4%)となりました。値上がり地点は増加(前回6地点→今回7地点)、値下がり地点は減少(前回4地点→今回1地点)しています。多方面へのアクセスの良い横浜市港北区(日吉)は価格上昇が継続しており、2024年第1四半期以降、7四半期連続での上昇となります。一方で、茅ケ崎市では、住宅地の在庫が増加しており、これに伴い茅ケ崎市(茅ケ崎)の地点で、横ばいから値下がりに転じています。
埼玉県
埼玉県の変動率は+0.8%(前回+0.6%)で、価格の上昇傾向が続いています。特に再開発が計画され利便性向上が期待される大宮エリアでの価格上昇が顕著です。駅徒歩圏の物件を中心に販売が順調であること等が影響しています。浦和エリア・川口エリアでは横ばいですが、底堅い需要があり、価格は安定して推移しています。
千葉県
千葉県の変動率は+1.0%(前回+0.2%)となり、上昇率が拡大しました。調査地点の動向をみると、値上がり地点は増加(前回1地点→今回4地点)しています。東京都に隣接する浦安市の地点では引き続き価格上昇がみられます。また、JR 総武線沿線・つくばエクスプレス沿線でも上昇地点がみられ、これらの沿線では安定したマーケットを維持しています。
調査地点数:住宅地169
企画・編集:野村不動産ソリューションズ株式会社 流通事業本部 営業企画部 企画課
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