住宅ローンコラム 知っておきたい!住宅ローンテクニック

知っ得!住宅ローン控除のツボ

2016年11月09日

そろそろ年末が近づいてきました。年末といえば、住宅ローン控除の季節でもあります。今年住宅を取得して初めて住宅ローン控除を受ける人も、2年目以降の人も、知っておきたい住宅ローン控除のツボを取り上げます。

住宅ローン控除の概要を押さえよう

まずは、住宅ローン控除について概要を押さえましょう。
住宅ローンを利用してマイホームを購入した場合、所定の要件を満たせば住宅ローン控除を利用することができます。

住宅ローン控除の主な適用要件は次のような点です。すべて該当するかチェックしてみましょう。

□年収が3000万円以下
□自ら居住していること(床面積の1/2以上が居住用)
□床面積が50m2以上
□中古住宅の場合、戸建ては築20年以内、マンションは築25年以内。または、一定の耐震基準に適合するもの
□住宅ローンの返済期間が10年以上であること

上記のうち、「自ら居住している」ことは住民票の確認をするため、住んでいても住民票がない場合は対象にはなりません。

控除額は年末の住宅ローン残高の1%の額ですが、最大控除額は入居年や消費税率で異なります。一般住宅の場合、最大控除額は消費税8%または10%が適用される物件で年40万円、中古住宅の個人間売買(仲介)で消費税がかからないものは年20万円。認定住宅(認定長期優良住宅や認定低炭素住宅)の場合、消費税8%または10%が適用される物件で年50万円、消費税非課税の物件で年30万円となっています。中古住宅であっても、売主が不動産業者などの物件を購入した場合は消費税がかかります。

住宅ローンの控除額が所得税だけで控除しきれない場合は、一定の範囲で住民税を引いてもらうこともできます。
・負担する消費税が8%または10% ⇒ 所得税の課税総所得金額×7%(最高136,500円) ・消費税が非課税または5% ⇒ 所得税の課税総所得金額×5%(最高97,500円)

図表 住宅ローン控除の概要
居住開始年月種類適用される消費税率年末残高限度額控除率控除期間所得税からの控除合計最高限度額
平成26年4月~平成31年6月
一般
住宅
8%または10% 4,000万円 1% 10年間 400万円/年
5%または中古住宅でかからない 2,000万円 200万円/年
認定
住宅
8%または10% 5,000万円 500万円/年
5%または中古住宅でかからない 3,000万円 300万円/年

知っ得!ツボ<1>国税庁のサイトで自動計算できる

ここからは知っておくと、もしかしたらお得になるかもしれない情報を。

住宅ローン控除を受けるには、入居した翌年の3月15日までに確定申告が必要です。国税庁のサイトにある確定申告書作成機能を利用すれば、自動で計算できます。対面での申告を希望する場合は、確定申告シーズンに行われる税務署の相談コーナーを訪ねれば教えてもらえます。

「住宅ローン残高証明書」は一般的に11月頃に送られてくるため、しっかり保管をしておきましょう。会社員であれば、2年目以降は勤務先等の年末調整のみで済みます。

年末調整には、金融機関から送られる住宅ローン残高証明書だけでなく、1年目の確定申告後に税務署から送られてくる「給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書」や「年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書」も職場に提出する必要があるので、失くさないようにしましょう。

知っ得!ツボ<2>借換えで住宅ローン控除は増えない!

途中で住宅ローンの借換えをした場合に、住宅ローン控除の対象になるかどうかですが、借換え後の住宅ローンの返済期間が「10年以上」など住宅ローン控除を受ける条件をクリアしていれば、借換え後も住宅ローン控除を受けることができます。

ただし、勤務先の融資制度で無利子や極端な低利のものや、親族などからの個人的な融資などへの借換えは対象にはなりません。

住宅ローン控除を受けられる年数は、借換えをしても延びません。住宅ローン控除が10年の場合、5年経過時点で借換えをした際には、受けることができるのは残り5年間です。

借換えの際に諸費用なども含めて借りて住宅ローン残高が増えたケースでも、控除額は残念ながら増えません! 住宅ローン控除の対象となる残高は次の式で計算します。
控除対象残高=借換え後の年末残高×借換え直前の残高÷借換え直後の新たな残高

知っ得!ツボ<3>住民税が下がれば保育料が下がる場合も!

住宅ローン控除は、前述のように、所得税で引ききれなかった分を住民税から引くことになっています。住民税まで控除対象になって、住民税の「所得割」(標準税率10%)が下がると、実は住民税額に基づいて金額が決まる行政サービスなどが安くなるというメリットがあります。

代表として挙げられるのが、保育料です。各自治体で詳細は異なりますが、住民税額に応じて何段階かに保育料が設定されていることが多く、保育園に通うお子さんがいる世帯であれば、住宅ローン控除を受けることで住民税が下がれば、結果的に保育料まで下がる場合があります。思わぬメリットが生まれるということです。

知っ得!ツボ<4>住宅ローン控除と個人型確定拠出年金の関係

来年から主婦や公務員まで対象となることで話題になっている、個人型の確定拠出年金(愛称「iDeCo(イデコ)」)。自分で投資信託を選んで積立を行い、スイッチングも自分で行いながら、老後資金を作る仕組みです。掛け金が社会保険料控除となるため、所得税・住民税の節税対策としても活用できます。

住宅ローン控除で還付される所得税・住民税がない中では、掛け金による節税効果はないか、低くなってしまう可能性があります。では、住宅ローン控除があるうちは待った方がいいかというと、そうではないかもしれません。老後資金準備は早めにスタートをしておくべきですし、住宅ローンの残高はだんだん減っていくので、住宅ローン控除額も小さくなっていきます。10年経てば住宅ローン控除も終了します。また、iDeCoは途中で引き出すことができませんが、60歳以降に受取る際には、退職所得控除の対象になります。

知っ得!ツボ<5>住宅ローン控除を受ける人はふるさと納税に注意

実質的に2,000円の自己負担で、好きな自治体に住民税の寄付ができ、お礼として特産品などがもらえるということで人気の「ふるさと納税」。ワンストップ特例によって、確定申告が不要な給与所得者で、年間5自治体までの寄付は確定申告が不要になり、さらに利用が広がっています。

しかし、今年住宅ローンを借りて家を買った人をはじめ、住宅ローン控除を受けている人は、「ふるさと納税」は慎重に行いましょう。

住宅ローン控除によって住民税まで還付の対象になる場合ですが、ふるさと納税をする分の住民税が残っていないケースもあるからです。ふるさと納税をする分の住民税が残っていない場合は、ふるさと納税をしても寄付金控除で差し引く住民税がないということなので、単なる寄付となってしまいます。特に今年購入して住宅ローン控除を受ける方は要注意です。

ふるさと納税を行う場合、自身の住宅ローン控除額を試算し、また昨年度を参考に所得税額と住民税額を把握し、確認することが大事です。

詳しくは次回「住宅ローン控除」と「ふるさと納税」を利用する場合についてのポイントで紹介します。

住宅ローン控除をきっかけに、自分に関連するツボを押さえて、生活や税金のことにも広く目を向けてみるのもいいですね。

執筆者:豊田 真弓(とよだ まゆみ)

ファイナンシャルプランナー、住宅ローンアドバイザー
FPラウンジ ばっくすてーじ代表。経済誌・女性誌等のライターを経て94年よりFPとして独立。「家計の永続性」をテーマに、個人相談や講演・研修、雑誌や新聞、サイトへの寄稿、監修などを行う。「住宅ローン賢い人はこう借りる」(PHP研究所)、「50代家計見直し術」(実務教育出版)など著書多数。座右の銘は「今日も未来もハッピーに」。

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