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住宅ローンコラム お役立ちマネー講座

変動金利と固定金利、どちらを選ぶべきか

2015年10月07日

住宅ローンの金利プラン選択は、マイホーム購入時に多くの方が頭を悩ませる課題ではないでしょうか。総支払額を抑えたいという心情はどうしても働きますが、金額だけでなく自分自身が納得するための十分な検討をすることも非常に重要です。今回は金利プランを選択するときにチェックしておきたいことを考えていきます。

みんなはどれを選んでる?

住宅ローンの金利プランには大きく分けて「変動金利型」、「全期間固定金利型」、「固定期間選択型」の3種類があります。

「変動金利型」は、通常半年ごとに金利が見直されるプランです。景気が上向いたり、債券相場が下がったりすると借入金利も上がります。金利が変わるかも知れないリスクをとる分、一般的に利率は低くなります。

「全期間固定金利型」は、フラット35などをはじめとする、借入時に決めた金利が返済終了まで変わらないことを前提としたプランです。金利が低いときに「全期間固定金利型」で借入を行い、後から金利が上昇した場合などでは、結果的に「全期間固定金利型」を選んでおいたことが有利に働きます。

「固定期間選択型」は、2年、5年、10年など特定の期間については金利を固定し、固定期間終了時に再度金利プランを検討する借り方です。選択した固定期間が長いほど金利は高くなることが多いです。

住宅金融支援機構が行った「民間住宅ローン利用者の実態調査」によると、2015年5,6月期のローン利用者が選んだ金利プランの比率は「変動金利型」が38.4%、「全期間固定金利型」が34.7%、「固定期間選択型」が26.9%でした。

同データの2013年11,12月期から2015年5,6月期の1年半の平均を見ると「変動金利型」が約4割、「全期間固定金利型」が約3割、「固定期間選択型」が約3割選ばれています。「変動金利型」を選ぶ人がやや多いものの、皆さんそれぞれの検討があった結果、どのプランも一定数選択されていることがわかります。

「固定金利型」検討時のポイント

それでは、各金利プランを選ぶにあたっての注意点を考えてみましょう。
一番手堅い選択は「全期間固定金利型」といえるでしょう。他の金利プランに比べると利率が高いため一見魅力を感じづらいですが、返済当初からずっと利率が変わらないため返済計画を立てやすく、金利変動について心配する心理的コストを軽減させてくれます。

また、金利が高いと、同額のローン借入を行う場合でも、月々の返済額が多くなるため家計への影響を感じやすく、そもそも借入金額を多くし過ぎてしまうという、失敗も起こりにくくなります。

注意点としては、返済当初から他の金利プランに比べて金利が高いため、金利の相場が変わらなかった場合、結果的に総返済額が多くなってしまうことです。変動金利が年利0.775%、全期間固定金利が年利1.5%で、金利がずっと変わらなかったと仮定してみましょう。4,000万円の借入を行い、繰上返済などもなく35年間で完済した場合の総支払金額は変動金利で約4,568万円、全期間固定金利で約5,144万円と、約576万円の開きがあります。

また、通常の住宅ローンでは死亡や高度障害状態になった場合に生命保険金でローンが完済される「団体信用生命保険」の保険料は金利に含まれているケースが多いのですが、フラット35では団体信用生命保険の加入が任意であるため、住宅ローン返済とは別に生命保険料を支払うことになります。

住宅金融支援機構の団体信用生命保険で保険料を支払う場合、金利に換算すると年利0.35%程度にあたる特約料を支払うことになり、その金額も含めて比較をすると、総支払額の差はさらに開きます。

先ほどの返済プランで団体信用生命保険に加入する場合、特約料総額の目安は約278万円ですから、返済額とあわせた総支払額は約5,422万円(約5,144万円+約278万円)になります。よって「変動金利型」を選んだ場合との差額約854万円(約5,422万円-約4,568万円)を、将来の金利上昇を備えた保険として妥当と感じることができるかが判断のポイントになります。

この約854万円という金額は、変動金利の利率が今より下がらない場合、差額として最大の値になります。また、繰上返済を行えば、総支払額の差は少なくなります。

「変動金利型」検討時のポイント

「変動金利型」で返済する場合のポイントはどうでしょうか。「固定金利型」を選ばず「変動金利型」を選択するのは、総返済額を重視した判断の場合が多いと考えられます。途中でどのくらい金利が上昇すると、変動金利を選んだケースのほうが総支払額が多くなってしまうのかを確認してみましょう。

これまで見てきた4000万円を35年間で返済するケースを仮定して比較しましょう。「全期間固定金利型」は年利1.5%、「変動金利型」は年利0.775%で返済を始めるものとします。

変動金利を選び、当初年利0.775%で借り入れをしましたが、3年経過後の4年目に金利が1.775%に、さらに3年経過後の7年目に金利が2.775%に上昇し、以降は変わらなかったとしたらどうなるでしょうか。

この場合、繰り上げ返済などをしなければ総返済額は約5,908万円になります。「全期間固定金利型」を選んだ場合の総支払額は5,422万円のため、「変動金利型」を選んでいたことで支払いが多くなってしまう結果です。

このような場合は金利が「全期間固定金利型」の金利を上回る1.775%になる直前(今回のケースでは4年目直前)に約470万円の繰上返済を行うと、繰上資金と合計しても総支払額は約5,416万円となり、「全期間固定金利型」を選んだときよりもコストを抑えることができます。

挙げた例よりもさらに金利が上がってしまった場合は、「全期間固定金利型」を選択した場合と同程度の総支払額に抑えるための繰上返済資金が、より必要になります。

このように、「変動金利型」を選択した場合には、金利動向をチェックすること、金利上昇時には繰上返済を行う資金が準備できているなどの条件が整わなければ、十分にメリットを活かせないケースも出てきます。

「固定期間選択型」でも「変動金利型」と同様のことが起こります。仮に10年固定年利1.0%で借り入れを行った場合、ずっと金利が変わらなければ総支払額は約4,742万円です。固定期間が終了する11年目の金利が2.58%になっていて以降変わらなかった場合では総返済額は約5,424万円となり、「全期間固定金利型」を選んだ場合の約5,422万円を超えてしまいます。11年目のプラン選択時には金利2.58%がちょうど判断に悩む水準ともいえます。この時、「全期間固定金利型」と同等の総返済額に抑えるために必要な繰上返済額は約10万円です(総支払額約5,417万円に抑えられます)。

なお、11年目の金利が2.58%より高くなったり、以降さらに金利が上がったりしていく場合では、総支払額はより増えることになります。

固定期間が終わるまで金利の動向をチェックしつつ、いくらの繰上返済資金を準備するかを検討しておく必要がある点では、「変動金利型」を選んだ場合と同様の注意点があります。

金利の上昇局面では、変動金利に比べて固定金利の利率の方が先に高くなります。変動金利を選んでいて、あとから固定金利を選択する場合、借り入れ当初の固定金利よりも既に高い水準になっていることが予想されます。金利の動向をチェックするなどして、必要に応じた繰上返済を行える場合には「変動金利型」や「固定期間選択型」を選ぶことでメリットが出せることもあります。

逆に金利の動向を気に掛けることが負担に感じる人は「全期間固定金利型」を選択し、計画的に繰上返済を行うことで、総支払額を抑えていく方が安心して返済を行えるかもしれません。

金利が何年後にいくらぐらい上がると仮定したら、どのプランが有利かといったシミュレーションは、住宅ローンシミュレーションサイトなどでも行うことができます。営業担当者に何度も質問して、複数パターンのシミュレーションを行ってもらうのも良いでしょう。

選ぼうとしている金利プランで、いくつかのケーススタディを見比べて、より自分の考えに合う選択をできると良いですね。

執筆者:風呂内亜矢(ふろうち あや)

ファイナンシャルプランナー
26歳・独身のとき、貯金80万円でマンションを衝動買いしたことをきっかけにお金の勉強と貯金を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し賃料収入を得ている。テレビ番組のレギュラー出演など、各種メディアにてお金に関する情報を精力的に発信している。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士。

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