Vol.08 2009.06.04
もうすぐ梅雨ですね。この時期のメンテナンスで厄介なのがサッシ周りや浴室にこびりついた「カビ」。今回は、gooランキング調査による「行ったことがある家の中のカビ対策ランキング」をご紹介しながら、その対策について解説していきます。 |

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最も多くとられている対策は「換気」
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■行ったことがある家の中のカビ対策ランキング(gooランキング) 皆さんが行うカビ対策の第1位、2位、8位に「換気対策」がランクイン。やはりカビ対策には「換気」が大切ということをご存じで、ご自宅で実践していることがわかりました。 具体的な内容を見てみましょう。「入浴後、窓を開けて換気する」(1位)、「換気扇を回す」(2位)、「調理中・洗い物をする時は換気扇を回す」(8位)となっています。 カビは湿度が高いところを要チェック。結露が起こりやすいサッシ、北側の壁や押入れの中、そして浴室、洗面、キッチンなどに注意です。浴室はせっけんカスなどカビのエサがあるため特に発生しやすい場所です。 そんな場所に最適なカビ対策なのが、ランキングに最多登場した「換気」です。最近の新築住宅(戸建・マンション共)では24時間換気設備がつき、浴室、洗面所、トイレ、キッチンなどはさらに個別に設置されています。24時間換気は常に稼働しておき、使用中、使用後はそれらの室の各換気扇を回しましょう。 |
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少し前の住宅では24時間換気設備がなく、キッチン以外の水回りに換気扇がついていないケースも見受けられますが、その場合はたいてい窓がついているはず。換気扇または窓を開けて「換気」する。これこそがカビ対策で一番大切なことです。 換気時の注意点ですが、窓を開け放して外出したり就寝したりしないようにしましょう。特に1階や、2階以上でもバルコニーの近くで足場がある場合などは危険です。面格子がついていれば防犯性が高まりますが、絶対ではありません。そのような時は窓を閉め、換気扇を回しっぱなしにするだけでも効果があります。 |

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浴室のカビ対策
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浴室のカビ対策として「入浴後、バスルーム全体を冷水シャワーで冷やす」が4位にランクイン。この方法は、残ったせっけんカスなど「カビの原因」をシャワーで洗い流す効果と、浴室内の温度を下げる効果が見込めます。 シャワーをかけたあとは、やはり窓を開けたり換気扇を回して十分な換気を行ないましょう。少し手間ですが、お風呂の最後にタオルなどで水分を拭きあげておくと、カビの発生はだいぶ少なくなります。 |
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洗濯機のカビ対策
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次に洗濯機のカビ対策を見てみましょう。洗濯機も浴室と同じく、せっけんカスが残りやすく、水分があるのでカビが発生しやすい場所となります。 手ごわいのは洗濯槽の裏側など見えない部分にできるカビ。そこで「洗濯機を使わない時は、フタを開けておく」が3位にランクイン。皆さんやはり気になっているのですね。 フタを開けて乾燥を保つとともに「粉せっけんの溶け残りがない」ようにすることも大切です。お風呂の残り湯で洗濯すれば洗剤が溶けやすくなりますが、最近の洗濯機は少ない水量で洗う節水タイプになっているものが多く、溶けきらないで残ってしまうことも少なくないようです。事前に溶かしておくなどちょっとした工夫をするといいでしょう。 |
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洗濯後の乾燥については、洗濯機によっては「カビプロテクト」機能がついている製品もあります。洗濯が終了したら洗濯槽内をガガッと乾燥してくれる便利な機能です。そのような機能がなければタオル等で内部を拭いて、水分が残らないようにしましょう。終わったあとはしばらくフタを開けておき、洗濯機のある部屋の換気も行いましょう。 |

![[写真]井上 恵子 (いのうえ けいこ)](images/ph_guide.jpg)
今月のガイド:井上 恵子 (いのうえ けいこ)
住宅性能評価評価員。マンション設計に携わった経験も数多く持つ、一級建築士。