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Vol.04 2009.02.05

寒いマンション×暖かいマンション 断熱篇

住宅性能表示制度を利用する
まずは日本全国どこでも同じ基準で判断できる「住宅性能表示制度」を利用して見極める方法をお伝えしましょう。今では多くの分譲マンションで同制度を利用しているので、これが最も手軽で確実に見極める方法となります。

住宅性能表示制度を利用したマンションでは、モデルルームに「設計住宅性能評価書」が置いてあります。置いていない場合には取り寄せてもらい、必ず内容の確認をしましょう。

設計住宅性能評価書では建物の大切な性能部分を10区分に分けてその性能を評価しています。今回はそのうち「5.温熱環境」という項目をチェックします。等級は1~4まであり、数字の大きい方が「寒さに強いマンション」となります。
住宅性能表示制度を利用したマンションに使うマーク。マンションの広告をチェックしてみましょう。
「温熱環境」とは構造躯体の断熱・気密化、冬の日射の取り入れ効果、夏期の日射を遮蔽する対策など、住宅本体の効果について判断する項目です。合わせて結露の発生を抑える対策についても評価しています。その中でも一番評価の高い等級4は「次世代省エネルギーレベル」と言われ、厳しい基準をクリアしています。等級4と、ひとつ下の等級との大きな違いは「窓の性能」にあります。等級4を取るためには基本的に最低でも複層ガラスを採用することが条件となっているのに対し、等級3では必須ではありません(仕様基準による)。

「設計住宅性能評価書」を確認する時は、必ず購入予定の住戸のものを見せてもらいます。100戸あるマンションでは100通りの住宅性能評価書が交付されています。住戸の位置や階数で評価内容が変わることがあります。
外断熱マンションに着目
もうひとつの判断材料として「外断熱仕様」か「内断熱仕様」か、という判断の仕方もあります。現在ほとんどのマンションは建物の「内側(室内側)」に断熱材を施す内断熱仕様のマンションになっています。
内断熱マンションと外断熱マンションの違い
内断熱マンションと外断熱マンションの違い。
断熱材が躯体コンクリートの内側にあるか外側にあるか
が大きく違います。
それに対し、断熱材を室内側でなく外壁の外側に施してあるマンションを「外断熱マンション」と呼びます。特に躯体がコンクリートでできているマンションは、躯体の外側から断熱材で建物をすっぽり包んであげることで、コンクリートの蓄熱性を活かすことができます。その分省エネにつながることはもちろん、コンクリート躯体に蓄えた熱を少しずつ室内に放出するので、輻射による快適な暖かさを得られます。

外断熱マンションはもともと寒冷地である北海道で開発が進められました。まだ日本では数少なく、購入の際には施工実績や既にお住まいの方の声などを参考に優良物件を選ぶようにしましょう。お住まいの地域の特性にあっていることや、きちんとした施工がされているかを確認することも大切です。

今回は「寒さに強いマンション仕様」というテーマで断熱材に着目してきました。しかし断熱材だけでなく、窓の性能、建物の気密性、適切な換気計画も合わせてとても大切となります。
[写真]井上 恵子  (いのうえ けいこ)

今月のガイド:井上 恵子 (いのうえ けいこ)

住宅性能評価評価員。マンション設計に携わった経験も数多く持つ、一級建築士。

編集協力:All About

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