「さあ今年からマンションを探し始めよう」。そう思い立ったかたは多いのではないでしょうか？ ところが、いざ探し始めると、最初のうちは綺麗にコーディネートされたモデルルームに感動し、豪華な共用施設に驚かされ、一気に購入意欲が高まるものの回数を重ねるうちに、何を基準に選ぶかまったく考えてなかったことに気づき、徐々にマンション探しに疲れてくる方もいるようです。

特に、エリアを絞り込まず探している方は、物件の相場観も地縁もなく、ただひたすらモデルルームを回ってもピンと来ない。こんなことも起きたりします。

広さと予算が決まれば、選択肢が絞られてくる。たとえば新浦安で家族数が多いのは、広さと価格のバランスから

住宅購入は、結婚相手探しと似ていると言われますが、「2つを得ることはない」「タイミングや縁が大事」「何もしないとチャンスは少ない」「2度目はできれば避けたい」など確かに似ている点は多くあります。

結婚と違うのは、少なくともまず2つの軸が必要な事です。必要な軸は、広さと価格です。予算は、自己資金の多少やその人ごとに違ってきますし、広さは家族構成やライフステージによって異なります。

この2つを押さえておけば、ある程度広いエリアで物件を探したとしても、それなりのモノサシを持つことは可能でしょう。

一般的に予算は、家賃並みの返済をベースに考えるとされていますが、それだけでは十分ではないと思います。50歳での購入ならそもそも35年ローンを組むこと自体が難しいですし、所得が一定ある期間も限られます。

一つのモノサシとしては、今払っている家賃の20年分＋自己資金というのはいかがでしょうか？ 自己資金500万円で、年間150万円家賃を払っている方なら3000万円＋500万円が購入予算の目安となります。

ちなみに、3000万円を借り入れるとして金利2.5％で35年間の総返済額は、約4500万円ですので、これで家賃の30年分です。これなら現状の家賃でやりくりできているのであれば、支払いは何とかなりそうです。

家賃8万円＝1920万円（借入額）
家賃10万円＝2400万円（借入額）
家賃12万円＝2880万円（借入額）
家賃15万円＝3600万円（借入額）

今の家賃には少なくとも、自分の住まいに対する意識も反映されていると思いますので、一つの目安になるでしょう。当然30歳なのか、40歳なのかによって、掛け率も変わってくると思います。特に40歳を超えると退職までの期間が限られますので、より慎重な資金計画が必要です。

予算以上に難しいのが、広さの選択です。間取りの良し悪しは当然ありますが、家族構成に応じてある程度の広さは必要になります。

例えば、シングルの方が将来的に結婚するかもしれない、今は共働きだけど子供は将来2人ほしい、親と将来的に一緒に住むかもしれないなど、将来の不確定要素で、広さが決められないケースもあります。

理想は、今のプラス1のサイズを想定しておくこと。家族3人なら4人、2人なら3人、1人なら2人と融通が利く広さなら安心です。将来的な買い替えで対応する場合は、自己資金比率を上げる、返済期間を短く組むなど買い換えがしやすい資金計画が重要でしょう。