-
- ホーム
- 建物検索
- 土地検索
- 査定・売却
- コラム・知識
- 投資ローン・賃貸管理
不動産投資・収益物件 > 不動産投資の最新動向 > マスメディア報道とは違う?不動産投資ローンの現状(2ページ目)
不動産投資の物件選びのポイントや不動産投資の出口戦略、利回り・不動産価格・マーケット情報など不動産投資に関する最新動向をわかりやすく解説いたします。
2017年5月23日
ローンの借り換えも、以前と変わらず活発です。むしろ新規の融資よりも各金融機関が力を入れているともいえます。
メガバンクや有力な地方銀行は富裕層を主要なターゲットとしているため、サラリーマン投資家に対しての新規融資は厳しいのが現状です。しかし、借り換えについては、サラリーマン投資家からの依頼にメガバンクや有力地銀も応じてくれるケースがあるのです。
これには二つの理由が考えられます。
一つは、借り換えの申し込みをする賃貸オーナーは既に何年かの返済実績を作っていることです。これが信用の強化につながります。もちろん、収支に問題がなく、キャッシュフローが黒字になっていることが前提です。
二つ目は、3~5年くらい返済すれば、元金がある程度まで減っていることです。新規購入の当初はフルローンで組んでいたとしても、借り換えるときに必要な借入額は物件価格の7~8割に減っているわけです。つまり、メガバンクがもとめる頭金1~3割相当という条件をクリアしているともいえます。
最近、3件の収益物件を持つサラリーマン投資家が、全ての物件のローンを借り換えた例がありました。
最初に買ったときは、3~4%の高金利で融資を組んでいましたが、すべての融資をあるメガバンクに一本化し、1%台の借り換えに成功したのです。金利負担が2%前後も軽くなり、キャッシュフローが劇的に改善しました。
なお、借り換え時には、各種手数料に加えて、元の融資先に対する短期一括返済のペナルティがかかることがあります。こられの諸費用を含めてメリットがあるかどうかを検討しましょう。
また、物件の条件によっては、借り換えができない場合もあります。
たとえば、築10年の木造アパートを購入して5年後に借り換えをしようとすると、残った耐用年数は7年しかありません。返済期間を残存耐用年数以内にする金融機関が多いため、融資を受けるのが難しくなるわけです。
なかには耐用年数を超えた長期の融資をしている金融機関もありますので、個別に検討してみる必要があるでしょう。
以上のように、首都圏の金利水準や金融機関の融資姿勢は、新規・借り換えともに、まったく悪化していません。不動産向け融資が抑制されるかのようなマスメディアの報道とは、ズレがあるようです。
地主が賃貸住宅を新築する場合の「アパートローン」と、既存の収益物件を購入する時の「不動産投資ローン」を区別せず、十羽ひとからげに論じられていることが、混乱する原因の一つともいえます。
表面利回りの高さに惹かれて地方物件を検討している場合には、融資環境が厳しくなっていると感じるかもしれません。
しかし、それはあくまでも、そのエリアの空室率が高まって収支に赤信号がともっている物件だから、融資承認が下りにくいと考えたほうが妥当でしょう。賃貸ニーズのあるエリアで収支に問題のない物件をきちんと選べば、借り入れが難しいということはないはずです。
過剰融資によって、返済不能になる「デフォルト」が増えるという報道もあり、一部では、そのような例もあると聞いています。しかし、全体的な傾向ではないと考えてよいのではないでしょうか。
ある地方銀行の定期的な調査では、不良債権になっている事例は、マイホームとワンルームマンションなどの区分物件が中心で、投資用の一棟物件はほとんど含まれていないことが判明しています。不良債権というのは返済の滞っているデフォルト・リスクのある案件です。
日銀『金融システムレポート』でも「不動産市場は全体として過熱の状況にはない(中略)不動産市場に負のショックが発生しても、金融システム全体に与える影響は限定的」と指摘しています。
マスメディアの報道は、情報源やリスクの可能性として活用はするべきですが、そのために不動産投資を必要以上に恐れるのはナンセンスでしょう。
現在、物件価格のほうは右肩上がりから横ばいに移っていますから、焦らずに購入判断ができる状況といえます。こういう時期こそ、基本に立ち返って、エリアと物件を吟味して、良い物件に出会えるチャンスを逃さないようにしてください。