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不動産投資・収益物件 > 不動産投資の最新動向 > どうなる?2016年の不動産投資市場(2ページ目)
不動産投資の物件選びのポイントや不動産投資の出口戦略、利回り・不動産価格・マーケット情報など不動産投資に関する最新動向をわかりやすく解説いたします。
2015年12月14日
まず金融情勢からみてみましょう。「下がる余地がない」と言われ続けた超低金利は、2015年も一段と加速しました。経済成長率がマイナスや1%以下の低い水準にとどまるなど、景気は足踏み状態にありますから、2016年に急に金利が大幅にあがる可能性は低いと考えられます。
米国FRBの年内利上げは濃厚になりましたが、インフレ目標になかなか近づかず、且つ、消費税増税を控えている日本では、米国に追随していくことは現実的でないと考えられます。
金融機関の積極的な融資姿勢についての変化は当面なさそうです。さらに、2015年後半ごろから、メガバンクは1%を切る低水準での融資を拡大しています。それらに対抗するかのように、地方銀行や信用金庫が投資物件向けの融資について、これまでにない特色を出しています。
たとえば、従来は融資対象となりにくかった築年数の古い木造アパート、築30~40年以上のマンションにも長期融資をする金融機関が現れています。金利は2~3%台と少し高めですが、融資条件はかなり柔軟になっているのです。これほど投資物件向け融資のラインナップが増えたことは、過去10年振り返ってもありません。
サラリーマン投資家も、以前よりフルローンが組みやすくなっています。地方銀行の大型合併や統廃合の動きは続いていますので、生き残りのために新規融資を獲得しようという競争はますます激しくなるでしょう。そうなると、借り手にメリットのある融資が増えてくる可能性は高いと思います。
こうした融資環境の追い風もあってか、最近は、初めて不動産投資を行う人も増えていると感じます。新築アパートをフルローンで購入するケースも少なくありません。都市の中心部から外れた、利回りが高めの中古物件にも融資の道が開けてきましたので、選択肢が広がってきたといえるでしょう。
投資物件の価格・利回りはどうなるでしょうか。前ページで利回りの低下傾向に歯止めがかかるエリアが出てきたといいましたが、都心部の一棟マンションの利回りは下落傾向のままです(但し微減でほぼ横ばいに近い)。ただ、今後さらに大幅に価格が上がる可能性は低いのではないかと思われます。
都心部では、すでに表面利回りは4%前後になっています。これ以上利回りが低下すると、ローンを使わずに現金で取得したとしても収支が合いにくくなってきます。売り物件も多数出ており、購入意欲の高い投資家層も少なくありませんが、相場より高い物件には手を出しません。
「もはや価格上昇は頭打ちになってきた」という指摘も増えています。今後、さらに値上がりする条件としては、経済が成長軌道に乗って給料が上がり、賃料の負担能力が高まり、家賃相場が上昇するようになってからでしょう。
逆に2020年の東京五輪前後に価格が大幅に下がるという見方もあります。ここ4~5年で都心部の不動産価格は、タワーマンションなどモノによっては、2倍に上昇しているものもありますから、その反動がまったくないとは考えづらいでしょう。しかし、2倍になったものが2分の1になるかというと、それも考えにくいと思います。1~2割の下落調整で収まるとみています。
というのも、リーマンショック後に一時急激に不動産価格が下落しましたが、値下がり傾向はそれほど長く続きませんでした。価格が下がって利回りが1%くらい上がると、必ず買い戻しが入るのです。市場の調整機能が働き、歯止めがかかるわけです。現状でも、準都心エリアでは、多少の価格調整が入って利回りが少しでも上がると相対的な割安感が出るため、すぐに買い付けが入ります。
こうした意味で、2016年は、エリアによって多少の価格の上下はあるにしても、これまでのような激変は起きにくいと予想されます。低金利で融資環境も悪くありません。新たに不動産投資を始めるにしても、資産を組み替えるにしても、落ち着いて物件を探せる年になるのではないでしょうか。