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不動産投資・収益物件 > 不動産投資の最新動向 > 目的と物件種別で決まる「不動産投資の出口戦略」(2ページ目)
不動産投資の物件選びのポイントや不動産投資の出口戦略、利回り・不動産価格・マーケット情報など不動産投資に関する最新動向をわかりやすく解説いたします。
2014年2月24日
どんな不動産を購入するかによっても、何年後に出口を考えるべきかが変わってきます。その際にポイントになるのは「その物件を次に買う人が何年のローンを組めるか」という点です。それは、金融機関が、建物の築年数によってローンの融資期間(借入期間)をある程度決めているからです。
たとえば、新築の木造アパートを購入するときは、概ねどの金融機関でも最長30年の借り入れが可能ですが、築5年くらいになると25年が最長になります。さらに築10年を超えてくると、都市銀行など一般の金融機関では融資期間が急に短くなってしまいます。最長10~15年以内というケースも珍しくありません。
しかし最低でも20年のローンを組めないと、返済負担が重くなってキャッシュフローが悪化するため、購入できる人が少なくなります。つまり、購入者が長期ローンを組めない物件は売却しにくくなります。「出口」が狭くなるわけです。
現在、一部の金融機関は、築年数に関わらず最長30年のローンを扱っていますが、これは最近の金融緩和の情勢に応じた一時的なものである可能性があり、いつまでもこのような商品があるとは限りません。しかも対応している金融機関は少数です。そのため、新築木造アパートを買った場合は5年程度、25年のローンが付けられる時期までに出口を設定するのが理想的でしょう。
鉄筋コンクリート造の1棟マンションなどの場合は、ローンの融資期間は「法定耐用年数の47年-築年数」で計算されるのが一般的です。築20年なら、27年が最長です。そのため、法定耐用年数があと何年残っているか、つまり「残存耐用年数」がポイントになります。
仮に、1棟マンションを築20年のときに購入したとしましょう。その後、出口を想定せずに10年以上所有すると築30年を超え、その時点では最長でも17年以内のローンしか組めません。その結果、売却しにくくなり、出口が極端に狭くなります。なるべく20年返済のローンが組める5~7年後までに出口を考えておいたほうが賢明です。
ここまで、目的や物件によって出口戦略が変わることを解説してきました。これは「入口段階」での選択です。投資家の中には、入口を過ぎただけで成功したと思い込み安心しきっている人や、中長期に保有することを前提に管理会社に任せきりにしてしまう人もいます。
しかし、想定していたよりも稼働率が悪くなるなど、入口の後に苦労する可能性もあります。そのまま放置していると、家賃を値下げして利回りが下がり、出口の売却価格が予想を大幅に下回ってしまうかもしれません。やはり、入口から出口までの途中期間にも、運用状況に注意してフォローしておくことが大切です。
また、ある程度まで投資の経験を重ねていくと、出口戦略は考えるべき要素がいろいろ出てきます。資産形成としてスタートしても、時間がたてば節税対策や相続対策が関係してくるでしょう。資産が一定規模以上に増えてくれば、長期保有するものと短期間で売却・組み換えるものなど、資産ごとの個別の戦略だけでなく、組み合わせて全体で考える必要も出てきます。
このように総合的に考えていくことは、なかなか個人では難しい面もあるでしょう。何棟も収益物件を所有して知識も経験もあるベテランオーナーでも、年に一度は連絡をしてきて「今の市況はどう?」「金融機関の姿勢は?」「今こんな検討をしているけど、どう思う?」などと質問されます。購入後も、出口戦略に関わる売買市況の情報や客観的なプロのアドバイスを必要としている、ということでしょう。
次回は「もし出口までの間に想定外のことが起きたらどうなるか」「どうリカバリーすればいいか」について考えます。