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不動産投資・収益物件 > 不動産投資の最新動向 > 不動産投資なら『脱サラ』も『本業両立』も可能?(3ページ目)
不動産投資の物件選びのポイントや不動産投資の出口戦略、利回り・不動産価格・マーケット情報など不動産投資に関する最新動向をわかりやすく解説いたします。
2018年2月22日
――脱サラせず、大家業を副業としてサラリーマンを続ける選択肢もありますね。
長岐:ええ、私の投資塾で教えている生徒さんの中には、サラリーマンの仕事が楽しいので続けたいという人もたくさんいます。たとえば、ある研究職の女性は、すでに大家業の収入のほうが給料よりも多くなっていますが、会社は辞めていません。特許に関わる研究開発は大企業でなければできないからです。
――必ずしも「収入が多い=本業」ではないわけですね。やりがいを感じている仕事を本業と呼んでもいいでしょう。
長岐:彼女は、大家業を始める前は給料だけに縛られていたので、上司のパワハラを受けたり、人間関係で嫌なことがあったりしても、「会社をクビになったらどうしよう」と我慢して、うつ状態になっていたそうです。副業で稼げるようになってからは、上司に対してもハッキリと意見が言えるようになった。サービス残業もやらず、同僚との飲み会も避け、本当にやりたいことだけをやり、専門分野を究めています。精神的にプラスになって、何事もポジティブに考えられるようになったことから、役職も上がって出世しました。
――素晴らしい効果ですね。
長岐:なぜかというと、大家業によってリーダーシップを身に付けられるからです。たとえ「一人大家」でも事業主や経営トップとして判断し、外注業者や専門家とチームを組んで指示を出さなければいけません。雇われの身で上司の指示に従う「サラリーマン・マインド」とは違います。
――なるほど、「経営者マインド」を養えるわけですね。本業か副業かにこだわる必要がないかもしれません。いわば"複業"とでも呼べる発想ですね。
長岐:お金があれば幸せになれるわけではありません。人それぞれに最低限必要な生活費は違うでしょう。そのレベルをクリアする「自分のセーフティネット」を作る手段として、安定収入を得る仕組みを誰でも作れる大家業は適していると思います。
――長岐さんの塾生さんの中で、ユニークな事例はありますか。
長岐:やはり大企業でインフラ関連の仕事をしていたエンジニアで、在籍中に不動産投資を始め、本業以上の収入を得ていた方がいます。会社で肩たたきの対象となったものの、「まだまだ自分のスキルを活かせる場がある」という自負があり、早期退職してJICA(独立行政法人国際協力機構)のシニア海外ボランティアに応募し、アジアの新興国でインフラ整備をする道を選びました。
――その方のご家族は、どうしていらっしゃるんですか。
長岐:大学生のお子さんがいるので、奥さんとともに日本に残っています。生活費はすべて不動産収入で賄っているそうです。副業で生活の糧を得ながら、ボランティアとして社会貢献することを本業としているわけです。サラリーマンでも会社経営者でもできない、時間を味方にできる大家業ならではの良い生き方ですよね。好きなことを職業としている象徴的な事例ではないでしょうか。
――なるほど、不動産投資の多様な可能性が感じられます。現在、塾生は何人ぐらいですか。また、その構成は?
長岐:全国で約600名、年齢層は20代から60代までいます。職業も、サラリーマンと公務員が中心ですが、自営業者や会社経営者、専門職から、主婦や学生までさまざまです。本業は自分と似た年齢や境遇の人に囲まれることが多いですが、大家さん同士のコミュニティは、幅広い人と知り合えるのもメリットですね。
――実に多彩ですね。これほど幅広い層に受け入れられている不動産投資の奥深さを感じます。本日は、どうもありがとうございました。
撮影/萩原昌晃