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不動産投資・収益物件 > 不動産投資の最新動向 > マイナス金利政策後の不動産投資ローン事情(2ページ目)
不動産投資の物件選びのポイントや不動産投資の出口戦略、利回り・不動産価格・マーケット情報など不動産投資に関する最新動向をわかりやすく解説いたします。
2016年6月21日
今回のマイナス金利政策では、不動産投資ローンの「借りかえ」も急増しました。金利2~3%で融資を組んでいた投資家が、メガバンクによる1%以下のローンに借りかえた例は珍しくありません。なかには、2%から0.5%に借りかえることができ、売却計画を取りやめたケースもあります。
しかし、金利が低いから借りかえたほうがトクになるとは限りません。住宅ローンで借りかえにメリットがあるかどうかの判断目安は、「金利差1%以上、残債1000万円以上、残存期間10年以上」といわれます。借りかえ先の融資手数料や抵当権設定登記の費用など、経費がかかるため、金利差が小さかったり、残債が少なかったりすると経費倒れになるからです。
不動産投資ローンも基本的には同じような考え方ですが、加えて、元の融資の一括繰り上げ返済に対するペナルティを考慮に入れる必要があります。通常は、固定期間中の繰り上げ返済は原則禁止、実行する場合はペナルティを課す金融機関がほとんどです。なかには数百万円から数千万円になるケースもあります。
しかし不動産投資ローンの借りかえでは、ペナルティや諸費用を含めた融資をしてくれるケースが多いため、現金を用意する必要はほとんどなく、これらのコストは経費にも計上できます。そのため、ペナルティの金額によっては借りかえを検討する価値があります。
さらに、金利が下がって元金の減り方が速くなるため、ペナルティ分を1~2年で吸収できる例も珍しくありません。キャッシュフローも改善するため、賃貸経営としての財務状況が安定し、次の投資に向けた資金の蓄積も進みます。
以上の点を踏まえて、トータルで借りかえのメリットがあるかを具体的に試算してみることが大切です。
昨今のマイナス金利政策の下では、「繰り上げ返済」についても見直す必要があるといわれています。繰り上げ返済とは、元金の一部をまとめて支払うことによって、利息の軽減と返済期間短縮のメリットがある手続きです。
収益を生まないマイホームの場合は、余裕資金ができたら繰り上げ返済に回して、早く借入金を減らすことがすすめられていましたが、マイナス金利時代にはそれも見直されています。マイホームには、ローン残債の1%分の所得税等が、10年間に渡って控除される「住宅ローン減税」があるからです。もしも1%以下の低い金利で住宅ローンを組んでいるなら、支払う金利より返還される税金のほうが多くなることがあります。
一方、不動産投資ローンの場合は、当然、住宅ローン減税は適用されません。また、一部繰り上げ返済にペナルティがかかるため、メリットはあまり感じられません。ただ、なかには実行している人もいます。デフォルト(債務不履行/返済不能)・リスクが減ること、出口が取りやすくなることなど、一定のメリットはあるためです。これについては損益の問題というよりは、投資に対する考え方の違いといえるかもしれません。
今回のマイナス金利政策によって変化した金融情勢を、不動産投資に有利に活かしていくといいでしょう。