【中央区】全国に先駆けた高層マンション向け対策のほか、オフィス向けにも力を入れる中央区の防災対策
日本橋三越本店中央区はその名の通り、東京23区のほぼ中央に位置し、千代田区や港区と並び「都心3区」の一つに数えられています。江戸時代から400年以上にわたって文化・商業・情報の中心として発展を続けてきました。
南は東京湾に面し、東は隅田川を挟んで江東区や墨田区に、西は旧汐留川と旧外堀を境に港区、千代田区に、北は台東区にそれぞれ接しています。区域の大部分は江戸時代以降に埋め立てられた土地で、起伏が少ないことが特徴です。
現在の中央区は1947(昭和22)年に日本橋区と京橋区が統合されて誕生しました。日本橋は江戸時代に整備された五街道の起点とされました。周辺では商業が盛んになり、現在も老舗の百貨店などが集まります。
銀座も日本を代表するショッピングタウンで、高級ブランド店が並び、海外からの観光客も行き交います。魚市場の文化を受け継ぐ築地、下町情緒と高層マンションが共存する佃や月島、東京2020オリンピック競技大会の選手村が設けられた晴海などさまざまな魅力を持つ街があります。
一方で、川に囲まれ、埋立地という特徴を持つため、地震や水害などに備えた防災対策が実施されています。
パンフレット「わが家わがまちの地震防災」中央区では、さまざまな防災情報をまとめた「中央区防災ポータルサイト」を開設しています。ここには区内に発令されている避難指示や気象警報・注意報のほか、防災拠点(避難所)、帰宅困難者一時滞在施設、緊急医療救護所等の一覧や地図へのリンクが掲載されています。防災パンフレットや防災マップ、ハザードマップといった防災に関する情報を掲載した資料もまとめられています。
災害時に区民が適切な行動をとるための啓発パンフレットとして、「わが家の地震防災計画」や「わが家わがまちの防災ハンドブック」が作成されています。「わが家の地震防災計画」は地震発生時の行動や備蓄品が紹介され、それぞれの家庭で準備する食料・物資や地震発生時の行動計画を書き込めるようになっています。
「わが家わがまちの防災ハンドブック」は区や地域の防災対策について説明したもので、自宅など室内で想定される被害やそのために必要な対策にも触れています。
中央区防災マップ指定避難所や指定緊急避難場所、防災拠点など災害時に必要となる施設の場所をまとめた地図が「中央区防災マップ」です。
指定避難所は災害により、自宅での生活が困難になった場合に一時的に滞在する場所です。指定緊急避難場所は災害の危険から逃れるために避難する場所で、災害の種類ごとに指定されています。防災拠点は自宅で生活できなくなった人を受け入れる避難所、救出・救助用の資機材を配備し、支援物資の配布を行う地域活動拠点、負傷者の応急手当や応急処置を行う医療救護所、地域の被害状況やライフライン状況を提供する情報拠点の機能を持ちます。
「中央区防災マップ」には給水拠点や防災用井戸、防災船着場といった災害時に役立つ施設の場所も記載されています。
中央区洪水ハザードマップ(隅田川・神田川・日本橋川版)災害が発生した際の被害想定を示したハザードマップとして、「中央区洪水ハザードマップ」が作成されています。
これは1,000年に1回程度起きる想定最大規模の大雨により河川が氾濫した場合の浸水の範囲・深さを表したものです。「隅田川・神田川・日本橋川版」と「荒川版」の2種類があり、洪水時に利用できる避難場所も示されています。それぞれのハザードマップの情報面では、洪水に関する情報の取得方法や必要な備え、避難のタイミングや注意点なども解説されています。
日本有数の繁華街、銀座周辺も含む中央区大規模災害が起きた際は行政や防災関連組織の対応能力を超える可能性があります。そのため地域の防災力強化も重要です。中央区内の防災拠点ではそれぞれの町会・自治会や防災区民組織が運営する「防災拠点運営委員会」が結成されています。
この委員会は、平常時には活動計画のブラッシュアップや防災訓練実施、地域のオフィスなどとの防災協力体制構築などを行い、災害時には避難所運営や負傷者・要介護者の支援、食料・物資の受け入れ・配布などを担います。防災訓練では、実際に間仕切りテント組み立てや携帯トイレ設置、応急手当、炊き出しなどを行い、災害時でも速やかに対応できるようにします。
マンションに住んでいる住民が多いため、区では全国でも早くからマンションの防災対策に取り組んできました。マンションは耐震性が高く、大地震発生後も安全が確保できる場合は、住み慣れた自宅で生活を続ける在宅避難が推奨されています。ただし、ライフラインやエレベーターが停止し地上への移動や食料調達が困難になるなど、マンションならではの被害も想定されます。
そこで、「マンション防災マニュアル」の作成支援や「マンション防災講習会」の開催などさまざまな取り組みを行っています。また、防災組織結成や防災マニュアル作成といった積極的な防災対策を行っているマンションを「中央区防災対策優良マンション」として認定し、防災資器材の購入費と防災訓練の経費を助成しています。
区内にはオフィスが多く、首都直下地震が起こった場合に帰宅困難者滞留が予想されます。そのため、事業所防災対策にも力を入れており、パンフレット「すべての働く人へ 事業所防災 ~事業所を守り、地域を支えるために~」を作成するなど啓発を行っています。さらに「中央区帰宅困難者対策協議会」設置や「帰宅困難者一時滞在施設」の指定など帰宅困難者対策も実施しました。
中央区では地域の防災活動のリーダーとなる人材育成を目的として、「防災士資格取得費用助成」も行っています。また、区内在住・在勤者向けに、参加無料の「防災講演会」を開催しています。毎年さまざまな角度から講演テーマを設定し、各分野の専門家を講師に招いています。オフィスが集中するという地理的特徴から、企業の事業継続に必要な防災対策がテーマになったこともありました。
災害時には女性に対する配慮が行き届かない場合もあります。そこで、女性に必要な災害対策を進めるため、「女性防災リーダー養成講座」が開かれています。ここでは地域防災に女性の視点を取り入れ、多様性に配慮した避難所運営の方法などを学べます。
マンションやオフィスビルが集まる中央区の特性から、高層建築物向けの対策に注力しながらも、各地域・家庭での備えも進められるように、さまざまな取り組みが行われています。
- 掲載日
- 2026/07/15
本記事は、(株)ココロマチ が情報収集し、作成したものです。記事の内容・情報に関しては、調査時点のもので変更の可能性があります。





